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2007/11/25

【ジャパンカップ】横綱相撲ふたたび

Meisho_samson_at_tennoh_sho_autumn東京競馬場の場内全体が「英雄」の復活を待望し、その一挙手一投足に注目を注いでいた昨年のJCは、前半千メートル通過が61秒台のスローペース。いわゆるヨーイドンの決め手比べの競馬になって、瞬発力勝負なら他馬とは一枚も二枚も役者が違うディープインパクトがあっさりと勝利をモノにしてみせた。個人的には馬券も的中できたし、国民的ヒーローの優勝に今さらケチをつけるつもりはない。だが、まるでお膳立てを整えてもらったかのような予定調和の復活劇には、少々興醒めを感じたのも事実だ。
今にして思えば、この一戦はジャパンカップ四半世紀の歴史のなかでも特異というべきレースだったといえる。展開を支配すると思われた好敵手ハーツクライのノド鳴り発症というアクシデントもあったし、そもそも出走馬自体が11頭立ての少頭数。英雄に恐れをなしたか?外国からの刺客もわずかに1頭を数えるだけという状況では、淡々とした競馬になるのも当然だろう。レコード決着の激闘など、最初から望むべくもなかったと言わざるを得ない。
これに対し、今年のJCでは18頭フルゲートの出走馬がスタンバイ。外国勢も目玉商品ディラントーマスの出走こそ叶わなかったとはいえ、欧州・米国から4頭が名乗りを上げ、国際招待競走としての格好は何とか整った感がある。積極果敢に逃げ宣言を表明する陣営こそ見あたらないものの、前々でレースを運びたい思惑をもった出走馬は少なくない。おそらくは前半の千メートル通過が60秒を切るミドルペースになって、直線は力と力の激突を堪能することができるのではないだろうか?
道中のペースの鍵を握っているのは、大外8枠を引いてしまった外国勢2頭のいずれかだ。これら2頭の陣営には、どこからか「府中二四は外枠不利」という情報がしっかりインプットされており、枠順決定直後から外枠を過剰に意識する発言を繰り返している。そんな条件であれば、中団・後方で外外を回される不利に甘んじるよりは、先手必勝。発馬から積極的に手綱をしごいて好位置を取りたいと思うのが、洋の東西を問わず競馬の定石というものだろう。松岡騎手に乗り替わって「3、4番手でうまく折り合えば」とコメントするコスモバルクや、ブリンカーを外してきたデルタブルースが行く構えを見せなくても、外から内に切れ込むように外国馬が先行体勢を主張していけば、レース全体の流れもそれに刺激される格好になる。

そんな展開をおそらく最も歓迎しているのが、武豊メイショウサムソンだ。昨年のようにスローペースの決め手勝負になってしまっては、全く出る幕がなかったけれど、発馬2ハロン目からペースの緩急が殆ど見られなかった天皇賞・秋のような競馬になれば、正攻法の横綱相撲で押し切ることができる。仮に何かが馬体を併せてくる形になっても、極端なスローペースでなければ、一気に交わされる心配もない。古馬になって折り合いの不安がすっかり解消した今なら、前走の強い競馬をJCでも再現できる可能性はかなり高いといえるだろう。
これに対して、上がりの3ハロンを33秒台で走破できるポテンシャルをもつインティライミアドマイヤムーン、それにウォッカらは、サムソンの土俵で相撲を取る格好に持ち込まれてしまうと、やはり辛くなる。強い馬が強い競馬で他を圧倒するときには、往々にして2着に伏兵が飛び込んでくるという例があるけれど、今年のJCも、ヒモ荒れによる中波乱決着まで想定して馬券を楽しんでみたい。

