ベガスが俺を呼んでいる~BJ激闘編その2
TI:トレジャーアイランド。年末年始のラスベガス遠征で当ブログ管理人が投宿し主戦場としたこのカジノホテルは、目抜き通りストリップの北側に位置しており、海賊船同士のバトルを主題にしたド派手でセクシーなダンスショー「セイレーン・オブ・TI」でその名を知られている。かつて浅田次郎氏が彼の地で初めて訪れたカジノフロアを擁し、鈴木淑子さんもお泊まりになったことがある名門ホテルと聞けば、はるばる日本から足を運んだ馬券オヤジにも何となく親近感が沸いてくる。だが、馬鹿馬鹿しいほど巨大なカジノ群が軒を連ねるラスベガスのなかで、このホテルはさほど目立つ存在ではない。何せ周囲には、全室スイートのベネチアンであるとか、カジノ王スティーヴ・ウィンが巨費を投じて建造した夢の旗艦ホテルのウィンラスベガスであるとか、超一流のカジノが林立しているのだ。それらG1級と比べれば、宝島の名を冠した海賊ホテルなど、オープン特別常連級の域を出ない。松・竹・梅のグレードに例えてみても、「竹」に準えるのが精一杯といったところか?今ではベラッジオを定宿としている浅田次郎氏も、このホテルのカジノを評して「ベガスでは、さほど大きいとはいえぬ」と断言している。
とはいえ、それはあくまでラスベガスの中での相対的グレードや規模に照らしてのお話。約2500坪(8300平米)の室内空間にゲームテーブル110台、ゲームマシン1900台が設置されているというスケールの大きさは、日本のパチンコ店などとは到底比べものにならぬ、娯楽の殿堂にふさわしい馬鹿馬鹿しさにあふれている。しかもこのカジノ、海賊の秘密アジトをモチーフにしているせいか?フロア全体の構造がやけに複雑でわかりづらい。一度カジノに足を踏み入れてしまえばもう最後、馴染みのテーブルを探してグルグルと歩き回った末にいつの間にか同じ場所に舞い戻っているデジャブ(既視感)の感覚を誰もが経験することだろう。そんな異空間の中で、言葉もロクに通じないディーラーや、同席したプレイヤーたちを向こうに回してBJを打ち続けてきたのである。
敵の手の内もよくわからぬアウェイで勝負を挑むなら、敷居の低い勝負卓のほうが無難。初めのうちはそう考え、ミニマムベット(最低賭金)10ドル程度の安いテーブルを渡り歩いていたのだが、往々にしてそんな勝負卓ではテーブルを囲むプレイヤーの質が千差満別。それが難点といえる。基本戦略を遵守してオーソドックスなプレイに徹する慎重派ばかりなら、それなりに緊張感の漂う中で真剣勝負を楽しめるのだが、やたらと騒々しく定石を知らないビギナーが集うテーブルに座ってしまうと事態はもう最悪。アメリカンな喧噪の渦に巻き込まれ、こちらの集中力まで殺がれてしまう結果になりかねない。
さらにプレイヤーにとっての勝負の呼吸を難しくしているのが、TIや同系ホテルのミラージの低額テーブルに多数導入されているエンドレスシャッフルマシンの存在だ。まるでミニチュア蒸気機関車を思わせる真っ黒な筐体から、のべつ幕なしに新たなカードを吐き出し続けるこのマシン。原理的には全自動麻雀卓と同様に配牌のプロセスを自動化したに過ぎないのだが、それがベテランBJ賭人から蛇蝎のごとく忌み嫌われることには歴とした理由がある。プレイヤーにとって、ディーラーのシャッフルを利用した気分転換やムードの切り替え、あるいは勝負の間合いを確保することが全く不可能になってしまうのだ。たとえ統計的に勝ちを拾える確率に変わりはなくても、敵のペースにお付き合いしてなし崩しのプレイを強いられてしまえば、卓を囲むプレイヤーの全員がいつの間やらディーラーの術中に巻き込まれてしまうのも道理。実際、当ブログ管理人もミニマム10ドルの勝負卓に座りながら、わずか30分に満たない間に500ドル近いチップを溶かしてしまう場面があった。
意に沿わないオートマチックなプレイを強いられ、あれよあれよという間に大金を失うくらいなら、たとえ最低賭け金の敷居が高くても、マイペースでプレイすることができ、なおかつプレイヤーのレベルも高い勝負卓のほうがリスクは小さい・・・・それが今回の遠征で体得した教訓である。だが、悪戦苦闘の末にそんな結論に達したのは、生憎ベガス滞在の最終日。しかも日本への復路のフライトがあと数時間に迫っている時間帯のことだった(汗)。時は深夜の1時半。好意的に解釈するなら、バンクロール(軍資金)のすべてを投じ、最後の大勝負を挑むに相応しい時間帯でもある。
