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2007/01/14

【京成杯】我慢比べの競馬になりそう

Sun_zeppelin_at_hopeful_s馬場管理技術の格段の進歩を背景に、中山芝コースの高速化傾向が一気に進んだと言われるのは02年のこと。それ以降、京成杯は芝2000の条件で計4回(03~06年)のレースが施行されている。
結果を振り返ってまず気がつくのは、毎年のように上がりの時計がかかる競馬が繰り返されているという傾向だ。過去4年のレースの上がりタイムを単純平均してみると37秒3。最近の2年間は不良・稍重の馬場状態だったので、その影響を割り引いておく必要はあるが、良馬場だった残り2年でも、やはり37秒~38秒の上がりタイムが記録されている。昨年のレースなどを思い起こしてみると、道中はスローペースでありながら勝ったジャリスコライトの推定上がりは35秒2。ゴール前でグイッと伸びてきた馬たちが上位を占めたレースで、見た目の印象なら決め手比べという感じがするけれど、実際にはラスト600メートルでソコソコ時計を要する展開になっている。スローペースからヨーイドンの展開になりがちな若駒限定の中距離戦にしては、ちょっと異色のレースと言えそうだが、実はこの傾向、同じ芝2000の条件で年末施行されるホープフルS(2歳・オープン特別)などでも共通してみられる現象である(過去4年のレース上がりの平均=36秒0)。
上がりを要する競馬を生み出している要因は、おそらく中山競馬場のコース形態だろう。

中山・内回りの3~4角といえば、コーナーへの進入角度が緩く、逆にコーナーからの出口が急角度になっているスパイラルカーブ。各馬が減速することなくスムーズにコーナーに進入できること、さらにコーナー出口で外に振られるため、直線に向いて馬群がばらけやすいことにその特徴がある。すなわち、3角に突入する時点でも先行馬のスピードは落ちないし、中団・後方に位置する各馬も外に振られるロスを嫌って追い出しのポイントはどうしても早め・早めを意識せざるを得ない。全馬が息を入れ辛い早めのスパートを強いられトップスピードでコーナーを回りきると、ゴールまで300メートルそこそこの短い直線で待ち受けているのが、中山名物の急坂である。レースのラップは、ここで一気に急減速。坂の上りで勢いを失った先行馬を、後方から伸びる差し馬が捉えきると見た目に鮮やかだが、実は差し馬自身もラストの1ハロンで失速しており、上がりの時計がけっこう掛かってしまう。クラシック本番を迎える皐月賞の時点ならまだしも、明け3歳の正月を迎えたばかりで経験の浅い若駒であれば、それも仕方のない仕儀と言えるのではないか。
早め早めのスパートから直線急坂での我慢比べ。そんな展開を想定するなら、狙ってみたいのは一瞬の決め手で勝負するタイプよりも、良い脚を長く使える持久力に長けた競走馬ということになる。まだ出走各馬の適性を判別する材料が乏しい現時点で、道中のペースや各馬の位置取りを完全に読み切るのは難しいが、血統背景や騎手の思惑なども視野に入れながら、予想作業を進めていこう。

