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2009/03/29

【高松宮記念】内有利?トラックバイアスの理由を探る

Laurel_guerreiro_at_satsuki_sho_200今年の高松宮記念を展望するために目配りを欠かせないのは、中京競馬・芝コースの開催日程の変化だ。3月下旬にスケジュールが移されてから10年目。レースの施行時期そのものに変化はないが、例年なら第1回中京開催の最終日に開催されていたこのレースが、第2回開催の6日目という位置づけに変わっている。すなわち、正月早々6日間の第1回開催が行われた関係で、いつもなら第1回と呼ばれるこの時季の開催が第2回とカウントされているのだ。例年よりも開催日程を多く消化している分、使い込まれた芝の状態が果たしてどうなのか?それを知らずして、レースの行方を占うことなどできない。
春まだ浅いこの季節の芝コースといえば、力の要る馬場状態というのが常識。見た目は鮮やかな緑に覆われていても、コースの土台を支える野芝の生育は完全に止まっている。まして今年の芝は、冬場に2開催も酷使されたのだから相当なダメージが蓄積されているはず。多くの馬蹄に踏み荒らされた内ラチ沿いから馬場の荒れが進行していると考えるのが自然だろう。インを通る先行馬は不利、外を回す差し馬が有利という傾向がそろそろ出てきてもおかしくないタイミングである。
ところが実際のレースになると、なぜか内を通る先行勢ばかりが上位に残ってしまう。それがAコースに替わった今開催・中京の芝で目立っている傾向である。3~4角では外を回しても、直線ではラチ沿いから3メートル以内の位置を進んだ馬が有利。Aコース3週目を迎えた土曜の競馬をみても、この傾向に大きな変化は出ていない。いわゆるグリーンベルトが出現しているとも考えられるのだが、その背景を知るためには、中京コースの芝の使い方について、もう少し踏み込んだ分析が必要だろう。

そこで、暮れの開催以降、高松宮記念の直前までに消化される芝のレース数を、コース区分ごとに昨期と今期で比較してみることにした。結果はグラフのとおり。意外なことに昨期よりも、1開催余計に芝を使い込んでいる今期のほうがA・B・C各コースをバランス良く使っていることがわかる。Aコースに限ってみると昨期は47レースも行われていたが、今季は32レースを消化したのみ。その分、ラチ沿いの芝が温存されているという事実が浮かび上がってくる。

Chukyo_turf_race

ちなみに昨年の高松宮記念は、内ラチから3メートル地点に仮柵を設けたBコースで施行されたが、結果は1分7秒1の高速決着。おそらく、3月開催の後半までBコースの使用を控えて温存されてきた芝が速い時計を後押ししたのだろう。だが、今年の場合は、同距離での条件戦のタイムを見る限り、そこまで速い時計が出るとは思えない。A・B・C各コースのローテーションがほぼ均等に回されてきた結果、馬場の内も外も同じように荒れてきており、その分時計を要しているということなのだろう。
とはいえ、外差し有利のバイアスが出現するほど、内の馬場が傷んでいるわけではない。内を通っても外を回しても馬場状態に大きな違いがなければ、結果的に結果的に距離ロスが少ない内の進路を取ったほうが有利。ひとまずそんな仮説を想定して、枠順や各馬の脚質から上位候補の取捨選択を考えてみたいと思う。

<結論>
◎ローレルゲレイロ
○スリープレスナイト
▲トウショウカレッジ
△アーバニティ
×キンシャサノキセキ
×ビービーガルダン
×ファリダット

G1常連クラスの明け5歳馬、しかもマイル路線からの転戦組が強いレース。今年の出走メンバー中でそんな条件を最も満たしていると思われのが、ローレルゲレイロだ。阪急杯ではビービーガルダンの格好の目標にされてしまったが、一級のスプリンターを相手に回しても楽に先手を取れるスピードの持ち主であることを証明できた。今回は内有利の馬場状態を味方にして、早め先頭から押し切る競馬を期待してみたい。
対するビービーガルダンは、安勝の海外遠征で幸四郎に鞍上がスイッチされたのがどう出るか?完調手前と思われた前走で強すぎる勝ち方をしてしまった反動も心配で、いわゆる2走ボケの不安が拭えない今回は狙いを下げたい。キンシャサノキセキも、太めの馬体が祟ったとはいえ、4角で既に手応えが怪しかった前走が案外。初ブリンカー装着も吉と出るか凶と出るか?何とも言い難いところで、過大な期待はどうかと思われる。
これらに対し、ぶっつけ本番となったスリープレスナイトは一見すると危険な人気馬というムードが漂うけれど、鉄砲駆けの実績がある。一杯に追われた坂路でも好調時と変わらない動きを示しており、好枠にも恵まれた今回は軽視は禁物だろう。その隣枠に入ったトウショウカレッジは穴中の穴。追込脚質でも内を立ち回れる器用さが魅力であり、展開ひとつで浮上の余地がある。同じく前走で馬群を捌いて勝ちきったアーバニティの決め手にも、鞍上込みで魅力を感じている。
キルトクールは、ディフェンディング王者のファイングレイン。臨戦過程の順調度が昨期と今期では違いすぎる印象。叩きつつ上昇してくるタイプでもあり、凡走後の叩き2戦目、まだ覚醒の可能性は小さいと判断する。

