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2008/11/30

【ジャパンカップ】世代間闘争の行方は意外と明白

Vodka_at_tennoh_sho_2008歴史的激闘を演じた天皇賞の上位3頭のうち、ダイワスカーレットの参戦が見送られたのは残念だが、ウオッカ・ディープスカイが再び府中コースに登場。今年のジャパンカップは、これら2強に仏国遠征帰りのメイショウサムソンを加えた、3世代のダービー馬対決に注目が集中する構図となった。
それ以外にも4頭のG1ホースを加えた日本馬の陣容は、例年になく層が厚い。ここまで日本勢が強力だと、おそらく遠来の外国馬に出番が回る余地は殆ど残されてはいまい。海外競馬通で知られる合田直弘氏の本命・対抗も、今年は弱気に日本馬を指名しているようだ。念のため、そんな事情にも目配りを惜しまなければ、外国馬のレベルは「推して知るべし」とジャッジできる。国別対抗戦というより、日本のトップレベルによる世代間闘争の山場。それが、JCで最も注目すべき主題であることに異論はない。
さて、気になる世代間好走の行方だが、世間的な評価(前日売りオッズ)では、4歳・5歳勢の経験値よりも、3歳馬の勢いを支持するという見方が多数意見を形成している模様だ。だが、今年で28回目を数えるJCの歴史を紐解いてみると、世代間闘争で圧倒的優位に立っているのは4歳世代である。古くはシンボリルドフルトウカイテイオーが4歳(現年齢表記)でJC優勝を成し遂げているわけだし、惜しくも2着とはいえオグリキャップが驚異的な世界レコードでこのコースを走破したのも4歳時の出来事だった。この事実を最近10年間のレースを対象に、データで裏付けてみよう。

4歳馬のうち、JCで1~2番人気の支持を集めていた日本の4歳馬の戦績は「4-1-2-0」。勝率50%以上、連対率も70%を超え、一度も馬券の対象から外れてしまった経過がない。これらのなかには、スペシャルウィークテイエムオペラーゼンノロブロイディープインパクトによるJC制覇が含まれる。いずれの勝利も、彼らの競走生活におけるピークと位置づけてよいであろう圧巻のパフォーマンスだった。
これとは対照的に、3歳世代の人気者たちは案外とJCで苦戦を強いられている。1~2番人気に支持された日本馬の成績は「1-1-2-2」(連対率33%)。そもそも3歳にしてJCで上位人気に推されること自体、非凡な素質と実績の持ち主であることを証明しているといえるのだが、それが結果に直結していない。3歳で天皇賞秋を制して中距離路線のトップに躍り出たシンボリクリスエスといえど、JCでは外国馬の後塵を拝しての3着。昨年のウオッカも、ゴール前あと一歩が詰め切れなかった。3歳時の上位人気で唯一JCを制しているジャングルポケットのケースも、改めて当時の出走メンバーを検証してみると、4歳の日本馬が1頭も出走していない特殊なケースであったことが判明する。当時の2着テイエムオペラーは確かに強かったが、このとき既に5歳秋。競走馬としてのピークを通り越していたことは、次走の有馬記念で衆目に晒されることになる。
このオペラオーの一件が象徴しているように、現役生活の頂点を通り越し、緩やかに下り坂をたどっている古豪にとって、JCは過酷すぎる舞台だ。過去10年、5歳以上のベテランがJC優勝を飾ったケースとしては、タップダンスシチー(当時6歳)と外国馬アルカセット(当時5歳)の2例があるけれど、これらの快挙を鵜呑みにすることはできない。前者は道悪という特殊な馬場コンディション、後者は世界の名手=フランキー・デットーリの手綱捌きと年齢の割に消耗が少ないキャリア(当時15戦)が幸いしていたからだ。
歴史は繰り返す。3歳馬の勢い、そして5歳馬の経験値を打ち破るのは、今まさに競走馬としての頂点に位置する4歳馬の能力の絶対値だろう。今年も、充実の秋を迎えた4歳世代を最重視して、3世代対決の行方を見定めていこうと考えている。