<結論>
◎メイショウサムソン
○ドリームパスポート
△アドマイヤムーン
△インティライミ
☆コスモバルク
注ウォッカ
注ポップロック

今週号の週刊競馬ブックの紙上対談で、合田直弘氏が「(ディラントーマスを除く)4頭が馬券に絡むのはちょっと難しい」と評価している外国馬は、その存在をさほど気にする必要がない。念のため、100円づつ三連単・三連複のヒモにでも押させておけば、それで十分だろう。今年も日本勢による上位独占の可能性が濃厚だ。
本命は、古馬になって充実の秋を迎えたメイショウサムソン。土曜日のJCダートをヴァーミリアンで制した武豊騎手は、優勝インタビューを「明日も頑張ります!」と力強い言葉で締めくくっていたが、追い切りで自ら手綱をもって確かめた感触が、そのまま言葉になって出てきた感がある。まさに「どんと来い!」の心境だろう。
対する2着候補筆頭は、ちょっと捻って休み明けのドリームパスポートに注目してみたい。王者メイショウサムソンとは、3歳春のきさらぎ賞の当時から互いに切磋琢磨してきた好敵手の間柄。骨折による半年の休養をはさんで、復帰初戦がJCとは確かに楽な条件ではないけれど、鉄砲実績があり調整過程も順調。ダーレーでの種牡馬入りが決定し、既に種付け料まで公表されている同厩の僚馬アドマイヤムーンより、こちらのほうがモチベーションも高そうだ。
以下では、日本馬の有力どころをマーク。特注の穴馬を1頭あげるなら、天皇賞の大斜行でケチをつけたコスモバルクだろうか?松岡騎手の手綱さばきで、ヴィクトリアマイルのコイウタのように思い切ったコース取りを選択してくれば、案外とおもしろいかも。
キルトクールはヴィクトリー。ルメール騎手への乗り変わりが注目されるけれど、名手・岩田の手腕を持ってしても御しきれなかった前走・菊花賞が見せ場も作れず16着と大敗。これは距離適性だけの問題ではないだろう。確かに潜在能力の高さは買えるけれど、現状では上位入線より、レース中の折り合いをつけることが優先課題だ。

11月 25, 2007 07年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007/11/24

【JCダート】高速決着・差し馬にもチャンス到来

Misho_tokon_at_february_s_2007府中・ダート二千百といえば、時計を要するスタミナ比べの競馬というイメージが強い。
長距離戦らしい縦長の隊列から各馬が4コーナーを回ってくると、前に行く馬も、後ろから差す馬も既にスタミナが電池切れの状態になっており、直線ではバテバテの消耗戦。雨でも降って脚抜きのよい馬場になればそこそこのタイムも出るけれど、良馬場の乾燥ダートだと、勝ち馬の走破時計は2分10秒を超える。出走各馬のスタミナ適性が結果に直結しやすい分、馬券的には与しやすいが、スピードを競い合うレースとしての見応えはイマイチ。そんな印象を免れなかった。
ただし、これは条件戦でのお話であり、JRAダートG1の頂点に位置するJCダートになると、様相は一変する。今でも語りぐさになっているクロフネによる驚異のレコード(2分5秒9)は別格としても、良馬場なら条件クラスより2~3秒は速い時計の決着になって、上位馬の走破タイムは2分8秒台となる。
これがどれくらい速いレベルなのか?それを知るために、JCダートと同様グレードレースの頂点と位置づけられる帝王賞や東京大賞典(大井ダート二千)のタイムと比較してみると、たとえばアジュディミツオーとカネヒキリの両馬がゴールまで一騎打ちの死闘を演じた昨年の帝王賞の決着タイムが、2分2秒1(良馬場)。中央競馬のダートに比べ、砂が深く時計を要するといわれる地方の馬場としては、出色のタイムである。このレースをあと100メートル距離延長したと想定して、その走破時計を試算してみると、残り100メートル延長分(1ハロン12秒5と仮定すると、その2分の1で6秒2~3くらいか?)を加算して、2分8秒台前半という水準になる。

