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2009/05/31

【日本ダービー】強さと脆さは両刃の剣

Apres_un_reve_at_aoba_sho_2009近年のダービー優勝馬が本番に至るまで歩んできたローテーションを振り返ってみると、前走はすべてG1レース、具体的には皐月賞かマイルのG1(NHKマイルC・桜花賞)に出走し、最悪でも3着以内の成績を残してきている。
G1・4着以下からの巻き返しは99年のアドマイヤベガ(皐月賞6着)、別路線組からの戴冠は00年のアグネスフライト(前走・京都新聞杯1着)を最後に実績が途絶。つまり、最近8年に限っていうなら「前走G1で勝ち負け」を演じていることが、ダービーで栄光を掴むための必要条件となっているようだ。
この仮説が今年も繰り返されるなら、ダービー優勝の資格をもつのは皐月賞1~3着馬、もしくはNHKマイルCの覇者ジョーカプチーノの4頭に限られることになる。なかでも優勝候補の最右翼と目されるのは、皐月賞馬アンライバルドだろう。ハイペースの展開に恵まれたとはいえ、大外をブン回しながら先行馬群を一気に突きはなしたあの決め手は、見る者すべてに強い印象を残した。兄は96年のダービー馬フサイチコンコルド母父Sadler's Wellsから供給される良質のスタミナを思えば、2ハロンの距離延長を苦にするとも思えない。
だが、皐月賞では豪快な差しきりを演じてきた有力馬であっても、府中の長い直線になると意外に伸びあぐむシーンが有るというのも、ダービーの歴史が教えてくれる教訓だ。

93年のナリタタイシン、99年のテイエムオペラーはともに3着。アンライバルドと同じ外マクリの戦法で皐月賞で快勝したエアシャカールも、00年のダービーではゴール寸前で「河内の夢」の軍門に下ってしまった。まさしく目にも鮮やかな末脚は両刃の剣
ましてアンライバルドの場合、脆い気性という爆弾を抱えた競走馬である。この点に冠しては「ひとつ歯車が狂うと最悪の結果も考えられる馬」(週刊競馬ブック・友道調教師のコメント)と、陣営も不安を隠さない。ダービーの発走ゲートが置かれるメモリアルスタンド前は、皐月賞のスタート地点と比べ大観衆に近い場所であるというのも気になる。競馬の祭典の喧噪が、大本命馬の精神にいったいどのような影響を及ぼすことか?それこそ最悪の場合には、何らかのアクシデントに見舞われる可能性も皆無ではなかろう。
部類の強さと脆さが同居する大本命馬とどう付き合うか。それが今年のダービーでの馬券作戦のポイントになる。アンライバルドを負かせるかどうかはわからないが、より確実に上位に食い込んできそうな堅実タイプを本命に複勝系の馬券で勝負することを考えている。

<結論>
◎アプレザンレーヴ
○アンライバルド
▲トライアンフマーチ
△リーチザクラウン
×ロジユニヴァース
×トップカミング
×ジョーカプチーノ
×セイウンワンダー
×シェーンバルト

父シンボリクリスエスと同様、青葉賞からダービーに駒を進めてきたアプレザンレーヴに注目してみる。2分26秒2という前走の走破時計にあまり価値を見いだすことはできないが、それでも同時期に父が記録してきた水準はクリア。他馬が来るとギアが変わる末脚の性能はいかにも府中コース向きで、道悪克服の実績もある。少なくとも3着は外さない堅実さを買って3連複の軸に指名したい。
以下では、やはり皐月賞組。なかでも巻き返しの可能性があるのは、ハイペースの展開によるダメージが最も大きかったリーチザクラウンではないか。この馬とジョーカプチーノのどちらが先手を取るかは読み切れないが、上位3頭のうち1頭はインで粘る先行馬という可能性は視野に入れておきたい。G1でも相手なりにやれる可能性を残すトップカミングなども、3着候補なら一考すべきだろう。

5月 31, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009/05/24

【オークス】単勝1倍台の桜花賞馬は勝てない?

Oaks_2008オークスの歴史を過去20年に渡って振り返ってみると、単勝1倍台の圧倒的人気を集めていた桜花賞馬が優勝を飾ったことはないという意外な事実が判明する。古くはシャダイカグラ、比較的最近ではテイエムオーシャンダンスインザムード。これらの名牝がいずれも牝馬2冠を手にすることなくレースを終えている。日曜午前の時点での単勝オッズが「1.6倍」。桜花賞に続きここでも一本被りの支持を受けるブエナビスタにとって、これは少々嫌なデータというべきだろう。他馬を圧倒する豪快な末脚の持ち主とはいえ、追込一手の不器用な脚質は取りこぼしのリスクと隣り合わせ。雨による馬場渋化も考慮するなら、頭鉄板というほどの評価は与えられない。単勝1倍台の桜花賞馬は勝てないというジンクスは、今年も繰り返されるのかもしれない。
とはいえ、桜花賞1着馬が過去20年オークスで「2-5-5-5」(連対率41%・複勝率70%)と堅実な成績を残してきているのも、また事実。勝ちきれないまでも、連の軸としてなら信頼を置けると考えてよい。今年の場合も、桜花賞忘れな草賞をはじめとする一連の前哨戦を比較してみれば、レースとしての価値が高いのは明らかに前者。別路線組が桜花賞上位陣を逆転する可能性は小さいとみてよいのではないか。

