« 【根岸ステークス】冬場の府中ダートを読むための仮説 | トップページ | イグJRA馬事文化賞!「競馬ワンダラー」 »

2007/02/04

【共同通信杯】府中千八 敢えて展開を重視してみる

Fusaichi_ho_o_at_2006_tokyo_sports_hai府中の千八、展開要らず」とは、かつて競馬評論家として活躍していた大橋巨泉氏による名言だが、ここまで3日間の日程を消化してきた府中冬開催の芝・中距離路線、特に距離千八のレースを振り返ってみると、思わず「なるほど」と唸らされてしまう。逃げ・先行勢の上位独占による波乱(2日目・早春S)もあれば、満を持して後方から末脚を爆発させた差し馬の台頭もあり(3日目・立春賞)。枠順や脚質による有利・不利がほとんど感じられないのだ。
もし雨でも降って馬場が渋るようなら、例のトラックバイアスの影響を一考したいところだが、幸か不幸か今週末の東京地方は、土日を通じ好天の予報が報じられている。日曜日の競馬も、フェアなコンディションのもとでの力比べを前提に予想を組み立てていくのが筋だろう。
そんな府中の芝・千八コースを舞台に明け3歳の若駒たちが覇を競う共同通信杯も、「展開要らず」の例外ではない。コース改修後、過去3年の上位馬の脚質傾向は、ストーミーカフェの逃走劇から、マイネルデュプレ・アドマイヤムーンによる差し切り勝ちなど展開多様。レースのサンプル数が少ないこともあるけれど、まだ一定の傾向には収束していないようだ。
ただし、各年のレースに共通するポイントはある。春まだ浅いこの時季に行われるクラシック前哨戦という位置づけのためか?毎年10頭前後の少頭数で、競馬が行われているという事実である。「府中芝・千八」「少頭数」という2つのキーワードから、浮かび上がってくる傾向と対策を明らかにするため、東京競馬場のコース改修が行われた03年以降のレースデータを洗い直してみよう。

出走馬10頭以下のレースにおける脚質別成績を検索してみると、結果は以下のとおり。新馬・未勝利戦などで見られる出走馬の能力差に起因したバイアスを排除するため、特別戦以上の上級条件に対象を絞ってみた。すると、連対率こそ逃げ馬が最高値をマークしているが、単勝回収値・複勝回収値の数字をみるかぎり、先行・差し・追込を問わず、どんな脚質の馬でも一応狙えることがわかる。常識的には前有利と思われる少頭数の芝中距離戦で、道中後方に位置していた追込馬がここまで健闘しているとは、正直、想定外の事実だった。

Fuchu_1800_data1

だが、さらに詳しく調べてみると、一見ニュートラルなこの傾向は、レースのペース如何によって、大きくその結果を異にすることがわかってきた。
分水嶺というべきポイントは、前半1000メートルの通過タイム=61秒である。後方からの追込馬による勝ち鞍は、前半61秒未満のミドル~ハイペースになった場合にほぼ限定されるのだ。前半戦で61秒を超えるゆったりとしたスローペースに流れが落ち着いてしまうと、前が止まらない分、差し・追込苦戦の傾向が明確になってくる。単勝回収値がこれ程までに低いということは、人気の差し・追込馬を切るための根拠として、それなりに有効な材料と判断せざるを得ない。
過去3年の共同通信杯の結果は、必ずしもこの傾向と一致していないとはいえ、府中芝千八に本来備わっている特質として、スローペースでの差し・追込馬不発というポイントは是非ともチェックしておきたい。

Fuchu_1800_data2

さて、そんな傾向と対策を念頭に置いて、あらためて今年の出走表を見渡してみると、何が何でも行きたい典型的な逃げ馬が1頭も見あたらない。先手を主張する可能性が残るのは、内枠からフリオーソ(内田博) インパーフェクト(御神本) フライングアップル(岩田)といったところだろうか?これらの各馬、今ではJRA所属となった岩田康誠も含め、地方で鳴らした名手たちが手綱を取るという点で共通項があるのが興味深い。だが、各馬がお互いの出方を探り合うなかでは、さすがに前半1000メートルで61秒を切るほどのペースが出現する可能性は少ないとみるべきだろう。となると、スローペースの前残り?!・・・・「展開要らず」の格言からすると、ちょっと邪道といえそうな展開予想だが、押し出され気味に先行した逃げ馬が残ってしまう可能性まで含め、検討の遡上に載せておく必要はあるだろう。

