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2008/02/24

【フェブラリーS】緩い流れで末脚自慢が台頭する

G_february_s_2008東京コースの大改修以降、これまで4回のレースが施行されてきたフェブラリーSは、そのペースによって、大きく2つのパターンに分類して考えることができる。
第1のパターンは、05年のメイショウボーラー06年のカネヒキリが優勝したレース。前半1000メートルの通過ラップが57秒秒台とかなり速く、その分、後半の600メートルでは37秒前後と時計を要す決着になった。いわゆるハイペースの前傾ラップである。
これに対し、第2のパターンとは、04年のアドマイヤドン昨年のサンライズバッカスが勝ったレース。こちらは前半1000メートル通過が58秒台後半~60秒を超えるという比較的緩い流れで、後半600メートルでは36秒前後の速い上がりを問われる展開になった。
これら各年のレースのラップを視覚化するため、折れ線グラフで表示してみよう。

February_s_lap

赤系の線で表示しているのが第1のパターン、青系が第2のパターンである。青系の線では、スタートしてから3~5ハロンのラップがゆるやかな凹状のラインを描きつつ、ペースダウンしていることがわかる。その分、スパートのタイミングは早く、6~7ハロン目(第4コーナー出口から直線坂上)の地点では、各馬が目一杯上がりの速さを競い合う展開になっていることが、グラフの形状から窺い知ることができるだろう。
興味深いのは2つのパターンにおける上位入線馬の脚質傾向の違いだ。

第1のパターン(赤系)では、逃げ・先行勢が残る傾向が現れているのに対し、第2のパターン(青系)では差し馬が優勢。昨年のレースなどでも、1着サンライズバッカス・2着ブルーコンコルド、そして3着ビッググラスと上位3頭はすべて、第4コーナーを8番手以下のポジションで通過した差し馬ばかりである。ハイペース=差し有利、スローペース=先行有利という常識に照らせば全く正反対の傾向なのだが、緩めの流れで前半のタメが効いている分、ラスト600メートルでの速い決め手が問われ、レースの上がり36秒前後を大きく凌駕する脚の有無が、勝敗の行方を左右しているということだろう。昨年の1・2着馬の推定上がりタイムを基準にするなら、第2のパターンでは35秒前後で上がってこれる脚がないと、上位入線は覚束ない。

さて、今年の一戦。芝戦線からの挑戦を表明していたダイワスカーレットが回避して、逃げ・先行勢の顔ぶれがかなり手薄になった。何が何でも前に行こうという馬は見あたらず、皐月賞馬ヴィクトリーも発馬が速いタイプではない。おそらくメイショウバトラーあたりがペースメーカーを買って出るのだろう。この馬の前走・根岸Sは、前半1000メートルの通過が58秒2。1ハロンの距離延長を考えれば、これよりペースが速くなるとは考えづらく、おそらくレースの前半戦は58秒台後半~59秒台の第2パターンの展開に落ち着く可能性が濃厚だ。となれば、ラスト600メートルでは前半に脚をタメていた差し馬たちにチャンスが回ってくる公算が大きい。決め手勝負の展開になって、直線では見応えのある叩き合いが繰り広げられることになりそうだ。

【結論】
◎ヴァーミリアン
○フィールドルージュ
▲ワイルドワンダー
△メイショウトウコン
×ロングプライド
×ブルーコンコルド

出走馬の推定上がり3ハロンに限定して、その持ち時計(過去7走分)を比較してみると、上位にリストアップされるのは、メイショウトウコン・フィールドルージュ・ロングプライド・ワイルドワンダーといったところ。このうち、スローペース(レースPCI・55以上)や脚抜きの良い高速馬場のアシストを受けたケースを除外してみると、実質的な各馬の持ち時計のランクは次の順序になる。

ロングプライド    35秒3(07年トパーズS)
ビッググラス    35秒5(07年霜月S)
ワイルドワンダー 35秒7(07年アンタレスS)
メイショウトウコン 36秒1(07年アンタレスS)
ヴァーミリアン   36秒2(07年JCダート)

Field_rouge_at_jcd_2007決め手上位と思われるフィールドルージュの名前がないが、この馬が速い上がりを記録しているレース(07年武蔵野S・フェブラリーS)はいずれも不良馬場だったため、集計対象から除外したことによる。だが、昨年の武蔵野Sなどは不良発表といっても、脚抜きの良い状態を通り越しやや時計の掛かる馬場になっていたので、そこまで検索対象を広げていくと、上がり3ハロンの持ち時計は34秒8と、一躍トップに躍り出る。最近では追い込み一辺倒の脚質から脱却し、動きたいところで動ける自在味を兼ね備えてきたこの馬。馬券の対象となる軸馬としての信頼度は、かなり高いと言うべきだろう。

Vermilion_at_jcd_2007_2問題は、ヴァーミリアンの評価だ。上がり3ハロンの持ち時計自体は、他の末脚自慢たちと比べ目立つ水準にない。だが、昨年のJCダートは、前半から11秒台のラップが連続する淀みない流れ。それを中団後方から差しきって、クロフネのレコードに迫る2分6秒台でゴールを切ったレースの内容は文句なく優秀である。上がりタイム36秒2も、見た目の数字以上の評価を与える必要があるだろう。ダート路線に矛先を転じて以降、主に2000メートル前後の距離を舞台に活躍してきた馬だけに、マイルへの距離短縮に戸惑う心配はないか?という説も囁かれるが、比較的緩めの流れが想定される今年の場合、それも杞憂に終わると考えた方がよい。馬群の中団外目で流れに乗って、直線アッサリ抜け出してくる場面が今から目に浮かんでくる。

そんなわけで、この2強のラインはかなり強力。これに根岸Sを計ったように差しきったワイルドワンダーを加えた上位3頭で平穏に決着してしまう公算が強いと思うが、さてどうだろう?1角崩しがあるなら、決め手上位のメイショウトウコン・ロングプライドあたりまで。ビッググラスは南関移籍後、かなり馬体に余裕を残した状態で出走しており、昨年の勢いを欠いている。ならば、歴戦のベテランで府中コースにも実績を残しているブルーコンコルドのほうを、連下に加えた方がよい。

キルトクールは、ドラゴンファイヤー。あくまでテレビ画面を通しての印象だが、平安S当時の気配がひと息。現状では、追い出してからの瞬時の反応に課題を残しており、肝心なところで置いてきぼりを食ってしまいそうな予感がする。

2月 24, 2008 08年競馬予想・回顧 |

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