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2007/10/28

【天皇賞】力と力の激突が魔物を駆逐する

Admire_moon_at_2006_tennohsho_aki秋の古馬・中距離路線の頂上決戦・天皇賞(秋)の舞台となるのは、「魔物が棲む」と言われる府中の芝二千メートル。シンボリルドルフメジロマックイーントウカイテイオー、そしてサイレンススズカ・・・・これらの錚々たる名馬たちでさえ魔物の前に行く手を阻まれ、栄光の天皇盾を手にすることは遂に叶わなかった。思いもしないタイミングで、たびたび繰り返されてきたサプライズ。「荒れる秋天」といわれる所以である。
03年のコース改修以降の4年間は、1番人気馬が3連対の実績を残すなど、かの悪名高き魔物も少しは大人しくなってきたようにも思える。だが、それでいて過去4年の馬連平均配当の水準は66倍。この一戦が、依然として波乱含みの様相を呈していることに変わりはないようだ。
これまで天皇賞(秋)の波乱を生んできた府中の「魔物」。その正体として考えうるのは、大きく分けて、枠順(外枠不利)展開(極端なハイペースまたはスローペース)、それに不時のアクシデントであろう。これらの要因のいずれか、あるいは2つ以上が複合した結果として、レース前には思いも寄らなかったサプライズが繰り返されてきた。
このうち不時のアクシデントはともかくとして、枠順の有利・不利に関していうなら、03年のコース改修により、その影響度は改修前と比べだいぶ小さくなっていると考えてよい。すなわち、第1コーナー奥の発馬地点から第2コーナー進入までがスムーズな形状に改善された結果、外枠=不利と単純に決めてかかる必要がなくなった。事実、03年のレースでは大外18番枠から発走したシンボリクリスエスが大楽勝で天皇盾を手にしており、コース・リニューアルの効果を強く印象づけている。
一方、枠順の影響度が軽くなった反面、レース結果を左右するファクターとして重みを増しているのが2つ目の要因=展開である。このファクターだけは、依然として予断を許さない。

事実、コース改修以降の4年間でも、前半1000メートルの通過が57秒を切る超ハイペース(03年)と、62秒台の超スロー(05年)という対照的なレース展開がそれぞれ発生している。特に天覧競馬となった05年などは、緩い流れの密集した馬群から、直線では完全に上がり勝負という異例の展開になってしまった。最後の最後、牝馬らしい一瞬のキレを披露したヘヴンリーロマンスに凱歌が上がるという予想外の決着に仰天したことは、まだ記憶に新しい。
だが、天皇賞(秋)のデフォルトというべき展開をいうなら、むしろ昨年のように、前半の千メートルを58~59秒台で通過していく流れなのだろう。単騎で果敢に先行するペースメーカーに先導され道中はやや縦長の隊列、直線は馬場一杯に馬群が広がっての追い比べ。これこそが秋天本来の正統的競馬というものだ。この一戦を参考に今年の展開を占ってみても、明確な先導役(シャドウゲイト)とそれに番手からプレッシャーをかける強力な先行馬(ダイワメジャー)が健在である以上、昨年同様の展開を想定するのが自然と考えるべきだろう。
ただし、今年の場合は考慮すべき要因がもうひとつある。土曜日の夕方・関東地方に最接近した台風20号のもたらした降雨による馬場への影響である。幸いなことに台風は既に房総半島沖に抜け、日曜日は晴天のもとでの競馬が予想されるが、土曜午後に不良発表まで悪化した馬場が果たしてどこまで回復するのか?おそらく天皇賞の時点で悪くとも稍重程度には回復するものとは思うものの、こればかりは、当日のコンディションを確認してみないとよくわからない。
ここで馬券のヒントをひとつ付言するなら、今週から仮柵を移動しBコース開催となった土曜日の府中芝コースでは、ラチ沿いから1~2メートルの地点が見た目にかなりボコボコとしており、荒れが目立ってきたという事実に注意を払っておきたい。午後のレースからは、逃げ・先行馬でさえ、直線では荒れた内を嫌い、馬場の真ん中に持ち出すコース取りを選択していた。また、かつて雨上がりの府中でよく見られた内有利のトラックバイアスも、最近ではあまり目立たなくなってきている。それら事実をふまえれば、天皇賞でも馬場の真ん中から外目へと思い切って持ち出した馬が有利ではないか?ラチ沿いを通った馬たちが上位を独占した04年(勝馬ゼンノロブロイ)というよりも、大外からテイエムオペラオーを差しきったアグネスデジタル(01年)のイメージ。これが今年の天皇賞を占うヒントになりそうな予感がしてくる。