ところが、これに対し昨年のJCダートでは、1着アロンダイトが2分8秒5という勝ち時計で優勝を飾っている。大井と府中の馬場差・コースレイアウトの違いを敢えて無視して単純比較してみると、帝王賞とほぼ同等の水準・・・・わが国のダート競走の頂点に君臨するチャンピオンたちが死力を尽くしてマークした時計と、前走時点でまだ条件戦に出走していた上がり馬の走破時計に殆ど差がないとは!レース前、持ち時計がないことを根拠に、アロンダイトを軽視していた当ブログ管理人などは、この結果に正直、唖然としたものだ。
ダートコースでも1周およそ千九百の距離を確保した大回りのコース設計に、軽めの砂。速い時計の出やすい条件が揃った府中ダートにオープンクラスの精鋭が集えば、確かに2分8秒台の決着になっても何ら不思議ではない。たが、JCダートの時計が速くなりがちな傾向には、もうひとつの背景がある。国内のダート競走においては、全くの門外漢といってよい外国馬が参戦しているという事実である。
第1回のロードスターリングと、不良馬場になった第3回のフリートストリートダンサーの2頭を例外とすれば、これまで馬券の対象としてまったく考慮に値しない戦績しか残していない外国勢。だが、砂のダートとは異なる海外の赤土ダートでスピード競馬に慣れ親しんでいる分、何をしてくるかわからない怖さは確かにある。日本馬の手綱を取る騎手たちも彼らの存在を意識せざるを得ず、その結果、JCダートは毎年のように速めのペースになりがちだ
典型的だったのは、記念すべき第1回のレースが行われた00年。ロードスターリングを制して先頭を奪ったレギュラーメンバーが、レースを破壊するほどのハイペースで逃げまくり、結果、中団から差してきたウイングアローが当時のレコードタイムを更新する2分7秒2の時計で差しきった。今でも鮮明に記憶に残る、そんな好レースだった。
さて、このような傾向を頭に入れた上で、今年の外国馬の「出方」を想定してみると、パシフィッククラシックを制して、ここも勝つと1億円のボーナスが出るといわれる米国馬スチューデントカウンシルの本気度が高いと巷間囁かれているようだ。同馬の必勝パターンといえば、電撃的なマクリから4角先頭で押し切るという強気の戦法。この馬が遠征地の府中でも得意のマクリに徹するようなら、それこそ本気度が高いだけに、レース展開は自ずと緩みなくなって、先行勢にとって厳しいものとなる可能性が強い。裏を返せば、中団で脚をためる差し馬にとっては絶好の展開。もちろん、上位に食い込むためには、2分7~8秒の水準で二千百メートルを走破できるという能力の裏付けは必要だが、ペース次第では、前崩れによるずぶずぶの差し競馬になるという可能性も大いにありうる。そんな展開を味方につけることができるかどうか?も勝ち馬探しの重要なファクターであることを、しっかりと考慮しておくべきだろう。

<結論>
◎メイショウトウコン
○フィールドルージュ
▲ヴァーミリアン
△フリオーソ
△ワイルドワンダー
△ワンダースピード
△ブルーコンコルド
☆フサイチホウオー

外国馬が強気に動いていく分、強い差し馬の勝機が拡大すると深読みして、この予想に。
メイショウトウコンは、フェブラリーSで11着と不本意な戦績に終わったが、今にして思えば当時は馬体重が減りすぎた感があった。捲土重来を期す今回はゆったりとしたローテーションで万全を期す。実績ある左回り・長い直線コースは悪くない条件。後方一気の競馬になってしまうと、さすがに勝ち目は薄くなるが、スタート直後に中団くらいの位置を確保できれば面白い。この評価は、そのまま同脚質フィールドルージュにも当てはまる。
前日売り1番人気のヴァーミリアンは、芝の重賞勝ち実績があるほどで、スピードを要求される中央のダートに舞台が変わっても大丈夫だろう。好位抜けだしの策がベストだけに、速いペースにどこまでお付き合いするかが、着順の明暗を左右しそうだ。
穴馬ならば、初のダート戦、しかもいきなりのG1挑戦で人気の盲点になっている感のあるフサイチホウオーか?500キロを超す雄大な馬格に、筋肉が隆々と発達したその体つき。「まるでダートの一流馬みたいだなぁ」・・・・昨秋の東スポ杯のパドックでフサイチホウオーを初めて目のあたりにしたときに、当ブログ管理人が感じた率直な印象である。春当時のデキさえ取り戻せば、ひょっとして・・・・という可能性まで含め注意が必要だろう。
キルトクールは、米国馬スチューデントカウンシル。ここに臨む本気度が高い分、むしろ馬券の対象としては、扱いが難しくなる。

11月 24, 2007 07年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (3)

