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2009/07/05

ウェルシュステラとミスティーク

Stellar_lead土曜日の札幌競馬。4レースに組まれていたメイクデビュー新馬戦で、幸運にも当ブログのひとくち出資馬が優勝を飾ることができた。スペシャルウィーク産駒の牝馬・ステラリード(栗東・森厩舎所属)。中団外の位置から直線入口で先行勢を射程に捕らえると、鋭い決め手を繰り出して先頭に立ち、ゴール前は手綱を抑える余裕の勝利だった。仕上がり早の2歳牝馬らしからぬ横綱相撲の競馬に、鞍上の岩田騎手もすっかりご満悦の様子。「仕掛けたらいい反応でピューッと伸びてくれました。スピードだけで押し切るような内容ではありませんでしたので、距離が延びても大丈夫なのではないでしょうか」と、手応えを感じさせるコメントを残している。
とはいえ、この馬の場合、レース前の下馬評は5番人気と決して高くはなかったし、陣営の発言も、強気と弱気が交錯する微妙なトーンに終始していた。カリカリした気性ばかりが先走って、肝心の馬体がなかなか増えてこなかった育成時の経過。それを思い起こせば、何とか早期デビューにこぎ着けたものの、果たしてどこまでやれるものか?と、出資者の自分も半信半疑だったことを白状しよう。
また、この馬の場合、募集当時から広尾の会員にあまり好意的な目で見られていたとは言い難い。会員たちが集うネット掲示板では、「右前脚がひん曲がっている」とか「動画でチェックして歩様に納得できたらどうぞ」とか散々な評判であり、そんな風評が災いしたせいか?出資口数はなかなか埋まらず、約1か月前の入厩寸前まで残口が残っているほどの不人気ぶりだった。
まるで、みにくいアヒルの子のような2歳牝馬。それでも、当ブログ管理人がリスク覚悟で出資に踏み切ったことには理由がある。旧サウスニアの時代、クラブ所属馬として1000万下クラスを走っていた同馬の母ウェルシュステラに、ひとかたならぬ愛着を感じていたからだ。

Welsh_stellar_at_the_last_run_2006ウェルシュステラが現役生活を送っていたのは、3歳時の02年から7歳古馬になる06年までのこと。東京競馬場の芝中距離コースを主戦場に、通算37戦3勝・2着6回とタフな活躍を続けた牝馬だった。母系のサドラーズウェルズが影響したせいか、器用さには欠けるものの、とにかく長く良い脚を使えるのが同馬の武器。府中の直線で後方から外へと進路を取って、いつもジリジリ追い上げてくる姿に、馬券を握りしめながら何度も声援を送ったものだ。華やかなクラシック路線とは無縁でも、晩成タイプの母のように末長く競走生活を楽しめたらよい。そんな思いからステラリードへの出資を決めたのだが、それが夏の北海道でいきなり新馬勝ちを収めてしまうのだから、競馬はわからない。嬉しい誤算である。

さて、そのウェルシュステラとほぼ同じ時代に、やはり旧サウスニア所属馬として活躍したもう1頭の牝馬・ミスティークの娘も、日曜日の福島でデビューを飾ることになった。藤沢厩舎所属ラスティーク(父フサイチペガサス・当ブログひとくち出資馬)
ただし、こちらは3歳未勝利戦への出走であり、ステラリードとの比較では1年遅れの初陣ということになる。

母ミスティークは、仏国の名牝マジックナイト(JC2着)にサンデーサイレンスを配した鬼のような良血で、世界制覇を大言壮語していた旧サウスニアをまさしく象徴する1頭だった。だが、例によってそのデビューは遅れに遅れ、ようやく初出走にこぎ着けたときには、この名牝も既に4歳秋の季節を迎えていた。その後、同馬は芝路線に転じ、良血にふさわしい圧倒的な勝ちっぷりで芝の条件戦を席巻していく。体質の弱さから順調に使い込めない悩みをかかえながらも、2年間で通算5勝も挙げているのだから、立派な成績というべきだろう。

興味深いのは、ミスティークの引退レースで、ウェルシュステラとの対戦が実現という因縁があることだ。初冬の中山競馬場・マイネルレコルトが勝った朝日杯の直後に行われた最終競走・メイヂヒカリメモリアル(芝2000)。このレースでともに単勝2.5倍の1~2番人気に推された両馬は、同じ勝負服を身に纏った鞍上を背に、互いが互いを意識するような駆け引きを道中から演じている。結果は、勝負所で一歩先に仕掛けたウェルシュステラを目標に外から進出したミスティークが、先頭でゴールを駆け抜けるという劇的な引退レースになった。ウェルシュステラは、ゴール前あと一押しを欠いて7着。当時の自分の予想は、本命ミスティーク・対抗ウェルシュステラという印で、馬券は外してしまったが、場内の照明灯が点灯する冬の薄暮のなか、鮮やかなラストランを演じて見せたミスティークの姿が今でも強く印象に残っている。

Lastique引退後繁殖牝馬になったミスティークは、残念なことに06年、わずか1頭の産駒を残しただけでこの世を去っている。その一粒種ラスティークが、ウェルシュステラの娘が快勝した翌日、母のデビューの地でもある福島・ダート千七でデビューするというのも、何かの因縁だろう。まずは無事にゴールに入線してくれることが第一だが、母譲りの素質の片鱗をみせてほしいところだ。

7月 5, 2009 ひとくち馬主日記 |

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コメント

とってもいい話ですね...なんだか泣けてきました
自分も一口馬主やってみようかなと思っちゃいました

投稿: 通りすがり | 2009/07/05 10:56:32

>通りすがりさん

コメントありがとうございました。
ウェルシュステラとミスティークは、ともに私の出資馬ではなかったのですが、同じクラブの活躍馬ということで、現役時代からその1戦1戦を注目してきました。そんな牝馬たちの産駒が出資馬としてデビュー。しかも新馬勝ちという嬉しいおまけつきだったので、思わずエントリをアップした次第です。
日曜日に福島で出走したラスティークも、4着とはいえ見どころ十分の競馬でした。今の未勝利なら間違いなく能力は上。芝・ダートを問わず馬券的にも狙っていける存在だと思います。

投稿: 山城守 | 2009/07/06 23:35:00

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