« 【オークス】桜花賞凡走から巻き返せる条件とは? | トップページ | 【安田記念】屋根から考える香港勢の取捨選択 »

2008/06/01

【日本ダービー】皐月賞組はそんなにダメなのか?

Black_shell_at_nhk_mile_c_08主役不在。そんな頼りない形容こそが相応しく思えた今年の牡馬クラシック戦線も、同世代の頂点を決める大一番を前にして、ようやく有力各馬の勢力図のようなものが浮き彫りになってきたように思える。
ターニングポイントとなったレースは、3月の阪神・芝外回り千八で争われた毎日杯(G3)だ。1着馬の走破時計(1分46秒0)が良馬場を考慮に入れても優秀な水準で、高レベルと評されてきた重賞だったが、このレースの上位2頭が次走で示したパフォーマンスが、何と言っても圧巻だった。勝ち馬ディープスカイは、NHKマイルカップ(JpnⅠ)に矛先を向けると、桁外れの決め手を発揮し後続を圧倒。2着アドマイヤコマンドも、次走の青葉賞であっさりと勝利をおさめ、ダービーの優先出走権を手にしている。毎日杯といえば、失礼ながらクラシックの裏街道という位置づけがお似合いの地味な重賞競走。そこで上位を占めた馬たちが、およそ2ヶ月後のダービーを前にして一躍主役候補として脚光を浴びることになるとは、その時点でいったい誰が予想し得ただろう?
ダート無敗からの挑戦が話題のサクセスブロッケンも含め、どうしても別路線組に注目がが集まりがちになるのは、本来なら主役を張るべき皐月賞組の頼りなさに起因した現象とも言えるのかもしれない。その皐月賞といえば、逃げた馬を後続が捕まえきれぬまま、上位各馬が団子状態でゴールに流れ込んだ単調な展開。勝馬の走破時計も2分1秒台後半と平凡な水準だった。レースを振り返ってみても、各馬ともダービーに向けて巻き返しを期待できそうな材料が乏しく、おまけに勝ったキャプテントゥーレも骨折で戦線離脱を余儀なくされる始末。皐月賞組と別路線組・・・・両者の比較では、どうしても勢いに勝る後者に軍配を上げたくなる。
だが、皐月賞出走組が、3歳春の時点で同世代トップクラスの能力・実績を有する競走馬であるという構図そのものは、例年も今年も変わらない。その事実を軽く見るべきではないだろう。

例えば皐月賞16番人気で13着だったベンチャーナイン。皐月賞で見せ場すら作れなかった同馬が、次走プリンシパルSで相手関係がちょっと弱化すると、「闘ってきた相手が違うっ!」と言わんばかりのレースぶりで圧勝を収めてしまう。NHKマイルカップでディープスカイに渋太く食いさがって2着したブラックシェルにしても事情は同じ。要するに。時計のかかる馬場状態だった中山・芝二千という少しトリッキーな条件下で力を出し切れなかったタイプが、広々とした東京コースに替わって、一転して本領を発揮してくる可能性があるということ。そんなタイプなら、ダービーでも警戒は怠れない。

過去のレースデータに目を転じてみると、03年の東京コース改修以降、ダービーにおける前走レース別勝利数は、皐月賞組が3勝NHKマイルC、桜花賞が各1勝となっている。やはり皐月賞を筆頭にして、前走G1(JpnⅠ)で実績を積んできた組が優勢であり、青葉賞や京都新聞杯のG2組では2着までが精一杯といったところだ。
さらに、前々走にまで検索対象を広げてみると、今年と同様に別路線組が優勢と見られた04年(優勝馬キングカメハメハ)に2着したハーツクライは、前走・京都新聞杯組ながら2走前には皐月賞出走という経歴の持ち主だった。さらに昨年2着のアサクサキングス(皐月賞→NHKマイルCからダービー出走)もカウントするなら、前走・前々走で皐月賞に出走していた馬は、5年で1着3回・2着2回・3着4回の好成績を残していることがわかる。過去10年を遡ってみても、皐月賞出走馬が連に絡まなかったという年は1回もなく、別路線組がかなり強力な年であっても、やはり皐月賞組を抜きにしたワンツー決着というのは、あり得ない
毎日杯、青葉賞、NHKマイルC。さらにはダート路線も含め、王道路線以外のステップに注目が集中するようなら、むしろ積極的に皐月賞組を狙い打つという馬券作戦も成立する余地がある。ひょっとして、人気低落傾向の皐月賞組が、JRAプレミアムによる配当付加価値プラスアルファの高配を運んでくれるのかもしれない。