2007/11/18

【マイルチャンピオンシップ】外国馬を侮ることなかれ

Daiwa_major_walking_with_g_men_75あらためて出馬表を見渡してみると、昨年のマイルCSに出走していた馬たちのうち、今年も無事ここへ駒を進めてきたのは、わずかに2頭を数えるだけ。秋の頂上決戦に挑むわが国のトップマイラーたちの顔ぶれは、ほぼ総入れ替えに近いという印象を受ける。
入れ替わりの激しいマイル路線で、確たる中心馬は、結局登場するに至らず。どの馬にしても帯に短く襷に長い。昨年のこのレースを制して以降、まる1年間マイル路線のディフェンディング王者の座を守り通してきたダイワメジャーにしても、今秋は春シーズンまでの凄味が失せた感を否めない現状である。前夜時点で単勝1番人気に支持されているとはいっても、そのオッズは4倍台なのだから、半信半疑というのが多くのファンの偽らざる実感だろう。
JRAが発表しているプレレーティングも、そんな大混戦ムードを数値から裏付けしている。出走馬中、最高の数値で評価されているのは、春の安田記念でダイワメジャーがマークしたパフォーマンスであり、そのレーティングは「121」。この数値ほどの力を今回も出せるなら、当然この馬が首位候補筆頭ということになるが、秋2戦のレーティングに目を転じてみると、毎日王冠が「112」天皇賞では接触の不利を受けたとはいえ「111」という評価しか与えられていない。現状では、かなりの割引が必要と言えそうである。
また、ダイワメジャーに続く人気上位馬の評価を確かめてみると、アグネスアークが「117」、カンパニーが「116」、スズカフェニックスが同じく「116」といったところ。おそらくこれら各馬が掲示板の上位を占めるのだろうが、頭一つ抜け出した首位候補と評するには、やはり何かが足りない感じである。となると、レーティング評価上で俄然注目したくなるのが、これら上位馬と伍して「115」とほぼ同等の評価を与えられた外国馬ベクラックス(Becrux)の存在だ。

なるほど、これまで外国馬のレーティングというのは、日本馬に比べ高めの数値が出るというのが通り相場だった。しかし、ディープインパクトやハーツクライが海外遠征で確かな実績を残して以来、レーティングの数値にも、彼我の力関係がかなり正確に反映されるようになったのではないかと思える。今シーズンも春先のドバイで、アドマイヤムーンやダイワメジャーがその実力に見合ったパフォーマンスを発揮しており、その走りを物差しにすれば、世界のトップマイラーたちとわが国の実績上位馬との比較は、さほど難しくはないはず。となれば、今年ただ1頭、米国からマイルCSに殴りこみをかけてきたベクラックスにも、「115」という数値に見合った適正な評価が必要なのかもしれない。
そのベクラックス。今季はまだ重賞の勝ち鞍こそないが、1年前の4歳時には既にカナダでG1勝ちの実績を残している。マイル戦の持ち時計が1分32秒6とスピード決着になっても全く不安がないのが強調材料であり、しかもそのタイムは今シーズン、小回りのデルマー競馬場の芝でマークしたというのが面白い。一般に米国の競馬場は、ちょうど盛岡コースのようにダート(あるいはポリトラック)の内側に芝コースが設置されており、1周距離が千四百メートルという場合が多いが、西海岸の小倉競馬場とでも言うべきデルマーもその例外ではない。平坦小回りといわれるJRAのローカル競馬場でも芝コースの1周距離はだいたい千六百メートル確保されていることを思えば、1周・千四というのがいかに小回りなのかを実感できるだろう。きついコーナー、短い直線。それを苦にすることなく、大回りコースと遜色ない高速の走破時計を叩き出せるということは、マイル適性の高さだけでなく、相当の器用さがないとできない芸当である。出走履歴をチェックしてみると、これまで多頭数競馬の経験は少ないようだが、手綱を取る英国リーディングJの手腕で馬群を捌いてこれるようなら、伏兵以上の存在になりうる可能性を秘めた1頭と考えなければならない。