3月 29, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2009/03/22

【スプリングS】強風がレースに及ぼす影響とは

Hai_seikoh_at_nakayama_keiba_jou小頭数の本命戦と思われた弥生賞とは対照的に、スプリングSフルゲート16頭の多頭数。しかも、ロジユニヴァースとの直接対決を避けこちらに回ってきた馬ばかりなのだから、相対的に弱い者同士の争いである。お互いの力関係も、まだよくわからない部分が多い。本命戦というよりある程度の波乱も覚悟し、予想作業を進めたほうが無難ではないだろうか。
折しも、日曜日の関東地方のお天気はちょっとした荒れ模様。雨こそ無いけれど強風注意報が発令され、南南西の方向から風速5~6メートルの強風が常に吹きすさぶ状態になった。中山競馬場のコースレイアウトに照らしてみると、バックストレッチで強い向かい風、ホームストレッチに入ると追い風が吹いている。この強風がレースにどんな影響をもたらすのか?一概に断じるのは難しいが間違いなくいえることは、道中の折り合いに不安を残す競走馬にとって、バックストレッチを走行中のエネルギー・ロスが平常時以上の大きくなってしまうということだ。各馬の折り合いが勝負の行方を大きく左右する一戦となるだろう。
単勝2倍台前半の支持を集めるアンライバルドにとっての不安材料も、まさしくこの一点に集約される。

前々走はイレ込みがキツく自分を失っていたが、折り合って運べた前走が本来の姿」と友道師もコメントを残しているが、アンライバルドにとって今回は初の関東遠征。多頭数競馬で外目の枠からスタートするのも、初めての経験だ。この強風と同馬の精神状態如何では、まったく力を出せないうちに競馬が終わってしまうリスクもあるだろう。その素質の高さには一目を置かざるを得ないが、不動の本命という世評には一抹の不安を感じる。

そこで狙ってみたいのは、道中馬群のなかで向かい風によるエネルギー消耗を最小限度に抑え、強風の影響が緩和される勝負所から自在に動ける機動力のあるタイプだ。枠順も外より内目の馬のほうがよい。まだお互いの勝負づけが終わっていない3歳馬同士の争い。中波乱ぐらいまでは視野に入れ、手広く選択肢を検討していく必要がありそうだ。

<結論>
◎イグゼキュティヴ
○リクエストソング
▲フィフスペトル
△アンライバルド
×セイクリッドバレー
×ツクバホクトオー

昨秋の京都2歳Sで実際アンライバルドに土を付けた実績を誇るマル地馬・イグゼキュティヴ。自ら動いてリーチザクラウンロジユニヴァースを負かしにいったラジオNIKKEI杯でも見せ場を作っており、この相手なら主役をつとめる資格がある。今回が転厩初戦になるが、地方在籍当時に2度の関西遠征を無難につとめているように、環境変化への耐性も高い馬。松岡騎手とのコンビで、自在に動ける機動力を活かせるようなら面白い。
相手は内枠の有力馬2頭。リクエストソングは、自在に折り合いがついてどこからでも競馬ができる強みがある。また、この中間場外戦の話題ばかりが喧しかったフィフスペトルは前半戦の位置取りが課題も、巧く捌いて上がってこれるようなら当然上位候補だろう。
ヒモ穴には、中山中距離戦で実績を残してきたセイクリッドバレー、前走出遅れて力を出していないツクバホクトオーなどを取り上げてみたが、それ以外に前走ダート組も含め、拾える馬は極力拾っておきたいという気持ちである。

3月 22, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/03/15

【中山新馬戦】米国G1馬の弟、いざ出陣!