<結論>
◎ウオッカ
○アサクサキングス
▲スクリーンヒーロー
△ディープスカイ
×マツリダゴッホ
×オースミグラスワン
×オウケンブルースリ

牝馬といえど、スカーレット不在のメンバーならば4歳世代の頂点に君臨することは明白。ウオッカによる府中コースG1・3連覇を期待してみる。鞍上・岩田騎手の前日落馬アクシデントが心配されるが、「脳震盪、左前腕打撲・擦過傷」の軽い怪我で済んだことは不幸中の幸い。現役最強牝馬の能力発揮に支障はないとみる。
対抗格は、同世代のダービー2着馬アサクサキングス。天皇賞のパドックで、馬体の良さはひときわ目立っていたものの、ブランク明けで少々余裕が残っていたのも事実。叩き2走目の上積み、単騎先行できる可能性、そしてルメール乗り替わりなら、昨春のダービー激走の再現があり得る。
上がり馬スクリーンヒーローも4歳世代の1角。恵量の恩恵を受けたとはいえ、前走完勝の勢いと府中中長距離適性の高さを侮れない。アルゼンチン共和国杯組はJCで用無しというのが過去のデータの囁きだが、この馬なら「ひょっとして」と思わせる1頭。名手デムーロの手綱で、人気薄なら是非馬券を買ってみたいところだ。
以下は、その他世代の評価順になるが、ディープスカイは前走の序盤戦で行きたがる仕草を露呈していたのが不安材料。ダービー制覇の実績には、もちろん敬意を表するのだが、その本質はマイル~中距離向きの素材なのかもしれない。オウケンブルースリも、夏の新潟競馬から使い詰めのローテーションが少々厳しい。まだまだ発展途上のこの馬には、来年の大舞台を期待した方がベターなのかもしれない。それならむしろ左回りで減点と侮られているマツリダゴッホや天皇賞で一番長く良い脚を使っていたオースミグラスワンのほうが、ヒモ穴としてちょっと面白い存在になる。
キルトクールは、5歳馬メイショウサムソン。今回は海外遠征帰り初戦。凱旋門賞もストレスを蓄積しただけという内容であり、天皇賞制覇の後、順調な調整過程で参戦してきた昨年とは事情が異なる。元々、晩秋になればなるほどパフォーマンスが鈍化していく傾向があるだけに、人気・実績ほどの信頼は置けないと評価するがどうか?レース後、石橋騎手の率直な感想を聞いてみたい。

11月 30, 2008 08年競馬予想・回顧 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2008/11/23

【マイルCS】低配当決着は覚悟のうえ

Company_at_2008_nakayama_kinen最近3年の優勝馬は、すべて前走・天皇賞組。前走または前々走で毎日王冠を経由したステップを踏み参戦してきた馬も、毎年のように上位を賑わしている。この事実からも察することができるように、マイルCSは、東京コースで施行される芝の中距離G1・G2との関連性が高い一戦だ。府中から淀へと舞台は変われど、緊密なペースとハイレベルな時計勝負の経験を積んできた強みが着順に直結している。
それとは対照的に、前走で同じ京都コースを走っていた馬たちの成績は全くの不振。最近5年分のデータを拾ってみても「0-1-3-24」(連対率3.6%)と思わず目を覆いたくなるほどの体たらくである。なるほど、マイルCSの前哨戦と位置づけられるスワンS(G2)と天皇賞・毎日王冠を比べてみれば、出走メンバーのレベルに致命的な落差があるのは疑いようもない事実。距離体系の違いから前走・スプリンターズS組もアテにはできないとなれば、秋の府中で王道路線を歩んできた一流馬ばかりが脚光を浴びる結果になるのも、やむを得まい。
今年の出走メンバー中、天皇賞または毎日王冠からここへ矛先を向けてきたのは、スーパーホーネット(毎日王冠1着)とカンパニー(天皇賞4着)の2頭のみ。ともにG1の大舞台では、あと一歩詰め切れないタイプだが、今季の府中コースで示したパフォーマンスは極上レベルだ。かたや逃げる大本命馬を標的にゴール前でこれをキッチリ交わし去り、かたやレコード決着となった激戦で上位3頭の心胆を寒からしめる鬼脚を繰り出してみせた。女傑ウオッカを物差しにして評価してみれば、両馬がいつでもG1に手が届くレベルまで到達していることは明白。今年のマイルCSの勝者は、これら2頭のいずれかから選ばれる。まずはそう考えるのがセオリーだろう。

