« 【朝日杯フューチュリティS】素直に◎サダムパテック | トップページ | 今年も1年がんばった »

2010/12/26

【有馬記念】逆転候補は内枠に

Buena_vista_at_jc_2010

JC降着の汚名返上に燃え、年末最後の大一番に臨む女傑ブエナビスタ。その一挙手一投足に注目が集まるのは当然のことと思うが、単勝1倍台・1強断然ムードの下馬評には、いささかの違和感を覚える。不安の種は、過去の戦績のなかに見いだすことができる。この女傑、案外と取りこぼしが多いのだ。
特に気になるのは、距離二千メートル以上・右回りという今回と同じ条件設定で過去に6戦して僅か1勝(京都記念)しかあげていないという事実。通算4度の出走機会をすべて先頭で駆け抜けた得意の左回り・府中コースとは対照的なこの戦績は、やはり気がかりな材料だ。なるほど、昨年の有馬記念を歴代優勝タイムと遜色のない優秀な時計で走破した実績を考えれば、右回りの中山イコール苦手コースと烙印を押すことはできない。だが、2周目の向正面から各馬がスパートを開始して、そこからゴールまでおよそ1000メートル以上も脚を使う耐久戦になりがちな有馬記念は、ブエナビスタが最も得意とする決め手勝負の展開とは様相を異にする一戦になる。ディープインパクトを彷彿とさせる決め手が売りの女傑といえど、けして楽観は許されないだろう。
今年の枠順は内枠に先行タイプが、外枠に差し・追込タイプが揃い、典型的な逃げ馬が不在。これなら各馬の隊列は1周目の4コーナーまでにあっさりと固まり、レースの流れは前半からスローペースに落ち着いてしまうのかもしれない。だが、スローになれば、それを見越し2周目の向正面でマクリ気味に仕掛けてくる馬もいるはずで、いずれにせよ勝負所からタフな展開が待っている。直線に向くまで各馬が待機を決め込む府中の中長距離戦とは質を異にする、中山らしい競馬になる。
ブエナビスタは昨年それを、ぶっつけ本番の乗り替わりと脚質転換で克服しているが、今年はスミヨンが安全運転を意識するあまり、3~4角大外をブン回していく策に出る可能性がある。これは中山コースで絶対にやってはいけない禁じ手。脚力の違いにものいわせ、一気に先頭を奪ってしまえば勝機もあるだろうが、内を回していく各馬に比べ相当な距離ロスを覚悟せざるを得ない。もしそんな展開になれば、他馬にも付けいる隙が生まれてくる。

Tosen_jordan_at_the_argentine_repub

ブエナビスタを負かす資格があるとすれば、例えば07年のマツリダゴッホのように、中山らしいそんな流れを味方につけることができるタイプだろう。前半は好位の内目で待機。3~4角勝負所で外をスパートする有力どころを見ながらインで脚をため、直線一気に突き放せる脚力を備えた馬が狙い目になる。
例えば、トーセンジョーダンはどうだろう。前走・アルゼンチン共和国杯の勝ち時計2分30秒0。過去にこのG2戦を2分30秒台で制した馬といえば、スクリーンヒーローアドマイヤジュピタなど後の長距離G1を制した本格派ステイヤーがおり、それらを物差しにすれば、G1通用の能力的な裏付けは十分。クラシック候補の呼び声も高かった2歳暮れに中山芝二千で2連勝している実績も強調材料で、本質的には府中の決め手勝負よりも中山の耐久戦こそが本領発揮の舞台だ。
強いといわれる3歳世代なら、外枠のペルーサよりも最内枠に入ったヴィクトワールピサのほうが怖い。この枠順+鞍上デムーロの手腕を持ってすれば、道中は終始内ラチに張り付いて、皐月賞の再現を狙うことも不可能ではない。
これ以外も、逃げると見られるネヴァブションや、成長著しいルーラーシップなどにも注目してみたいが、これらの各馬はいずれも内枠にひしめき合っている。どうやら、それが今年の有馬記念を占うポイントになりそうだ。
枠順とコース取りのアドバンテージを活かして立ち回る伏兵が、外からやってくるブエナビスタやペルーサに一泡ふかせる場面を想像しながら、スタートを待ちたいと思う。

<結論>
◎トーセンジョーダン
○ヴィクトワールピサ
▲ブエナビスタ
△ネヴァブション
×ルーラーシップ
×エイシンフラッシュ
×トゥザグローリー

馬券は、◎・○の単勝と3連単もしくは3連複の2頭軸流しを購入する予定。

12月 26, 2010 10年競馬予想・回顧 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33923/50402451

この記事へのトラックバック一覧です: 【有馬記念】逆転候補は内枠に:

コメント

いつも楽しみにしております。

今回はレース後に改めて読ませて頂いたのですが、ここまで展開を読み切っておられたことに驚愕です!

もちろん当たるのが良い予想ではありますが、ここは例え外れてても満足いく予想だと感じております。

本当に毎回、非常に為になる予想をありがとうございました。

来年も楽しみにしております。

投稿: SKYLI | 2010/12/27 20:37:28

SKYLIさん、コメントありがとうございます。
今年の有馬記念、手に汗握る好レースになりましたね。4角回って、トーセン・ヴィクトワールの2頭が先頭。「そのまま、そのままっ!」と思わず声が出ました。残念ながら、トーセンはそこまででしたが、ヴィクトワールピサの単勝を押さえていたので、ゴール前でも力が入りました。
ブエナビスタは、やはり府中コースでこそ花開く名牝だと思います。

投稿: 山城守 | 2010/12/29 2:17:23

コメントを書く