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2008/05/25

【オークス】桜花賞凡走から巻き返せる条件とは?

Black_emblem_at_oka_shoウオッカダイワスカーレット、そしてベッラレイア。世代を牽引する強い牝馬が次々と現れ、豊作の印象が強かった昨年の3歳世代とは対照的に、今年は牝馬クラシック第2弾の時季を迎えても、いまだに主役候補が不在。依然として、混戦ムードの解消される気配が見えない。桜花賞は、3連単700万円の超・高額配当が飛び出す大波乱。上位人に支持されていたトライアル上位組が揃って凡走する一方で、単勝2桁人気の伏兵が3頭も掲示板に載るという不可解な結果に終わった。だが、その着順は能力よりも、展開やコース取りによるマギレを色濃く反映した感があり、距離が八百メートルも伸びるオークスで、そのまま参考にできるとは思えない。
とはいえ、過去10年のレースを振り返ってみれば、前走・桜花賞出走組は、オークスでも7頭の優勝馬と8頭の2着馬を輩出している。何だかんだ言っても、頭から桜花賞組を無視したオークスの予想というのもあり得ないだろう。前走・桜花賞組の取捨選択。それが、オークス予想の最重要ポイントであることは、今も昔も変わらない。
厄介なのは、前走・桜花賞上位組だけではなく、凡走組の巻き返しにも警戒を怠れないということだ。過去10年のオークス上位馬には、桜花賞で掲示板を外していながら、府中の二千四百で突如として復活を遂げ、波乱の立役者になった気まぐれな牝馬が少なからず存在している。最近では06年のフサイチパンドラ(桜花賞14着→オークス2着)がその典型例。もう少し前の時代に遡ってみれば、ダイワエルシエーロ(桜花賞7着→オークス1着)やスマイルトゥモロー(桜花賞6着→オークス1着)の名を、歴代優勝馬のなかに見つけることができる。

桜花賞で6着以下からオークスで3着以内に巻き返してきた競走馬は、過去10年に9頭を数えるが、これら各馬の戦歴を振り返ってみると、面白い共通項があることに気がつく。桜花賞の1走前、すなわち前々走で関東圏の牝馬重賞・クイーンカップまたはフラワーカップに出走し連対実績を残していた馬が、9頭のうち8頭を占めているのだ。前述した各馬を例にとるなら、フサイチパンドラはフラワーCの2着馬。ダイワエルシエーロとスマイルトゥモローは、その年のクイーンC・フラワーCでそれぞれ優勝を飾っていた。
この傾向の真偽を確かめるため、今度は、前々走クイーンCまたはフラワーCで連対し、前走桜花賞で6着以下に敗れた馬たちのオークスの着順をすべてチェックしてみた(過去10年)。すると、前々走クイーンC連対組の戦績は「2-1-0-2」、フラワーC連対組の場合は「1-1-2-1」。両者を合算すると「3-2-2-3」。連対率50%・3着内率70%と驚異的なアベレージで復活を記録していることがわかった。データの中には4着以下でも、桜花賞7着からオークスで3着テイエムオーシャンとクビ差の接戦(4着)を演じたサクセスストレイン(クイーンC優勝馬)なども含まれていたりする。レース内容まで吟味するなら、前々走クイーンC・フラワーCの好走馬には、かなりの確率で復活を期待できる素地があるというべきだろう。
一方、それとは対照的に、同じ桜花賞凡走組でも前々走で関東2重賞以外のステップを踏んできた馬たちのオークス成績は「0-1-0-15」と、散々たる有様であった。チューリップ賞やフィリーズレビューなど、桜花賞トライアルのメインストリームを歩んできながら、本番で掲示板を外すという失態を演じたエリート牝馬たち。残念ながら彼女たちにとって、オークスでの名誉挽回の可能性は、殆ど残されていないと言わざるを得ない。

桜花賞凡走組を狙うなら、関東馬・関西馬を問わず、前々走の関東牝馬重賞で好走歴を重視。それ以外の桜花賞凡走組は、思い切って軽視すべきこと。どこからでも馬券を買えそうな一戦だけに、過去10年のデータから導き出された傾向と対策を頼りに、有力各馬の取捨選択を進めてみるのも一興だろう。今年のオークスにも、そんなデータの裏付けから復活を想定できそうな出走馬がエントリーしている。

