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2008/05/18

【ヴィクトリアM】天才・武豊に死角あり

Take_yutaka_with_faridat最近、職場の宴席で「JRAのG1レースで儲ける秘訣」というのが、ちょっと話題になったことがある。話題を持ち出した某氏曰く、「1番人気の武豊を蹴飛ばして買う」というのがその秘訣らしい。いかにも穴党らしいシンプルな馬券術なのだが、なかなかどうして、これが効果テキメンなのだそうだ。
そう言われてみると、当ブログ管理人も、最近のG1レースでは武豊騎手との相性があまりよくない。この1年間、ブログで公開したJRA・G1(Jpn1を含む)の予想エントリのうち、武豊騎乗馬を本命にしたことが6回あったが、その成績は「1-0-0-5」と目を覆うばかりの惨状を呈している。絶望的な相性の悪さには天を仰ぐばかりだが、自分の馬券を紙くずに変えたこれら6頭の本命馬は、当時いずれも1~2番人気に支持されるのが当然と思われていた実力馬ばかり。それぞれに敗因があるとはいえ、3着にすら食い込めず敗退しているようでは、昨年の秋天当時、武騎手が優勝インタビューで飛ばしたジョーク「国民の信頼に応える」も悪い冗談だったように思えてくる。どうやらこの問題、単に相性の善し悪しだけで片付けてよいことではなさそうだ。

1987年のデビュー以来、20年以上の長きにわたり天才騎手の名をほしいままにして、中央競馬のトップに君臨してきた武豊も、来年には不惑を迎えるお年頃。全盛時との比較で身体能力に衰えが無いといえば、やはり嘘になるだろう。05年の年末には、ディープインパクトという最良のパートナーが引退。そして昨年になると、アドマイヤ軍団との訣別や関西競馬界におけるエージェントたちの勢力図の変動など、不都合な話題もちらほらと聞こえるようになってきた。
とはいえ天才は死なず。今シーズンも既に60勝以上をマークし、全国リーディング首位の座をがっちりキープしている。表面的な数字を見ている限り、武豊は、まだまだ競馬ファンの信頼を裏切っているとは思えない。
そこで、もう少しデータを掘り下げ、武豊騎手が騎乗したJRA・芝の重賞競走で、07年以降それ以前の3年間(04~06年)における戦いぶりを比較してみることにした。両期間の脚質別・戦績比較データである。

なお、04年~06年はディープインパクトの現役時代にあたるが、重賞だけで10勝を挙げている、この突出した怪物の戦績(10-1-0-0)だけは除いて考えたほうが、騎手・武豊の真相に迫れるのではないかと思い、今回の集計対象から除外したことを、お断りしておく。

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Take20072008








07年以降の最近の重賞では、合計の勝率・連対率が、ともに10%近くも低下している。アドマイヤと袂を分かったことなどで騎乗馬の質が低下したとも考えられるが、ちょっと見過ごせない数値である。脚質別にみると、先行した場合の連対率、差しに回ったときの勝率・連対率の低下がやはり気になる。差しても追い込んでも馬券になる寸前で届かない・・・・・この騎手をめぐってファンの間でよく囁かれる「タメ殺し」の現象が、芝の重賞レースで顕著になってきているということだろうか?

武豊=タメ殺し説を、別の角度から検証してみよう。
04年~06年当時の芝・重賞の武豊騎乗馬(ディープインパクトを除く)が出走馬中、上がり3ハロン第1位をマークしたときの勝率が67%、連対率は79%。3着内率なら88%。何と9割近くの馬を馬券圏内に導くという驚異的な成績を残している。タメにタメてお手馬の決め手を引き出し、ファンの信頼に応える。まさしく天才騎手の真骨頂というべき技量の高さを表現した数値というべきだろう。
ところが、07年シーズン以降の芝・重賞で同じデータを検索してみると、勝率26%、連対率53%、3着内率66%とその信頼度が著しく低下している。例えば、土曜日のメイン・京王杯スプリングカップのスズカフェニックスのように、何とか3着に食い込んで面目を施したものの、勝馬には到底及ばない。2着の伏兵にも足下をすくわれてしまう。そんな競馬を、天才騎手が最近の重賞レースでずっと繰り返していることが、数字の上でも証明されてしまった感がある。

さらにデータを追加すると、直線の長い東京コースの芝重賞では、07年以降の勝率・連対率がともに18%。それ以前の3年間で28%の連対率を記録していることと比較すれば、タメ殺し現象の出現は府中の芝でより顕著になっていることが伺える。そもそも東京・芝の重賞レースでは、武豊騎乗馬が上がり3ハロン第1位を記録するケース自体が少なくなった(07年以降、スズカフェニックスで2度記録しているのみ)。タメ殺し以前に、お手馬の決め手を引き出すことに失敗した不完全燃焼の競馬ばかりが増えていることが、心配されるのだ。
前半の位置取りやペース判断に関する判断ミスか?それとも、体力的に馬を追い続けるのが辛くなってきているのか?その真相は神のみぞ知るといったところだが、もはや府中の芝・重賞では、天才・武豊も普通の騎手とさほど違わないと考えた方がよいのかもしれない。

