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2007/01/07

【ガーネットS】ハンデ59キロでも好走できる条件とは?

Limitless_bid_at_negshi_s_06_底知れぬスピードで連勝街道をひた走る坂路元帥・ジョイフルハートに、前年のこのレースの覇者リミットレスビッド、さらには昨シーズン交流重賞で3連勝を記録したアグネスジェダイと、この路線では国内トップクラスの実績馬が3頭も出走してくる。彼らに課されたハンデは何と59キロの酷量。G3・ハンデ戦レベルとしては異例中の異例というべきこの事態、単純にハイレベルな出走馬が揃ったというよりも、JRA重賞では活躍の場が限定されるダート短距離・オープン路線の矛盾を反映したような、どこかいびつな現象にも思えてくる。
だが、ここは競馬番組の論評の場ではなく、馬券を当てることが目的のエントリ。能書きはほどほどに、さっそく予想へと取りかかることとしたい。このレースの最大の焦点が、ハンデ59キロ組の取捨であることは論を待たないだろう。

そもそもダート千二の条件で59キロという負担重量の設定が行われること自体、オープン・条件戦を問わず稀なケースであり、過去5年のデータを洗ってみても、該当事例はわずか3頭しか見あたらなかった(03年根岸Sのノボトゥルー・ノボジャック、昨年のガーネットSのブルーコンコルド)。いくら何でもこれでは例数が少なすぎるので、分析対象を「1000万下クラス以上のハンデ戦」における「57.5キロ~59キロ」の出走馬にまで広げ、もう一度データを検索してみた。このケースの該当事例は、過去5年で30頭であり、その戦績は次のようになっている。

■JRAダート千二・ハンデ戦 57.5キロ以上の戦績(過去5年)
 「3-3-4-20」 連対率20% 単回値29 複回値47
 
ハンデ戦における重ハンデ馬とは、すなわち実績上位馬という暗黙の前提からすると、やや物足りない成績といえるかもしれない。だが、このデータを「前走との重量比較」という視点で区分していくと、そこには明確な傾向が表れてくる。57.5キロ以上の重ハンデを課される出走馬が好走しているのは、「前走から負担重量が増やされる場合」、しかも「1~1.5キロの増量」が設定される場合にほぼ限定されるのである。

■JRAダート千二・ハンデ戦 57.5キロ以上の戦績(過去5年)
 前走より斤量減     0-0-0-1 連対率 0%
 前走と同じ斤量     0-0-2-6 連対率 0%
 前走より+0.5キロ    1-1-1-8 連対率18%
 前走より+1~1.5キロ 2-2-1-3 連対率50%
 前走より+2キロ以上  0-0-0-2 連対率 0%

このように好走事例が集中している「前走より+1~1.5キロ」のケースでは、3着以上に入線を果たせなかった3頭もすべて5着以内に食い込んでおり、例外なく健闘を示している。さらに、このケースに該当した8頭に共通しているのは、全頭が前走で連対実績を残していたという事実だ。ハンデ戦で前走よりも重い負担重量を課される理由としては、やはり前走好走が評価されたからという例が多い。特に「勝って同条件」のパターンに該当するケースであれば、前走の好走は掛け値なしに信頼できるし、1キロ少々の負担重量は勢いで克服してしまうというのが道理だろう。

■「今回57.5キロ以上」「前走よりハンデ+1~1.5キロ」該当馬
 03年初春賞   ロックスキル    58キロ   4着(前走1着)
 04年ガーネットS  マイネルセレクト  58.5キロ  1着(前走2着)
 04年御宿特別  インターランスター 58キロ   1着(前走1着)
 04年御宿特別  ナリタキセキボーイ58キロ  3着(前走1着)
 05年なにわS  タイキジリオン   58キロ   4着(前走1着)
 05年御宿特別  シークレットキング 58キロ   5着(前走1着)
 06年西陣特別  エイシンボーダン 58キロ   2着(前走1着)
 06年メルボルンT  ケージーアジュデ 58キロ   2着(前走2着)

重いハンデ(57.5キロ以上)を背負う出走馬に関して、もう一つ確認しておきたいのは、脚質との関連はどうか?ということ。特に気になるのは、酷量を背負って逃げた馬たちの成績である。
過去5年、JRAダート千二のハンデ戦57.5キロ以上を課された出走馬のうち4コーナーを先頭で通過した逃げ馬は3頭を数えるが、ゴールでの着順は2着1回・着外2回と未勝利に終わっている。前半から軽量に恵まれたスピード自慢との先行争いにエネルギーを費やす分、直線余力を温存しての逃げ切り勝ちは難しいということなのかもしれない。
一方、先に示したように好走事例が集中している「前走よりハンデ+1~1.5キロ」のケースに限ってみると、連対馬の脚質は好位づけの先行馬が3頭・中団からの差し馬が1頭という分布を示している。短距離戦ゆえ、直線一気は難しそうだが、重ハンデを背負う実績馬なら、ある程度の機動力を備えた好位差しタイプが狙い目と言えそうである。

<結論>
◎リミットレスビッド 59キロ
○ニシノコンサフォス 57キロ
▲ジョイフルハート  59キロ
△スリーアベニュー  54キロ
△コパノフウジン   56キロ
△ダイワメンフィス  55キロ