Rendir_at_the_miho_training_center中山6Rメイクデビュー中山・芝千六
◎レンディル
(当ブログひとくち出資馬)
父  Danehill Dancer
母父 In The Wings
姉  Luas Line
美浦 藤沢和雄厩舎
鞍上 北村宏司
広尾TC所属

当ブログひとくち出資馬の現3歳世代のなかでも、密かにオープンまでの上級出世を目論む愛馬が、本日いよいよデビューを飾る。藤沢厩舎の良血マル外・レンディル。「米G1馬の半弟、迫力満点の馬体」と手元の競馬新聞(ダービーニュース)の本紙予想でも絶賛の評価を与えられているようだ。果たして、素質の違いにモノを言わせ、他馬を打ち負かしてみせることができるだろうか?
愛馬の半姉にあたる米国G1馬とは、ルアスライン(父デインヒル)のこと。ベルモント競馬場のガーデンシティBCH(3歳牝・芝9f)を制する実績を残してはいるが、実はこのレース、わずか4頭立ての寂しい顔ぶれだった。ルアスラインは、日本調教馬シーザリオが劇的勝利を収めたアメリカン・オークスにも出走していたが、かの女傑の敵ではなく、大きく後塵を拝する結果に終わっている(4着)。要するにG1馬といっても、その実績を額面通りに評価できるかと問われれば微妙と言わざるを得ないのが苦しいところ。まして、レンディルの場合は、父がデインヒルから、日本でまだ確たる実績を残していないデインヒルダンサーへと変わっている。出資者の立場からみても、同馬の血統評価に対しては、強気と弱気の虫の交錯するというのが正直なところだ。
だが、敢えてデビュー初戦でこの馬を本命に推したことには、歴とした理由がある。
(中山・阪神の重賞予想は、本エントリの末尾に記載しています)

強調すべき事実は、調教過程にある。1週間前、美浦の坂路で3頭併せの真ん中で、古馬オープンのピサノパテックと互角の動き。そして、直前追い切りとなった今週は、芝コースに入れ、馬なりで好時計をマークしている。おそらく芝適性に不安はないのだろう。
さらに興味深いのは、この馬の個性というべき独特の走行フォームだ。グッと首を下げながら、前脚を大きく前に振り出しつつ掻き込んでいく力強さに加え、後脚の蹴っぱりが実にパワフル。つまり、コースに前後肢を叩きつけるような走法であるため、キレとか瞬発力に賭けるきらいはあるけれど、これなら、雨の影響を受け力の要る馬場状態になっている今の中山でも全く不安がない。育成の過程で観察された尻尾を振り回すような悪癖も、調教時計を詰めていくうちに影を潜めており、実戦に向けての集中力も確実に上昇カーブを描いてきた。少なくとも、相手関係が弱化している3月の新馬戦で、無様な競馬をする心配はないといえそうだ。
愛馬自身の仕上がりに問題がないとすれば、あとは相手関係だけ。おそらく、ネオユニヴァース産駒のメガチューズデーあたりが好敵手を務めるのだろうが、同馬の陣営からは「経験を積めば成長すると思う」と、少し弱気な声も聞こえてくる。ならば「初戦から期待」と公言する愛馬のほうが陣営の感触は勝っている。そもそも、馬名のレンディルとはスペイン語で「打ち負かす」の意味。他馬を圧倒するような強烈な勝ちっぷりまで期待してみてもよいかもしれない。

<重賞予想>
中山11レース 中山牝馬S
◎リビアーモ
○ザレマ
▲ヤマニンエマイユ
△キストゥヘヴン
×アルコセニョーラ
×ヤマニンメルベイユ

先行有利のイメージがつよい中山千八にしては、何故か差し馬優位の傾向がハッキリと出ている牝馬重賞。ハンデ差も勘案するなら、前走準オープンでも、実質直線だけで勝ち負けの競馬に持ち込んだリビアーモの豪脚に期待してみたい。昨夏の新潟戦(村上特別)で叩き合った好敵手アーバニティが、先週重賞制覇を達成。ならば、この馬にも牝馬G3を制する資格は十分だろう。好枠から好位を立ち回るザレマが相手。道中の展開とタメ次第では、後方に待機するアルコセニョーラあたりまで勝機はありうる。
キルトクールは、オークス以降の成長が案外に思えるトールポピー兄(フサイチホウオー)と同じく古馬になってから、真っ逆さまに下降線をたどってしまう可能性もある。