<結論>
◎ブエナビスタ
○レッドディザイア
▲ダノンベルベール
△ツーデイズノーチス
×ジェルミナル
×ディアジーナ

伏兵として注意すべきは、桜花賞に出走しながら力を出し切れず着外に敗退した組の巻き返しだろう。例えば、ダノンベルベール。桜花賞の敗因は最内枠に閉じこめられたこと。外からの差し馬ばかりが伸びる馬場と展開に泣かされた感があった。サンデー系×ネイティヴダンサー系の配合は、過去のオークスで2着実績を残してきた伏兵たち(チューニー、チャペルコンサート)と共通。東京コースでの経験値の高さも魅力で、今度はこの内目の枠順が吉とでる可能性が高いとみる。それ以外にも、馬場が渋ってくれば道悪適性の高さが魅力のツーデイズノーチスなども、穴馬として是非マークしてみたいところだ。

5月 24, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009/05/17

【ヴィクトリアマイル】不安材料は無くなった

Vodka_at_vm2008◎ウオッカ
○ジョリーダンス
▲カワカミプリンセス







時間の都合で本日は結論のみ。
雨の予報が報じられていた府中競馬場も、日曜お昼の現時点では雲間から少し青空がのぞく空模様。これなら道悪競馬になる心配もなく、◎ウオッカを素直に信頼できそうだ。昨年春と同じく帰国初戦での参戦になるが、調整過程をみるかぎり今年は万全の状態。G1とはいえ牝馬相手のここは、相手関係が軽すぎる。
対抗格の筆頭はジョリーダンスだ。前走の鮮やかな末脚を見る限り、衰えの気配など微塵も感じさせない。週刊競馬ブックのフォトパドックで確認した馬体の造りも素晴らしく、ひょっとして生涯最高のデキかもしれない。一歩仕掛けを遅らせ、ゴール前ウオッカにどこまで迫れるか。それがレースの見所になるだろう。

5月 17, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009/05/10

【NHKマイルC】パンパン良馬場の時計勝負なら

Deep_sky_at_nhk_mile_2008例年だと雨に見舞われることの多いレースだが、今年は好天。パンパンの良馬場のもとでメインレースの時間を迎えることは、ほぼ確実となった。府中の芝は、内も外も伸びる偏りのないコンディション。混戦と評される一戦だが、出走各馬の能力を素直に比較することが馬券作戦の基本となる。
ちなみに、良馬場の年も道悪競馬の年も過去5年の優勝馬に共通しているのは、出走メンバーのなかで最速の上がりタイムを記録しているということ。先行して流れ込む策で勝ちきることは難しく、500メートルの直線走路で持続とキレを兼備した末脚が要求される。走破時計の目安は1分33秒台。なおかつ上がり33秒台の決め手比べに対応できるか否かが、出走各馬を取捨選択するうえでのポイントになるだろう。

<結論>
◎ワンカラット
○サンカルロ
▲フィフスペトル
△アイアンルック
×ラインブラッド
×ブレイクランアウト
×レッドスパーダ

人気のアイアンルックは、ここまでのキャリアが僅か3戦。決め手の鋭さは確かでも、持ち時計の絶対値が不足しており、1分33秒台の時計勝負に対応できるか否かは未知数と評さざるを得ない。同じことはブレイクランアウトにもいえる。しかも、こちらは前走から13週間も間隔を空けての出走であることが、やはり気になるところだ。
そこで白羽の矢を立てたのが、牝馬ワンカラット。マイル以上で良績がないことが嫌われ人気の盲点になっているが、桜花賞ではゴール前100メートルしっかりと伸びており、距離の不安はない。良馬場の持ち時計と決め手の鋭さという上位入賞の条件をクリアしており、連軸としてなら最も信頼を置けそうな1頭だ。前哨戦で1分33秒台の決着に対応しているサンカルロが対抗格。これら2頭が内を捌いて一歩先に抜け出してくる展開を想定する。
外から来る差し馬のなかで、注目してみたいのはフィフスペトル。近2走の敗因は距離。得意のマイルになれば当然巻き返しがあるだろう。どこからでも競馬ができる自在性があるので、大外枠を苦にする心配もない。

