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2009/01/29

ベガスが俺を呼んでいる~BJ激闘編その2

Ti_at_las_vegasTI:トレジャーアイランド。年末年始のラスベガス遠征で当ブログ管理人が投宿し主戦場としたこのカジノホテルは、目抜き通りストリップの北側に位置しており、海賊船同士のバトルを主題にしたド派手でセクシーなダンスショー「セイレーン・オブ・TI」でその名を知られている。かつて浅田次郎氏が彼の地で初めて訪れたカジノフロアを擁し、鈴木淑子さんもお泊まりになったことがある名門ホテルと聞けば、はるばる日本から足を運んだ馬券オヤジにも何となく親近感が沸いてくる。だが、馬鹿馬鹿しいほど巨大なカジノ群が軒を連ねるラスベガスのなかで、このホテルはさほど目立つ存在ではない。何せ周囲には、全室スイートのベネチアンであるとか、カジノ王スティーヴ・ウィンが巨費を投じて建造した夢の旗艦ホテルのウィンラスベガスであるとか、超一流のカジノが林立しているのだ。それらG1級と比べれば、宝島の名を冠した海賊ホテルなど、オープン特別常連級の域を出ない。松・竹・梅のグレードに例えてみても、「」に準えるのが精一杯といったところか?今ではベラッジオを定宿としている浅田次郎氏も、このホテルのカジノを評して「ベガスでは、さほど大きいとはいえぬ」と断言している。
とはいえ、それはあくまでラスベガスの中での相対的グレードや規模に照らしてのお話。約2500坪(8300平米)の室内空間にゲームテーブル110台、ゲームマシン1900台が設置されているというスケールの大きさは、日本のパチンコ店などとは到底比べものにならぬ、娯楽の殿堂にふさわしい馬鹿馬鹿しさにあふれている。しかもこのカジノ、海賊の秘密アジトをモチーフにしているせいか?フロア全体の構造がやけに複雑でわかりづらい。一度カジノに足を踏み入れてしまえばもう最後、馴染みのテーブルを探してグルグルと歩き回った末にいつの間にか同じ場所に舞い戻っているデジャブ(既視感)の感覚を誰もが経験することだろう。そんな異空間の中で、言葉もロクに通じないディーラーや、同席したプレイヤーたちを向こうに回してBJを打ち続けてきたのである。