阪神11レース フィリーズR
◎ミクロコスモス
○アイアムカミノマゴ
▲スイリンカ
△ラヴェリータ
×レディルージュ
×パールシャドウ

収得賞金900万円。このままでは桜花賞出走が微妙となってしまうミクロコスモスにとって、今回は勝負の鞍。武豊はおそらく、外を回す安全策で確実に3着以内を狙ってくるだろう。ならば、内の位置取りから粘り込みを期す伏兵にもチャンスの目が生まれる。好枠に恵まれ、発馬直後から好位を立ち回れそうな長浜厩舎の2頭と、ダート戦ながら前走の粘りが秀逸だったラヴェリータを相手候補に押さえる。
キルトクールは、コウエイハート。既に本番に出走できる賞金を手にしており、馬体減が懸念される今回、敢えて勝負に打って出る動機に乏しい。果たしてどこまで。

3月 15, 2009 ひとくち馬主日記, 09年競馬予想・回顧 | | コメント (11) | トラックバック (3)

2009/03/08

【弥生賞】今年は年明け初戦組

Yayoi_sho_2008クラシックへの登竜門・弥生賞。かつては冬場を休養に充てていたエリートたちがここを叩いて皐月賞へと向かうイメージが強かったが、過去4年間、実際のレース結果を振り返ってみると、年明け初戦で参戦してきた馬の連対例がない。ちょっと意外に思えるが、前走・ラジオたんぱ杯(現ラジオNikkei杯)組で連対を果たしたのは、5年前のコスモバルクが最後である。前走・朝日杯組となると、2歳王者2頭(マイネルレコルト、ドリームジャーニー)が年明け初戦ここから始動したが、ともに3着に終わっている。その一方、ディープインパクトアドマイヤムーンなどは、1~2月に一度レースを消化してから、年明け2戦目に弥生賞を快勝。年を追うごとに、素質の高さや早熟性よりも、近走の順調さが問われる傾向が強くなっているのが、興味深いところだ。
だが、2歳王道路線からロジユニヴァースセイウンワンダーが揃って参戦してきた今年は、近年の傾向を一度リセットして考えたほうがよいかもしれない。ブレイクランアウト(朝日杯3着)やリーチザクラウン(ラジオNIKKEI杯2着)が2月に重賞制覇を成し遂げた事実からも、大駒2頭の能力上位は明白。ブランク明けでも調整過程に狂いがなければ、両馬ともまず勝ち負けに持ち込めるはずだ。元々1~2番人気が強く堅く収まる傾向が強いこのレース。しかも10頭の小頭数となれば、紛れは考えにくい。

対する年明け順調組は、シンザン記念を制したアントニオバローズが馬番決定前に出走取消を決め込むなど、勢いという点で見劣りが否めない。唯一、一角崩しの可能性を残しているのが、1月に同じ舞台での重賞勝利を飾っているアーリーロブストか。力の要る冬場の芝コースでの走破タイムが2分2秒7なら、弥生賞でも上位争いに加わってくる資格は十分だろう。鞍上の福永騎手が土曜・阪神最終レースの発馬直後落馬事故(当ブログひとくち出資馬クリストフォルス)で厄落としができているような、ちょっと面白いかもしれない。

<結論>
◎ロジユニヴァース
○セイウンワンダー
▲アーリーロブスト
×モエレエキスパート
×ケイアイライジン

大駒2頭の比較では、ラジオNIKKEI賞のレース内容が秀逸だったロジユニヴァースが一歩リード。前を行く各馬よりも後ろのセイウンを警戒する必要があるメンバー構成を考えると、恐らく中団からの競馬になるだろうが、動きたいとき自在に動ける機動力があり、中山コースへの適性にも特に不安がない。今開催の中山で既に重賞2賞と好調な鞍上・横山典のコース取りとペース判断も、ここでは強調材料になる。
対するセイウンワンダーは、初距離で折り合いに気を使う必要がある分、後方待機のポジションか。だが、内を捌ける器用さ外を回していける脚力を兼ね備えたタイプであり、ゴール前にはキッチリと馬券圏内に食い込んでくるだろう。
アーリーロブストがこれら2頭に互していくためには、内有利・先行有利の今の馬場状態をフルに生かし切る展開に持ち込みたいところ。一歩先に抜け出す策で後続を慌てさせることができるか?以下では、初経験の長距離輸送だった前走を度外視してみれば、まだ見限れないモエレエキスパートと、中山巧者のケイアイライジン
キルトクールは、昨年9月以来の実戦となるミッキーペトラ。新馬戦でブライクランアウトからコンマ7秒差、2戦目はプロスアンドコンズからコンマ4秒差と重賞級相手によく闘ってきたといえるが、ここはさらに相手が強化される。単騎先行でも、果たしてどこまで抵抗できるだろうか?