<結論>
◎アドマイヤムーン
○メイショウサムソン
▲アグネスアーク
△ダイワメジャー
△ポップロック
△カンパニー
注コスモバルク
注チョウサン

稍重馬場。前半1000メートル通過が59~60秒前後のミドルペース。直線は全馬が馬場一杯に広がって叩き合う展開。これらを前提条件としてレースの行方を占えば、力と力のぶつかり合いによる正統的決着が濃厚だろう。確かに馬場状態という不確定要素はあるが、淡々としたペースから各馬がばらける展開になってしまえば、審議の青ランプを点灯させるアクシデントの発生もさすがに考えづらい。おそらく今年に関しては、魔物の出る幕はないというのが当ブログの結論である。
上位人気を占める各馬が馬場状態に左右されない実績を残しているのも、今年のポイントだ。特に宝塚記念上位2頭に注目。ともにぶっつけ本番の天皇賞(秋)となったが、このレベルの強豪になると、普通に走れる状態まで仕上げてくれば十分能力は出せる。枠順と宝塚記念のレース内容を評価して、アドマイヤムーンのほうを上位にとってみたが、春の実績からメイショウサムソンにもほぼ互角の評価は必要だろう。
3番手評価は、通常ならその実績に敬意を表して昨年の覇者ダイワメジャーなのだが、近年の秋天では6歳を越える高齢馬の活躍事例が少ないことが気になる。ポップロック、カンパニー、コスモバルクらの評価もこれと同じで、健闘しても2着までが精一杯といったところか?ならば、ここはむしろ勢いに乗る4~5歳馬に注目してみたい。なかでも追われて確実に伸びるアグネスアークはまだ底を見せていない存在。58キロの負担重量に河内師の泣きが入っても、ここで軽々に評価を落とすことはできない。毎日王冠の覇者・チョウサンは馬場次第で、良に近い状態まで芝が回復するなら、ここでも軽視できなくなる。

キルトクールは、デルタブルースを指名。稍重馬場とはいえ中距離のスピード決着では、そもそも時計が不足している。

10月 28, 2007 07年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (6)

2007/10/23

「ブログリストへの広告配信」と当ブログの見解について

ブログリストやRSSリーダーでお馴染のドリコムRSSが、10月22日より「スペースハンター」なる広告配信を開始した模様です。この広告配信機能は、同社ブログリストの利用者が開設中のブログのサイドバーなどに表示しているリンクリストに対して、無差別かつ強制的に広告リンクを貼り付け表示してしまうというもの。
すなわち、ブログ管理人の意思やエントリの内容とは全く無関係に、ブログリストの冒頭にスパムもどきの広告が入る。広告の非表示・削除がユーザ側から選択できない。しかも、広告が表示されてしまうブログの胴元(管理人)には一銭も寺銭が入ってこない。
Myblog Listの時代から現在のドリコムRSSまで、この会社のブログリスト機能を利用し続けてきた1ユーザの立場からは、非常に不愉快な出来事と言わざるを得ません。
広告配信の開始を通知するドリコムからのお知らせは、「今後ともドリコムRSSをよろしくお願いします」と平然と宣っているけれど、悪い冗談といおうか、盗人猛々しいと言うべきか・・・・。怒りや驚きを通り越して、あきれてしまったというのが正直な感想です。
まあ少し冷静に考えてみると、このブログリストは既に多数の利用者を擁している国内屈指の無料サービス。それゆえ、零細利用者がどれほど罵詈雑言を並べてみても、ごまめの歯ぎしりの域を出ません。サービス提供者の側も、文句があればいつでも出て行ってもらっても結構、ということなのかもしれませんし。

しかし、個人的な出来事や世の中に対するささやかな意見表明を主目的としたプライべードなブログが、管理人の了解もなく、勝手に商業目的に利用されるというのは、どう考えても合点がいきません。合点がいかないサービスを今後も利用し続ける理由はないので、本日をもってドリコム社のブログリストサービスを解約することを決意しました。
当ブログ右サイドバーに長らく表示してきた、「馬blog」のリンクリストともお別れです。
代替えの競馬系ブログへのリンクの機能は、Blog Peopleなど他のブログリストサービスを利用してぼちぼち構築していく予定ですが、いましばらくお時間をいただきたいと思います。

10月 23, 2007 パソコン・インターネット, 日記・コラム・つぶやき | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007/10/21