敵の手の内もよくわからぬアウェイで勝負を挑むなら、敷居の低い勝負卓のほうが無難。初めのうちはそう考え、ミニマムベット(最低賭金)10ドル程度の安いテーブルを渡り歩いていたのだが、往々にしてそんな勝負卓ではテーブルを囲むプレイヤーの質が千差満別。それが難点といえる。基本戦略を遵守してオーソドックスなプレイに徹する慎重派ばかりなら、それなりに緊張感の漂う中で真剣勝負を楽しめるのだが、やたらと騒々しく定石を知らないビギナーが集うテーブルに座ってしまうと事態はもう最悪。アメリカンな喧噪の渦に巻き込まれ、こちらの集中力まで殺がれてしまう結果になりかねない。
さらにプレイヤーにとっての勝負の呼吸を難しくしているのが、TIや同系ホテルのミラージの低額テーブルに多数導入されているエンドレスシャッフルマシンの存在だ。まるでミニチュア蒸気機関車を思わせる真っ黒な筐体から、のべつ幕なしに新たなカードを吐き出し続けるこのマシン。原理的には全自動麻雀卓と同様に配牌のプロセスを自動化したに過ぎないのだが、それがベテランBJ賭人から蛇蝎のごとく忌み嫌われることには歴とした理由がある。プレイヤーにとって、ディーラーのシャッフルを利用した気分転換やムードの切り替え、あるいは勝負の間合いを確保することが全く不可能になってしまうのだ。たとえ統計的に勝ちを拾える確率に変わりはなくても、敵のペースにお付き合いしてなし崩しのプレイを強いられてしまえば、卓を囲むプレイヤーの全員がいつの間やらディーラーの術中に巻き込まれてしまうのも道理。実際、当ブログ管理人もミニマム10ドルの勝負卓に座りながら、わずか30分に満たない間に500ドル近いチップを溶かしてしまう場面があった。
意に沿わないオートマチックなプレイを強いられ、あれよあれよという間に大金を失うくらいなら、たとえ最低賭け金の敷居が高くても、マイペースでプレイすることができ、なおかつプレイヤーのレベルも高い勝負卓のほうがリスクは小さい・・・・それが今回の遠征で体得した教訓である。だが、悪戦苦闘の末にそんな結論に達したのは、生憎ベガス滞在の最終日。しかも日本への復路のフライトがあと数時間に迫っている時間帯のことだった(汗)。時は深夜の1時半。好意的に解釈するなら、バンクロール(軍資金)のすべてを投じ、最後の大勝負を挑むに相応しい時間帯でもある。
まるで迷宮のようなカジノフロアを彷徨い歩くうちに辿り着いたのが、ハイリミットフロアのお隣に設けられたミニマムベット25ドルの勝負卓。低額テーブルの喧噪とは一線を画した静かな勝負気配がムンムンと漂ってくる。「Chips please・・・・」ひと言断って、セカンドペースの席につくと、右隣にはコリアン風の微笑みをたたえた謎の美女、左隣にはイタリアもしくはスペインからやって来たと思われるラテン系の渋みがかった二枚目が同席している。多国籍軍での勝負は望むところだ。6デック。物静かで多くを語らないベテラン女性ディーラー(ロシア出身と自称していた)の手動シャッフルは、自分が理想として思い描いてきた勝負環境に限りなく近い。1ゲームあたりの最低賭け金は当初ミニマム25ドル。だが、それがいつの間にやら100ドル(!)に釣り上げられている。ただし、当初からこの勝負卓でプレイを続けてきた賭人には、最低25ドルの賭けを続ける既得権が保証されている。
右隣のコリアン風美女に、スプリット(賭金2倍)の手が入った。基本戦略に従い、迷わず倍の賭け金を張る彼女。次に配られたカードをみるやいなや、さらにスプリット。当初の賭け金は4倍に膨れあがって1手100ドルを超す大勝負になった。結果、プレイヤーの勝利。感想戦で「I was scared」(怖かったわぁ)と涼しい顔で宣うのだから、思わず恐れ入ってしまった。左隣のラテン風二枚目も、1手100~200ドルの大勝負をガンガンとモノにしていく。こうなったら、日本代表・当ブログ管理人も大きく勝負に出るしかないだろう。ディーラーがバーストした直後に1手100ドル以上の大賭け。それを連続して勝ち上がり、終わってみれば1,000ドルチップの大枚を手にすることができた。最後の大勝負で納得がいくプレイができたおかげで、今回の遠征の記憶は清々しいものになった。
ただし、この大勝負にはオチがある。午前3時の時間帯に至って、コリアン風美女の旦那と思われる男性が勝負卓に現れたのだ。彼らが口にしているのは、紛れもない日本語・・・・(汗)。ええっ?!これにはチャイニーズ系インチキ・ギャンブラーを気取っていた当ブログ管理人もズッこけ、「あらら、日本の方だったんですねえ」と思わず正体を暴露してしまった次第である。
酸いも甘いも経験した、今回のラスベガスBJ勝負。トータル収支でプラスに浮上することは叶わなかったが、確かな教訓をしっかりと手にして、次回こそと捲土重来に燃える今日この頃なのだ。

1月 29, 2009 旅打ちコラム | | コメント (5) | トラックバック (0)