<結論>
◎ベクラックス
○スーパーホーネット
▲アグネスアーク
△カンパニー
△スズカフェニックス
注ダイワメジャー
注エイシンドーバー

ベクラックスを語るうえで、もう一つ欠かせないのが、名伯楽ドライスデール師の存在である。日本ではJC2着サラファンの調教師として知られるが、シーザリオが米国遠征でオークス制覇を成し遂げた際には、かの地の新聞記事で「角居調教師がかつて西海岸で師事していたことがある」という、意外な関係が取り上げられていることに、あらためて注目してみたい。ハットトリックが引退して今年はマイルCSに所属馬を送り出すことが叶わなかった角居師。となれば、師匠のドライスデール師に全面協力を惜しむことはなく、京都コース攻略のための情報も、しっかりとその耳に伝えていることだろう。日本のスピード競馬への適性を備えた強力な遠征馬と情報の力。米国の名伯楽の手腕が、淀の地で花開く可能性はけして小さくない。
これに続くのは、プレレーティング上位の各馬ということになるが、もう1頭、スワンステークスの覇者・スーパーホーネットにも注目をしておきたい。3歳のクラシック時点では430キロ台まで身体を削りながら走っていた感があったけれど、4歳の今では470キロまで馬体重も増え、大きく成長している。スワンSの走りは、他馬との比較はもちろん、自身がこれまで示してきたパフォーマンスとも別次元のレベル。競走馬としての充実期を迎えた今なら、G1でも格負けすることはないだろう。

キルトクールキングストレイル。鞍上・岩田なら勝負気配とも思えるが、この枠順では再び馬込みに押し込まれてしまう恐れも否定できない。

11月 18, 2007 07年競馬予想・回顧 | | コメント (2) | トラックバック (5)

2007/11/12

【オッズパークGP】水沢競馬オールナイトで只今発売中

オッズパークグランプリ2007日本全国の猛者たちが水沢に集結・・・・地方競馬各地区の主催者から「選定」のお墨付きを受けた代表馬による日本初の交流競走「オッズパークグランプリ2007」が、いよいよ11月12日(月)水沢競馬・第9レース(ダート1600)として開催される。
鳴り物入りの大宣伝とは裏腹に、他地区選定の参戦馬がわずかに2頭となって、第1回グランプリの出馬表には岩手所属のおなじみの顔ぶれが並ぶという格好になってしまったが、それでもメンバーは悪くない。他地区からは交流重賞2勝の実績を誇る笠松のミツアキタービンが参戦を決め、これをテンショウボス・サイレントエクセルの岩手2強が迎え撃つ。オッズパーク推薦枠からは、格下ながら岩手競馬でのデビュー戦を衝撃の大差勝ちで飾った、話題のタイガーマスクも名乗りを上げてきた。
これだけなら、ちょっと興味深い平日開催の交流レースにすぎないのだが、実はこの「オッズパークグランプリ」には、もう一つの画期的な仕掛けが用意されている。レース前日の11月11日19時から、ネット(オッズパーク)によるオールナイトでの「前夜投票」が実施されるのだ。いまやJRAの日曜開催なら、前日深夜でもPATを使って普通に馬券を購入できるようになったが、地方競馬で前日から夜通し馬券を発売するというのは、おそらくこれが初めての試み。平日開催では、馬券を買いたくても買う機会がなかった勤め人の競馬ファンにとっては、まさに朗報と言うべきニュースだろう。
投票時間はシステム調整による休憩(23時45分~12日0時15分)を挟んで、当日12日の朝9時まで。メインレースの「オッズパークグランプリ」だけでなく、月曜開催予定の水沢競馬全レースが発売されるのも嬉しい。
サプライズはまだ用意されていて、12日の深夜0時からは、ネット新聞(地元専門紙のケイシュウニュース・メインレース予想のみを掲載)が何と5000部も無料配布されるという。これだけお膳立てを整えてもらえれば、深夜に月曜に向けた英気を養いながら、じっくりとレース検討の時間を取ることができるだろう。

