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2007/04/24

【ジョッキーマスターズ回顧】4万6000人の競馬の味方

最終レース後のパドックに懐かしい顔が並んだ。9人の名手が、ダービーやオークスを勝った時の勝負服を身にまとい、うれしさと緊張が入り交じった表情で騎乗馬にまたがった。重量は53・5キロから59キロ。皆、しっかり体をつくってきた。残ったファンは通常開催並みの4万6000人。パドックを見下ろすスタンドはぎっしり埋まり、横断幕も飾られた。「岡部頼むぞ」「河内落ちるなよ」「幹夫さん頑張って」。温かい声援が次々に浴びせられた。現役騎手や調教師、馬主ら多数の関係者も詰め掛け、空前の盛り上がり。横山典騎手、後藤騎手、細江純子さんが誘導馬に乗り、スターターは柴田政人師。午後4時40分、生演奏によるG1のファンファーレが響くと、割れんばかりの手拍子が起こった。これはもうG1中のG1だ。
nikkansports.com4月23日 岡山俊明記者の記事より引用

Jocky_masters_1_okabe馬券も発売されないエキシビション競走見たさに、4万人を超える観衆が最終レース終了後の競馬場に居残ったというのも凄いが、その誰もが笑顔・笑顔。みな、ワクワクするような表情でこのときが来るのを待っていた。パドックを囲む人の群れは、まるで有馬記念の中山競馬場なみの密度。場外発売の水沢競馬の払い戻しを済ませてから、やっとこさパドックに駆けつけた当ブログ管理人などは、ファンの熱気に圧倒され、見物場所の確保にひと苦労するほどだった。
日曜日の東京「第13レース」として用意された、この日のお楽しみ「ジョッキーマスターズ」。東京競馬場のグランドオープンを記念して、往年の名手たちが再びターフに結集し覇を競うというこの企画は前評判も高く、競馬ファンの期待と注目を大いに集めてきたが、まさかこれほどの盛り上がりを見せるとは、主催者のJRAも予期していなかったのではないか?
本馬場入場。マスターの称号を贈られた名手たちが懐かしの勝負服を身にまとい、芝コースへと姿を現すと、スタンドのどこからか自然と拍手が湧き上がってきた。競馬場全体を包み込むように高まっていいいた期待と興奮を、ものの見事に一言で表現していたのが、先に引用したニッカン岡山記者のヒットコメントだ。たかがエキシビションと言うなかれ。レースを目撃する幸運に恵まれた4万6000人の一人として、「これはもうG1中のG1だ」という実感にまったく偽りはない。

Jocky_masters_4race現役時代を彷彿とさせる鮮やかな抜け出しで、記念すべき第1回のマスターズ競走を制したのは河内騎手。レース内容は既に各所で報じられているし、JRAの公式サイトで動画も視聴可能なので、ここでは詳しく触れない。「根本!」「岡部っ!」「河内!河内っ、よしアタマだ!そのままっ」 目の前を次々と駆け抜けていく名手たちの背中に向かって、腹の底から声援を飛ばせただけで、競馬歴10年以上の馬券オヤジとしてはもう大満足である。ちなみに一言だけ付け加えさせてもらえるなら、直線の攻防のビジョンには映らない所で、ちょっと気恥ずかしそうに根本騎手が懐かしのヨーロピアン・スタイルを披露していた。そんなシーンまで目撃できるとは、何とも幸せな気分だ。