5月 10, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009/05/03

【天皇賞春】内のエビス、大外の閻魔

Al_nasrain_2008例年なら主力を形成するはずの明け4歳・菊花賞組のエントリーはなく、対する5歳世代も昨秋の古馬G1戦線でウオッカ・ダイワスカーレットの後塵を拝してきた面々ばかり。一昨年の菊花賞馬・アサクサキングスが押し出され気味に1番人気に推されてはいるものの、その単勝オッズが4倍台というのだから、傑出馬不在の混戦ムードは明らかである。過去10年の天皇賞の歴史を紐解いてみても、単勝オッズが3倍以上をつけていた1番人気馬は最高でも3着という結果に終わっている。長距離路線のレベル低下を反映して、年々混迷の度合いを増している春の古馬頂上決戦。今年も、出走各馬のレベルに大差がない混戦である以上、能力以外のサムシングによる「まぎれ」が生じる可能性も視野に入れ検討を進めていくべきだろう。
例えば枠順というファクター。木曜日に確定した枠順発表では、ジャガーメイル・アルナスライン2枠の3・4番、スクリーンヒーロー・アサクサキングス8枠の16・17番と、有力各馬が内・外に大きく離れて発走ゲートに入る組み合わせとなった。これがレース結果にどのような明暗をもたらすのかを少し考察してみたい。
天皇賞春の舞台は、淀の坂越え3200メートル。大回りとはいえ合計6回もコーナーを通過する長距離戦である。となれば、コースのデフォルトとして想定すべきは、ロスなく立ち回れる内枠有利、距離損の大きい外枠は不利というトレンド。なるほど、最近の天皇賞では2年連続して大外枠からの連対馬(エリモエクスパイア・アドマイヤジュピタ)が出ており、従来ほど内外の有利・不利をあまり意識しなくてもよいのかもしれないが、昨年は14頭立ての比較的落ち着いた頭数、これに対して今年はフルゲート18頭の出走馬が顔を揃える多頭数の競馬になる。外枠を引いた不利は軽微であると結論を下すことは、早計だろう。

実際のところ過去10年、春の天皇賞を制しているは10頭中9頭までが11番枠より内の枠順に入った馬たちである。11番枠より内と外に区分して馬番別の勝率を算出してみると、1~11番枠が8.2%、これに対して12番枠から外では2.6%と明確な差異を確認することができる。ちなみに連対率の比較では両者とも13%台とほぼ同じ戦績なのが興味深い。そこから浮かび上がってくるのは、外枠でも連対はできるけれど、天皇賞を勝ちきるためには内の枠順というアドバンテージが必要という仮説だ。
この仮説をさらに検証するため、今度は過去10年のデータから上位人気(1~3番人気)の支持を集めた有力馬に限定して枠順別成績を確認してみた。すると、内枠有利・外枠不利の傾向はもっと明確な姿で立ち現れてくる。

 ■天皇賞(春)過去10年馬番別成績(1~3番人気)
  11番より内(全23頭) 勝率26.1%、連対率52.2%、3着内率65.2%
  12番より外(全 7頭) 勝率14.3%、連対率14.3%、3着内率57.1%

ちなみに「11番より内」から発走した上位人気馬で、見事優勝を飾ったのはテイエムオペラオー(1番・5番)・スペシャルウィーク(3番)・マンハッタンカフェ(4番)・メイショウサムソン(6番)・ディープインパクト(7番)の延べ6頭。これら各馬は7番より内の枠順に集中しており、この事実からも「勝ちきるためには内枠の助けが必要」という仮説を補強することができる。

頭で狙っていくなら7番枠から内に入った上位人気馬。対する外枠の人気馬は2~3着のヒモ穴として取り扱う。これに内・中・外の穴馬をお好みで組み合わせていけば、混戦といわれる天皇賞でも意外とシンプルな馬券作戦を展開できるのかもしれない。

<結論>
◎アルナスライン
○モンテクリスエス
▲マイネルキッツ
△ジャガーメイル
注スクリーンヒーロー
注アサクサキングス
注ホクトスルタン

優勝候補の筆頭は4枠を引いたアルナスライン。前走・日経賞時点の体調はまだ良化途上という印象を受けたが、それだけに今回は上昇余地が大きい。菊花賞2着の実績があり、重厚な母系から供給されるスタミナも十分。おそらく長丁場になればなるほど、本領を発揮するタイプだろう。好位からのロングスパートで早めに先頭を奪い、そのまま押し切り勝ちを決めたい。
外目の枠順の各馬からは、あくまで2~3着候補という位置づけだがモンテクリスエスに注目してみる。こちらも長丁場は大歓迎。大型で瞬時の反応に欠けるきらいはあるけれど、その分息の長い末脚が使える。
内枠からの穴馬としてピックアップしたいのはマイネルキッツ。内々を器用に立ち回ってアルナスラインに迫った日経賞の再現を期待。三千メートル以上は未知の世界だが、母父サッカーボーイから流れるディクタスの血が距離克服を後押ししている。母父サンデーのジャガーメイルはこれら各馬に比べると、母系のスタミナ色が軽い気がするし、暮れの香港戦以来のローテーションの空白が気になるけれど、好枠と鞍上の叱咤激励をバネに上位に食い込んでくる可能性がある。
以下では勝ちきる可能性までは小さいと考えるが、大外8枠の阪神大賞典組2頭。
今年もまた、親子4代制覇の偉業に挑んできたホクトスルタンの夢もちょっと買ってみたいところだ。

Hokuto_sultan_2008_big_2

5月 3, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (2) | トラックバック (2)