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2007/11/25

【ジャパンカップ】横綱相撲ふたたび

Meisho_samson_at_tennoh_sho_autumn東京競馬場の場内全体が「英雄」の復活を待望し、その一挙手一投足に注目を注いでいた昨年のJCは、前半千メートル通過が61秒台のスローペース。いわゆるヨーイドンの決め手比べの競馬になって、瞬発力勝負なら他馬とは一枚も二枚も役者が違うディープインパクトがあっさりと勝利をモノにしてみせた。個人的には馬券も的中できたし、国民的ヒーローの優勝に今さらケチをつけるつもりはない。だが、まるでお膳立てを整えてもらったかのような予定調和の復活劇には、少々興醒めを感じたのも事実だ。
今にして思えば、この一戦はジャパンカップ四半世紀の歴史のなかでも特異というべきレースだったといえる。展開を支配すると思われた好敵手ハーツクライのノド鳴り発症というアクシデントもあったし、そもそも出走馬自体が11頭立ての少頭数。英雄に恐れをなしたか?外国からの刺客もわずかに1頭を数えるだけという状況では、淡々とした競馬になるのも当然だろう。レコード決着の激闘など、最初から望むべくもなかったと言わざるを得ない。
これに対し、今年のJCでは18頭フルゲートの出走馬がスタンバイ。外国勢も目玉商品ディラントーマスの出走こそ叶わなかったとはいえ、欧州・米国から4頭が名乗りを上げ、国際招待競走としての格好は何とか整った感がある。積極果敢に逃げ宣言を表明する陣営こそ見あたらないものの、前々でレースを運びたい思惑をもった出走馬は少なくない。おそらくは前半の千メートル通過が60秒を切るミドルペースになって、直線は力と力の激突を堪能することができるのではないだろうか?
道中のペースの鍵を握っているのは、大外8枠を引いてしまった外国勢2頭のいずれかだ。これら2頭の陣営には、どこからか「府中二四は外枠不利」という情報がしっかりインプットされており、枠順決定直後から外枠を過剰に意識する発言を繰り返している。そんな条件であれば、中団・後方で外外を回される不利に甘んじるよりは、先手必勝。発馬から積極的に手綱をしごいて好位置を取りたいと思うのが、洋の東西を問わず競馬の定石というものだろう。松岡騎手に乗り替わって「3、4番手でうまく折り合えば」とコメントするコスモバルクや、ブリンカーを外してきたデルタブルースが行く構えを見せなくても、外から内に切れ込むように外国馬が先行体勢を主張していけば、レース全体の流れもそれに刺激される格好になる。

そんな展開をおそらく最も歓迎しているのが、武豊メイショウサムソンだ。昨年のようにスローペースの決め手勝負になってしまっては、全く出る幕がなかったけれど、発馬2ハロン目からペースの緩急が殆ど見られなかった天皇賞・秋のような競馬になれば、正攻法の横綱相撲で押し切ることができる。仮に何かが馬体を併せてくる形になっても、極端なスローペースでなければ、一気に交わされる心配もない。古馬になって折り合いの不安がすっかり解消した今なら、前走の強い競馬をJCでも再現できる可能性はかなり高いといえるだろう。
これに対して、上がりの3ハロンを33秒台で走破できるポテンシャルをもつインティライミアドマイヤムーン、それにウォッカらは、サムソンの土俵で相撲を取る格好に持ち込まれてしまうと、やはり辛くなる。強い馬が強い競馬で他を圧倒するときには、往々にして2着に伏兵が飛び込んでくるという例があるけれど、今年のJCも、ヒモ荒れによる中波乱決着まで想定して馬券を楽しんでみたい。

<結論>
◎メイショウサムソン
○ドリームパスポート
△アドマイヤムーン
△インティライミ
☆コスモバルク
注ウォッカ
注ポップロック

今週号の週刊競馬ブックの紙上対談で、合田直弘氏が「(ディラントーマスを除く)4頭が馬券に絡むのはちょっと難しい」と評価している外国馬は、その存在をさほど気にする必要がない。念のため、100円づつ三連単・三連複のヒモにでも押させておけば、それで十分だろう。今年も日本勢による上位独占の可能性が濃厚だ。
本命は、古馬になって充実の秋を迎えたメイショウサムソン。土曜日のJCダートをヴァーミリアンで制した武豊騎手は、優勝インタビューを「明日も頑張ります!」と力強い言葉で締めくくっていたが、追い切りで自ら手綱をもって確かめた感触が、そのまま言葉になって出てきた感がある。まさに「どんと来い!」の心境だろう。
対する2着候補筆頭は、ちょっと捻って休み明けのドリームパスポートに注目してみたい。王者メイショウサムソンとは、3歳春のきさらぎ賞の当時から互いに切磋琢磨してきた好敵手の間柄。骨折による半年の休養をはさんで、復帰初戦がJCとは確かに楽な条件ではないけれど、鉄砲実績があり調整過程も順調。ダーレーでの種牡馬入りが決定し、既に種付け料まで公表されている同厩の僚馬アドマイヤムーンより、こちらのほうがモチベーションも高そうだ。
以下では、日本馬の有力どころをマーク。特注の穴馬を1頭あげるなら、天皇賞の大斜行でケチをつけたコスモバルクだろうか?松岡騎手の手綱さばきで、ヴィクトリアマイルのコイウタのように思い切ったコース取りを選択してくれば、案外とおもしろいかも。
キルトクールはヴィクトリー。ルメール騎手への乗り変わりが注目されるけれど、名手・岩田の手腕を持ってしても御しきれなかった前走・菊花賞が見せ場も作れず16着と大敗。これは距離適性だけの問題ではないだろう。確かに潜在能力の高さは買えるけれど、現状では上位入線より、レース中の折り合いをつけることが優先課題だ。

11月 25, 2007 07年競馬予想・回顧 |

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