Jocky_masters_2_matoba興味深かったのは、このレースを楽しんでいたファンの顔ぶれである。どちらかといえばオールドファン向けの企画?と思われていたのに、客層を眺めてみると、意外にも40~50代のオッサンよりも、まだ競馬を始めて間もないと思われる若者たちの比率が高かったのだ。自分の周囲には、松永幹夫や岡部の引退は覚えているけど、「柴田政人って誰?」という人も少なくなかったように思える。特別ゲストとしてスタート台へと上る柴田政人調教師を、甥の善臣と勘違いしていたファンまでいたほどだ。それでもレースになれば、往年の名手たちにやんやの声援と喝采を惜しまない。若い彼らにとっては、おそらく今が競馬をやっていて一番楽しい時期なのだろう。
競馬というジャンルは長く付き合えば付き合うほど、記憶の層が折り重なって滋味も増すけれど、ファンを続けていくことに少なからぬエネルギーを要求されるジャンルである。仕事や家族、誰もが様々なしがらみを抱えるなかで、ある者は競馬場から去り、ある者は今日も馬券を買い続ける。競馬ファンを持続する動機を養ううえで大切なのは、馬券の面白さもさることながら、やはり競馬場で生のレースを楽しむ機会をどれだけ作れるかということだろう。ライスシャワーの菊花賞ホクトベガのエリザベス女王杯ナイスネイチャの高松宮杯、そしてサイレンススズカの毎日王冠と天皇賞(秋)・・・・こんなレースを現場で目撃してきた自分の競馬遍歴を思い出してみても「FEEL LIVE」の効用は大きかったし、競馬場で体感できるサムシングを楽しみにして、今も府中競馬場へとせっせと足を運び続けている。

Jocky_masters_3将来にわたって語り継がれるであろう第1回ジョッキーマスターズ。その目撃者となった4万6000人は、間違いなく競馬の味方である。その一人でも多くが、10年先・20年先も立派なファンであり続けるためにも、JRAは競馬場を訪れる喜びをもっともっと提供し、積極的にアピールてほしい。そんなことをふと考えた日曜日の夕暮れどきなのであった。

4月 24, 2007 府中日記, 日記・コラム・つぶやき, 07年競馬予想・回顧 |

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» 「ジョッキーマスターズ」優勝は河内師! トラックバック Re:F's blogroom
 と、書いたはいいのだが、どんなレースだったか(現時点では)映像ではていないので、詳しい模様は分からず・・・  JRAのHPにもまだ載ってないみたいだしorz... ジョッキーマスターズ、河内洋騎手が優勝  ... 続きを読む

受信: 2007/04/24 20:44:16

» マスターズだぜぃ!おいぃ! トラックバック キルトクールブログ
ゴール前だったから、本田が空気読むかどうか冷や冷やしてみてたので、根元さんの騎乗見てないいい。。。 続きを読む

受信: 2007/04/25 0:31:12

コメント

小生もこのレースを見るために府中まででかけましたが、異様な盛り上がりでしたね。
JRAのFEEL LIVEは馬券購入以外の競馬の楽しみ方を提案するという意味もあるようですが、こういうエンタテイメントの必要性がまさに明らかになったということでしょうね。
人馬共にケガがなかったようなのも何よりでした。

投稿: もくに | 2007/04/24 5:56:57

初めまして。ジョカトーレ・Fさんのところより飛んできました。
根本“騎手”、直線で風車ムチやってましたね。外国人騎手の活躍を見るたびに、根本さんは生まれた時代が早かったのかな〜と思っていたので結果にかかわらず“元祖”のプレーを見られたのはよかったです。

投稿: 藤沢雄二 | 2007/04/24 22:20:43

>もくにさん

無理な話ですけど、もしジョッキーマスターズの馬券を発売していたら、どれくらいの売上げがあったんでしょうね?ひょっとしたら、並みの重賞よりも大きなセールスを記録したのかも知れません。いずれにせよ、競馬ファンの関心を呼び起こしたのは、わけのわからない芸人を呼んでくる集客イベントよりも、このようにいかにも競馬らしい企画だったということ。それを、どこまで主催者が理解してくれるかでしょうね。

>藤沢雄二さん

根本騎手のヨーロピアンは、かつて朝日杯のメリーナイスに騎乗したときに披露したけれど、当時のファンからは不評で、その後封印してしまった幻の秘技だったと記憶しています。久々の風車ムチ復活・・・・ある意味、ジョッキーマスターズの最大の見どころでは?と期待していただけに、現地観戦に行った甲斐がありました。有馬記念スタート直後の落馬再現じゃ洒落にならないので、本当によかったです。

投稿: 山城守 | 2007/04/27 0:59:28

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