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2008/12/07

【JCダート】3歳馬の負担重賞問題を考える

Success_brocken_at_the_derby_2008府中の左回り二千百から阪神右回り千八へ。開催場所が関西圏へと移されただけでなく、コースの回り・距離条件もが同時に変更され、何やら新設G1レースの雰囲気さえ漂う今年のJCダートだが、レース時期が1週間繰り下げされたことに伴い、もう一つ見過ごせない変更点が生じている。3歳馬の負担重量設定の問題である。

そもそもJRA競馬の定量戦とは、時期と距離により年齢によるアローワンスを設け、3歳馬の負担重量を決定する仕組み。距離千六メートル超のレースに関していうと、9月までなら3歳馬は古馬に対して3キロのアローワンスが与えられ54キロで出走できるが、10月からは55キロ、12月以降は56キロと段階的にアローワンスが減じられ、負担重量が加増されるシステムとなっている。すなわち、11月開催だった昨年までのJCダートなら55キロで出走できた3歳馬が、今年からは56キロの目方を課せられることになった。
俗に「1キロ1馬身」と言われるように、負担重量の変更は少なからずレース結果に影響を及ぼすもの。成長著しい若駒たちにとっても、わずか1キロとはいえ、この違いはやはり気になるところだろう。古馬の壁を打ち破るために、克服すべき課題がもうひとつ余計に課された感がある。
だが、12月当初の古馬混合定量戦では3歳馬不利という結論が導き出せるのかというと、事はそれほど単純ではないというのが興味深いところ。以下、データによる分析結果を見ていこう。

05年以降のJRAダート・距離千七以上定量戦に出走していた3歳牡馬(せん馬を含む)の戦績を紐解いてみると、10~11月に55キロを背負っていた馬の成績は「68-49-42-421」(勝率11.7%・連対率20.2%)。これに対し12月に56キロを背負っていた3歳牡馬の成績は「34-29-24-249」(勝率10.1%・連対率18.8%)。両者の成績にほとんど有意差は見られない。同じデータを1~3番人気の実力上位馬に限定してみると、10~11月の連対率が約46%であるのに対し、重量が上積みされる12月には約38%と若干のパフォーマンス低下は認められるが、これだけをもって3歳馬=消しと断じることは危険だろう。
そもそも昨年までのJRA競馬では、12月開催のダート・定量・距離千七以上の高額条件レースが極端に少なく、過去3年間で準オープン競走が僅かに4鞍組まれていたに過ぎない。そのうちの3鞍で3歳馬が優勝を飾っているという事実(06年北総S・シルククルセイダー、07年ゴールデンスパーT・ダイナミックグロウ、同年北総Sマイネルアワグラス)を踏まえれば、ここはむしろ3歳の勢いを買うという馬券作戦も成立しうるかもしれない。
園田のJBCクラシックで、古馬の大将ヴァーミリアンが3歳王者サクセスブロッケンにつけた着差はわずかにクビの差。当時から負担重量差が1キロ縮小することのみにとらわれ、その差が拡大すると判断するのは少し早計ではないか?遠来の外国馬も含め、伸び盛りの3歳馬の可能性にも十分目配りをしておきたい1戦だ。

<結論>
◎カジノドライヴ
○メイショウトウコン
▲サクセスブロッケン
△ヴァーミリアン
注ワイルドワンダー
注サンライズバッカス
注ティンカップチャリス

例年になくハイレベルと称される、今年の国内3歳世代の頂点に君臨するサクセスブロッケン。だが、さらにその上を行く可能性を秘めた器として、敢えてカジノドライヴを本命に推す。距離千八のダートの持ち時計に着目してみると、実はこの馬が出走馬中のトップ。デビュー2戦目。初の海外遠征となったベルモント競馬場(良馬場)で、この水準の時計を難なく叩きだしたポテンシャルは、やはりタダ者ではない。実際にその走りっぷりを動画でチェックしてみると、ゴール前でケント・デザーモが完全に手綱を抑えていることがわかるだろう。

当時の斤量は52.5キロ。条件に恵まれたことは間違いのだが、56キロの重量と右回りコースはデビュー初戦の京都で既に経験済み。前走のBCクラシックの失速も、千メートル1秒を切る激流ペースだった以上、情状酌量できるだろう。武豊騎手が「もし菊花賞に出走していれば圧勝していた」とコメントするほどの逸材。ならば、ここは先物買いで狙ってみるのが面白い。
以下では、古馬・3歳馬を問わず、秋のダート路線のハイライト・JBCクラシック上位勢に当然注目。だが、仮にカジノドライヴの能力がクロフネ級だとして直線独走態勢に入った場合、これを負かしに行くヴァーミリアンやサクセスブロッケンはゴール前で苦しく、漁夫の利をさらう伏兵の台頭にも注意が必要だろう。前走のスタートで出遅れながら、差のないところまで追い上げていたメイショウトウコンが2着に浮上する可能性まで考慮しておきたい。

キルトクールは、かつてのダート王者カネヒキリ。内で包まれ不完全燃焼に終わった復帰戦・武蔵野Sのレースぶりを評して「悪くなかった」という見解もあるが、当ブログ管理人はそれに与しない。根拠は、前走時点でパドックで目撃したその姿。堂々たる歩様は休養前と変わっていなかったが、その馬体から全盛時のオーラが失われていた。かの無敵の雷神も、2年前の帝王賞で燃え尽きてしまったのか?ルメール・マジックをもってしても、完全復活への青写真はまだ描けない。

12月 7, 2008 08年競馬予想・回顧 |

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