<結論>
◎ブラックシェル
○ディープスカイ
▲タケミカヅチ
△レインボーペガサス
×マイネルチャールズ
×ベンチャーナイン
×アドマイヤコマンド
注クリスタルウイング
注モンテクリスエス

日曜日には天候回復が見込まれるとはいえ、前日に一度は不良まで渋化した芝コース。おそらくダービー発走時の馬場状態は、同様に雨の影響を受けていたNHKマイルカップと同じか、それより少し乾いているか?といったところ。パンパンの良馬場での瞬発力比べというより、パワーや持続力の優劣が問われる競馬になるのだろう。馬場の内側から乾燥が進むことを考えれば、安全運転で外を回すより、ラチ沿いから抜け出すコース取りを選択した馬に一日の長がありそうだ。

そんな条件設定なら、まさしくNHKマイルの再現が有望ということになる。だが、当時のディープスカイは、4角で全馬が大きく外を回していくなかで、迷わず内へと舵を切り一気にワープ。労せずして先行勢との着差を縮小できたのが大きかった。雨上がりなら内有利という傾向が各騎手の頭脳にしっかりとインプットされている今回は、そう簡単に前がぽっかりと開く展開にもなるまい。それならむしろ、内で密集する馬群の真ん中あるいは少し外を通って抜け出した方が、ゴールへの近道になるという可能性がある。

対するブラックシェルは、前走忙しい距離で4角4~5番手、直線坂の途中で早めに先頭に立つという積極策。結果、馬体を併せてきたディープスカイとの加速競走で適性の差を露呈してしまった感があるけれど、瞬時のギアチェンジが効かないクロフネ産駒だけに、あの戦法は大正解だった。前走から800メートル長い距離を走る今回、前走と同様の策を取ってセフティーリードを奪ってしまえば、距離適性の差でディープスカイを逆転できる可能性がある。再び同馬の手綱を取る武豊騎手は、当ブログがこんなエントリを公開した途端、それに反発するかのようにクレバーな好騎乗を連発。渋った馬場状態のコース取りの巧さなら、現役騎手の中でも、やはりこの名手の右に出る者はいない。

以下では、東京コース替わりで前進を見込めそうな、皐月賞組2頭(タケミカヅチ、レインボーペガサス)を連下にマーク。マイネルチャールズなども、府中向きという印象はないけれど、これまで世代を牽引してきた実績を侮れない。息の長い末脚で、ひょっとしたら3着候補筆頭なのかもしれないベンチャーナインと青葉賞組も少々。

キルトクールは、無敗のダート王・サクセスブロッケンクロフネゴールドアリュール、そしてアドマイヤドン。後に国内トップクラスの戦績を残すことになる歴代ダート王たちが、ダービーで健闘しつつも馬券の対象に食い込むまでに至らなかったことを思えば、この異種格闘技戦を制することが如何に困難なことか、実感をもって理解できるだろう。

6月 1, 2008 08年競馬予想・回顧 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33923/41386638

この記事へのトラックバック一覧です: 【日本ダービー】皐月賞組はそんなにダメなのか?:

» 日本ダービー予想 トラックバック 気まぐれなサイコロVR
いよいよダービー。本当に今年は難しい。的中できればいうことはないのだが…。 【東京10R:日本ダービー】 ◎?タケミカヅチ ○?ブラックシェル ▲?サクセスブロッケン △?レインボーペガサス ×?アドマイヤコマンド ×?マイネルチャールズ ×?ショウナンアルバ 近年に例を見ない混戦模様のダービー。重賞のたびに勝ち馬が目まぐるしく変わったこともあってか、出走ボーダーは2100万円と高くなったが、これといって抜けた馬がいないのも事実。上位陣も一長一短のある顔ぶれだけにどこまらでも狙えそうというのが今... 続きを読む

受信: 2008/06/01 5:31:39

» 【2008年日本ダービー(東京優駿)予想】ダービーで巻き返すトニービンの血 トラックバック うません
【2008年日本ダービー(東京優駿)出馬表】 >>>日本ダービーは第10レース(15時40分発走)<<< 枠 馬 馬名 性齢 重量 騎手 ... 続きを読む

受信: 2008/06/01 7:57:32

» 【競馬予想】東京優駿(ダービー)の予想 トラックバック 競馬予想@競馬で儲けよう
ダービーの予想です。混戦と言われているクラシック戦線ですが混戦のままダービーを向 続きを読む

受信: 2008/06/01 11:33:10

コメント

コメントを書く