【菊花賞】主役候補不在!有力馬の泣き所を探る

Dream_journey_at_the_derby_2007早くから混戦模様が伝えられてきた今年の菊花賞。前日売り深夜時点の単勝オッズを確認してみると、セントライト記念の覇者ロックドゥカンブが3.7倍で1番人気、神戸新聞杯で久々の勝利を飾ったドリームジャーニーが5.7倍の2番人気に支持されているようだ。
クラシック戦線の王道を歩んできた神戸新聞杯上位組よりも、関東の秘密兵器に備わっていそうな「未知の魅力」のほうが支持を集めていること自体に、ファンの迷いが如実に表れているというべきか?いずれにせよ7番人気あたりまでが単勝10倍ソコソコのオッズで続いており、一見するとどの馬にもチャンスがありそうに思える。裏を返せば、勝てそうな馬が見あたらないということなのだが、そもそも菊花賞といえば、上位人気馬が期待を裏切ることがたびたび繰り返されてきたレース。ヒシミラクル、デルタブルース、あるいはソングオブウインドなど、レース前に格下と侮られていた伏兵の激走を思い起こせば、上位人気への盲信は禁物というべきだろう。各馬の長距離適性と展開など、様々なファクターをじっくりと吟味して、的中馬券への道を探っていきたい。
さて、レース全体の展望に入る前に、まず1番人気ロックドゥカンブの印象について言わせてもらえば、この大一番であまり高い評価を与えるのもいかがなものか?という気がしている。ここまで4戦4勝。前走2着のゴールデンダリア(ダービー6着馬)を物差しにすると、確かにダービーの掲示板に乗った馬たちとさほど差のない力量の持ち主では?という推測も成り立つ。だが、クラシック組とは今回が初の手合わせ。しかも舞台は淀の3000メートルである。未知の相手・未知の距離という初モノづくしの条件に加え、鞍上・柴山騎手の経験値(京都芝2400以上の距離での騎乗は過去に1度だけ)にも、正直不安を覚える。人馬とも未体験ゾーンでも暗中模索が見込まれるなかで、1番人気の重圧は相当にきついはず。普段着の競馬ができないまま、直線伸びを欠いてしまうシーンも想像に難くないだろう。
1番人気に全幅の信頼が置けないとなると、やはり焦点は神戸新聞杯組の評価ということになる。なかでも、注目はトライアルで久々の勝利を飾った武豊・ドリームジャーニーの動向だ。

父の現役当時を彷彿と小兵で追込一手の脚質ながら、常に33~34秒台と後方から確実な末脚を繰り出すことができるこの馬。最近の菊花賞では2年連続して、早めスパートから粘り込みを計ろうとする先行馬を、推定上がり33秒台の脚で追い込んできた差し馬(ディープインパクト、ソングオブウインド)が残り100メートルの地点で交わし去っていくシーンが繰り返されてきたが、そうした意味でドリームジャーニーは、勝馬のイメージに近い存在ではある。今年の出走馬中、4角を先頭で回ってくると思われるホクトスルタンアサクサキングスが、せいぜい35秒前後の上がりしか使えないことを思えば、残り600メートルの坂の下りで先頭から1.5~2.0秒ほど離されたポジションにいれば、ゴール前での逆転は可能という青写真も成立する。
だたし、課題もある。近年の菊花賞では、4角最後方に近い位置どりから直線だけの競馬で差しきった例が皆無であるということだ。ディープにせよ風の歌にせよ、4角では7~8番手にまで順位を押し上げてきている。淀の長丁場で要求されるのは、直線の短い中山で威力を発揮するカミソリのキレ味よりも、ロングスパートからゴール前までしっかりと伸びが持続するナタの渋太さというべきだろう。朝日杯フューチュリティSをカミソリのキレで制したこの馬に、そのような渋太さが備わっているかどうかは、正直なところよくわからない。
加えて8枠16番の外枠からの発走。この枠順だと道中をどれだけ距離ロス無く運べるか?もポイントになる。かつて、エアシャカールに騎乗して菊花賞を制した年に、外枠からのスタート直後にすかさずインのコース取りを確保して見せたユタカマジックの再現なるか?も注目すべきポイントだ。
前述したとおり、アサクサキングスやホクトスルタンは上がりの勝負に持ち込まれると脆さを露呈する可能性があり、ヴィクトリーは名手・岩田の豪腕をもってしても、まだまだ道中の制御が難しそう。となれば、優勝候補は案外と両トライアル以外の臨戦過程から本番に参戦してきた組にまで視野を広げ、検討してみるべきなのかもしれない。

