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2007/02/20

【馬券日記】耳を澄ませば、見えてくる

Cafe_olympus_at_february_stakes_2007競馬場のパドックで、目の前を周回していく馬の気配をじっくりと観察する・・・・競馬をLIVEで楽しむときに、欠かすことのできない楽しみのひとつがこれだ。
しかし、その一方で、「パドックの見方がよくわからない」「馬の善し悪しを見分けるのは難しい」という声もよく聞く。競馬歴10年以上のベテランともなれば、誰もが自分なりの観察のポイントのようなものを身につけているはずだが、それでもパドックで感じた印象を馬券の取捨に即、結びつけてジャッジするのは案外と難しいものだ。何となくわかったつもりでいるけれど、実はよくわからない、それが馬の見方の奥深いところである。
初心者でもわかりやすいパドックのポイントを一つあげてみると、毛づやがピカピカに輝いている馬であるとか、パドックの外周付近を大きなストライドで元気よく歩いている馬は調子が良いという傾向がある。しかし、気温が低下する厳冬期ともなれば、どの馬でも多かれ少なかれ冬毛が伸びて毛づやはくすんでみえるものだし、小さな歩幅でトボトボ歩いているようなタイプでも、馬体の均整は取れており、レースに行くと好走してしまう馬もいるから厄介だ(例えば、森厩舎のシーキングザベストなど)。
その一方で、チャカチャカと落ち着きが無く発汗が目立っている馬(=イレこんでいる馬)は割り引いて評価せよという見解がある。あるいは、見た目に太く映る馬というのも減点材料だろう。だが、フェブラリーステークスを優勝したサンライズバッカスのように、パドックではイレコミ気味でも実戦にいくとその影響は軽微というタイプもいるし、2着のブルーコンコルドなどは、毎度毎度でっぷりと太めの体形に見せるけど、それでも鋭い末脚を問題なく使うことができる。
そんなふうに考えていくと、結局、パドックを見ても、馬券成績の向上には繋がらないんじゃないか?という懐疑的な考えにたどり着いてしまいそうだが、それはちょっと早計だと思う。例えば、物事の真価を見極めるためには五感を研ぎ澄ませとよく言われるけれど、競馬場のパドックでモノを言うのは、いわゆる五感のうち「視覚」に限られすぎているのでは?という気がするのだ。あるいは、直感でビビッときた馬を狙うという第六感重視の作法もあろうが、それとてあくまで「視覚」のフィルターを透過させたうえでの印象だろう。そんな迷いのなか、今週の土日、府中競馬場でパドックにかじりつぎながら、自分が体感したのは「聴覚」の重要性である。

パドックで観客の目の前と通過するとき、「ポックリ・ポックリ」と、ひときわ耳を引きく高らかな蹄音を響かせていく競走馬がいる。例えば、土曜9レース・立川S(1000万下・ダート千四)に出走していたセイウンマルがそれ。そのセイウンマル、前走の積極的レースが評価されたせいか、この日は4番人気の支持を集めていたが、絶好調アンカツ騎乗のエイシンロンバードであるとか、二ノ宮厩舎の良血ユースフルデイズなどを差し置いて、この馬の単勝を買ってみようという酔狂な競馬ファンは、けして多くなかったはずだ。ところが、いざレースになってみると、そのセイウンマルが、居並ぶ実績馬を問題にせず先頭でゴールを駆け抜けてしまったのだから、ビックリ。終わってみれば、距離短縮・軽ハンデという好走要因を指摘することもできるのだろうが、パドックの「ポックリ・ポックリ」が目下の体調の良さを裏づける、もうひとつの傍証となっていたと思う。

日曜日のG1・フェブラリーステークスでも、「ポックリ・ポックリ」馬の激走を目撃することができた。さすがにG1ともなると、出走各馬とも力一杯の仕上げを施されておりパドックに響き渡る蹄音も軽やかだったが、なかでもひときわ大きなボリュームでリズミカルな蹄音を発しつつ周回を重ねていたのが、15番人気の伏兵カフェオリンポスだった。締切り間際の単勝オッズは何と144倍。まさか冗談でも、こんなタイプが激走する可能性など皆無に等しいという低評価だったが、そのような伏兵が直線馬群を縫うようにして伸びて、あわやの4着まで食い込んでくるのだから、競馬は面白い。

