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2008/08/31

【新潟記念】サマーシリーズへの思惑が波乱を呼ぶ

Erimo_harrier_at_minichi_ohkan_2007夏の重賞戦線を盛り上げようと3年前から創設された「サマー2000シリーズ」も、いよいよ新潟記念で最終戦を迎える。これまでの4戦とは、七夕賞・函館記念・小倉記念・札幌記念の各レース。改めて振り返ってみると、同じ距離二千のローカル重賞といっても、所も違えばメンバー構成・レベルもそれぞれに違っている。それらを強引にシリーズ化してポイント争いをしましょうという企画の趣旨自体、やはり不自然な感を否めない。主催者の喧伝とは裏腹に、ポイント争いの行方に関心を寄せるファンの数など、きっと少数派に過ぎないのだろう。
だが、シリーズチャンピオンの座を射止めた競走馬の馬主には4000万円、厩舎関係者には1000万円の褒賞金が贈られるとなれば、少なくとも関係者の目の色は変わってくる。特に厩舎関係者にもボーナス獲得のチャンスがあるというのミソで、この時点で優勝の可能性を残している馬を新潟記念に送り出す陣営にとっては、仕上げにも力が入るというのが人情だろう。各陣営の「勝負気配」を知るために、シリーズ4戦を消化した時点でのポイントランキングを改めて確認しておこう。黄緑色のマーカーで表示しているのが、新潟記念に出走してくる馬たちである。

Summer2000_pointranking_before_niig

前売りオッズで上位人気を集める小倉記念2着馬・ダイシングロウは、トップと8ポイント差。すなわち、新潟記念を優勝して10ポイントを獲得しない限り逆転の目はなく、ここは当然、必勝を期した目イチの仕上げで参戦してくる。小倉記念では早めに動いた分、G1馬ドリームジャーニーの格好の目標にされてしまったが、幸い今回はあれほどの実績をもつ強敵がいない。ならば、早めの仕掛けから力でねじ伏せる競馬でも通用する。積極的に打って出てこそ活路は拓けると、川田騎手も考えているはずだ。
一方、ポイントランクで上位に位置している七夕賞の勝者ミヤビランベリは、仮にダイシングロウなどに1着を譲っても、3着得点4ポイントを加算すれば、逃げ切りでシリーズチャンピオンを手中にできるという計算が成り立つ。勝ちにこだわるよりも、負けない競馬に徹するのが得策だ。手綱を取るのは、昨年の新潟記念をユメノシルシで制し、同馬をシリーズチャンピオンへと導いた吉田豊騎手。となれば、大敗のリスクもある逃げの戦法ではなく、昨年の優勝馬と同様に、好位から早めに抜け出して粘り込む作戦をイメージしていることだろう。

だが、新潟外回りコースの直線は、わが国でも最長となる六百メートル以上の長さを擁している。ダイシングロウにせよミヤビランベリにせよ、有力どころが好位から早め・早めの競馬に徹するなら、ラストの200メートルでそれらの勢いが僅かに鈍化する可能性は否めない。実際、過去3年の新潟記念のレースラップを確認してみると、ゴール前残り2ハロンの勝負所では10秒台と究極の上がりが記録されているが、ラスト1ハロンになると12秒台・・・・一気に2秒近くも時計を要している。そのあたりに、後方待機から差し・追込の戦法に徹する伏兵が台頭しうる「」が残されているのではないだろうか?
舞台は、既に開幕から7週を消化して、徐々に外差し有利の傾向が強くなってきた新潟の芝コース。サマーシリーズのポイント争いを意識した各陣営の思惑が加熱すればするほど、それに冷や水を浴びせる伏兵が、あっと言わせてくれそうな予感が強くなってくる。

Tosho_voice_at_sekiya_kinen_2008<結論>
◎エリモハリアー
○トウショウヴォイス
▲ダイシングロウ
△マイネルキッツ
×バトルバニヤン
注ミヤビランベリ
注ヤマニンアラバスタ
注サンレイジャスパー

前走・函館記念では惜しくも4連覇の偉業こそ逃したものの、ゴール前で強烈な末脚を繰り出し古豪健在をアピールしていたエリモハリアー。今シーズンは強敵揃いのG2札幌記念を敢えてパスして、より勝てる可能性の高い新潟遠征を選択してきた。仮にこのレースを優勝できれば、シリーズポイントは13得点。タスカータソルテとチャンピオンの座を分け合う可能性も、まだ残されている。陣営の本気度がひしひしと伝わってくるこのローテーションには、警戒が必要だろう。洋芝専用というイメージがあるけれど、昨シーズンのオールカマー・毎日王冠で高速馬場を苦にすることなく好走している戦績を残している。新潟の野芝に適性がないと決めつけるのは、いかにも早計だ。
対抗格も追込勢から。新潟巧者トウショウヴォイスに今一度注目してみたい。サマーシリーズの優勝争いには縁のない存在だが、この馬自身、新潟開催が終わってしまうと秋にはしばらく適鞍がない。となれば、今回は後先を考える必要がない勝負の仕上げ。関屋記念の出遅れには敢えて目をつむっても、狙ってみたいところだ。
以下では、サマーシリーズ優勝を本気で意識していると思われる上がり馬ダイシングロウと、まだチャンスの目を残している左回り巧者マイネルキッツ。条件戦とはいえ、前走が圧巻だったバトルバニヤンも春の新潟大賞典で上位と差のない競馬をしており、重賞でも圏内だろう。
キルトクールチョウサン。本質的に叩き良化型で、パンパンの良馬場でこそ力を発揮できるタイプ。新潟記念からの始動は秋シーズンを見据えたローテーションであり、他陣営と比べるなら本気度という点で強調材料が乏しいとジャッジせざるを得ない。

8月 31, 2008 08年競馬予想・回顧 |

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» キルトクールは? 新潟記念ほか トラックバック 雲國齊の無謀
なんだって凄い雨が降ったり止んだりしている。大気が不安定ということなんだろうが、 続きを読む

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