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2008/10/12

【毎日王冠】歴史的名牝を脅かす3つの死角

Vodka_at_yasuda_kinen_2008先週の凱旋門賞では彼の地の最強牝馬ザルカヴァ(Zarkava)の強さに痺れさせられたが、替わって今週は、日本が世界に誇る最強牝馬ウオッカが登場してくる。
牡馬を向こうに回して、ダービー・安田記念を制した歴史的名牝の秋初戦。再起動に向けた調整は万事順調と伝えられ、しかも舞台は得意の府中コース。
となれば、毎日王冠の話題がウオッカ一色に染まってしまうのもやむを得まい。
前日売り単勝オッズは「1.7倍」。支持率に換算すると、約50%と大方のファンがこの馬の勝利を確信している様子だ。当ブログ管理人も、基本的にはウオッカを支持するというスタンスであり、まさかこの名牝が連を外すほどの失態を演じるとは考えていない。だが、問題は人気と信頼度とのバランス。果たして、一本被りのオッズに見合うほど、ウオッカで頭鉄板といえるのか?それが、馬券検討を進めるうえでの焦点となろう。土曜日の東京メインでも、単勝1.4倍とウオッカを上回るほどの支持を集めていたダートの強豪ユビキタスが、まさかの2着に終わっている。「競馬に絶対はない」という教訓を今一度思い起こして、思考停止に陥ることなく冷静に検討を進めていきたい。
さて今回、ウオッカの取捨を考えるうえで、死角となりうるファクターが3つほどある。まず第一に57キロの負担重量。これは、セックスアローワンスで補正すると、牡馬換算59キロの重荷を背負わされることを意味する。いったい、この重量がどれくらいの影響をもたらすのか?それを知るために、05年以降に施行されたJRAの全平地重賞を対象に57キロ以上の斤量を課せられた牝馬たちの戦績を調べてみた。

すると、結果は「5-1-1-15」(連対率27%)。牝馬が酷量を克服して重賞勝ちを収めたケースが、何と5回もあった。ちょっと意外なデータという気もするが、問題はその中身。重賞5勝のうち3勝は牝馬限定競走、残り2勝が比較的斤量の影響が少ないと思われる距離千二のスプリント戦であった。そこで、牡馬混合の中長距離戦に条件を絞り込んでみると、57キロの目方を背負った牝馬は3戦してすべて着外という結果に終わっていた。
05年の毎日王冠(2番人気スイープトウショウ6着)、同年の金鯱賞(3番人気アドマイヤグルーヴ4着)、大阪杯(2番人気アドマイヤグルーヴ4着)という結果が示しているとおり、G1級牝馬といえどけして楽観は許されないことを、データが示唆している。

2つ目の死角は、鞍上である。今回は、安田記念でパートナーを組んだ岩田騎手が京都でアドマイヤジュピタに騎乗するため、ウオッカは再び武豊騎手とコンビを組むことになった。ところが、この名手の手綱捌きが実は大問題で、近頃の重賞戦線では全くいいところがないのだ。今シーズンのJRA重賞では、ヴァーミリアンダノンゴーゴーで僅か2勝をあげただけ。2着は8回とそれなりに面目を施してはいるものの、今季の単勝回収値は12円・複勝回収値も51円と、天才・武豊も、今では全く馬券にならない騎手になってしまった。詳しくは、過去に公開したこのエントリを参照してほしいのだが、武豊騎乗馬=不動の中心という公式は、少なくとも現在の重賞レースにおいては、もう通用しない。

そして、3番目の死角は、秋競馬におけるウオッカ自身の戦歴。昨季の秋初戦は、秋華賞にぶっつけというローテーションで、まさかの3着。その後、エリ女を取消、JCで4着、有馬記念では11着と、レースを消化する度に成績は下降線を描いていった。逆算して考えるなら、秋初戦の今回こそ狙い目というフォーカスも成立するのかもしれないが、本質的にはブライアンズタイム系らしく叩き良化型の同馬。初戦から能力全開といくかどうかは微妙?という気がする。
夏場の休養を放牧ではなく、自厩舎での待機に充て、栗東で充電をはかってきた女王が、秋初戦、果たしてどれほどのパフォーマンスを発揮できるか?3つの死角と一本被りの人気のバランスを考えると、勝負するよりも観るレースという気がしないでもないが、歴史的名牝の再起動には、やはり注目が必要。当ブログ管理人も、府中競馬場に足を運び、その姿をしかとこの目で確かめてみようかと考えている。

Sakura_mega_wonder_at_yasuda_kinen_<結論>
◎ウオッカ
○サクラメガワンダー
▲スーパーホーネット
△オースミグラスワン
×カンパニー
注アドマイヤフジ
注フィールドベアー


今年の毎日王冠。例年に比べ悪くないメンバーが揃ったとは思うが、3つの死角を考慮に入れても、ウオッカの連対圏突入を脅かすほどの対抗格の存在は見あたらない。ならば、あくまで「連の軸」という慎重な評価ではあるが、ウオッカ中心の馬券を買うべきというのが、当ブログの結論だ。
対抗格は、帯に短したすきに長し。距離が1ハロン長いスーパーホーネット、開幕週にしては位置取りが後ろ過ぎるオースミグラスワン、陣営が「減っていた体を戻しながらの調整」と告白するカンパニーでは、女王に先着する目はちょっと薄いという気がする。
そこで、注目してみたいのがサクラメガワンダー。苦手の道悪だった宝塚記念で4着の実績なら、ここでも大威張りできるだろう。500万下でも芝二千で1分58秒台が出るパンパンの良馬場で、距離はベストの千八。手綱を取る福永騎手もこの条件は得意で、05年以降の単勝回収値・複勝回収値は、いずれも100を超す実績を残している。関西からの遠征競馬では確かに良績がないけれど、府中コースは馬主であるさくらコマースの本拠地。系列のパチンコ店でも、この週末「MEGAパチンコデー」なる意味深なイベントを開催し、この馬の府中凱旋を祝福している模様だ。メガワンダーとウオッカを2頭軸に据えた3連複流しで、ちょっとした高配当を狙ってみよう。
キルトクールは、ハイアーゲーム柴田善大先生。土曜日の愛馬オフィサーの騎乗には、正直失望しました。

10月 12, 2008 08年競馬予想・回顧 |

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毎日王冠。 今朝になって現地観戦したくなってキター(゚Д゚) けど、体調も良くないので今年もおとなしく自宅観戦。馬券に集中。 東京11 毎日王冠 ◎リキッドノーツ ○ウオッカ ▲スーパーホーネット 圧倒的な1番人気に支持されているのはウオッカ。でも、皆さん思ってませんか?... 続きを読む

受信: 2008/10/12 8:31:58

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