好位差し脚質の安定味が光る5歳馬と、追い込みに全てをかける7歳馬。思い切りの良い騎乗が売りの若手・藤岡佑と、老練な手綱捌きで京都G1・2着常連のベテラン横山典。両者のプロファイルの比較からは、スーパーホーネットの若さ・勢いが勝っているように思われ、前日売り単勝オッズもそんな見方を支持しているが、レースの構図が一騎打ちムードなら、敢えて人気のないほうを狙ってみるのが馬券の常道。ここは高齢カンパニーがG1の栄冠を手にするラストチャンスと考えてみたい。
本格化のキッカケを掴んだのは昨夏の新潟・関屋記念。直線大外枠に張り付くようなポジションから一気に他を突き放して、1分31秒8の驚異的な時計でマイルを走破。以降、体調不良や苦手の道悪など敗因がハッキリしているレース(東京新聞杯、宝塚記念、毎日王冠)を除けば、毎回・毎回素晴らしいパフォーマンスを発揮し続けている。年齢の割に出走回数は30戦未満と消耗が少ないせいか?まだまだ馬体も若々しく、7歳秋の今が競走馬としての開花期だろう。京都コースとの相性も良く、天皇賞当時から更なる上積みが見込めて斤量も1キロ軽くなるというなら、これを狙わない手はない。
対するスーパーホーネット。こちらも栗東からの輸送距離が短い京都コースでは抜群の戦績を残しており、目下の充実ぶりも考慮するなら、対抗以下の評価に落とすわけにはいかない。もし前走・府中G1G2組のワンツーフィニッシュなら、枠連は8・8で2年連続のゾロ目決着。バカラの罫線ではないが「ツラを追う」のも博打の常道だろう。かつては「日本一堅いG1レース」と評されたこともあるマイル・チャンピオンシップ。低配当決着は覚悟の上だ。


<結論>
◎カンパニー
○スーパーホーネット
△ブルーメンブラット
△エイシンドーバー
△ショウナンアルバ
△スズカフェニックス
△マイネルレーニア

上位2頭が強力というレースの構図は否めないが、1角崩しの可能性を残しているのは△の各馬。ブルーメンブラットエイシンドーバーは、千四とか千八など非根幹距離で強い反面、王道路線のマイル戦ではイマイチの戦績。前走・府中組といっても、G3路線は過去このレースで通用しておらず強調しづらいが、それでもこの面子なら力量上位は明々白々。念のため、馬券を押さえておく必要はありそうだ。以下、マイルでも速い上がりを使える馬と、単騎で行けた場合の逃げ馬をマークする。
キルトクールは、はるばるカナダからやって来た外国馬ラーイズアトーニー。前走を除けば、すべて地元のウッドバイン競馬場に出走という経歴の持ち主だ。同競馬場の大回りコースは、なにげに淀を彷彿とさせるが、左回りで急カーブを描く4角でスピードダウンしてから440メートルの長い直線勝負というレイアウト。坂の下りからスピードに乗って4角を回していく京都コースとは設計思想が異なる。おそらく新潟あたりなら、好走も可能なのだろうが・・・・。

11月 23, 2008 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008/11/16

【エリザベス女王杯】カワカミの行く手を阻むものなし

Kawakami_princess_2008京都競馬場の天候は雨が降り続くなかで夜明けを迎えたようだが、それでも芝コースは「」の状態を維持(6:30現在)。どうやら雨量のピークは通り越した様子で、現状以上に馬場の渋化を心配する心配もなさそうだ。前週までの硬くて速い時計の出やすい馬場を前提に考えるなら、いくらか水分を含んでソフトになった状態といったところか?いずれにせよ、道悪の巧拙が問われるような極端な条件ではない。それなら、エリザベス女王杯も、出走馬の能力どおりのオーソドックスな決着を想定するのが筋だろう。
人気の中心は、5歳馬・カワカミプリンセス。断然のトップでゴール板を通過しながら降着に泣いた2年前の雪辱を期す一戦だが、結論から言ってしまうと、この馬の行く手を阻む存在は見あたらない。
未対戦の3歳勢は、巷間囁かれるように世代レベルそのものに疑問符がつくし、秋華賞を目標に一度ピークに仕上げた臨戦過程を経ている分、フレッシュさという点でも割引が必要になる。古馬のライバルたちとの関係でも、前走の府中牝馬Sで一応の決着がついた。外国馬2頭は、来日時の馬体重が410~420キロ台と小柄なタイプで、牝馬らしからぬ雄大な馬格を誇示するカワカミ嬢との比較で、見劣るのは否めないだろう。
それ以外の未対戦組との比較では、3歳世代最強の可能性を残すポルトフィーノの評価を避けて通れないが、単勝オッズ7倍台の2番人気とは、やはり過剰人気と言わざるを得ない。前走・準オープンのマイル戦で1分32秒5の時計は確かに速いが、当時は開幕2週目の高速馬場。直後の秋華賞でも1分58秒台が記録されているのだから、一気に6ハロンも距離延長となる今回、あのタイムや勝ちっぷりを鵜呑みにするわけにはいかない。