さて、肝心のレース展望だが、月曜の水沢地方は小雨の予報で、最高気温が12度という晩秋らしい空模様。日曜日の時点で馬場は既に不良発表となっており、メインレースのダート千六戦ではB3クラスながら勝ち馬の走破タイムが1分41秒台と速い。映像で確認しても、かなり脚抜きの良いコンディションとなっていると推察され、基本的には前が止まらない。それを意識して有力各馬も、普段より早めの位置取り・早めの仕掛けを意識する展開になってきそうだ。
Silent_excel_at_0706_sp先手を主張するのは、おそらく金沢代表のエフテークリニック。JRA在籍当時の実績(9戦して入着なし)を考えると、能力的には少し足りないかもしれないが、水沢の馬場を知り尽くした菅原勲の手綱がちょっと不気味。これに差なく続いていくのが話題のタイガーマスクか?テンショウボス・サイレントエクセルの岩手2強に水沢巧者のトウホウライデンなども、これら先行勢を早めにマークする体勢。近走精彩を欠くミツアキタービンがいったいどんな位置取りで競馬を進めるのかわからないが、消極的に控える策を選ぶようだと、超小回りの水沢コースでは苦しくなる。
勝負どころは3コーナー。最内枠のサイレントエクセルが、外から迫るテンショウボスのマクリをどう凌いでいくかが、今回最大の見所になる。春シーズンのあすなろ賞では、不良馬場のダート1900で同じ最内枠からテンショウボスを撃破してみせた実績があるだけに、今回も主力視してみたいのだが、果たしてどうだろう?

オッズパークグランプリ2007
11月12日(月)水沢競馬・第9レース
 ◎サイレントエクセル
 ○テンショウボス
 △ミツアキタービン(笠松)
 △エフテークリニック(金沢)
 △トウホウライデン
 △ニシノグレイシャ

11月 12, 2007 岩手競馬, 07年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/11/11

【エリザベス女王杯】世代間比較よりも重要なこと

【11月11日AM11:00追記】
ウオッカまさかの出走取り消し。さて本命をどうしようか?と再考しましたが、エントリのラストに改めて予想を追記しました。

Vodka_at_nihon_derby_07_before_the_3歳と古馬の牝馬トップクラスが一堂に会し対決する初のG1戦。世代間抗争という前評判がファンの関心を刺激するせいか?レース前には毎年のように「今年の3歳勢は史上最強!」とか「いやいや古馬が貫禄をみせるはず」など、世代同士の力関係を比較する視点から、結果を占う予想が各所で囁かれることになる。特に今シーズンは、その傾向が顕著で、新聞紙上のレース展望では「3歳勢優位」の定説が、いつの間にかすっかりと出来上がってしまった感がある。確かに夏場以降の古馬混合戦において、3歳馬の勢いが古馬を凌駕する場面がたびだび繰り返されてきたのは事実。ひょっとしてそんなイメージの残像も、新聞紙上の予想印に影響を及ぼしているのかもしれない。
けれど、実際に走るのは「世代」という漠とした集合体じゃなく1頭1頭のサラブレッドなのだから、もっとシンプルに「いったいどの馬が最も強いのか」と、まず考えたほうがいい。それからコース形態の特徴や展開という舞台設定を想定し「勝ち馬の資格を有するのはどんなタイプか」を検討すること。たとえどんなレースであっても、この2つの要素が競馬予想の基本であることに変わりはないと思う。

さて、そんな基本に立ち返り、エリザベス女王杯というレースの傾向・対策を考えてみたいのだが、最近数年間の歴代女王や上位馬の顔ぶれを思い起こしてみれば、この一戦が圧倒的に差し馬有利の決着に終わっているという事実に、まず注目がいく。
オースミハルカのような逃げ馬が単騎で飛ばし、4角セーフティリードを確保したかに見えても、強力な差し馬が直線でグングン伸びてきて、ゴール前ではきっちりとそれを交わし去ってしまう。04年・05年の優勝馬が記録した推定上がり3ハロンの時計はともに33秒2。これでは逃げ・先行馬がちょっとしたスローペースに持ち込んで上がり34秒台後半の脚で粘り込んだとしても、とても勝ち目がない。直線部分に坂がなく芝の状態も良好な京都コースなら、もう少し前有利の決着が多くても不思議でないはずなのに、実際にはそんな条件が直線の長さと相まって、差し馬の末脚の威力を倍加させているように思える。