2009/01/26

ベガスが俺を呼んでいる~BJ激闘編その1

Las_vegas_orleans_wani前回のエントリ掲載からもう2週間も経過してしまったけれど、ラスベガス旅打ちレポートの続編をお届け。話題はいよいよ佳境へと突入し、カジノ激闘編である。ラスベガスのカジノで楽しめるゲーミングの種目は数々あれど、当ブログ管理人が選択したのは、カードゲームのブラックジャック(BJ)スポーツブック(競馬)という、ちょっと変わった組み合わせ。今回は、BJに関わるお話を中心に筆を進めてこうと思う。
ブラックジャック(BJ)といえば、世界中のカジノで最もポピュラーなカードゲーム。当然、ラスベガスでもBJを楽しもうというお客は大勢いて、どのカジノに行っても数多くの勝負卓が設けられている。ルールそのものは至って簡単であり、最初に2枚、以降はプレイヤーの選択に応じて配られるカードの合計数を目標値の「21」に近づけることを、プレイヤーとディーラーが競い合うゲームだ。
プレイヤーが行使できる基本的な選択肢は、ヒット(もう一枚カードを引く)もしくはスタンド(もうカードを引かない)。21を超えない限り、何回ヒットしようと全くの自由である。だが、調子に乗りすぎて21を超過してしまうとバースト(bust)。すなわち破産の宣告を受け、その時点でゲームオーバーになってしまう。このように何かと選択の幅が広いプレイヤーとは対照的に、ディーラー側は所定のルールに拘束され、自らの意志でプレイの選択を変えることが許されていない。
そんな前提条件のもと、自分の手とディーラーの手(最初の2枚のうち1枚がオープンにされている)を見比べ、最も勝ちを拾える可能性が高いと思われる合理的な選択を下していく。それがこのゲームの醍醐味だ。ルーレットバカラのように、勝負の行方が全くの偶然に左右される種目とは異なり、状況に応じた判断の巧拙が問われる。すなわち技術介入の余地が大きい分、うまく立ち回ればトータルで勝ち越しを狙うことも夢ではない。ギャンブル社会学の第一人者・谷岡一郎教授の説によるなら、BJの期待値は98~99%。プレイヤーの選択次第では、100%を超える場合もあるという(講談社ブルーバックス「確率・統計であばくギャンブルのからくり」より引用)。

ただし、期待値を限りなく100%に近づけるために、プレイヤーは定石に従ったプレイに徹する必要がある。BJの世界では、統計学にもとづき算定されたベーシック・ストラテジー(基本戦略)と呼ばれる定石が確立されており、まずはそれをマスターすることがBJ賭人を志す者にとっての第一歩だ。もちろん、状況次第では基本戦略と相反する奇策の選択もありなのだが、定石を知らずして奇手を語る事なかれ。ストラテジーとかけ離れたヤマカン勝負を続けていけば、期待値は90%前後まで低下し、あっという間に奈落の底へと転落してしまう。そればかりでなく、同じ卓を囲んだプレイヤーから「このタコ・・・・」と冷たい視線を浴びせられることは確実。特に、一番最後にプレイするサードベース(ディーラーから見て右端の席)のプレイヤーが、ストラテジー無視の奇策に出て、結果的にディーラーを利する展開を招いてしまった場合には、他のプレイヤーからの罵詈雑言を覚悟しなければならない。しかも、英語で・・・・。

以上がBJというゲーミングの基本的スキームである。ちなみに1ゲームあたりの賭け金は、ミニマムが10ドルほど。すなわち、僅か1分そこそこの短時間で最低1000円弱のお金をやりとりするので、1時間も勝負卓に張り付いていれば、意外に大きなお金が動く。もちろんミニマム10ドルのテーブルでも、勝機有りと判断すれば賭け金を大きくベットアップすることもあるわけで、そんな大勝負のタイミングでことごとくツキに見放されてしまうと、あれよあれよに大金を失う羽目に陥ってしまう。それとは逆に巧く勝利の女神を味方につけることができれば、30分で10万円ほどの荒稼ぎをすることも可能。まるでジェットコースターに飛び乗ったような浮き沈み。そんなアップダウンの興奮を今回のベガス遠征では、存分に堪能することができた。
なんだかゲームの解説ばかりで、肝心な実戦の報告に行き着くことができなかったが、それはまた次回。BJ激闘編2へと続きます。

1月 26, 2009 旅打ちコラム | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009/01/25

【AJC杯】有馬記念組が順当に上位へ

今週の重賞予想は時間の関係で結論だけ。
まずはAJC杯Cコース4週目の荒れ馬場。サンツェッペリンが逃げるミドルペースなら、中山らしい消耗戦の展開になりそう。実力通りの着順と想定し、時計の速かった有馬記念上位組を順当に評価したい。なかでも、勝負所で自分から動けるエアシェイティを中心視。

