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2007/02/18

【フェブラリーS】冬場の府中、渋ったダートで問われるもの

Blue_concord_at_garnet_s_2006土曜の午後、淀の上空を覆い尽くしていた冬の雨雲は、そろそろ関東圏まで到達してきそう。府中界隈に位置する当ブログ管理人の住み家から、窓の外を眺めてみても、路面がしっとり湿った状態になってきた。日曜日の東京競馬場は雨予報。馬場状態がどこまで渋化するかは微妙だが、おそらく稍重~重のコンディションでG1レースのファンファーレを聴くことになるのだろう。
(※このエントリは、土曜日の深夜に執筆しています)

雨のフェブラリーSといえば、一昨年のメイショウボーラーのレコード勝ちによる鮮やかな逃走劇を思い出す。前半1000メートル通過が57秒8と、芝のマイル戦並みのハイペース。差し馬有利と言われる東京コースでは、暴走と解さざるを得ない常識破りの戦法だった。それでも、そんな逃げ馬の粘りがゴールまで持続したのは、不良の発表まで渋化していたダートコースのアシストがあったからこそだろう。冬のダートといえば、力の要る重い馬場状態が通り相場だが、ひと雨降って脚抜きの良い状態になってしまえば、パワーよりもスピードの絶対値が優先される。そんなダート競馬の定説は、どうやら2月の府中でも健在と言えそうだ。

それでは、ひと雨降れば逃げ馬天国になるのか?と問われれば、そう単純なものでもない。コース改修後(03年以降)の東京ダート・千六のレースについて、出走馬の能力が近接しておりサンプル数も多い1000下条件を対象に、馬場状態別に脚質による成績傾向を調べてみると、結果は次の通りとなる。良馬場の場合と、稍重~重の場合で、逃げ馬の連対率そのものに殆ど違いはないのだ

■東京ダート千六(1000万下)脚質別成績傾向 良馬場の場合
Tokyo_dirt_1600_kyakusitu_ryoubaba_1




■東京ダート千六(1000万下)脚質別成績傾向 稍重~重馬場の場合
Tokyo_dirt_1600_kyakusitu_mitiwaru_1




(※)「不良」発表のレースも2件があったが、うち1レース(03年日吉特別)は決着時計が1分39秒台と異様に遅く、特殊なペース・馬場状態であった可能性もあるため、集計対象から除外した。

このデータで、もう一つ注目すべきところは、右端に表示されている「単適回値」という数値。正確には「単勝適正回収値」というのだが、競馬データベースの定番「TARGET frontier JV」の最近のバージョンから表示されるようになった項目である。簡単にいうと、「単勝回収値」「複勝複回値」の欠点として指摘されてきた、高配当の馬が何頭か勝って回収値を大きく跳ね上げてしまうバイアスを補正し、オッズに見合うウエイトで適正な値を評価し直した指数と理解すればよい。
で、その数値をあらためて眺めてみると、良馬場でも、稍重・重馬場でも、ほとんど数値に変化が表れていないことがわかる。逃げ馬の回収値は、馬場状態の如何を問わず、140前後で安定。この事実に注目するなら、雨が降っているから「逃げ馬を狙え」という馬券作戦は必ずしも定説とは言えない。一方、渋った馬場での「差し」の回収値も、 75前後の水準をキープしているわけだから、敢えて差し馬から買ってみるという作戦の有効性も否定しきれないだろう。ちょっと意外な感じがするけれど、脚抜きの良い馬場=前が止まらない馬場という先入観は、捨ててかかった方がいいと言えるのかもしれない。

雨馬場でのレースの行方を占ううえで、脚質が最重要ポイントではないとなると、それに代わるファクターとはいったい何だろう?そう思いつつ、あれこれと考えを巡らしてみたのだが、結局たどりついたのは「スピード」というキーワードである。
前述1000万下のレースをサンプルにして集計してみると、良の平均決着タイムが 1分37秒9なのに対して、稍重~不良では1分37秒フラット。およそ1秒ほど時計が速くなっている。現役のトップクラスが顔を揃えるG1レースとなれば、要求されるタイムの水準はこれより2秒以上は速くなるわけで、脚抜きの良いダートなら1分34秒台の決着に耐えるスピード能力が必要とされることだろう。
ここまで時計が速くなってしまうと、さすがにパワー一辺倒のダート路線専用馬では苦しく、芝のレースでもそれなりに好戦できる軽快なスピードを兼ね備えたタイプこそが狙い目になってきそう。上位候補を絞り込むうえでは、各馬の芝のレースにおける戦績にも注意を払っておきたい。

<結論>
◎ブルーコンコルド
○シーキングザダイヤ
▲メイショウトウコン
△メイショウバトラー
△サンライズバッカス
注リミットレスビッド
注ダイワバンディット

Seeking_the_dia_at_nambuhai06_1芝でも通用するほどのスピードというポイントに目するなら、過去に芝重賞を制した実績に当然敬意を払っておくべき。今は昔2~3歳時の出来事とはいえ、ブルーコンコルド(京王杯2歳S優勝)シーキングザダイヤ(ニュージーランドT・アーリントンC優勝)の若き日の勲章は、早くから非凡なスピードを開花させてきた事実の証であり、ダート路線での活躍を支える隠し味と言えるのかもしれない。昨年は後者が先着しているが、昨秋の南部杯以降、両雄の力関係は完全に逆転。距離不安を克服したブルーコンコルドの充実ぶりを素直に評価して本命に指名する。
平安Sを勝ち上がってきたメイショウトウコンも、その出自をたどれば昨年春まで芝路線を走っていた馬。勝利数こそ未勝利戦の1勝だけだが、500万下で差のないレースを演じていたことから、ダート専属のパワータイプと決めつけるのは早計だろう。昨秋には雨で高速化した花園Sを鮮やかに差しきった実績もあり、脚抜きよい馬場状態への適正も既に証明済みだ。
以下では、芝の重賞でもそれなりの実績を残してきたメイショウバトラーリミットレスビッドダイワバンディットをピックアップ。サンライズバッカスも、カネヒキリを負かした3歳時の武蔵野S(良馬場)で1分35秒2の持ち時計があり、高速ダートなら34秒台の争いに対応できるとジャッジしたい。

キルトクールは、前代未聞=豪華2頭出しに挑戦。
パワー一辺倒のダート路線専用馬といえば、アジュディミツオー。必ずしも「にげうま」有利といえない雨の府中コースだが、今回は苦手の芝スタートで、自分の形に持ち込めるかどうかが懸念される。
一方、芝でも通用するスピードが必要とはいっても、芝でしか走ったことがないタイプがG1でダート初挑戦というのも好走例が少ないパターン。今年これに該当するのがオレハマッテルゼだ。そもそもこの馬、芝でも緩急の少ないペースに対応できない。ダート競走特有の緩みない流れで好走できると判断できる材料が、どこにも見あたらず、今回ばかりは無謀な挑戦と言わざるを得ないだろう。

2月 18, 2007 07年競馬予想・回顧 |

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