差し馬有利。それは何もエリザベス女王杯に限ったことではなく、京都・芝外回り二千二百で争われるレースにおいて、クラスが上がれば上がるほど顕著になってくる明確な傾向である。04年以降先週までの同コースのレースデータを集計し、脚質別の着順分布を確認してみると、次のような結果が得られた。

【京都芝2200・脚質別成績】
 <重賞以外>
  逃げ     3- 5- 6- 24/ 38   連対率 21%
  先行    19-14-10- 91/134  連対率 25%
  中団    11-14-16-117/158 連対率 16%
  後方マクリ  4- 4- 5-127/140  連対率 6%

 <重賞レース>
  逃げ      0- 1- 2- 9/ 12  連対率 8%
  先行     3- 3- 4- 43/ 53  連対率 11%
  中団     7- 4- 3- 32/ 46  連対率 24%
  後方マクリ  2- 4- 3- 45/ 54  連対率 11%

上記の通り、逃げ・先行馬の活躍の馬は殆ど重賞以外のレースに限られ、重賞では差し馬の強さが他の着質を圧倒している感がある。差し馬のなかでも特に良績を残しているが、上がり3ハロンタイムが出走馬中最速だった馬。重賞レースでの連対率は約70%に達しており、極端なスローペースを後方から追走していく展開でもない限り、馬券の中心として信頼度はかなり高いといえる。
差し脚質・上がり最速をマークできるポテンシャル。この2つのファクターから出走馬の能力比較を行ってみることが、エリザベス女王杯の的中馬券を手にするための王道。3歳馬と古馬のどちらが優位か?頭を悩ます前に、シンプルに素直にこの角度から、女王の資格を有する出走馬を絞り込んでいきたい。

<結論>
◎ウォッカ
○ディアチャンス
▲ダイワスカーレット
△アドマイヤキッス
△ディアデラノビア
△フサイチパンドラ

差し脚質・上がり最速といえば、一昨年の覇者であり、昨年も繰り上がりの2着と女王杯で抜群の実績を残してきたスイープトウショウの名を筆頭にあげないわけにいかない。だが、今秋のシーズンは気性的な問題が災いし、まともな追い切りさえ消化できなかったと伝えられる近況が不安。順調なら京都大賞典あたりから始動するのが定石と思われる元・女王がやっとこさ間に合ったのが、2週前のスワンS。期待よりも不安が大きいそんな状況の中で、かつての実績を過大評価するのはどんなものだろう?ここは心を鬼にして、キルトクールの評価にせざるを得ない。
そこで本命は3歳馬ウォッカ。対抗には古馬のディアチャンスを指名してみる。ともに上がり33秒台の決着になっても、揺るぎない自信をもっているのが強調材料だ。ウォッカの場合、前走の秋華賞がダイワスカーレットに完敗しており、女王杯でこれほどの人気(前日売り単勝オッズ・2倍)を集めるとは思っていなかったが、その秋華賞で不発に終わった末脚が33秒2。これなら長い直線を見方にして、同世代の好敵手を撃破することは当然可能だろう。
生涯最高のデキ」と陣営が豪語するディアチャンスの末脚も侮れない。パートナーに京都のG1レースで2着常連の横山典を再び迎え、ここは全力投球の構え。折り合いに不安がないこの馬に対して、父タイキシャトルに距離が長すぎると決めつける向きもあろうが、だからこそ馬券のチャンスも広がるというもの。伏兵以上の存在として、妙味は十分というべきだろう。
秋華賞で3歳牝馬路線のチャンピオンの座を射止めたダイワスカーレットも、デビュー2戦目から6戦連続して上がり3ハロンを33秒台でまとめており、先行タイプとしては非凡な実力の持ち主だ。だが、今回は距離延長に同型アサヒライジングとの兼ね合いがあって、ペース配分はこれまで以上に難しくなる。ペースの如何を問わず、末脚に少しでも甘えをのぞかせるようなら、ここで勝ちきるまでは難しいとみて3番手評価に。以下では、府中牝馬Sで展開に泣いたアドマイヤキッス、京都コースでかつての爆発力を取り戻せば面白いディアデラノビアルメール騎手とのコンビ結成が不気味なフサイチパンドラを2着候補としてマークしておきたい。