実は、この「ポックリ・ポックリ」に注目するという馬券作戦、昨年グリーンチャンネルで放映されていた対談番組「僕らの競馬」で、キャスターの荘司典子さんが披露していたパドック戦法である。そのときは「ふーん」と思ってあまり注意を払わなかったのだが、実際ここまでレース結果に直結してしまうと、視覚のみに依存したパドック観察に加え、聴覚を研ぎ澄ませてみることの有効性をきとんと評価せざるを得ない。「浦和に普通にいる女」恐るべしである。
では、いったいなぜ「ポックリ・ポックリ」が競走馬の体調の良さを裏づけるのか?
蹄や装蹄の状態、あるいはパドックの床面を構成する材質(アンツーカー)の影響など、いろいろと関連するファクターはあるだろうし、東京競馬場以外でこの馬券作戦がどこまで有効性をもっているのか?未知の部分は残る。それでも、競馬ファンのパドックの見方・感じ方に、普通とはちょっと異なるヒントを与えてくれている、この聴覚重視の馬券戦法をさらに深く探求してみたいと思う。「耳を澄ませば、見えてくる」「もっと、鼓動の近くに。」・・・・JRAの今年の宣伝文句ではないけれど、もう少しパドックの最前列で耳を澄ませながら、考えてみたいところだ。

2月 20, 2007 日記・コラム・つぶやき, 07年競馬予想・回顧 |

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ニフティ6番会議室の「競馬予想コンテスト」に参加していた面々が続々ブロガーとして 続きを読む

受信: 2007/02/25 20:55:35

コメント

聴覚かぁ。確かにパドックは
馬を「見る」ところ!
と決め付けてました。
ポックリ、ポックリ音が鳴る…
少なくとも、トボトボ歩いていたら足音は聞こえにくいでしょうし、
【しっかり踏み込んで歩いている】証明なのかな~とも思ったりします。

聴覚で言えば、昨年中京競馬場に遊びに行ったときの新馬戦のパドックで、
アルシラートという馬とウインハンズダウンという馬が周回中何十回も、片方が鳴けば片方が鳴くの繰り返しをしていて「なんか通じ合うものがあるのかな~」とか話してたらワンツーを決めたっていうのを見たことがあるんですが。

…関係ないですね^^;

投稿: Jr. | 2007/02/22 0:31:18

>Jr.さん

エントリ中では、便宜的に「ポックリ・ポックリ」と表記しましたが、実際のところ好調馬の場合は、「ポクッ!ポクッ!」と、もっとリズミカルな感じで、元気の良い蹄音がハッキリと聞こえてきます。。
アルシラート。実は一口出資しようかどうかと、結構悩んだ1頭だったりします(結局、見送りましたが・・・・)。 関東遠征の際には、ひそかにウォッチを続けていますが、気性の若さはだいぶ解消されてきたとはいえ、腰の甘さと馬体の減少に未だ課題を残しているようです。素質の片鱗はうかがえるけれど、まだ「ポクッ!」という蹄音までは、響いてこないようですね。

投稿: 山城守 | 2007/02/23 2:12:03

山城守さん、こんにちは。

いつもこっそり拝見させていただいています。
以前から凄い所だと思っていましたがさらに磨きがかかっていますね。

私も最近、ここを見てばんえい競馬の応援馬券を買っています。
買い方はすべてパドックです。自分なりの見方で^^一言で言えば相撲の横綱のような体系の馬を買っています。成績は・・応援馬券ですからw
ブログも再開しましたので良かったら遊びに来て下さい。
勝手にリンクさせてもらいました。駄目だったら外します^^;

投稿: しょうりん | 2007/02/24 19:37:59

>しょうりんさん

超・超お久しぶりです。blogを始められたのですね!
ほはていさんのときもそうでしたが、かつて6番会議室で覇を競っていた猛者たちが復活の狼煙を上げると、やはり自分も元気になります。

>私も最近、ここを見てばんえい競馬の応援馬券を買っています。

私も自宅でGC&PAT競馬のときには、オッズパークでばんえいの馬券を買っています。先日は、小額ながらミサイルテンリュウ復活!の馬単を仕留め、ちょっと溜飲が下がりました。サラブレッド競馬とはまったく趣を異にする世界ですが、パドックでの馬の見方にはたしかに共通するものがあるかもしれません。3月の後半には、ビッグレース=ばんえい記念にも、遠征で足を運ぼうと計画しています。

>勝手にリンクさせてもらいました。

もちろん歓迎です。春の府中開催の頃、またご一緒しましょう。

投稿: 山城守 | 2007/02/25 4:06:22

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