<結論>
◎アルナスライン
○ドリームジャーニー
△アサクサキングス
△ホクトスルタン
△ヴィクトリー
△ロックドゥカンブ

優勝候補筆頭はトライアル以外のローテーションから。
古馬混合重賞の京都大賞典をステップに菊を好戦した例といえば、テイエムオペラオー(大賞典3着→菊花賞2着)がすぐに思い起こされる。そのオペラオーの手綱を取っていた和田竜二騎手が今年コンビを組むのは、奇しくも同じく京都大賞典3着のアルナスラインだ。
大賞典では、早めのスパートから4角追撃態勢に入って、一時は先頭をうかがう脚色に思えたものだが、歴戦の古馬インティライミ・ポップロックには僅かに及ばずの3着。ただし、外からインティライミに交わされてからも勝負を諦めなかった渋太さが出色で、3歳の若駒にしては収穫の多いレースであったとも言える。その前走から中2週。休養明けの好走後の反動が気にならないといっては嘘になるが、今週も坂路で一杯の追い切りを消化しており、とりあえず体調は悪くない。阪神・中山のトライアルよりも、実際に淀の坂越えを経験しているアドバンテージを評価して、本命に抜擢してみたい。以下では、トライアルの上位陣を順当に評価。

キルトクールは、春の主役フサイチホウオーを消したいのだが、ここは慎重を期して、同じくジャングルポケット産駒のタスカータソルテを指名。かつての菊花賞トライアル・京都新聞杯を制してダービーにまで駒を進めた実績馬だが、2000年以降の菊花賞での、父グレイソヴリン系の戦績はのべ12頭が出走してオール着外母父ノーザンテースト系も10戦してオール着外と全くの不振傾向が続いている。血統的に淀の三千を乗り切る底力の裏づけを欠いており、少なくともこの馬だけは100%切れる!と確信できそうだ。

10月 21, 2007 07年競馬予想・回顧 | | コメント (2) | トラックバック (8)

2007/10/14

【秋華賞】実は1強独走の構図なのかも

Vodka_cap最近数年の秋華賞上位馬の顔ぶれを思い起こしてみると、スティルインラブが牝馬三冠のに輝いた03年の秋以降、オークスとの連動性が強くなっている傾向に気がつく。スティルインラブスイープトウショウエアメサイアカワカミプリンセス・・・・これら優勝馬たちはいずれも、各年の秋華賞にエントリーしてきた出走馬のうち、春のオークスで最先着していたという点で共通の実績をもつ。府中の二千四百と京都の内回り・二千・・・・コースレイアウトという点でも、レースの流れという意味でも、殆ど共通性を見出すことができないこれら2つの条件で何故着順が連動するのか??その理由は定かではないけれど、今年も秋華賞の行方を考えるために、この傾向は一応チェックしておきたいところだ。
さて、そのような昨年までの傾向・対策からは、オークス最先着(優勝)のローブデコルテが優勝候補の筆頭という推論も成り立ちうるのだが、そんな単純な予想では、いくら何でも芸のないというもの。ローブデコルテによるオークス優勝タイムは2分25秒3。これはこれで悪くない時計なのだが、翌週の府中を震撼させたウオッカの勝ち時計が2分24秒5なのだから、この水準と比較してしまうと、どうしても色褪せた印象を禁じ得ない。
スタート後2~4ハロン目に11秒台のラップが連続して比較的淀みのない流れになったオークスと、道中淡々とした流れから33秒台の上がりの勝負になったダービー。常識的には前者のほうが走破時計が速くなってしかるべきなのに、実際には後者が1秒近くも速い。すなわち、ウォッカの末脚の破壊力(突出した上がりタイムの速さ)が、レース全体の走破時計をこの水準まで一気にレベルアップしてみせたわけだ。

ウォッカの桁外れの能力を裏づける傍証は、まだある。ダービー当日の府中芝(Cコース)のコンディションといえば、どちらかといえばラチ沿いのコース取りを選択した馬に有利というべき状態。ダービー2着のアサクサキングスや4着のサンツェッペリンなどは、そのアドバンテージを最大限享受したクチなのだが、ウォッカは直線に入ると迷わず馬場のど真ん中に進路を取り、そこから矢のように伸びてきた。それで牡馬の好敵手たちを圧倒してしまったのだから恐れ入る。実際にあの末脚を目撃してしまうと、オークス上位馬たちが、牝馬ながらダービーを制したこの名牝よりも上位に来るとは、どうしても思えなくなってしまうのだ。