【11月11日AM11:00追記】
エントリでも記した差し脚質・上がり最速というキーワードから、◎ディアチャンスでいきます。
最近1年半の中距離戦における出走馬の上がり3ハロンタイムを確認してみると、例えば秋華賞組のほうが33秒台を記録しており有利そうにみえます。しかし、ディアチャンスが洋芝の札幌・クィーンSでマークした34秒2というのもかなり価値が高い。それに、近走確実に鋭い脚を使えるようになったことが、注目の理由です。
以下では、印の各馬の評価をひとつづつ繰り上げ、昨夜キルトクール指名したスイープトウショウも念のため、押さえることにしようか?と考えています。能力さえ出せれば、優勝してもまったく不思議でない馬ですしね。

11月11日AM 追記
◎ディアチャンス
○ダイワスカーレット
△アドマイヤキッス
△ディアデラノビア
△フサイチパンドラ
注スイープトウショウ

11月 11, 2007 07年競馬予想・回顧 | | コメント (5) | トラックバック (5)

2007/11/04

【AR共和国杯】荒れるハンデ戦から重厚な一戦へ

Never_bouchon_at_2007_shirafuji_sグレードⅡ」という重厚な格付けを与えられてきた伝統の長距離重賞。とはいえ、その内実は、天皇賞(秋)とジャパンカップの端境期にひっそりと施行されるB級ハンデ戦であり、かつては前走条件戦からエントリーしてきた格下馬が軽ハンデを味方に激走というパターンがたびたび繰り返されてきた。一方、トップハンデを課せられた実績馬は、東京コース大改修の前後を通じて、01年~05年まで馬券の対象に絡むことすらできず。ほぼ毎年のようにハンデ戦らしい中波乱というのが、このレースの基本的な決着パターンであった。
だが、昨年の一戦は、2番人気(ハンデ57.5キロ)と1番人気(ハンデ頭58キロ)同士による平穏な決着。これをキッカケに、荒れるハンデ戦から重厚なGⅡらしい一戦へとレースの様相が少し変わってくるのではないか?という予感がする。
実際、コース改修以降の優勝馬は、すべて56キロ以上のハンデを背負わされた実績馬。負担重量が少々重たくても、力を出せる条件さえ整っていれば、実績馬が大崩れすることはまずない。3着まで馬券圏内には、重ハンデの実績馬が2頭。これに前走条件戦組の軽ハンデ馬が絡む組み合わせというのが、3連単・3連複の狙い目になるだろう。

<結論>
重ハンデの実績馬として
 ◎ネヴァブション   57.5キロ
 ○トウショウナイト  58キロ
 △トウカイトリック   57.5キロ

軽ハンデの伏兵として
 ▲ダンスアジョイ    54キロ
 △アドマイヤジュピタ 54キロ
 △チェストウィング   54キロ
 注シュートローブス  52キロ
 注カゼノコウテイ    52キロ

57キロ以上を背負う実績馬から、本命に推したいのは◎ネヴァブション。日経賞優勝の実績があるとはいえ、少々ハンデを見込まれた感があるけれど、要はそれだけの力の持ち主と認められてのこと。対するトウショウナイトは休み明け5戦目あたりからエンジンが掛かってくる超叩き良化型トウカイトリックはこの距離でもまだ短いほどの超ステイヤー。これら実績馬2頭と比較してみても、叩き2戦目・府中芝二五の条件が最もしっくりとくる。横綱相撲で堂々と抜け出す競馬で圧勝というシーンがあっても、不思議ではない。
55キロ以下の軽ハンデ組からは、アドマイヤジュピタが人気しているが、それなら57キロで京都大賞典を4着した実績が光るダンスアジョイのほうが面白いかも。他では、いかにも府中向きの良い脚を長く使ってくるカゼノコウテイも悪くはないが、関西馬と2キロのハンデ差は能力の絶対値をほぼ正確に反映したものと思われ、過大評価は禁物か?

キルトクールは、ハイアーゲーム。復帰戦の前走での大幅な馬体減は「脚元に負担をかけないため体を減らした」という意図的な仕上げによるもの。すなわち、本来の状態で攻めを強化するのが難しい現状であり、さすがの府中巧者もこれでは力を出せない。

11月 4, 2007 07年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (2)