展開のカギを握るのは坂路元帥ジョイフルハートの出方ひとつということになりそう。「ハンデ57.5キロ以上・前走よりプラス1キロ」のケースに該当するこの馬、スピードの絶対値の違いにモノを言わせ、他馬を圧倒という場面は確かにありうる。だが、この希代の快足馬も、33秒台前半のラップで流れる中山千二特有のハイペースは今回が初体験。ここは敢えて59キロを背負っての逃げ切りまでは期待薄かも?という前提に立ち、馬券作戦を組み立ててみたい。

前年の覇者・リミットレスビッドも、「ハンデ57.5キロ以上・前走よりプラス1キロ」の好走パターンに該当している。あのときの差し切り勝ちは、今にして思えば少々鮮やかすぎた印象だが、芝の短距離戦でも好位を取れるスピードの持ち主だけに、昨年とは違った力でねじ伏せるような勝ち方を期待できないか?年末から好調モードに突入している蛯名騎手の手綱捌きにも注目してみたい。

Nishino_con_safos_06_at_negishi_s対抗は、他との比較で57キロが恵まれた感の強いニシノコンサフォス。霜月Sの敗戦が少々不可解だった分、この評価としたが、得意の中山に舞台が替わって前半戦の先行争いを上手く凌げば、逃げ切りまでありうる。以下では、「53キロ以下の伏兵は健闘しても3着まで」というデータの示唆するところを考慮し、55キロ前後のハンデを背負う伏兵をヒモ穴で狙ってみる。

キルトクールは、アグネスジェダイ。この馬もハンデ59キロ組の一角を形成するが、他の2頭と異なっているのは前走との比較で斤量が2キロも増量されていること。このパターンでの好走はデータの裏づけが無く、前半から他馬に包まれてしまいそうな枠順も苦しい。

1月 7, 2007 07年競馬予想・回顧 |

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中山競馬場の荒れた天気はひと段落ついたみたいですが、 京都は朝起きてみたら久々に本格的な雪です。 この後、予定通りレースが行われるかどうか・・ もし万葉Sがダートに替わったら何メートルでやるんでしょう?? ◆中山11R ガーネットS ◎コパノフウジン ....... 続きを読む

受信: 2007/01/07 11:53:55

コメント

素晴らしいデータ検証ですね!
非常に興味深い内容で、今後の他のレースへの
汎用性も高そう。勉強になりましたm(__)m

ガーネットSについては他に血統論であるとか
色々な視点があいまって難しいレースに
なっている感じです。少なくとも人気どころでは
おさまりそうにない予感なんですが・・。

失礼いたしました。

投稿: けん♂ | 2007/01/07 4:15:37

あけましておめでとうございます。なんか最近ココログのトラックバックが反映されないところが増えたようです。今年もどうかよろしくお願いします。

ところで、去年ひさびさに東京大賞典に行って気づいたのですが予想屋が蹄鉄の情報を提供していませんでした。これ?いつからなんでしょう?ハツバキは廃止になったんでしょうか?関係ない話しですみません。

投稿: ボルジャノン | 2007/01/07 10:45:12

明けましておめでとうございます!
ガーネットSはジョイフルハートからいったんですが見事にやられました。
32.7で逃げてはさすがに持たなかったようです。
ニシノが残っているだけに乗替も大きかったのかもしれませんが。

今年もよろしくお願いします。

投稿: ほはてい | 2007/01/08 1:07:49

>けん♂さん

ガーネットS。中山で現地観戦してまいりました。ブログやネット上の下馬評ではあまり人気がなかった◎リミットレスビッドの好走には満足しましたが、まさかスリーアベニューに差されるとは・・・・
エントリの予想どおり、馬連か3連複でも買っておけばよかったです。
(実馬券は◎リミットレス頭の3連単です。つまりハズレてしまいました・・・・orz)

投稿: 山城守 | 2007/01/08 2:58:33

>ボルジャノンさん

ガーネットSは超ハイペースの前崩れ。もし、我らがオフィサーが出走していればひょっとして!・・・・と思えるようなレースでしたね。
ジュニアCのアルシラート。森厩舎所属馬らしい格好の良い馬でした。レースでは確かに一瞬「おっ!」と思いましたが、今回は馬体維持優先で8分程度の仕上げだったのでしょう。良化を待ちたいと思います。

「ハツバキ」・・・・南関予想屋ワールドに関しては無学な私だけに、初耳の単語でした(汗)試しにググって見たら、ボルジャノンさんのところが真っ先に表示されていました。
ともあれ、今年もよろしくお願いします。

投稿: 山城守 | 2007/01/08 3:07:14

>ほはていさん

明けましておめでとうございます。
ジョイフルハートは夏に新潟で見た時と比べてもまったく遜色ない良い状態でした。体調が敗因ではないと思います。となると、ペース・鞍上替わりが大きかったのでしょうか?逆にニシノコンサフォスは、大きなヒップは健在だったけれど、冬毛が出て気配はもう一つといった感じ。それでも、あのペースで3着に踏ん張っているのですから、さすがの中山巧者といったところです。
ただし、この両者。タイプ的に府中では意外と踏ん張れないかもという印象も受けました。フェブラリーSでブルーコンコルドを負かすまでは、ちょっとどうかな?という感じです。
ともあれ、今年もほはていさんの精緻な予想に期待をしております。どうぞよろしく。

投稿: 山城守 | 2007/01/08 3:13:42

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