このように能力的には一枚も二枚も抜けていると思えるウォッカに死角があるとすれば、8月に発症した蹄球炎のアクシデントと、それにより変更を余儀なくされたローテーション。さらに相手関係からは、現実に桜花賞で先着を許してしまったダイワスカーレットとの兼ね合いだろう。
しかし、前者に関しては災い転じて福となしたか?インフルエンザ騒動でトレセンへの入退厩が制限されていた期間も、栗東に滞在して黙々と調整を積むことができたし、坂路での乗り込み本数も十分すぎるほど。これまで角居厩舎が公にしてきたどのコメントからも、不安の影のニュアンスはほとんど感じられい。ならば、本番に向けた仕上がりにおそらく抜かりはないのだろう。
また、好敵手ダイワスカーレットとの関係を考えてみると、これまで両者による直接対戦の成績は1勝1敗。このうちチューリップ賞は、着差は僅かでもウォッカがダイワを子供扱いにしたようなレースであったことを思い起こしておきたい。再対決となった桜花賞は一転して予想外のスローペース。このため一歩先に動いたダイワに展開も味方した感があったけれど、基本的に両者の力関係は、既にチューリップ賞の時点で勝負付けが済んでいるように思える。
また、ダイワスカーレットの調整過程をチェックしてみると、桜花賞当時は目一杯に追って馬体を仕上げてきたのに、今回は直前まで軽めの調整に終始している点が、いささか気になる。秋初戦のローズSで仕上がっていた馬体の維持を優先しているのか?前日売りオッズでは、ダービー馬を凌ぐ人気を集めている桜花賞馬だが、本番での仕上げに不安が残るとすれば、むしろこちらのほうではないか?という予感もする。

<結論>
◎ウォッカ
△ベッラレイア
△ダイワスカーレット
注レインダンス
注ラブカーナ
注タガノプリミエール

桜花賞馬・ダービー馬に、武豊ベッラレイアを加えた3強対決との下馬評が囁かれる秋華賞。だが、純然たる能力比較からすると、実はウォッカによる1強独走ではないのか?というのが当ブログの結論。
これほど凄みのある牝馬がファンの前に出現したのは、全盛期のファインモーション(3歳秋当時)以来のこと。注目の秋初戦。いきなり100%の状態とまではいかなくとも、普通の体調に仕上がってくれば、まず勝利は動かないと確信する。
対するダイワスカーレットは、上がり33秒台の持続する末脚は使えてもビュンと切れるイメージはなく、ウォッカに一気に交わされる展開になると辛い。そこで常識的にローズS・2着ベッラレイアを対抗に取り上げたいところだが、1頭だけ抜けて強い馬が強いパフォーマンスを発揮してくると、漁夫の利を掠う格好で思わぬ伏兵の台頭があるかも。例えば、上がり馬のタガノプリミエールなどの無欲の突っ込みに警戒したいところだが、そこまで手を広げるなら、むしろ単勝1点買いのほうが潔い。

キルトクールは、敢えてオークス1着馬・ローブデコルテを指名。時計比較からは、ウォッカよりも0秒5~1秒ほど力関係で劣勢なのだろうか?インフルエンザ騒動でトレセンへの帰厩が遅れた誤算も無視できず、そもそも今回は調整期間が不足しているのが気がかりだ。

10月 14, 2007 07年競馬予想・回顧 | | コメント (4) | トラックバック (3)

2007/10/08

【南部杯】3強対決の行方を占う

Nambuhai_jpn1_2007馬インフルエンザの余波を受け、一時は交流重賞としての開催が危ぶまれていた今年の南部杯。だが、幸いなことに9月半ばには競走馬の入退厩制限も解除され、今秋の例年どおり、JRA・地方他地区から多彩な顔ぶれが、オーロパークに集結することになった。JBCJCダートを経て暮れの東京大賞典へと続く秋のダートG1(Jpn1)戦線の幕開けである。
出走メンバーを見渡してみると、JRA勢5頭・他地区遠征馬が5頭・地元勢が4頭という顔ぶれなのだが、今年もJRA勢優位であることは衆目の一致するところだろう。なかでも、昨年の覇者=ブルーコンコルド、フェブラリーSを制したサンライズバッカス、連戦・連勝の勢いでここに挑んできたワイルドワンダーの3頭が、能力・実績から他を大きくリードしていると思われ、3強対決の構図に注目が集まる。