Air_shady_2008◎エアシェイディ
○ドリームジャーニー
▲アルナスライン
△ネヴァブション
×マイネルキッズ
×トウショウシロッコ
×メイショウレガーロ



京都・平安Sは、勢いに乗るエスポワールシチーの相手探し。ひとまずは、サンライズバッカスマイネルアワグラスダークメッセージネイキッドあたりをマークしてみる。

1月 25, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009/01/18

【京成杯】異形の耐久戦を勝ち抜く馬とは?

Meiner_charles_2008皐月賞と同じく中山芝・二千メートルに条件が改められてから今年で11年目を迎えた京成杯だが、この重賞、どういうわけか未だにクラシック本番とは縁が薄い
昨年の覇者・マイネルチャールズは次走・弥生賞も制して、一躍皐月賞の本命候補筆頭に踊り出たものの、本番では3着に食い込むのが精一杯。一昨年のサンツェッペリンも、皐月賞でハナ差2着と大健闘したが、その後の成績は全く尻すぼみである。それ以外の優勝馬の顔ぶれを思い起こしてみても、クラシックで主役を張るほどの大物は不在。どちらかといえば、早熟さのアドバンテージを生かして立ち回ったB級オープン馬の活躍ばかりが目立っている。そもそも、クラシック出走に向け既に十分な賞金を手にしている実績馬や、弥生賞あたりからの始動を目論む関西の素質馬は、寒いこの季節には無理をしない。そのため、重賞としては出走メンバーの質が高くないことも、京成杯をクラシックから遠ざけている一因なのかもしれない。
だが、レースの内容そのものに目を向けてみると、クラシック王道路線から遠く離れた所に位置する京成杯の異質さが、より際だってくる。注目すべきは、上がり3ハロンの時計の遅さだ。前半の千メートルで1分を切るような速い流れにならなくても、上がりだけは何故かしっかりと時計を要する展開になってしまう。スローペースでも上がりの遅い耐久戦というレースパターンは、中山・芝二千の条件で年末に施行されるホープフルSなどでも共通して観察することができる。おそらく冬場の荒れ芝と、小回りコースで外に振られるロスを嫌い全馬が早めにスパートする展開が、このような傾向を生み出しているのだろう。府中や淀の広々とした馬場で決め手の鋭さを競い合う競馬とは、まったく異なる適性が問われる一戦。そう考えていくと、京成杯の結果がクラシックに直結しないというのも納得がいく。

さて、例年に比べても少し時計を要している今の中山の馬場状態を考えると、今年も昨年までと同様レースパターンが再現される可能性は高い。上がりの掛かる展開に乗じて差し馬が台頭というシーンが目に浮かぶが、ゴール前では全馬がガス欠気味になっている耐久戦である以上、前半のペース次第で先行馬の残り目も十分と考えるべきだろう。特に今年の場合、前に行きたい馬はソコソコ多いが、何が何でもハナを取ると執念を燃やしているタイプは不在。手頃な頭数でアッサリと隊列が決まれば、行った行ったの決着に終わる可能性もありうる。
上がりの掛かるレースへの対応力と、前々でレースを運べるセンスを重視して、上位候補を絞り込んでいきたい。

