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2007/05/27

【日本ダービー】鳳凰は異形の王者たりえるか

Fusaichi_ho_o_at_2006_tokyo_sports_hai3まるでダートの一流馬みたいだなぁ」・・・・昨秋の東京競馬場、東スポ杯のパドックでフサイチホウオーを初めて目のあたりにしたときに、当ブログ管理人が感じた率直な印象である。2歳にして500キロを超す雄大な馬格。胸前にもトモの周辺にも、ムッチリとぶあつく筋肉の塊が発達している。繋ぎの弾力性や身のこなしをよく観察すると、芝適性を欠いた一介のダート馬とは異なることは理解できるけれど、体つきそのものは、例えばカネヒキリなどと同じタイプだ。
実際、共同通信杯までのフサイチホウオーのレースぶりは、その体形からイメージされるとおり、けっして俊敏さを感じさせなかったものだ。しかし、狙いと定めた目標は絶対にねじ伏せてみせるという強烈な意志と、持って生まれた身体能力の高さで、着差は僅かでも確実に勝利をものにしてきた。いうなれば、スピードや瞬発力の差ではなく、パワーとキャパシティの違いに任せて他馬を蹂躙していくブルドーザー。そんなふうに評してみると、フサイチホウオーの競走馬としての本質がより鮮明になってくる。
だが、ややもすると泥臭いそんな戦い方は、スペシャルウィークアドマイヤベガ、あるいはディープインパクトでもいいけれど、華やかなクラシック戦線の王道を歩み続けてきた歴代ダービー王者たちと、やはり何かが違う。例えば、馬体の造りという点ひとつを取り上げてみても、彼らが備えていたどこか華奢で儚げなサラブレッドらしい繊細さなどは、見るからに偉丈夫というべきホウオーの身体のどこにも見あたらない。父ジャングルポケットにしても、ダービー優勝時の馬体重は470キロ。同じ年のレースに500キロを超すクロフネや498キロのボーンキングなどが出走してきたわけだから、それらと比較すれば決して他を圧するような大型馬ではなかったのだ。

だが、だからといって、500キロ超級の大型馬にダービーを制する資格がないなどと断ずるつもりはない。最近10年間のダービーを振り返ってみると、500キロ超の大型馬が優勝している例は昨年のメイショウサムソンの一件を数えるのみだが、これに494キロで優勝を飾ったキングカメハメハ(04年)、486キロだったネオユニヴァース(03年)のケースまで加えて扱ってもいいだろう。これら3頭はデビュー当時から490キロ以上の生粋の大型馬である(もう1頭、482キロでダービーを制したタニノギムレットがいるけれど、この馬はデビュー当時が472キロだったので同列に扱えない)。 ちょっと器用さや俊敏さに欠けるタイプでも、持てる能力をフルに発揮できる条件さえ整えば、世代の頂点に立つチャンスはもちろん用意されている。問題は、その条件とはいったい何か?ということだろう。
大型馬たちが栄冠をモノにしたこれら3回のダービーに共通しているのは、優勝馬の上がり3ハロン推定タイムがいずれも35秒台であったという点だ。この事実はすなわち、上がりの速さを競う競馬ではなく、力と力がぶつかり合う死闘をこれら巨漢のダービー馬たちが制してきたことを示唆している。典型的だったのが04年で、このレースにおける前半1000メートル通過ラップは何と驚異の57秒6!ダービーとしては、空前のハイペースだったと言ってよい。渋り気味の馬場が影響し時計を要していた03年・06年はラップの推移こそ一見遅めに映るが、直線で差し馬の上がりが殺され、早めに抜け出した馬同士がゴールまで叩きあいを演じる展開に。レースの質は04年と共通していたように思える。仮に今年のダービーもこんな展開になれば、パワーとキャパシティに優るホウオーのような巨漢馬に、おそらく勝機が訪れることだろう。

しかし今年の場合、皐月賞がハイペース気味だったのだから、ダービーのペースも緩まないと単純に考えてよいものだろうか?外枠を引いた田中勝ヴィクトリーはおそらく逃げの策には拘らないだろうし、松岡サンツェッペリンにしてもテレビ馬になる愚を犯すつもりなどさらさらないはず。となると、相互に競り合う形いは避け、道中はそれぞれ1・2番手を淡々と進む展開になると考えるのがむしろ自然。後続が折り合いに苦しむほどのスローになることはなくても、例年のダービーと同様のミドルペースでレースは進むと考えるべきではないか?

また、展開以外にも注目しておかなければならないポイントがある。例えば、馬場というファクターに着目してみると、「ユキの気ままな日記」さんが指摘しているこんな傾向はどうだろう?思い起こせば昨シーズン、府中の芝コースでは、オークスの頃から500キロ近い大型馬(しかも先行脚質のタイプ)ばかりが上位を賑わすパワー優先の傾向が強まっていた。昨年のダービーの上位馬がそのアシストを受けていたのは間違いないところだが、ひとまず今年の府中の芝では、そこまでの極端な傾向は未だに現れていない。これは体感的にも納得できる事実だ。

皐月賞でマークした上がり33秒台の末脚が俄に注目され、不動の大本命と目されるフサイチホウオー。だが、本質的に過去の大型馬たちが辿った宿命を免れていないはず。前日売り単勝1.8倍の評価に見合う存在かどうか?この問題は、少し頭を冷やして考えてみた方がいい。

Victory_at_2007_satsuki_sho_1<結論>
◎ヴィクトリー
○アドマイヤオーラ
▲フサイチホウオー
△ウオッカ
△ドリームジャーニー
△ヒラボクロイヤル
△ゴールデンダリア





フサイチホウオーの能力に敬意を払いつつも、ここは自分でレースを作れるアドバンテージを最大限生かせるヴィクトリーの2冠達成に期待してみたい。皐月賞で記録したラップタイプの優秀さは、今週号の週刊競馬ブックをはじめ、既に各所で分析がなされているので詳述はしないが、慌ただしい中山の競馬よりもゆったりペースを守れる府中コースのほうが、おそらく向いているタイプ。先週のシンガポール・土曜日の欅S確変継続中の田中勝春騎手も道中番手・4角先頭の競馬がすっかり板についた感じで、ここでもイメージ通りにレースを運べそう。ホウオーの追撃を振り切って、余力を残して先頭でゴールを駆け抜けたい。
2着候補ならば、早めにヴィクトリーを追いかけざるを得ないホウオーよりも、好位置でワンテンポ仕掛けを遅らすことのできるタイプが怖い。アドマイヤオーラ岩田騎手への想定外の乗り替わりで話題を集めるが、シンザン記念と同様に強い標的をマークする競馬なら、まだ見限れないところだ。
以下では、2歳王者2頭と、トライアルでそれぞれに説得力ある勝ち方を見せてくれた新興勢力をマークしてみた。

キルトクールは、タスカータソルテ
さすがの武豊といえど、目下のスランプはちょっと深刻。晴れのダービーで、7番人気の手綱と取らざるを得なかったこと自体、減点材料と言わざるを得ない。

5月 27, 2007 07年競馬予想・回顧 |

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