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2007/04/15

【皐月賞】意外にも平穏な決着が待っている

2006_satuki_sho_gate前日深夜の時点で単勝オッズの出方を確認してみると、前哨戦・弥生賞の勝馬が3.2倍無敗の4連勝馬が4.2倍朝日杯を制した2歳王者が8.1倍。上位人気に支持されてしかるべき実績馬の間で票が分散し、不動の本命といえるほどの存在は現れていない。上位拮抗・群雄割拠、隙あらば下克上を目論む伏兵にもチャンス有り。早くから混戦と伝えられてきた今年の皐月賞だが、まさしくそんな下馬評にふさわしい、ちょっと賑やかな人気の割れ加減である。おそらく、レース当日になれば、前日売り1番人気の武豊・アドマイヤオーラよりも、2番人気で安勝が騎乗するフサイチホウオーの「妙味」のほうが買われ、これら2頭の単勝オッズの数値はさらに接近してきそうな予感がする。
上位人気馬でも全幅の信頼を置けそうにない」「人気薄の穴馬が激走して万馬券を」・・・・おそらく、穴党を自認する競馬ファンの集団無意識は、ちょっとした波乱による配当妙味を期待しているのだろう。大型連休を目前に控えた給料日前の日曜日。大多数の競馬ファンが抱えるそんな懐事情も、有力どころの人気分散を後押ししているのかもしれない。
だが、抜けた馬のいない混戦ムードの年に限って、結果は堅く収まってしまう。過去の皐月賞を振り返り、傾向と対策を探っていくと、意外にもそんな構図が浮き彫りになってくる。

11番人気サニーブライアンの逃走劇であっと驚く大波乱となった97年以降、単勝1番人気が3倍台という図式のもと、レースが行われたのは過去2回。すなわち、00年のダイタクリーヴァ(単勝3.3倍)、03年のネオユニヴァース(単勝3.6倍)の年である。これら両年に共通しているのは、1番人気・2番人気馬によるワンツー決着になって、馬連ひとケタ配当の順当な決着になったということ。前走で弥生賞やスプリングSといったトライアルに出走し、強い内容で連対実績を残してきた人気上位馬が、本番でもやはり強い競馬をみせたというのがポイントだろう。
00年組(代表馬エアシャカール)に03年組後(代表馬ネオユニヴァース)といえば、後になって振り返ってみると、けっしてレベルが高いとまでは評価できない低調な世代だったが、低調なのは別路線組も同様。少なくとも皐月賞の時点で、トライアル上位陣を脅かすほどの伏兵はまだ登場してこない。完成度の高さ・臨戦過程の順調さというセールス・ポイントがある分、弱い世代のトライアル上位組には、別路線組との比較で一日の長があるということだ。

弱いと囁かれる世代で混戦ムード漂う年こそ、トライアル上位組の実績を信頼。そんな視点を重視するなら、あらためて今シーズンの一連の前哨戦を再検証する作業は必須だろう。まず注目すべきは、トライアル路線の王道、弥生賞とスプリングSの比較だ。この両レース、今年はともに良馬場のAコースで施行されたわけだが、1分49秒0という低調な時計の決着に終わったスプリングS(千八)に対し、弥生賞(二千)では2分00秒5と例年に比べても遜色ない決着タイムが記録されている。
スプリングSで首位からコンマ2秒差の3着と健闘していたエーシンピーシーを物差しに、両トライアルのレースレベルを比較してみても、セントポーリア賞でエーシンピーシーと僅差の競馬を演じたマンハッタンバートーセンクラウンが、弥生賞では為す術もなく着外に敗退しているという事実がある。これだけでも、両トライアルの価値の違いは明らかであり、本番に直結する可能性が高いのは、文句なく弥生賞のほうだ。
無敗の4連勝馬・フサイチホウオーも、スプリングSの勝馬フライングアップルとの比較でジャッジするなら、弥生賞組よりも強いという評価までは現時点で与えられないということになる。
トライアルのレベル比較という視点からみて、むしろ面白いのは、セントポーリア賞・弥生賞に出走していたマンハッタンバーを1秒1差の6着に下している若葉賞組だろう。優勝馬ヴィクトリーは、年末のラジオNIKKEI杯でホウオーと互角の競馬。当時僅か2戦のキャリアで気性に不安を残していたこの馬が、G1の厳しい流れで覚醒する・・・・万が一、波乱の結果が待っているとするなら、そんなシナリオも念のため想定しておく必要があるのかもしれない。

<結論>
◎アドマイヤオーラ
○ドリームジャーニー
▲ココナッツパンチ
△ヴィクトリー
△ナムラマース
注メイショウレガーロ
注フサイチホウオー

小柄で見栄えのしない馬体、兄アドマイヤジャパン譲りの早熟で勝負弱いイメージ・・・・そんな先入観が足を引っ張るせいか、前日売り1番人気の支持を受けながらも、弥生賞快勝の実績がまだ正当に評価されていない感のあるアドマイヤオーラ。だが、ここまで4戦3勝のキャリアと桜花賞馬ダイワスカーレットを一度は下している実績から、まだそのパフォーマンスは底を見せていないと評すべきだろう。差しきる勢いで馬体を合わせてきたココナッツパンチをゴール前もう一伸びして突き放した前走の競馬は中身も濃く、有力どころで最も早く動ける位置を取れそうな今回の枠順も悪くない。本番でも馬券の圏外に去る可能性は小さく、3連単・3連複の軸馬として信頼してもいいのではないか。
キャリア僅か2戦を消化したばかりでも、能力的にはアドマイヤオーラと互角以上のココナッツパンチは、やはりこの枠順の克服がカギとなりそう。それならば、むしろ好枠を引いたドリームジャーニーの巻き返しを期待すべきか。
いずれにせよ、上がり勝負のヨーイドンになってしまっては分が悪いアサクサキングスが早めのスパートを仕掛ける皐月賞の展開は、サムライタイガースとノワールシチーが2頭で3角から動いていった弥生賞と同じような流れになる公算が高そう。スローの決め手比べというよりも、どれだけ長く脚を使えるかで着順が決まってくる持続力勝負の競馬になる。となれば、弥生賞の上位再現がやはり濃厚なのだが、別路線組からはヴィクトリーの先行力ナムラマースの差し脚にも、一応警戒しておきたい。
キルトクールは、フライングアップル。見栄えのする馬体の持ち主だが、一気の相手強化でスプリングSの再現は、おそらくかなうまい。

4月 15, 2007 07年競馬予想・回顧 |

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