<結論>
◎アーリーロブスト
○セイクリッドバレー
▲トゥリオンファーレ
△サンライズキール
×ナカヤマフェスタ
注サトノエクスプレス
注サクラルーラー

ハナに拘るタイプではないが、スタートが上手く最も良い位置で競馬ができそうなアーリーロブストの先行力を買う。前走・エリカ賞はスローペースだったが、それ以前の2戦は後半の4~5ハロンで淀みないラップが連続するマイル戦。それなら耐久戦への対応にも不安はない。母父ノーザンダンサー系は、過去5年でこのレースを3勝し、2着3回の実績。血統背景から推察される粘り強さも、この馬の上位入賞を後押ししている。
これに続くのが、持ち時計最上位のセイクリッドバレー。例年、京成杯とよく似た耐久戦になるホープフルステークスからのエントリーだ。発馬に不安があり、外・外を回されるリスクはあるが、コース経験とソツのない鞍上の手綱捌きが強調材料になる。
トゥリオンファーレは、事実上の2歳王者決定戦のラジオNIKKEI杯2歳Sで、自ら勝ちに行く強気の競馬で見せ場を作っていた。さすがにゴール前では脚があがったものの、当時よりも相手関係はだいぶ緩和され、機動力を活かせる条件は整った。以下では、1勝馬サンライズキールの伸びしろの大きさに魅力を感じる。
重賞ウイナー・ナカヤマフェスタは、前走・東スポ杯ブレイクランアウトの追撃を封じ込めた勝負根性が出色だったが、当時は典型的なスローペースの決め手比べ。時計を要する中山の芝であの脚を再現できるかと問われれば、半信半疑と評価せざるを得ない。人気ほどの信頼は置けないと考え、ひとまず押さえの評価としたい。
キルトクールは、内田博幸のモンテトウルヌソル。緩い流れから33秒台の決め手を生かし好走してきたこの馬が、中山の耐久戦でどこまでやれるかは全くの未知数。鞍上込みで穴人気を集めるようなら、迷わず評価を下げた方が無難とジャッジする。

1月 18, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2009/01/12

ベガスが俺を呼んでいる

Mgms_golden_lion_with_nyny年末年始の休暇を利用し、こっそりラスベガスへと旅打ちに出かけてきた。
思い起こせば、前回の訪問はわずか4ヶ月前の出来事。米国各地を転々とする長期出張の合間に設けられた休日を利用しての束の間の滞在だった。だが、たった1日半の滞在では、この巨大な歓楽境の全貌を拝むことさえ難しい。ベラッジオの名物・噴水ショーは辛うじて車窓から見物できたが、シーザーズパレスウインラスベガスも、時間の都合で素通りするしかなかった。ラスベガスの神髄を味わい尽くすには、時間も、そして予算も不足していたというのが正直なところだ。それなら、思い切ってプライベートで彼の地を再訪してみようかと考えたのである。
時はまさしく世界経済不況の真っ只中。円高の恩恵は少々あるにせよ、馬鹿高い燃料サーチャージを払ってアメリカくんだりまで旅打ちに繰り出そうというのだから、まさに酔狂の極み。予算のほうは家計を省みず、虎の子の貯金を取り崩して捻出するしかない。だが、日本では決して味わうことのできない興奮と経験をお金で買えると思えば、一概に高い買い物とは言い切れないだろう。
作家の浅田次郎氏は、ラスベガスという町が日本人にもたらす効用を評して、こう語っている。

その効果はむしろ福音というよりも、劇的な効きめのある薬物の投与に似ている。具体的な表現は難しいが、たとえば「目からウロコが落ちる」とか、「カサブタがはがれる」とか、「血流が甦る」などという感じであろうか。硬直した肉体と膠着した精神が、わずか一週間の滞在でたちまち青春のひとときのごとく復活する。避くべからざる人間の運命-すなわち死病老衰を極度に怖れるアメリカ人が作り上げた歓楽境なのであるから、むしろ理に適った、当然の効果と言えよう。
浅田次郎氏著カッシーノ2! (幻冬舎アウトロー文庫)より引用)

当ブログ管理人も、氏の見解に諸手を挙げて賛同するものである。1年間の酷使で草臥れきったわが心身には、そろそろ強烈なカンフル剤の投与が必要。そんなわけで、12月28日は有馬記念の当日、ユナイテッド便に搭乗して憧れの彼の地へと飛び立つことを決意した。
ちなみに当日の競馬は、成田空港からJRAレーシングビュアーで観戦。JC馬スクリーンヒーローから勝負した有馬記念の馬券は、ダイワスカーレットの途方もない強さの前に木っ端微塵にされてしまったが、そのわずか20分後、阪神ギャラクシーSで愛馬オフィサーがまさかの差しきり勝ちを決め、あっさりと損失補填が完了する。気の利いた愛馬からの餞別を手にして、気分も晴れやかに機上の人となった。