結局、レースの行方は、本命カワカミプリンセス自身が100%の能力を発揮できるかどうかにかかってくる。もともと3歳当時、破竹の4連勝でオークスを制覇した頃には、レースを重ねるたびに一枚づつヴェールを脱いでいくようにして強くなっていった馬。本質的には叩き良化型というべきだろう。府中牝馬Sで積極果敢な逃げ戦法を試みたことで、闘志に再び火がついた感があり、叩き2戦目の上積みはかなり大きいと見る必要がある。
天皇賞を盛り上げた牝馬のチャンピオン2頭が不在で、例年と比べるとやや寂しいメンバーとみられがちな今年の女王杯だが、カワカミ自身も5歳にしてまだ能力の底を見せていない。ここは他馬を力でねじふせ女王の貫禄を示すことで、ウオッカ・スカーレットに再び挑戦状を叩きつけたいところだ。

<結論>
◎カワカミプリンセス
○ベッラレイア
▲コスモプラチナ
△レインダンス
×ポルトフィーノ
×リトルアマポーラ
×ムードインディゴ

基本的には、府中牝馬S上位各馬の着順がここでも踏襲される可能性が高く、ベッラレイアレインダンスなどを上位に評価したが、穴馬として面白いのは逃げ馬コスモプラチナ。行く気に任せた大逃げで後続を幻惑した新潟・天の川Sの好走は単なるフロックか?と思っていたが、前走のアイルランドTで牡馬を相手に示した直線の粘り腰は見どころ十分だった。近4走2000メートル戦で常に2分を切るタイムを記録しており、牝馬同士ならこのレベルでも互角に戦える時計の裏付けもある。道中のマークが外れる今回は、是非、馬券を押さえるべきだろう。
キルトクールは、桜花賞馬のレジネッタ。秋のシーズン4戦目のレースとなるが、初戦の札幌でもう仕上がっていたので、秋華賞以上の上積みは期待できないだろう。

11月 16, 2008 08年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2008/11/09

【AR共和国杯】勝敗の鍵を握るのはサンデーの血

Al_nasrain_at_meguro_kinen_2008府中の芝・二千五百といえば、目黒記念アルゼンチン共和国杯。クラシック距離を100メートルほど延長して、ホームストレッチ坂下付近に発馬ゲートが置かれるコースは、春と秋に施行される2つのハンデG2のために用意された条件といえる。
この両重賞、かつては重厚長大な舞台設定にふさわしく、オペラハウスなど欧州由来のノーザン系トニービン産駒の活躍が目立っていたが、近年の上位馬の顔ぶれをチェックしていくと、少しづつそのトレンドに変化が生じてきているのがわかる。端的にいうなら、ここでもサンデーサイレンスの流れをくむ競走馬の活躍が目立ってきているということ。春の目黒記念は、母父にサンデーが配された近代的ステイヤーのホクトスルタンと、アドマイヤベガ産駒アルナスラインによるワンツー決着。昨年のアルゼンチン共和国杯でも、3着にサンデー直子のリキアイサイレンスが追い込んで3着に食い込んでいる。
その理由は、06年以降の両重賞で記録されたレースラップを視覚化してみた下のグラフからも明らかだ。変則ペースだった昨年の目黒記念を例外とすれば、9から10ハロン目にかけてのラップタイムが、1秒近くもグンと速くなっている。つまり、4角を回って各馬が追い出しにかかる勝負所での加速性能の優劣が問われているわけで、一気のギアチェンジに対応できる柔軟な筋力を持ち合わせている競走馬が当然有利といえる。ならば、渋太い脚を持続させるノーザン系を、サンデー譲りの瞬発力の持ち主が圧倒するという結果が繰り返されるのも、道理というべきだろう。