Blue_concord_at_february_s_2007なかでも1番人気を集めると思われるのが、連覇をめざすブルーコンコルドだ。おそらくこの秋も南部杯を皮切りに東京大賞典まで、ダートG1の王道ローテーションを歩んでいくのだろうが、始動の一戦で果たしてどの程度まで仕上げてきているかがポイントになる。
往々にして馬体を太めに見せることが多い馬だが、見た目はともかくベスト体重は510キロ前後。昨年の南部杯当時が506キロで、初戦から臨戦態勢を整えての参戦だった。しかし、この後に控える一連の大一番を念頭に、お釣りを残した仕上げで登場してくる可能性もあり、520キロを超す目方で盛岡のパドックに姿を現すようなら、評価を割り引いておく必要があるかもしれない。また、左回りコースでは、G1・3勝の実績を残しているものの、内にモタれるという悪癖があることも気になる。今年のフェブラリーSで直線外に持ち出すタイミングが遅れたのはそれが原因であり、上位3頭による叩き合いの展開になったとき、意外な脆さを露呈する可能性も想定しておきたい。

Sunrise_bacchus_at_february_s_2007そのブルーコンコルドを冬の府中で撃破したサンライズバッカス
その後、両者は交流G1(かしわ記念・帝王賞)で2回激突しているが、いずれもブルーコンコルドに軍配が上がっている。フェブラリーSの勝因は、馬群の捌きに手間取った好敵手と対照的に、終始スムーズに競馬を運べたことが大きかったのだろう。純粋な能力の対比では、ブルーコンコルドに比べちょっと分が悪いのかも?という気もする。
また、当初から南部杯出走を青写真として描いていた他の2強に対し、こちらはインフルエンザで帰厩の予定が遅れるなど、ここまでの調整過程が順調とは言い難いことが気になる。アドマイヤドン・ユートピアで南部杯を2勝し、このコースを熟知している鞍上の手綱捌きが頼りだが、果たして得意のマイル戦でどこまでやれるか?

Wild_wonder_at_procyon_s_2007残る三強の一角はワイルドワンダー。6歳にして初のG1(JPN1)挑戦になるが、南部杯出走は前走のプロキオンS優勝の直後から陣営が公言していた既定の路線であり、おそらく仕上げに抜かりはない。他馬を並ぶ間もなく交わしていく爆発的な決め手が魅力で、リミットレスビッド・キクノアロー・メイショウトウコンら強豪に後塵を浴びせた近走のパファーマンスから、おそらくここでも力は足りるはず。あとは地方のダートコースへの適性次第だろう。

<結論>
◎ワイルドワンダー
○ブルーコンコルド
▲サンライズバッカス
注キングスゾーン
注カフェオリンポス
注サイレントエクセル

各馬一長一短はあるにせよ、3強対決の構図が不変である以上、大きな波乱までは想定できない。小波乱があるとすれば、3強の中での序列に変化が生じることか。そこで、両G1馬よりもワイルドワンダーを上位にとって馬券を楽しんでみることにしよう。手綱を取る岩田騎手は、本日から騎乗停止明けでの登場。武豊とのリーディング争いが熾烈な中央場所を蹴って盛岡遠征を決め込んだ以上、JPN1制覇に向けてのモチベーションはかなり上がっているはず。直線で火を噴く豪腕の炸裂に期待を寄せたい。

万が一の紛れがあった場合の3着候補は「注」評価の各馬。
キングスゾーンはマイル以上の距離での実績がひと息だが逃げ馬不在の展開で注意、カフェオリンポスは57キロの負担重量に注意、サイレントエクセルは近走の充実ぶりとこちらも絶好調の板垣騎手の手綱捌きに要注意である。