まるで迷宮のようなカジノフロアを彷徨い歩くうちに辿り着いたのが、ハイリミットフロアのお隣に設けられたミニマムベット25ドルの勝負卓。低額テーブルの喧噪とは一線を画した静かな勝負気配がムンムンと漂ってくる。「Chips please・・・・」ひと言断って、セカンドペースの席につくと、右隣にはコリアン風の微笑みをたたえた謎の美女、左隣にはイタリアもしくはスペインからやって来たと思われるラテン系の渋みがかった二枚目が同席している。多国籍軍での勝負は望むところだ。6デック。物静かで多くを語らないベテラン女性ディーラー(ロシア出身と自称していた)の手動シャッフルは、自分が理想として思い描いてきた勝負環境に限りなく近い。1ゲームあたりの最低賭け金は当初ミニマム25ドル。だが、それがいつの間にやら100ドル(!)に釣り上げられている。ただし、当初からこの勝負卓でプレイを続けてきた賭人には、最低25ドルの賭けを続ける既得権が保証されている。
右隣のコリアン風美女に、スプリット(賭金2倍)の手が入った。基本戦略に従い、迷わず倍の賭け金を張る彼女。次に配られたカードをみるやいなや、さらにスプリット。当初の賭け金は4倍に膨れあがって1手100ドルを超す大勝負になった。結果、プレイヤーの勝利。感想戦で「I was scared」(怖かったわぁ)と涼しい顔で宣うのだから、思わず恐れ入ってしまった。左隣のラテン風二枚目も、1手100~200ドルの大勝負をガンガンとモノにしていく。こうなったら、日本代表・当ブログ管理人も大きく勝負に出るしかないだろう。ディーラーがバーストした直後に1手100ドル以上の大賭け。それを連続して勝ち上がり、終わってみれば1,000ドルチップの大枚を手にすることができた。最後の大勝負で納得がいくプレイができたおかげで、今回の遠征の記憶は清々しいものになった。
ただし、この大勝負にはオチがある。午前3時の時間帯に至って、コリアン風美女の旦那と思われる男性が勝負卓に現れたのだ。彼らが口にしているのは、紛れもない日本語・・・・(汗)。ええっ?!これにはチャイニーズ系インチキ・ギャンブラーを気取っていた当ブログ管理人もズッこけ、「あらら、日本の方だったんですねえ」と思わず正体を暴露してしまった次第である。
酸いも甘いも経験した、今回のラスベガスBJ勝負。トータル収支でプラスに浮上することは叶わなかったが、確かな教訓をしっかりと手にして、次回こそと捲土重来に燃える今日この頃なのだ。
1月 29, 2009 旅打ちコラム | Permalink | コメント (5) | トラックバック (0)
前回のエントリ掲載からもう2週間も経過してしまったけれど、ラスベガス旅打ちレポートの続編をお届け。話題はいよいよ佳境へと突入し、カジノ激闘編である。ラスベガスのカジノで楽しめるゲーミングの種目は数々あれど、当ブログ管理人が選択したのは、カードゲームのブラックジャック(BJ)とスポーツブック(競馬)という、ちょっと変わった組み合わせ。今回は、BJに関わるお話を中心に筆を進めてこうと思う。
◎エアシェイディ
皐月賞と同じく中山芝・二千メートルに条件が改められてから今年で11年目を迎えた京成杯だが、この重賞、どういうわけか未だにクラシック本番とは縁が薄い。
年末年始の休暇を利用し、こっそりラスベガスへと旅打ちに出かけてきた。
さてさて、今やラスベガスといえば、ギャンブルだけでなく、シルク・ドゥ・ソレイユに代表されるショー・エンターテインメントや、数多くの大型ショッピング・モール、そして和洋中の味が集結した世界のグルメなど、総合的娯楽都市としての性格が年々強くなってきている。そもそも、古代エジプトや自由の女神などをモチーフにして、強烈な個性を競い合うホテル群の存在自体が巨大なアトラクション。すなわち、賭け事による散財を罪と考える清廉潔白なお人でも、それなりに楽しく休日を満喫できる仕掛けがお膳立てされている。
これまで師走の中山開催3週目に、2歳牝馬限定重賞として行われてきたフェアリーSが、今年から年始2週目のこの時期へとお引っ越し。施行時期の見直しと同時に、距離も6ハロンからマイル戦へとリニューアルされ、全く新たな重賞レースへと生まれ変わった感がある。おそらく、これらの条件変更によって阪神JFに出走したオープン級の参戦を促し、レースレベルの底上げを図ろうというのが、主催者の目論見だろう。その狙いは悪くなく、実際に阪神JF5~7着の3頭がこのレースへと矛先を向けてきたのだから、新装開店1年目としては上々の滑り出しといえる。
09年お正月も既に4日目になりましたが、あけましておめでとうございます。当ブログ管理人は年末年始「某所」に潜伏しており、文字どおり打たれ越し状態で年越しです。某所とはいったいどこか?左の写真がヒントです。その際のレポートは、また後日掲載しましょう。

