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2008/09/23

ラスベガスで馬券を買おう(後編)

Lasvegas_strip_at_nightさて、ラスベガス最大級のスポーツブック会場(ラスベガス・ヒルトン)を舞台に、いよいよ馬券勝負の開始である。
野球やフットボールなどのスポーツ種目はひとまず無視することを決め込んで、競馬に専念する作戦だったが、主催者が用意したスケジュール表を見ると、この日馬券を買うことができたのは、全米各地・何と全17場ものレース。

これらのなかには、ベルモントアーリントン・パークのように日本でも知名度の高いコースもあるけれど、その一方で、いったいどこの場所でやっているのか?皆目見当もつかないローカル競馬の馬券まで発売されている。場内モニターに刻一刻と映し出される中継映像を眺めていると、ひとレースが終わる度に、すぐさま別の競馬場でスタートが切られる感じで、思わず目が回ってしまう。いやはや、とくかく慌ただしい。
また、アメリカの場合、東海岸・中西部・西海岸と2時間づつ時差が設けられているので、東海岸のレースが午後の後半戦に差し掛かった頃合いに、西海岸の競馬場ではようやく第1レースのスタートが切られたりする。各地でめまぐるしく展開されるレース風景を前に漫然と過ごしていると、あっという間に時間が流れ去ってしまう。さすがにそんな環境のなかで我を失い、全17場・全レースの馬券にチャレンジするのは得策と言い難い。油断するとフラフラあちこちの馬券を買ってしまいそうになる気持ちを引き締め、比較的メジャーと思われる競馬場をピックアップし、馬券を買ってみることにした。
とはいえ、とりたてて米国競馬への造詣が深いわけでもない当ブログ管理人のような人間が、未知の競馬場の馬券で勝負するためには、何か取っかかりのようなものが必要だ。そこでまず注目してみたのが、騎手である。幸いベルモントの出馬表を眺めているうちに、日本でも騎乗経験のある名手エドガー・プラード(E.Prado)の名前を発見したので、まずは手始めにこの騎手を軸にして「Win」(単勝)「Show」(3着式複勝)馬券を購入してみることにした。

■ハウ・トゥ・ベット?
Winning_ticket_in_las_vegas馬券の発売所は有人式の窓口になっており、そこで場名・レース名・券種・馬番・購入金額を口頭で告げ、馬券を発行してもらう。マークシードのカードも置かれていたのだが、使い方がよく理解できなかったので、口頭による購入に徹することにした。まるで、シルバー窓口でしか馬券を買わない頑固なオヤジになってしまったような気分である。
幸い窓口のスタッフは親切な人ばかりで、当ブログ管理人のブロークンな英語にも、辛抱強く付き合ってくれた。別のレースで「Place」(2着式複勝)の馬券を買おうとしたとき、「そんな馬券は売ってないよ」と言われ、思わず焦ってしまったが、どうやらこちらがLとRの発音を区別できなかったせいで「Race」と聞こえてしまったらしい。馬券は、日本で発売されるような磁気タイプではなく、表面にバーコードが印刷されたただの紙切れだ。まるでコンビニのレシートのようで有り難みがないけれど、これでも立派な勝馬投票券であることに変わりはない。

何とか無事に馬券を購入して席に戻ると、あっという間にお目当てのレースのファンファーレが鳴る。ダート競馬の本場・アメリカにふさわしく、殆どの競走は「ダート・短距離・小頭数」、もひとつ言うなら「左回り」という条件だ。脚質的には日本の地方競馬と同様、逃げ・先行、あるいは好位差し有利。実際、当ブログ管理人が購入したレースでも、2戦目でプラード騎手騎乗の本命馬が、見事な逃げ切り勝ちを収め、自分にアメリカ競馬・初の的中馬券をプレゼントしてくれた。直線では見ているこちらも力が入り、思わず日本語丸出しで「プラード!プラード!」「そのままっ、そのまま!」と、大声で熱い声援をおくってしまった。未知の土地・未知の競馬場で噛みしめる勝利の味はやはり格別。低配当の本命決着でも、これは嬉しかったなあ。

■レース情報は無料で入手可能
さて、馬券を買い始めてしばらくは、ベルモントのプラード騎手狙い撃ち戦法に徹していたのだが、調子に乗って他の競馬場(中部のルイジアナ・ダウンズや西海岸のエメラルド・ダウンズ)にも手を出し始めると、知っている騎手が誰もいないという難問にぶち当たってしまった(汗)。場内のモニターではパドックの様子も殆ど中継されず、出走各馬の状態・気配を知る手立てもない。日本式の馬柱付競馬新聞も、もちろん発売されていない。
途方に暮れつつ、何か使える情報はないのか?と藁にもすがる思いで、場内で無料配布されていた出馬表の裏面を眺めてみた。すると、そこには「Winner's Choice」と題された簡易な予想情報が掲載されている。情報の提供元はBrisnet.com。どうやら彼の地の予想会社らしい。
Vegas_horse_news掲載されている内容を手探りで超訳・解読してみると、これが案外とバカにできない内容であることがわかってきた。グリグリ二重丸の代わりに、この日の「Best Bet」(自信の勝負レースの推奨軸馬。星印で表示)や、「Top Selection」(本紙予想による各レースの軸馬。チェックマークで表示)がしっかりとマークされている。おお、これならマークのついた馬を軸に馬券を買えばよいではないか?!
それだけではない。各馬の負担重量に想定単勝オッズ、展開予想、さらには騎手と調教師の相性、各馬のコース・距離適性、開催競馬場のトラックバイアスの傾向などなど。競馬ファンにとって、欠かすことのできない興味深い情報が、わずかA4一枚のサイズにギュッと濃縮されている。スペースの都合で各馬の近走成績(馬柱)はオミットされていたが、その替わりにアンドリュー・ベイヤー式のスピード指数と思われる数値まで1頭づつ示されていた。
この数値と想定オッズを照らし合わせていけば、はるばる日本からやってきた門外漢でも、短時間で当該レース出走馬の能力比較や各馬の勝負気配を推し量ることが可能である。無料版ながら、必要にして十分な情報提供は、考えようによっては日本の競馬新聞より、ファンの立場にたった親切なメディアと言えなくもない。

