【皐月賞回顧】先行有利・内有利の教訓をもう一度

道中1・2番手の位置でレースを運び、ゴール前までギリギリ踏ん張っていた1・2着馬の上がり3ハロンが35秒台後半。これに対し、後方から追い込んできた3・4着馬の推定上がりは33秒9。差し馬が先行勢より2秒も速い脚を使っている。これほどの豪脚で猛追しながら、それでもなお先行馬には及ばない。古くはサニーブライアンにセイウンスカイ、最近ではダイワメジャーやメイショウサムソン。一歩先に抜け出す奇策でリードを奪った伏兵が、外を回して追い込んでくる人気馬の追撃を退け真っ先にゴールへと到達する。これまで何度も繰り返されてきた光景なのだが、今年もその残像をなぞるような決着が繰り返された。これぞ、まさしく皐月賞というレースの怖さである。
そもそも直線に設けられた急坂を別にすれば、レイアウトそのものはローカル競馬場の小回りコースと何ら違いのない中山・芝内回り。そんな舞台に多頭数18頭がひしめき合うのだから、先行有利・内有利というのは当然予期しておくべきファクターだった。
年末から延べ16週間もの開催を消化してきた芝コースは、馬場の内目に傷みが蓄積して差し馬有利な条件になってもおかしくないのだが、現実には最終週になっても、まるで開幕当初と同じように、ラチ沿いを通る馬の健闘が目立っていた。最終レース終了後、ファンに開放された芝コースを実際に歩きながら確かめてみたのだが、青々と繁茂したオーバーシードの洋芝の下では、野芝の根っこがまだ冬枯れしている。見た目の違いはともかく、内も外もほぼ同じように枯れた野芝と砂地のクッションが効いて柔らかめの状態だった。こんなコンディションであれば、4角をロス無く回っていち早くセフティーリードを確保したほうが有利であるのも道理。さらには、ゴール前直線がわずか400メートルにも満たない小回りコースである以上、差し馬が繰り出せる上がりの速さにも自ずと限度がある。
好漢・田中勝春にヤマニンゼファー以来15年ぶりとなるJRA・GⅠ(JPNⅠ?)優勝をプレゼントしたヴィクトリー。
ここまでキャリア3戦でパーフェクト連対と上位人気に支持されてもおかしくない優秀な成績を残していながら、7番人気の伏兵の座に留まっていたのは、激しい気性のコントロールが効くかどうか?が疑問視されていたせいだろう。だが、大一番を迎えたこの日は、パドックから特にイレこむ様子もみせず、本来の能力を発揮できるお膳立てが整っていた。発馬そのものは決して速くないけれど、馬の行く気にまかせ2角でハナを奪うと、すかさず向正面で3ハロン続けて12秒3と息が入る展開。直線でサンツェッペリンと凌ぎを削る展開になったのも、ゴールまで闘争心を持続させる上でプラスの材料になった。やや寸が詰まって骨量豊かな馬体は、いかにも父の産駒であることを印象づけるが、距離的にはこれくらいがベストかも?という感はある。はたしてダービーで、どこまでやれるかは現時点でまだ未知数と評さざるを得ない。
京成杯の覇者・サンツェッペリンは、戦前の低評価を覆す驚きの快走で大波乱のもう1頭の立役者になった。中間に一頓挫あったスプリングS当時の状態から上積みは大きく、鞍上の指示にも忠実。道中ヴィクトリーを深追いしなかったことが、2着に残れた原因なのだろう。とにかくこの馬、コーナー4回の小回りコースがかなり上手。逃げて良し・差し手よりの自在味から、福島などで走らせると、かなりの適性の高さを発揮してきそうだ。ローカル開催を舞台にしたサマーシリーズにエントリーしてくれば、まず上位は必至で、第2のメイショウカイドウというべきポジションを手中にするのかもしれない。ただし、これでGⅠ・2着の勲章を背負ってしまった以上、もう斤量面での恩典は期待できないのが残念。
負けてなお強しの競馬。連勝記録にストップがかけれられても、かえって株を上げてみせたのがフサイチホウオーのレースぶりだった。幸か不幸か?最内枠を引いてしまったせいで、安藤騎手がこの馬を外へと持ち出しゴーサインを下したのは、残り400メートルの地点から。そこからの末脚が特筆もので、馬体を合わせた好敵手たちを次々と後方に沈めながら、ゴールでは勝馬と同タイムの位置まで追い込んできた。桜花賞勝ちで波に乗るアンカツも、カラジのスコット騎手ばりの水車ムチまで繰り出しホウオーを叱咤するが、僅かにあと一歩が及ばなかった。しかし、誰がみても最も強い競馬をしているのはこの馬。父ジャングルポケットや、タニノギムレットの皐月賞を彷彿とさせるレースぶりから、一躍ダービーの主役候補に躍り出たと評しても過言ではないだろう。
これら上位陣の後塵を拝して、いずれも消化不良の競馬に終わってしまったのが、前哨戦で最もレベルが高いと評していた弥生賞組だった。単純に時計だけで比較してみると、4着に敗れたアドマイヤオーラにしても、前走をコンマ4秒上回るタイムで走破しているのだから、けっして悪くないレース。だが、大幅に馬体を減らしスタートの直前まで随所に気性の幼さをのぞかせていたココナッツパンチにせよ、出遅れから4角大外ブン回しの芸のない競馬で見どころを作れなかったドリームジャーニーにせよ、クラシック緒戦を勝ちきるための決定打を欠いていたのは明白。これら弥生賞組を上位に見立てていた当ブログの予想などは、完敗の誹りを免れない。
幸いなことに、パドックの印象点から、「もしや?!」と感じて押さえたヴィクトリーの単勝が的中し、馬券的に怪我はなかったとはいえ、反省ばかりがつのるクラシック第一弾なのであった。
4月 16, 2007 07年競馬予想・回顧 | Permalink
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完敗です。
まさか、ヴィクトリーやサンツェッペリンが逃げとおすとは…
またもや、10番人気以下が連対。皐月賞は難しい・・・
有力馬は牽制しあってたのでしょうか。
切りたかった馬3頭のうち2頭が馬券圏内。
サンツェッペリンも調教で○つけてたのに、人気で消し。
中山2000で勝ったことあったのにね。
あーあ。競馬は難しい…
若葉S組は軽視といわれていたけど、1着の馬は残してたけど勝つとは。
弥生賞組の方が来なかったねえ。
アドマイヤオーラ、やっぱり4着。いやな予感だけ当たる。
... 続きを読む
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