3月 8, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2009/03/01

【中山記念】スペシャリストにも泣き所がある

Company_at_last_years_nakayama_kine中山記念といえば、バランスオブゲームローエングリンなど中山千八を得意とするスペシャリストたちの活躍が印象深い。脚質別成績も、逃げ・先行有利のトレンドがハッキリと現れており、強力な先行力を武器に自分の形に持ち込めるタイプなら、7歳や8歳のベテランになっても若手の勢いを封じ込めることが可能なレースだ。春開催の開幕週。しかも、有馬記念当日以来、仮柵のなかで温存されてきた芝コースの最内部分が2ヶ月ぶりに開放され、そこにグリーンベルトが出現していることを思えば、行った者勝ちになるのは道理というもの。それとは対照的に、後方から末脚勝負に賭けるタイプは、合計4回のコーナーを通過するたび外・外を回され、距離ロスが馬鹿にならない。02年(勝馬トウカイポイント)や04年(勝馬サクラプレジデント)のように前半1000メートル通過が57~58秒台の超ハイペースにならない限り、優勝の可能性は描けないと考えるべきだろう。

さて、そのような図式を頭にインプットして、今年の出馬表を見渡していくと、優勝馬の資格を最も満たしていると思えるのが、昨年の覇者カンパニーだ。中山記念には過去3回出走して2着・4着・1着。芝千八の持ち時計もメンバー中最上位であり、少々の馬場渋化は気にしない。加えて今年は10頭の小頭数。2番枠ならスンナリと好位を取ることができそうに見える。これだけ好条件が揃えば、昨年の再現を期待したくなるのが人情だが、今年で8歳を迎えるこの大ベテランにも死角はある。

キーワードは休養明け初戦。昨シーズンのこの馬のローテーションを思い起こしてみると、春は東京新聞杯から中山記念、秋は毎日王冠から天皇賞というステップを踏んでいるが、いずれも初戦の段階の仕上がり具合がひと息だったのだ。東京新聞杯当時は、全身が冬毛に覆われボサボサの状態。ハンデ戦で58キロを背負わされてたのが影響したのかもしれないが、レース内容も精細を欠いてG3で4着という不本意な成績に終わっている。秋の毎日王冠でも、前走比マイナス16キロと馬体が細化。馬体回復を最優先した手ぬるい調整が実戦にも影響して結果は5着だったのは記憶に新しい。春・秋とも叩き2戦目には鮮やかな変身を遂げ、ファンの記憶に残る好走を演じたことを思えば、初戦の状態とレース内容がいかにも物足りない。年齢を重ねるごとにレースに向けた仕上げが難しくなっている疑念があるのだ。今シーズンも、「(馬体が)幾らか立派に見える」という陣営の発言から、初戦のコンディションには注意しておいたほうがよい。全幅の信頼を置けるか否かは、ひとまず微妙と考えるべきだろう。
実績上位のスペシャリストよりも、冬場を使われてきた馬たちの順調さを重視・・・・小頭数のレースで買い目の絞り込みがポイントになるが、上位候補の選択はそこに重点を置くべきだと考える。

<結論>
◎エアシェイディ
○トウショウシロッコ
▲アドマイヤフジ
△カンパニー
×キングストレイル
×キャプテンベガ

AJC杯を同タイムで2・3着した7枠2頭を中心視。
前走との比較で負担重量が1キロ有利になったエアシェイディを上位に取ってみる。過去にこのレースを3勝している後藤騎手のペース判断も信頼が置けそう。逃げ・差し自在のトウショウシロッコは、太めだった前走からの上積みが大きい。かたやG2の上位常連、かたや重賞未勝利の身だが、これら両馬の力量とコース適性に、実績から受けるイメージほどの差はないと思う。
3番手は中山金杯の覇者・アドマイヤフジ。1~3月の冬場に好走歴が集中する季節労働者で、春まだ浅いこの季節なら軽視はできない。中山記念のスペシャリスト・カンパニーは4番手の評価。その実績には敬意を表するが、この馬が3着以内に残ると低配当決着が必至なので、できれば遠慮してほしいところ(汗)以下では、順調に冬場を使われてきたキングストレイルキャプテンベガ
キルトクールは、ドリームジャーニー。前半戦の流れが速くなれば、中山の短い直線でも後方から一気に台頭してくる可能性を秘めているが、それにはパンパンの良馬場が前提となる。金曜日にはボタ雪が舞った関東地方の空模様。果たして、中山の馬場が良まで回復するかどうかは、微妙なところだ。

3月 1, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (3)