Palazzo_and_wynn_las_vegasさてさて、今やラスベガスといえば、ギャンブルだけでなく、シルク・ドゥ・ソレイユに代表されるショー・エンターテインメントや、数多くの大型ショッピング・モール、そして和洋中の味が集結した世界のグルメなど、総合的娯楽都市としての性格が年々強くなってきている。そもそも、古代エジプト自由の女神などをモチーフにして、強烈な個性を競い合うホテル群の存在自体が巨大なアトラクション。すなわち、賭け事による散財を罪と考える清廉潔白なお人でも、それなりに楽しく休日を満喫できる仕掛けがお膳立てされている。
とはいえ、はるばる日本からやって来た馬券オヤジがめざすのは、やはりカジノの森しかない。ブルーマンにも、ランス・バートンにも用はない。お買い物にも行かない。食事や身の回りの雑事に振り向けるエネルギーと時間は最小限に抑えたい。明るい陽光が降り注ぐ外界から隔絶され、24時間灯りの消えることのないこの異空間のなかで、5日間を休日を埋め尽くしてしまおうというのが今回の旅の目論見である。
スロットマシンに始まり、ルーレットクラップスポーカー・・・・エントリー可能な種目は数々あるが、当ブログ管理人が選択したのはテーブルゲームのブラックジャック(BJ)スポーツブック(つまり競馬ですね)。一見すると全く異質に思える、この組み合わせでラスベガスのカジノに挑戦する無謀な日本人というのは殆ど皆無ではなかろうか?と思っていたが、よく調べてみると過去に競馬ライターの須田鷹雄氏が自分と全く同じ種目で旅打ちを行っていた事実が判明した(笑)。さすがは予想大王の名に恥じないギャンブラーである。今からおよそ10年前、ラスベガスはバリーズホテルで展開された氏の激闘は、今でもネット上で記録を読むことができる。

さて、先人の経験を糧にしてリベンジの準備も整った。今回、当ブログ管理人の激闘の舞台になったのは、オフ・ストリップのオーリンズを皮切りに、マンダレイベイTI(トレジャーアイランド)ミラージシーザーズパレスモンテカルロラスベガスヒルトンの各カジノホテルだ。その戦果は果たして如何に?長い前置きになってしまったが、以下BJ編スポーツブック編と2回に分けて、続きのエントリを掲載する予定である。

1月 12, 2009 旅打ちコラム | | コメント (8) | トラックバック (0)

2009/01/11

【フェアリーS】別路線組の伸びしろに注意

Nakayama_paddockこれまで師走の中山開催3週目に、2歳牝馬限定重賞として行われてきたフェアリーSが、今年から年始2週目のこの時期へとお引っ越し。施行時期の見直しと同時に、距離も6ハロンからマイル戦へとリニューアルされ、全く新たな重賞レースへと生まれ変わった感がある。おそらく、これらの条件変更によって阪神JFに出走したオープン級の参戦を促し、レースレベルの底上げを図ろうというのが、主催者の目論見だろう。その狙いは悪くなく、実際に阪神JF5~7着の3頭がこのレースへと矛先を向けてきたのだから、新装開店1年目としては上々の滑り出しといえる。
だが、昨年の阪神JFを振り返ってみると、上位3頭の強さはそれぞれ印象に残ったものの、決着タイム自体は1分35秒台という水準。力の要る馬場状態だったことには注意を要するが、外回りコースになって以降1分33秒台が続いてきた例年のレベルに比べると、いささか物足りなさは残る。まして、並ぶ間もなくブエナビスタの後塵を拝する結果に終わった5~7着組ともなれば、走破時計はやっとこさの1分36秒台。この水準なら、G1挑戦を見送った別路線組でも十分互していけそうな余地がある。
例えば、阪神外回りと同様に、緩やかなコーナーと長い直線走路を擁する東京コースで、1分34~35秒台前半の時計を叩きだしているマイティースルーパールシャドウ。阪神JFの翌週、同じコースの未勝利戦で出遅れながら1分35秒9の時計で差しきりを決めたエリザベスムーン。あるいは、スローペースの影響で時計は平凡だが、師走の中山マイルを弾むようなフットワークで駆け抜けたアイアムネオなどなど。サフラン賞で直線大外から4着まで追い上げてきたダイワバーガンディも、同レースに出走していた阪神JF7着馬カツヨトワイニングと互角以上の脚力。日曜の午後になって芝の内目の荒れが進行してくれば、チャンスはある。