牝馬同士なら負けられない」と必勝の構えでヴィクトリアマイルに参戦するウオッカといえど、武豊騎手の手綱に全幅の信頼は寄せられないことを心しておく必要がある。一昨年の北村宏、昨年の松岡。過去2年のレースでは、関東の若手・中堅どころが乾坤一擲の手綱捌きをみせ、見事に栄光を勝ち取ったことを思えば、昔の名前で出ているベテラン騎手よりも、日の出の勢いに乗る若武者にこそ、勝利の女神は微笑むのではないかという予感がする。

<結論>
◎ニシノマナムスメ
○ブルーメンブラット
▲ウオッカ
△ジョリーダンス
×ベッラレイア
×エイジアンウインズ
×パーフェクトジョイ
×マイネカンナ
×トウカイオスカー

先週時点で関東リーディング8位。いまやすっかりトップ騎手の仲間入りを果たした感のある吉田隼人騎手が手綱を取るニシノマナムスメを狙ってみる。武豊騎手からの乗り替わりで初コンビを結成したのが、前走・阪神のマイラーズC。良血とはいえ、牡馬混合のG2戦では一介の伏兵に過ぎなかったこの馬を、首位カンパニーとクビ差の接戦にまで持ち込んだ隼人騎手の手綱さばきが光った。マナムスメ自身も、3歳春当時ウオッカに子供扱いされていたことを思い出せば、いまや全く別馬と思えるほどの充実ぶり。人馬とも勢いに乗って初のG1制覇に王手をかける。
相手筆頭は、ブルーメンブラット。千四ベストの印象だが、併せ馬の形でなくても1頭だけでグンと伸びてくる逞しさがあるので、距離延長は問題ないだろう。鞍上の後藤騎手も、土曜日は8レースの落馬を全く問題にせず、10レース・12レースで勝利を奪取、メインレースでも大逃げを打つなど絶好調だ。直線坂の半ば、内で密集する馬群を捌いて抜け出す格好に持ち込めば、首位の可能性もありうる。
これらと対照的に人馬とも近走精彩を欠くウオッカは、3番手の評価。それならむしろ、前走阪神の直線で真剣に追っていなかった安藤勝己のジョリーダンスのほうが、府中マイルへの高い相性があり、面白い存在かもしれない。ベッラレイアの秋山騎手は、馬券的に信頼できる乗り手だが、この大一番ではまだ修行が不足しているかも。

キルトクールは、ローブデコルテ。この距離への適性はありそうだが、前走がちょっと負けすぎの感。鞍上・福永祐一騎手も、今シーズンは関西リーディングで若手の藤岡佑介や浜中俊の後塵を拝するなど、ちょっと勢いを欠いている印象を受ける。

5月 18, 2008 08年競馬予想・回顧 |

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ドバイで4着と好走した昨年のダービー馬、ウオッカが明日のGⅠレース、ヴィクトリアマ 続きを読む

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最近不調の武豊を信じて良いのか・・・ ウオッカと四位のコンビで出走して欲しかった... 続きを読む

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コメント

武騎手について、勝ち星はあがっているのに何か勝ってる印象薄いよな・・・と先週の2重賞を見て私も強く思っておりましたが、07以前と以降でこんなに違っていたとは!
終いの切れを生かすことができるSS産駒のお手馬が減っていることと関係があるかもしれませんね。
馬の力は抜けているので無印にはできないが、ウォッカに本命は打てませんね。
大変参考になりました!

投稿: kemkem | 2008/05/18 9:17:36

>kemkemさん

こんなエントリを公開した途端、武豊とウォッカがG1ヴィクトリアマイルで2着と大激走・・・・当ブログと武騎手の相性の悪さはほんとうに致命的ですね(汗)
府中のスタンド前で現地観戦していたのですが、しっかりと前に壁を作りながら折り合いに専念していた道中、直線の追い出しのポイントとも、武騎手の手綱捌きはパーフェクトに見えました。勝ちきれなかったとはいえ、あの騎乗なら、タメ殺しと評することはできません。
とはいえ、その武騎手も今週の東京遠征では、2~3着が多かったものの、遂に勝ち星を挙げることができませんでした。常に人気を集める立場であることを考えると、やはり物足りない成績と言わざるを得ないでしょう。
連下として押さえておく必要はあるけれど、単勝系馬券の頭では狙えない(人気とのバランスを考えると妙味がない)・・・・武騎手が府中コースの上級条件に出走してきたときには、そのことをもう一度思い出して、馬券検討を進めていこうと考えています。

投稿: 山城守 | 2008/05/18 21:39:41

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