<結論>
◎サンツェッペリン
○メイショウレガーロ
▲ダイレクトキャッチ
△ピサノデイラニ
注アルナスライン

有馬記念当日の6レースに施行されていたホープフルS(芝2000)は、前半1000メートル通過が58秒5と、この時期の2歳戦にしてはかなりのハイペース。結果、最後方待機から長く脚を使って台頭したご存じニュービギニングが全馬まとめて差しきってしまったわけだが、3角あたりから自力で動いてゴールまで渋太い末脚を持続させたサンツェッペリンも、負けてなお強しの競馬だった。典型的逃げ馬が不在の今年の京成杯、おそらく前走ほどの速い流れにはならない可能性が高いが、それでも後藤メイショウレガーロ横山典ピサノデイラニなどが、早め早めの仕掛けに打って出れば、昨年と同様の上がりを要するペースが再現されるはず。前の馬を目標に自分から動けるこの馬の真骨頂をよく理解している松岡騎手なら、この流れを利してロスのない競馬をやってくれそうだ。35秒台の上がりでも、差しきり可能とジャッジしたい。
前走で世界のデットーリが、「オープン級でも通用」と太鼓判を押したメイショウレガーロも有力。頭の高い走法でラストの詰めに課題を残すが、一歩先に抜け出す戦法が生きてきそうな後藤騎手とのコンビ結成には注目が必要だろう。
ダイレクトキャッチは、出遅れたホープフルSでハイペースの利を生かし切れなかったのが悔やまれるが、今回は直前の調教時計が出色。どちらかといえば東京向きのタイプと思えるので3番手評価に留めたものの、素質の高さはデビュー当時から折り紙つきだし、常識にかかってくれば、ここでも首位を争う力量の持ち主ではある。以下では、持久力に定評があるダート戦線の実績馬たちにも、注目してみたい。

キルトクールは、ローズプレステージ。毎度お馴染み、薔薇の一族出身の良血だが、血統背景からもスローペースのヨーイドンの競馬でこそ本領を発揮しそうなタイプ。420キロ台と牡馬にしては華奢な体格なのだが、過去の京成杯にこんなタイプの好走例は少ない。持久力比べの展開になるとガス欠の不安がついて回りそうだ。

1月 14, 2007 07年競馬予想・回顧 |

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コメント

初めまして。
京成杯はおめでとうございます。
完璧な予想でしたね。
わたしは・・・・

また拝見させていただきますので、よろしくお願いします。

投稿: milanista8 | 2007/01/14 16:25:12

こんばんは。的中おめでとうございます。
山城守さんの展望&予想を拝見して、私も自信をもって買えました(予想したものの買うか迷ってたんです)。どうもありがとうございました。

投稿: 古木33 | 2007/01/14 19:58:20

完璧な展開読みでしたね(^^)

後半のラップはなかなかのもの、
皐月賞の展開も左右してきそうな結果だったと思います。
松岡騎手が「誰も行かなかったから行った」
とコメントしているのが少々気になりますが・・
偶然でなく必然の騎乗だったと思いたいです(^^;

投稿: けん♂ | 2007/01/14 20:57:22

>milanista8さん
>古木33さん

京成杯の予想。お誉めにあずかり、恐縮です。
戦前の下馬評では、逃げ馬不在のメンバー構成ゆえ、スローペースの決め手勝負になるとの想定も各所で囁かれていましたが(例:日曜のGC中継に出演していたゲストの方など)、ペースが遅くても上がりの時計を要してしまうという京成杯の伝統は、今年も健在でした。とはいえ、松岡騎手の逃げ戦法は、さすがに想定外でしたが(汗)

>けん♂さん
>偶然でなく必然の騎乗だったと思いたいです(^^;

一瞬の判断で、こんな大胆な乗り方をできてしまうあたりが、松岡騎手の真骨頂でしょう。道中のペース配分は確かに完ぺき。クラシック戦線に向けて強力なペースメーカーが誕生した感がありますね。ドリームジャーニーやフサイチホウオーなど強い馬の目標にされる展開で、どこまで頑張れるか?次走が楽しみです。

投稿: 山城守 | 2007/01/14 22:57:51

こんばんは。
二週連続して完璧な予想ですね。
持久力を重視した組み立てに、前走ダート組を加えたのが実にお見事でした。
サンツェッペリンが逃げたのは想定の範囲外でしたけど。
結果的には松岡騎手の好騎乗になるのでしょうか。(思い切りの良い男だなぁ)
来週の予想もどんなアプローチを見せて貰えるのか楽しみにしてます。

投稿: masakin | 2007/01/15 1:03:49

>masakinさん

お誉めにあずかり、恐縮です。
平安S。2周連続の逃げ馬本命予想になりました(^^; 
ちなみにアメリカJCCは・・・・これから予想します。
さて、どうなることやら。

投稿: 山城守 | 2007/01/21 3:50:25

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