とはいえ、勝負所で外を回す距離ロスを馬鹿にできない中山千六のコース形態を踏まえるなら、ある程度の位置で立ち回れるタイプを中心視すべきだろう。また、土曜日のレース結果を思い起こしても、例年より時計が掛かる今の馬場コンディションでは、前肢のかき込みが力強いパワータイプが有利。まだキャリアの浅い3歳牝馬同士の争いゆえ「絶対」はあり得ないが、実績よりも前走からの伸びしろの大きさも考慮に入れて、上位各馬の絞り込みを進めていこうと思う。

<結論>
◎アイアムネオ
○マイティースルー
▲パールシャドウ
△ジェルミナル
△イナズマアマリリス
△ダイワバーガンディ
△エリザベスムーン

東京コースの時計勝負で好戦したマイティースルーパールシャドウ。これら2頭のクロフネ産駒は、ともに大きなフットワークと前肢をポーンと前に投げ出すような走法が共通している。本質的には広々とした良馬場の芝でこそ本領を発揮するタイプだろうし、パワーを要求される今の中山コースで、どこまで通用するだろう?上位候補という評判に異論はないが、単勝馬券を買えるか?と問われれば若干の躊躇を感じるのも、これまた事実。
それならば・・・・と思って注目してみたのがアイアムネオである。こちらは完全に前輪駆動のFFタイプ父ネオユニヴァースは全天候型のサンデー産駒で、その娘ならおそらく荒れた芝でも全く苦にしないことだろう。一度経験済みのコースで、なおかつ好枠に恵まれた今回は、デビュー戦から大幅に時計を短縮してくる可能性が高い。
以下では、阪神JF組の2頭と良血の素質馬2頭を連下候補に押さえる。

キルトクールは、カツヨトワイニング。内々を立ち回るのが好走パターンのこの馬にとて、この枠順は少し外に過ぎる。一度後方に下げてから、マイポジションを探るロスに見舞われそうだ。

1月 11, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2009/01/04

【中山金杯】某所から謹賀新年

Fireworks_at_somewhere09年お正月も既に4日目になりましたが、あけましておめでとうございます。当ブログ管理人は年末年始「某所」に潜伏しており、文字どおり打たれ越し状態で年越しです。某所とはいったいどこか?左の写真がヒントです。その際のレポートは、また後日掲載しましょう。
さて、中央競馬初日のメインレース。
中山金杯
は過去5年、前走からハンデ増の馬が「2-2-1-6」(連対率36.4%)。これに対し前走からハンデ据置きまたは減となった馬が「3-3-4-56」(連対率9.1%)。勝利数はともかく連対率の格差に注目するなら、目方を上積みされた馬の勢いに一日の長がありそうですね。
今年の出走馬で斤量増の条件に該当するのが、アドマイヤフジ、ダイワワイルドボア、マイネルキッツ、ヤマニンキングリー、ネヴァブションの5頭。これら各馬に、毎度おなじみ冬場の季節労働者・アサカディフィートを加えた組み合わせを中心に狙ってみようかと考えています。

◎アドマイヤフジ ○マイネルキッツ ▲ヤマニンキングリー
△ネヴァブション 注ダイワワイルドボア 注アサカディフィート

キルトクールは、ちょっと難しいけれど、藤沢厩舎のキングストレイル。中山巧者のイメージがあるけれど、意外にも芝二千という条件に限ってみれば3戦してオール着外。57キロを超す重量を背負ったときも最高着順が3着と、人気ほどの信頼は置けないタイプとジャッジします。

1月 4, 2009 09年競馬予想・回顧 | | コメント (6) | トラックバック (3)