10月 8, 2007 岩手競馬, 07年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/10/07

【毎日王冠】横綱相撲の再現に不安あり

Daiwa_major_at_yasuda_kinen_07安藤勝己騎手とのコンビが定着した5歳春のシーズン以来、ダイワメジャーは、勝利の方程式とでもいうべき競馬の「型」を、すっかり手中に収めたように思える。発馬直後から押っ付け気味に気合いを付け、好位外目のマイポジションを確保。三分三厘の勝負所からは馬なりに2番手まで押し上げ、4角を回ると早めに先頭。あとはそのまま後続の追撃を封じ込めてしまうという戦法だ。まさしく横綱相撲である。
これほどの強豪が常に先頭を窺う位置で競馬を運んでいくと、レースを引っ張る逃げ馬にとっても、かなりのプレッシャーがかかるのは当然だろう。道中どこかで息を入れたくても、それが叶わない厳しい流れになる。一方、中団・後方でためる差し脚質のライバルたちにとっても、このようなファスト・ミドルペースの展開では、道中からなし崩しに脚を使わされてしまい、直線まで末脚を温存できない。自らがレースの流れを支配することで、前門の虎の牙を抜き、後門の狼の力も殺いでしまう。スタミナと持久力には秀でていても、瞬発力比べになると分の悪さを隠せないダイワメジャーにとって、好位付けの正攻法・押切り狙いというのは、まさしく理にかなった戦法といえるだろう。
今にして思えば、昨年の毎日王冠などは、そんなダイワメジャーの真骨頂というべきレースだった。2年前・3年前のようなスローの決め手比べではなく、ファスト・ミドルペースで力と力がぶつかり合うガチンコ勝負になったのだ。道中では11~12秒台前半の速めのラップが連続する緊密な展開。直線の攻防で叩き合った上位2頭(ダイワメジャー・ダンスインザムード)の推定上がりは34秒台半ばと、一昨年よりも1秒以上も鈍化している。だが一方で、後方待機組も淀みないペースに巻き込まれ、カンパニーやテレグノシスなど末脚自慢の脚力をもってしても、34秒ソコソコの上がりを繰り出すのが精一杯だった。こうなってしまうと、一歩先に抜け出した好位勢には到底追いつけない。このようなレースの流れを終始演出していたのが、道中は逃げるメジロマントルの直後に位置していたダイワメジャーと安藤勝己の名コンビだったのだ。
今年の毎日王冠でも、昨年と同じ戦法を取れる条件さえ揃っていれば、G1通算4勝の王者にとって、G2連覇はさほど高いハードルとは思えない。だが、連覇に向けての不安材料も皆無ではない。当ブログ管理人が懸念しているのは、次の2つのファクターである。

■臨戦過程・体調
インフルエンザ騒動の余波だろうか?専門紙が報じるところによれば、今シーズンのダイワメジャーは、入厩のスケジュールに遅れが生じて、ここまで実質2本の調教を消化しただけだという。牧場で乗り込んできたとはいうものの、果たして秋初戦の今回どこまで仕上がっているのか、一抹の不安は残る。また、週刊誌のフォトパドックで9月時点の馬体の様子を確認してみても、胸前から腹袋にかけてのラインが妙にスッキリとしすぎている感じがして、本来の風格のようなものが伝わってこない。最終的にはパドックで直前気配を確認するしかないが、この馬の持久力の源というべき雄大な馬格に翳りがうかがえるような仕上がりであれば、思い切って評価を下げることも検討しなければならないのかもしれない。

■最内枠
この馬の勝利の方程式といえば、道中で好位の「外」から逃げ馬にプレッシャーを与え続けること。そうした意味では、「1枠1番」という枠順がやはり気になる。メジャー自身の戦績からも、内枠よりも中枠・外枠が向いていることはハッキリしているし、そもそも発馬直後の50メートルほどの出足はけっして速くない馬。いつも安藤騎手がスタートから手綱をシゴキ気味に仕掛けているのが、それを間接的に裏づけているともいえる。
府中芝千八の発馬といえば、ポケット地点のスタートから2角の内ラチを目標に、各馬が自然と内へと殺到していくため、内枠の馬が不利を受けやすいコース条件として知られる。そんな条件の下、果たしてメジャーがスムーズにマイポジションを確保できるかどうか?発馬と枠順。意外にもそんなファクターが、今年のレースの展開・行方を左右する大きなポイントになるのかもしれない。

<結論>
◎ブライトトゥモロー
○アグネスアーク
▲ダイワメジャー
△コンゴウリキシオー
注 色々と手広く

前夜時点の単勝1番人気は、やはりダイワメジャーなのだが、上記の不安材料による懸念が払拭されない限り、少なくともオッズに見合った信頼は与えられない。
また、コンゴウリキシオー・ストーミーカフェ・ビッグプラネットと逃げ戦法を取りたい先行馬が揃って、ペースは速くなると想定されているが、得てしてこんなときには各馬が競り合う展開をさけ落ち着いた流れになるもの。さらには、ダイワメジャーによる追撃のプレッシャーが弱まるようなことがあれば、2・3年前のスロー気味・毎日王冠の再現がみられるのではないかと思う。
そんな落ち着いた流れでこそ、本領を発揮できそうなのが、決め手最上位の左回り巧者=ブライトトゥモロー。手綱を取る後藤騎手の早仕掛け気味の戦法も悪くなく、一昨年のサンライズペガサスの再来を期待できないものか?大回り・小回りのコース条件を問わず、安定した末脚を繰り出してくるアグネスアークも侮れない。