Tokyo_turf_2500_g2race

今年のアルゼンチン共和国杯に出走するメンバーの顔ぶれを見ても、何が何でもハナに立というタイプはいない。おららくマンハッタンスカイなどがペースメーカーに名乗りを上げて、道中は淡々としたペース、そこから4角を回っての瞬発力勝負という構図が目に浮かぶ。サンデーの流れをくむ競走馬にとっては、願ってもない展開だろう。出走メンバー中、サンデーの血を受け継ぐ競走馬は8頭。優勝候補はこれらの中にいると見立て、1頭1頭の性能・適性を比較していこうと思う。

<結論>
◎アルナスライン
○スクリーンヒーロー
▲トウショウシロッコ
△ネヴァブション
×キングアーサー
×ジャガーメイル
×ダンスアジョイ
×トウカイトリック

父系もしくは母父にサンデーの血を有するタイプを中心に、狙ってみる。
アルナスラインは、クラシック距離で最もサンデーらしい決め手を発揮していたアドマイヤベガの産駒。ハンデ58キロが微妙という気もするが、不利があったり道悪だった近2走を度外視して、3~4走前の府中コースのパフォーマンスを重視。それなら、当然、首位候補という評価になる。
相手候補筆頭は、母父サンデーのスクリーンヒーロー。キレ者というイメージはないが、それでも前走の上がり時計は33秒台をマークしている。折しも土曜の府中・芝のレースでは、内を通った馬たちの粘り込みが多数発生。このトラックバイアスさえ、日曜日まで維持されていれば、重賞挑戦でも無視できない。この馬を上位に評価すると、前走で先着しているジャガーメイルも上位という扱いになるけれど、あのハナ差はハンデ増のおかげで帳消しというのが机上の計算。ならば、実績上位・オープン常連のトウショウシロッコや久々でも体制が整ったネヴァブションなどを上位に取るべきだろう。以下では、前走でサンデー直子らしい末脚が爆発したキングアーサーにも注目。
キルトクールは、京都大賞典の4着で復活ムードのメイショウカチドキ。父エリシオ×母父クリスエスは、ちょっと前ならここでも大威張りの血統。されど、今回は5年ぶりの東京遠征で、前走の激走を鵜呑みにできない。鞍上の若手ホープ浜中騎手も、府中コースではまだまだ経験値が不足しており、ここは修業を積む場。

11月 9, 2008 08年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008/11/02

【天皇賞・秋】藤岡佑介騎手に注目!

Fujioka_yusuke_with_super_hornet4歳世代の最強牝馬2頭vs3歳世代の頂点に君臨するダービー馬による3強対決。異色の顔ぶれによる王者決定戦という触れ込みに話題が集中する今年の天皇賞だが、ウオッカダイワスカーレットディープスカイの前ですっかり影が薄くなった感のあるその他14頭も、実は多士済々の顔ぶれ。秋華賞・菊花賞に続いて、今週も秋のG1シリーズは大混戦という構図になった。
出走各馬の力差は紙一重。ならば、展開や枠順、さらには騎手の手腕など、出走馬の実績以外のファクターが結果を左右する比率は高くなると考えるのが筋だろう。魔物が棲むと云われる府中の二千メートル。乗り役の度胸と乗り方ひとつで、各馬の着順も大きく替わってくる。与えられた条件をフルに生かして、思い切った騎乗のできる騎手の手綱さばきに注目してみたいところだ。
それでは、毎週・毎週ビッグレースが続いていく競馬のハイシーズンに、最も「乗れている騎手」とはいったい誰なのか。先週・先々週とJRA・G1を制している地方競馬出身の豪腕か?はたまた、今週から参戦してきた仏国からの刺客か?もちろん、これらの名手たちの存在も無視できないが、当ブログ管理人が敢えて注目しているのは、デビュー5年目の若手・藤岡佑介騎手である。
馬券術・政治騎手」でおなじみの樋野竜司氏の表現を借りるなら、「気配り系」のキャラクターゆえ、その存在はけっして目立たないものの、とにかく毎週のように重賞レースの舞台で見せ場を作っている。東京開幕週の毎日王冠で、お手馬スーパーホーネットを駆って、逃げるウオッカを狙い澄ましたようにゴール前で撃破。翌週の秋華賞ではエアパスカルに騎乗して、逃げると思われたブライティアパルス(弟の藤岡康太騎手騎乗)のハナを叩き、淀みないペースを演出している。さらに先週の菊花賞では、伏兵フローテーションで4角最後方の位置取りから、オウケンブルースリをヒヤリとさせる末脚を繰り出してみせた。
そして迎えた天皇賞。騎乗の声が掛かったのが、昨年の菊花賞馬・アサクサキングスである。枠順は過去5年間で2頭の優勝馬を輩出している「1枠1番」。コース改修後も、内枠有利・外枠不利のジンクスが生きている府中の芝・二千では、最も恵まれた好枠といえるだろう。思い切った騎乗が持ち味の藤岡騎手にとっては、願ってもない条件である。