<結論>
◎フサイチホウオー
○フライングアップル
▲フリオーソ
△ニュービギニング
注ダイレクトキャッチ
注マイネルブリアー

有馬記念当日のホープフルSで、武豊に「今日はちょっと跳びましたね」と言わしめた小型ディープインパクト=ニュービギニングの取捨がポイント。デビュー2戦目にして、早くも偉大な兄の足跡をなぞるような勝ちっぷりを示した素質の高さは評価に値するが、その前走では前半から忙しくなって、前が崩れる展開にも恵まれていた。対照的に今回は少頭数で「スローペース」が濃厚な一戦。後方から全馬を差しきって見せても、まったく驚けないが、馬券的にはできる限り軽視してみるのが定石だろう。

これに対し、ここまで3戦3勝のフサイチホウオーは、毎度2着馬との着差が僅かだが、説得力に溢れた勝ちっぷりが光る。過去3戦がいずれも中距離戦で前半61秒を超えるスローペース。そんな条件で常に高いパフォーマンスを示し続けていることは、やはりここでも評価せざるを得ない。
以下では、逃げの手に出る可能性を残すフライングアップルとフリオーソに注目してみる。全日本2歳優駿を制し、ダート界の同世代トップに君臨する後者は、血統・馬体の印象から芝でもそれなりの能力を発揮できるとジャッジした。

キルトクールは、地方所属馬ながら意欲のJRA挑戦を続けるインパーフェクト。こちらは小型コスモバルクとでもいうべきキャラクターだが、折り合いに課題を残し「中団から脚を溜める」と陣営が公言している現況は、スローペースで減点材料と言えそうだ。

2月 4, 2007 07年競馬予想・回顧 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33923/13779239

この記事へのトラックバック一覧です: 【共同通信杯】府中千八 敢えて展開を重視してみる:

» 共同通信杯 予想 トラックバック 競馬予想ブログ 複勝馬券生活
02/04(日) 1回 東京 4日目 11R 第41回 共同通信杯(G3) 3歳 ○混○特指(別定) 芝1800m 9頭 発走:15:35 本賞金:4200、1700、1100、630、420万円 続きを読む

受信: 2007/02/04 4:44:48

» 共同通信杯(G3)の予想 トラックバック ねぶそくんの競馬ウォッチング
つい先だって、『自転車で落車』をしてしまいまして痛みが段々と酷くなってきたので、病院にお医者さん曰く『骨は折れていないですけど・・・・ここを打撲すると、痛みが長引きますよぉ。だいたい3週間は痛いですね』さらっと言われてしまいましたが・・・・3週間って、...... 続きを読む

受信: 2007/02/04 7:53:02

» [予想]共同通信杯は◎インパーフェクト~なるか!トプロ産駒初重賞制覇(仮) トラックバック ミシエロの3年前は忘れた
マイケルジャクソン! 続きを読む

受信: 2007/02/04 8:28:05

» 2月4日メイン予想 トラックバック 気まぐれなサイコロVR
小倉大賞典は9歳のアサカディフィートが追いこんで勝った。9歳馬とは思えない強烈な末脚だった。2着のエイシンドーバーはこの馬の競馬はしていたが、重賞になるといつも何かにやられる。ただ、初重賞制覇のチャンスはまだある。マルカシェンクはスタートで出遅れたのが響いたか。それとも使われていての疲労があったのかも。 京都のエルフィンSはウオッカの圧勝。56キロを背負って休み明けであの競馬�... 続きを読む

受信: 2007/02/04 9:03:08

» 2007共同通信杯:競馬予想【◎フサイチホウオー】 トラックバック 3連単で100万馬券(競馬予想ブログ)
【3連単で100万馬券:競馬ブログランキング参加中】 ←クリックお願いします。 東京競馬場日曜11Rは「第41回共同通信杯」。フサイチホウオーとニュービギニングの対決に日本中の注目が集まっていますが、今回に限ってはオーナーたちの争いのように感じます。もちろん関口....... 続きを読む

受信: 2007/02/04 9:06:23

» 3強時代到来 トラックバック 競馬予想 馬体は嘘をつかない
今年の3歳クラシック戦線は間違いなく盛り上がる 続きを読む

受信: 2007/02/10 13:39:26

コメント

コメントを書く