キルトクールは、エリモハリアー
人気薄指名で恐縮だが、不動の本命を信頼しきれぬレースだけに、できるだけ手広くヒモは押えておきたく、結果としてこんな選択になった。前走オールカマー3着はちょっとビックリさせられたが、函館記念の申し子にとって、深まり行く秋は鬼門というべき季節だろう。

10月 7, 2007 07年競馬予想・回顧 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007/10/05

ダービー馬の全弟、岩手競馬に移籍決定!

Hyde_park_at_nakayama_06■ハイドパーク 牡3
(当ブログひとくち出資馬)

 父ブライアンズタイム
 母タニノクリスタル
 広尾サラブレッド所属
 美浦・藤沢和雄厩舎から
 岩手(盛岡)桜田勝男厩舎へ
 移籍予定

言わずと知れた日本ダービー馬・タニノギムレットの全弟である。
その血統背景や、潜在的素質の高さを感じさせる馬体から、旧サウスニアの05年募集馬のなかでもピカイチの話題を集めてきた1頭であり、当ブログ管理人もひとくち出資者の立場から、この馬の動向に常に注目の視線を注いできた。
だが、残念ながらこれまでの足跡は、脚部不安による長期休養をはさんで3戦0勝
良血の評判にふさわしい成績とは、とても言い難い。3歳未勝利戦が幕を閉じようとしているこの時季、いまだに勝利と縁がないJRA所属の3歳馬なら、どんな良血であろうと、今後の身の振り方に関する問題を避けて通ることはできないことになる。
で、ハイドパークの進路として選択されたのは、再ファンド(地方出戻り策)を前提とした地方競馬への移籍である。トレード先は岩手競馬・桜田勝男厩舎。このクラブによる再ファンドの受入先といえば、名古屋競馬の山本健二厩舎や角田輝也厩舎というのが通例であり、先週の時点で地方移籍に向けた検討が始まったと耳にしたとき、当然、わが愛馬もドンコへと転戦するものと思っていた。それが盛岡移籍とは!!岩手競馬ファンの出資者にとって、これは嬉しい誤算である。
桜田勝男厩舎といえば、岩手競馬において常にリーディングトレーナー争いに名を連ねる名門厩舎。2年ほど前には、自分の出資馬が移籍先としてお世話になって、菅原勲騎手の手綱で初勝利を飾ることができたという良い思い出もある。

桜田厩舎の所属馬をチェックしてみると、現在のところA級戦線を賑わすような活躍馬はいないようだが、JRAからの今秋移籍組はなかなか層が厚い。ハイドパークと同じ藤沢厩舎の所属で、デビュー以来話題を集めてきたタイガーマスク(牡3)なども、未勝利戦終了を節目にして、やはり桜田厩舎へとトレードされているようだ。

中央3戦目の札幌ダート千七(2着)でゴール前に片鱗を見せたハイドパークの脚力をもってすれば、岩手の下級条件でJRAの復帰条件となる「2勝」をあげるのは、さほど難しいことではないだろう。また、移籍にあたって藤沢師も、「地方で色々と馬をいじくられる前にススッと2つ勝たせてあげるのが本馬にとって最も相応しい手段であると考えます」と発言しているようだ。ただし、同馬の出資者であり、なおかつ岩手競馬ファンでもある当ブログ管理人の心境からすると話は別。「地方で色々とこの素質馬をいじってほしい」という気持ちもあるんだよなあ・・・・。できれば、短期の移籍に拘ることなく、どっしりと岩手に腰を据えてほしい。下級条件から、一戦また一戦と勝ち鞍を重ね、セイントセーリングやボスアミーゴなど同世代の一線級とわが愛馬が対決するシーンを、岩手の舞台で目撃してみたいと思うのは、出資者のワガママというものだろうか?
大飛びのフットワークから、おそらく水沢よりも盛岡が向いていると思われるこの馬、来週半ばには現地への移動が予定されていると聞くが、盛岡開催のラストウィークまで残り4週間。10月下旬のオーロパークにその勇姿を現すようなことがあるなら、遠征による応援体制を取ることも、是非是非検討してみたいと思っている。

10月 5, 2007 ひとくち馬主日記, 岩手競馬 | | コメント (0) | トラックバック (0)