« 【高松宮記念】「差し馬vs先行馬」の図式を深読みする | トップページ | 【ばんえい記念回顧1】パドックから愛をこめて »

2007/03/25

【ばんえい記念】ビギナーによるビギナーのためのレース展望

Banei_obihiro_070324ばんえい競馬・年間開催のフィナーレを飾るビッグレース「ばんえい記念」を目撃するため、ただいま帯広に遠征中である。
数々の重賞を制してきたトップクラスのオープン馬が顔を揃え、ばんえい競馬の頂点を決する大一番だが、何よりもこのレースの個性を規定しているのは、総重量1トンもの橇を曳くという過酷な負担が出走馬に課せられるということ。体重1000キロ以上の輓馬といえど、自らの目方と同じ重さの橇を曳きながら2つの障害を越えていくというのは、並大抵のことではない。サラブレッドの競馬に例えて言うなら、凱旋門賞(最強馬決定戦)とグランドナショナル(過酷な負担)を足して2で割ったような特殊なレース?と言えるのかもしれない。地方競馬に行こう!さんの表現を借りるなら「想像を突き破る凄いレース!
とはいえ、ばんえい競馬に関して言うなら、当ブログ管理人などは、最近馬券を買い始めたばかりの一介のビギナー。実際にレースを目撃するまでは、いったい何がどれくらい想像を突き破っているのか?語る術をもたない。そんなわけで、レース当日の朝を迎えた現時点になっても、ばんえい競馬観戦歴の長いベテランによる次のような言葉を拝借して、このレースの凄さを想像してみるばかりである。

「一応、ばんえい記念の出走資格は四歳以上のオープンクラスってことになってるが、一トンの荷物を背負って歩ける馬はそうそういない。形だけは十頭そろえたけど、半分はゴールにたどり着けないかも知れない」
(略) 「何が起こるかわからんのがレースだ。さっき一着、二着は決まってるといっただろ。だけどな、出走するうち五頭は一トンを曳いて立派にレースができる。それに雪が降ってるじゃないか。馬場の水分が多いんだ」
「軽いってことですね」
~鳴海章いのちに抱かれて
第十話 吹雪のばんえい記念の章より引用

今年の大一番の行方を占ううえで、欠かせないポイントはやはり馬場状態をどう見るかということだろう。一般にばんえい競馬の場合、「晴れた日は砂が乾いて橇が滑りにくくなる」(=力の要る馬場) 「雨の日は砂が濡れて橇の滑りがよくなる」(=軽い馬場)と言われる。この感覚は、平地のダート競走でいうところの「乾燥して力の要る馬場」「脚抜きの良い馬場」というのに近いのだが、ばんえい記念の場合、過酷な負担重量が出走馬に課せられている分、通常のレース以上に、馬場状態がレースに影響を及ぼす度合いは大きいといえるのかもしれない。
土曜日には好天に恵まれ、もうもうと砂塵が舞い上がるほど乾燥状態だった帯広競馬場の馬場。しかし、帯広市内では昨夜からみぞれが降っており状況は一変している。朝の時点では雪や雨もやんで、日中には天候も回復。この季節にしてはかなり気温も上昇する(最高13度)という予報が出ているけれど、こうなるとばんえい記念のスタートが切られる16:30頃のコースは水分をたっぷりと含み、「砂が濡れて橇の滑りがよくなる」状態でレースが行われる公算が高い。

そんな軽めの馬場状態を前提に狙ってみたいのは、やはり水分含量が多めのときに好走実績を残しているタイプだ。手元の「競馬ブックばんえい版」から、馬場の水分別着順成績に注目し「水分4.0%以上」のときに上位に来ていることが多い馬を探っていくと、シンエイキンカイ、トモエパワー、ミサイルテンリュウといったあたりが有力だろうか?このレースの常連・ミサキスーパーも、2着までなら可能性はありそうだ。

<結論>
◎ミサイルテンリュウ
○ミサキスーパー
▲トモエパワー
△シンエイキンカイ

王者スーパーペガサスの4連覇が象徴しているように、基本的には1番人気が強く、馬券的には平穏な決着に終わることが多いレース。その王者が現役を退き、新時代の最強馬決定戦となる今シーズン、下馬評では、ばんえい記念初挑戦となるトモエパワーが1番強いのでは?という意見をよく聞く。
ただし、総重量1トンを曳くばんえい記念になると、それ以外の重賞レースにおける実績をそのまま鵜呑みにすることができないのも、また事実。ここは、豊富な実績と先行力・障害力を兼ね備えたベテランの奮起に期待してみたい。
ミサイルテンリュウは、前哨戦のチャンピオンCで先頭で第2障害を通過しながらゴール前ぱたりと止まって3着に終わったが、当時のレース解説者によるなら、この馬は「周囲の牝馬を気にする」タイプ。あのときは後方から猛然と追い込んできた隣枠の牝馬フクイズミを気にしすぎた?のが敗因とも考えられる。幸いにして今回、牝馬の入った枠順(1・3枠)からはだいぶ離れた大外10番枠。これならレースに集中できそうで、昨年の経験(4着)を糧にした好走が期待できそう。
ミサキスーパーは、昨年までのこのレースで、スーパーペガサスの後塵を排すること3回。目の上のタンコブが消えた今年は初制覇の期待もかかるけれど、平地の競馬に例えると、メイショウドトウステイゴールドのようなタイプで、先頭でゴールを通過することに、どこか抵抗があるのかもしれない。とはいえ実績・先行力は侮れず、近走の戦績から評価が下がるようなら、むしろ積極的に狙っていきたい。
トモエパワーは、正月の帯広記念で880キロの酷量を克服した実績があり、ばんえい記念初挑戦といえど、それなりの評価が必要。経験不足=消しという判断は早計だが、他重賞とは別次元のばんえい記念を一気に制覇するまでの勢いは感じられない。押さえの評価。以下では、帯広巧者といわれるシンエイキンカイ(鳴海章氏の本命)までを一応マークしておく。

キルトクールには、ベタな評価で恐縮なのだが、帯広コースでは何故か未勝利の最強牝馬アンローズを指名してみたい。鳴海氏の言を借りるなら、他の競馬場では「女王様」でも、帯広に行くと「ただのねえちゃん」。私もねえちゃんは嫌いではないけれど(笑)、帯広での初勝利が「ばんえい記念」という展望では、ちょっと想像を突き破りすぎていないか?

(おまけ)
今年のばんえい記念に出走馬の顔ぶれについては「ばん馬のいる風景-BANEI Photo Gallery -」さんのところで、美しい写真による紹介エントリが公開されています。まさに多士済々というべき個性的なメンバーたちですね。レースが本当に楽しみです。

3月 25, 2007 旅打ちコラム, 07年競馬予想・回顧 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33923/14378599

この記事へのトラックバック一覧です: 【ばんえい記念】ビギナーによるビギナーのためのレース展望:

コメント

コメントを書く