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2007/05/20

【オークス】競走馬としてのスケールが問われる

Bella_rheia_at_flora_stakes_v前半千メートル通過が58秒1と玉砕的なペースで飛ばした逃げ馬に引きずられる格好で、後続馬群も緩急の少ないハイペース気味の流れに巻き込まれた昨年のオークスだが、この一戦をひとまず例外扱いすれば、スローペースから上がり勝負というのが、近年のトレンド。折り合いが難しい牝馬同士のレースで、全馬が未経験の距離二千四百を走るという条件を騎手たちが過剰に意識してタメる戦法に徹するせいか?道中の流れは概して緩く、どの馬も余力を残しながら直線に向かっていく。結果、ゴール前で台頭するのは東京の長い直線で上がり33~34秒台の決め手を使えるタイプで、血統的にはサンデー系優勢というのが、このレースを読み解く定説だったといえる。
サンデー直子が不在となった今年のオークスでも、定説を大幅に修正する必要はないと思うが、コースが改修された03年以降のレースVTRを見返してあらためて感じたのは、意外にスタミナであるとか、持続力といったファクターもバカにできないということ。一昨年のレースで、同じような位置から追い込んできたシーザリオディアデラノビアの着順を分けたのは、結局、ゴールまでしっかり持続する脚を使えたかどうかという適性の差であったわけだし、04年のレースで一瞬伸びかけたダンスインザムードの脚が止まった後、それを交わし去っていったのはスイープトウショウの息の長い末脚だった。要するに、一瞬の決め手に秀でたマイラー寄りのタイプでは、上位まで来れても、あと一歩が詰め切れない。緩い流れとはいえ二千メートル以上の距離を走った後、もうひと伸びして先頭でゴールを駆け抜けるためには、それなりのスタミナの裏づけ競走馬としてのスケール感のようなものが、要求されると思うのだ。

それでは、いったいどの馬が、オークス馬の称号を授かるにふさわしいスタミナやスケール感を備えているのか?それを判別するのは、案外と難しい。
例えば、オークス時点では、マイル以下の距離でしか出走経験のなかったエンドスウィープ産駒のスイープトウショウ。この馬が二千四百のレースで2着に食い込んだ後、古馬になって成長し宝塚記念を制することになるなどと、いったい誰が予見できただろうか?出走馬の最終的な距離適性がハッキリと判明していない3歳春の段階で、血統や馬体の印象だけを頼りに距離が長い、いや大丈夫などと論じるのは簡単。しかし、その正確性を担保する情報は、まだあまりに乏し過ぎると言わざるを得ない。

確かな手がかりが不足するなかで、出走各馬のポテンシャルを計りその優劣をジャッジすることは難しいが、ひとつのヒントとして頼りにできるのは、「桜花賞出走馬が強い」という傾向だろう。少なくともクラシック第1弾に出走できたという事実は、別路線からトライアルを経てやっとオークスにたどり着いた組よりも、能力の絶対値が高いことを裏づける客観的なファクターと位置づけられる。しかも、桜花賞組にはダイワエルシエーロフサイチパンドラの好走例に示されるように、「桜花賞を凡走→オークスで一変」という必殺の激走パターンがある。そんな傾向も、このレースを展望するうえで見逃せないところだ。
ダイワスカーレットウォッカの大駒2騎、さらにはアストンマーチャンまでいなくなってしまい、桜花賞組とトライアル組の力量差が例年よりも接近していると思われる今年のオークスだが、トライアル組の大半は実質500万下に毛が生えた程度の顔ぶれ。基本的には、例年の傾向と大きく変わらない構図のなかに今年の結果も収束していくものと考え、予想を進めていきたい。

<結論>
◎ベッラレイア
○ピンクカメオ
▲カタマチボタン
△ローブデコルテ
△ミンティエアー
注トウカイオスカー

桜花賞組優位の傾向を語った直後に、この◎とは?!(汗) 我ながらいかがなものかと思うが、大駒不在となった今年のメンバーならベッラレイアの脚力・スケール感を、やはり最上位に評価しないわけにはいかない。不器用な脚質から常に取りこぼしのリスクがつきまとうものの、シーザリオのオークスを彷彿とさせるようなフローラSでのあの豪脚。それを目の当たりにしてしまった以上、これ以外の選択肢はもはや考えられなかったと、正直に白状する。
○ピンクカメオは、桜花賞14着からの変わり身が一走だけ早すぎた感はあるが、牡馬相手のG1で外から全馬をゴボウ抜きしたあの脚が再現できるなら、ここでも上位入線は可能だろう。東京コースでは2戦2勝。距離不安が囁かれるが、二千四百の距離が初めてなのは他馬もいっしょ。前日売り単勝オッズが2ケタならば、馬券的妙味からも迷わず買いとジャッジしたい。
以下では桜花賞3~4着馬と、フローラSでベッラレイアと僅差の競馬ができたミンティエアーを狙ってみたい。別路線組トウカイオスカーは、穴人気するようなら嫌いたいタイプなのだが、これまで出走した4走中3度も最速の上がりを記録した末脚に注目するとあまり軽くは扱えず「注」の評価とした。
キルトクールザレマ。オークスでは、忘れた頃に好走することもある忘れな草賞1着からのエントリーだが、勝ち時計が2分1秒3。速い時計の出る今シーズンの阪神の芝を考えると、特筆するほどの水準ではない。中京あざみ賞で完敗したベッラレイアや桜花賞組との比較で優位と評価できるほどの強調材料はなく、大外枠も減点。少なくとも単勝2番人気を背負うほどの器ではないと思うのだが、どうだろう。

5月 20, 2007 07年競馬予想・回顧 |

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