実際、この日のエメラルド・ダウンズ競馬場では、「Winner's Choice」のBest Betに推された指数上位の先行馬が2着に逃げ粘り、それを外枠の対抗格がゴール前に好位差しで捉えるという決着パターンが3レース連続して出現。「Winner's Choice」を参考にして、そんな傾向をだんだんと読めるようになったので、馬単(Exacta)でそこそこの配当を手にすることができた。Best Bet1着固定の3連単(Trifecta)を的中させることが叶わなかったのは残念だが、無料でここまで精度の高い情報が提供されているとは、さすがに競馬の本場は違う。

結局、この日の馬券勝負はトータルで若干のマイナスに終わったけれど、競馬の楽しさは万国共通。それを実感できたのは収穫だった。ラスベガスを訪れる機会のある方には、是非「Winner's Choice」を片手に、熱い・熱い馬券勝負を満喫されることをお奨めしたい。

9月 23, 2008 旅打ちコラム, 日記・コラム・つぶやき |

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コメント

競馬に関係のある地に出張ということでどちらかなと想像していましたがラスベガスとは!w
英語でコミュニケーション取れるのはさすが山城守さんですね。
私はフランス遠征の時、隣に座った英国人のグループとほとんど話せなかったなぁ。
向こうからは「タケ!タケ!」必死に離しかけているのにほとんど会話が聞き取れませんでした。
唯一聞き取れたのは座ってる間中繰り返していた「ファロンは大嫌いだ!」くらい。
こっちで言えば「ヨシ○ミしねー」でしょうかw

悔しい思いをしたので、次回の海外遠征ではもう少し英語を話せるようにちょっとがんばっております。

秋の府中もありますし、これからお会いできることを楽しみにしています。
ではでは。

投稿: ほはてい | 2008/09/24 22:06:20

ヒルトンで一戦でしたか。私は5~6年前に夏休みを取ってモンテカルロに行きましたが、そこは画面が8面あり、朝から晩まで東から西へと順繰りにやっていました。夜となるとトロットとドッグレースになってしまいましたが・・・。
確かラスベガスは全米最大の見本市会場があり、そこでビジネスショーや学会が開かれるので、平日は、そこに参加した人が序にカジノに行くというパターンが多いそうですね、

投稿: もくに | 2008/09/25 6:19:40

>ほはていさん

ラスベガスのカジノは、基本的に英語がわからなくても大丈夫。遊び方の基本ルールさえ押さえておけば、誰でも楽しめる場所だと思いました。私が発売窓口のおじさん・おばさんに告げていた内容もほぼ単語の羅列で、「ハロー!、場名、レースナンバー、賭け式、馬番、購入金額、プリーズ、サンキュー!」と、こんな感じでOKです。手元には、場内で無料配布された出馬表もあるので、まず買い間違える心配はありません。ちなみに、レース中の絶叫は「そのまま!」も「差せ!」も、すべて日本語で押し通してきました(汗)
府中では、是非ご一緒しましょう。私のほうは、開催中なら何時でもOKです。

>もくにさん

実はモンテカルロのカジノものぞいてきましたが、やはりスポーツブックなら、ヒルトンのほうが相当スケールが大きいようです。他にはマンダレイベイとかシーザーズパレスの会場も広いと聞きましたが、それは次の機会に。今回はオフタイムの短期間滞在だったので、できれば長期休暇を取って、1週間くらいじっくり腰を据えることができれば理想ですね。

投稿: 山城守 | 2008/09/25 22:11:06

いつも楽しませていただいています。
写真をみて思わずメールしました。
21日から本日までラスベガスにいて、まさに
写真の景色を毎日見ていました。(今シカゴです)私は残念ながら時間の都合で競馬は出来なかったのですが、是非次回のチャンスには活かしたいですね。
ちなみに、競馬をする上でお勧めのホテルはありますか。
今後もよろしくお願いします。

投稿: kamosayo | 2008/09/27 13:59:26

kamosayoさん、コメントありがとうございます。
約1週間のラスベガス滞在とは、実に豪勢でうらやましいです。私も、日本の競馬で渡航費用を稼いで、近いうちに是非再訪してみたいと密かに計画を練っています。
ラスベガス大全さんの情報によれば、ベガスのホテルで広大なスポーツブックのコーナーを要しているのは、本エントリでも取り上げたヒルトン、マンダレイベイ、シーザーズパレスといった所らしいのですが、とりあえずヒルトンの裏口に設置されたマンノォーの銅像は一見の価値があると思います。日本のガイドブックでは全く取り上げられていませんが、隠れたラスベガス名所のひとつではないでしょうか?
シカゴも良い街ですね。お気を付けて、黄金旅程をお楽しみください。

投稿: 山城守 | 2008/09/28 3:36:02

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