<結論>
◎ブラックエンブレム
○リトルアマポーラ
▲レッドアゲート
△レジネッタ
×ソーマジック
×スペルバインド
×アドマキャンドル
×シャランジュ

前々走・フラワーCで折り合い不安を露呈しながらレッドアゲートの追撃を封じて優勝。前走・桜花賞では出遅れて10着に終わったブレックエンブレムの復活を期待できそうだ。
栗東に滞在し直前追い切りを消化しないまま本番に臨んだ前走の調整過程は、様々な憶測を呼んだけれど、その間の事情については、小島茂之厩舎の本音(公式ブログ)さんのエントリで詳細が明らかにされている。このようなインサイドレポートが、当事者の立場から公開されたこと自体、素晴らしい出来事であり、大いに拍手を送りたいと思う。直前のエントリでも「ブラック自身もこれだけやって胸を張って出走できるのは、ある意味初めて。トライアルに出走したメンバーなどに過去に負かした馬も多く、その物差しからも負けてはいないはず。」と小島師自身が、かなりの手応えを感じている様子。巷間囁かれている折り合い不安は、スマイルトゥモローやフサイチパンドラにも指摘されていたこと。その脚質から渋った馬場にも対応できる可能性は高く、桜花賞凡走からの巻き返しに向けて、好材料は少なくない。

リトルアマポーラは桜花賞5着といっても、辛うじて掲示板に間に合った印象。ならばクイーンS好走・桜花賞凡走のパターンから、今回は巻き返しの可能性が濃厚だろう。500万下と京成杯で道悪競馬の好走歴を残していることが心強い。大外枠発走も馬場の良い外目を選んで追走できることを思えば、悪くない条件というべきだろう。
以下では、前走で馬が変わった感のあるレッドアゲート。全身が冬毛に覆われていてまだ完調手前と思われた2月の東京・芝二千四で2分26秒4の好時計を記録しており、例年の水準に照らしてみれば、上位候補の一角を占めることは明白だ。桜花賞馬レジネッタも、兄弟(アエローザ)の戦歴から距離延長に不安は感じられず、マークを欠かせない有力候補の1頭と考える。

キルトクールは、武豊マイネレーツェル。前走桜花賞凡走・前々走フィリーズレビュー組は、過去10年「0-0-0-5」と全くの不振。府中の芝・高額条件で信頼を置けない鞍上の近況込みで消しの評価が妥当と思われる。

5月 25, 2008 08年競馬予想・回顧 |

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コメント

ブラックエンブレムについて、小島師のブログに、「ほぼ解消された」とは言うものの、「硬さが残る」という記述があるのが気になります。
微妙な状況が影響する牝馬で、この問題はどうなんでしょうか?
勿論こうした状況をきちんと伝えてくれる小島師には敬意を表したいと思います。

投稿: もくに | 2008/05/25 7:46:48

桜組のレベルが疑問視されていますが、逆にそういう時ほど桜凡走組に注目すべきかもしれません。
桜凡走→オークス好走組のローテについてのデータは非常に偏った傾向が出ていますね。
ブラックエンブレムは血統からどうかな・・・と思い買う気はありませんでしたが、ちょっと気になってきました。

投稿: kemkem | 2008/05/25 14:02:33

>もくにさん

午後から雨も降り止んだので、オークスは府中で現地観戦でした。
当ブログの注目馬ブラックエンブレムは、前走からマイナス16キロと大きく目方を減らしていましたが、細いという印象はまったくなく、むしろシャープな仕上がりに好感をもちました。小島師の懸念していた「硬さ」も、パドックの様子を見る限り、全く気にならず。惜しくも4着に敗れたとはいえ、正々堂々の競馬で力を出し切ったレース内容も見所十分でした。満点に近い評価を与えられると思います。

>Kemkemさん

桜花賞凡走組の巻き返しという着眼点は悪くなかったけれど、前々走・関東重賞好走組以外を軽視したのが失敗の元。エントリのなかで、桜花賞を凡走し、かつ前々走・関東2重賞連対以外のステップを踏んできた馬たちのオークス成績は「0-1-0-15」というデータを紹介しましたが、これら16頭はすべて、桜花賞で首位から0秒6以上の決定的な着差をつけられていました。それに対して、トールポピーは前走着外(8着)といっても、首位からコンマ4秒の着差。一応、上位争いの一角には加わっていましたからね。重馬場で勝った実績もあるし、ここで走られてしまっても、文句は言えません。
一方、同じ桜花賞凡走組でもオディールなどは前走で首位からコンマ8秒差で敗退していますから、巻き返しても5着が精一杯だったという理屈も、一応成り立ちます。終わってしまえば後の祭りですが、来年もう一度思い出して馬券のタネにしようと思います。

投稿: 山城守 | 2008/05/25 23:15:43

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