実際、芝のレースで白い帽子をかぶって1枠からスタートを切ったときの藤岡騎手の戦績(06年以降、過去3年分)を調べてみると、その連対率は22.0%。特に千八~二千の中距離戦で1枠に入ったときの勝負強さは際だっており、連対率は35.5%にアップする。すべての騎乗回数を通算した場合の連対率は16.3%だから、彼自身がこの条件を得意としていることは明らかだろう。そして、距離二千メートル・1枠という条件なら、単勝回収率は337。この数字が物語っているように「内枠の藤岡佑は迷わず買い」だ。逃げてよし・差してもよし。毎日王冠のスーパーホーネットも、菊花賞のフローテーションも、内目の枠順からの発馬であったことを、今一度思い起こしておきたい。
また、今回藤岡騎手がパートナーを組むアサクサキングス自身も、まだ内枠からの好走実績こそないが、人気薄のダービーで内ラチにへばりつきながら2着に踏ん張っていた事実からも、この枠順は悪くない条件。また、超スローの決め手比べになった3年前(勝馬ヘヴンリーロマンス)を例外とするなら、道中はミドルペースになって、ラスト3ハロンで要求される上がりの速さも34~35秒台というのが、近年の天皇賞のトレンドであり、それなら33秒台の決め手を使えないアサクサキングスでも、上位進出の可能性は十分だ。かつてはウオッカやダイワスカーレット相手に完敗を喫し、同世代牝馬の勝負づけは既に済んだというのが大方の下馬評だろうが、藤岡騎手がこの馬の渋太さをフルに引き出してくれるなら、大舞台で汚名返上のチャンスが回ってくるかもしれない。彼の思い切った騎乗に注目しつつ、今年の天皇賞を楽しんでみたい。

<結論>
◎アサクサキングス
○ディープスカイ
▲カンパニー
△サクラメガワンダー
×ウオッカ
×ダイワスカーレット
注オースミグラスワン
注アドマイヤフジ

1~2番人気の支持を集める牝馬2頭の取捨が馬券作戦のポイントになるが、前走で意表をつく逃げ戦法に出たウオッカには折り合いの不安、対するダイワスカーレットは半年ぶりの復帰戦によるブランク明けの不安がつきまとう。この2頭、実績や能力はともかく人気に見合うほどの信頼度は乏しく、軸としての評価は意外と難しい。今回に限っては、ひとまず連下の1角として扱うことにしたい。
3強のなかで、最も上位進出の可能性が高いのはディープスカイだろう。かつて3歳で天皇盾を制したバブルガムフェローは当時、芝の千八で1分46秒ゼロの持ち時計があったが、ディープスカイも春時点の毎日杯(阪神芝千八)でこれと同じ走破時計を記録している。すなわち、時計面で古馬のトップを相手に渡り合える裏付けは十分ということであり、四位騎手が上手く馬群を捌いてこれるようなら優勝の可能性もありうる。
毎日王冠でウオッカの後塵を拝していた古豪たちの巻き返しも怖い。カンパニーサクラメガワンダーは、前走でともに休み明けの分、エンジンの掛かりが遅れ、惜しくも馬券圏内に届かなかったが、叩き2走目で1ハロンの距離延長なら、もう一押しが効いてきそう。また、道中の展開次第では、アドマイヤフジオースミグラスワンが台頭してくる可能性も捨てきれない。牝馬ばかりが注目を集めるようなら、むしろ実績ある牡馬の巻き返しを狙ってこそ、馬券的妙味があるとはいえないか?
キルトクールは、ドリームジャーニー。大外枠から直線一気の戦法に出るのだろうが、末脚の持続力が問われる府中コースでは、意外と良い脚を長く使えないのが、この馬の泣きどころ。池添騎手が追えども追えども前には届かないというシーンが、目に浮かんでくる。

11月 2, 2008 08年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (4)