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2006/11/27

ばんえい競馬の灯火が消える?

ばんえい競馬が廃止へ
北海道のばんえい競馬存廃問題で、岩見沢市では24日、帯広市がまとめた帯広、岩見沢の2市共催案の受け入れは困難との見解が大勢となった。帯広市は岩見沢市との再協議や単独での開催には慎重で、ばんえい競馬は廃止の方向が強まった。岩見沢市の渡辺孝一市長は27日に最終判断を正式に表明する予定。
岩見沢市では24日、各団体代表で構成する有識者会議が存続に否定的な答申を報告。市議会議員協議会では共催案に「市民の理解が得られない」などの厳しい意見が出され、渡辺市長は終了後「(共催による新たな負担は)市民が認めないだろう」と述べた。一方、帯広市幹部は「単独で開催していくのは困難だ。2市開催ができなければ廃止となるだろう」との認識を重ねて示した。
競馬ニュース : nikkansports.com(11月25日)より引用

Banei_no_hio_kesunaつい数日前、札幌在住の方(競馬ファンではない)と仕事上の世間話を交わした際、ばんえい競馬をめぐる道内の近況について、「どのような形で幕引きをするか、関係者が落としどころを探っているところ」という話を耳にした。ちょっと嫌な予感はしていたのだが、まさかここまで事態が急を告げているとは。今さらながら、言葉にできないほどのショックを受けている。
ばんえい」といえば、体重1トンにも達する巨漢の重種馬が鉄製の橇を引きながら、コースに設置された障害(坂)を乗り越えていく、世界で唯一の競馬遺産。映画「雪に願うこと」の公開や、パソコンテレビGyaoによるネット中継の開始など、今シーズンは明るい話題も多かっただけに、廃止に向けほとんど外堀を埋められてしまった感のある現在の状況は、道外に住む自分のようなファンにとって唐突感を禁じ得ない。

民間・自治体を問わず、厳しい舵取りを強いられ続けている北海道経済の苦境は認識しているが、廃止の決定とはすなわち、過去から脈々と受け継がれてきた馬事文化の消滅にほかならない。公営競技とは別の形で「文化」としての存続の道を模索する手もあろうが、馬券を通じ血湧き肉躍る興奮を体感することこそが現代の競馬文化の基本形だと信じて疑わない一介の馬券オヤジから言わせてもらえば、それはちょっと違うんじゃないか?というのが正直な感想だ。
このあたりの理屈をうまく言葉にできないな・・・・と思っていたら、「地方競馬に行こう!」のlandsliderさんが、物凄く的確な表現で自分の言いたいことを代弁してくれていた。ばんえいのみならず地方競馬の行く末について少しでも関心のある方には、この秀逸なエントリを是非ご一読されることを勧めます。

ともあれ引用記事によるなら、岩見沢市長による最終判断が下されるのは今日27日。もはや打つべき手は残されていないのかもしれないが、微力ながら当ブログもばんえいの灯火を守る旗色だけは鮮明にしておきたい。ブログのサイドバーに「ばんえい競馬の存続を希望する」バナーを表示するとともに、暫定1年の存続を要望するメールをたった今、岩見沢市に向け送信した。北見まで馬券を買いにいけない自分にとって、これぐらいのエールを送るのが精一杯だが、未来に禍根を残す最悪の結論だけは、何としても回避してほしいと願うばかりである。

11月 27, 2006 日記・コラム・つぶやき | | コメント (2) | トラックバック (3)

2006/11/26

【ジャパンカップ】2着馬の傾向・対策を研究してみる

Hearts_cry_at_jc_last_year11頭立ての少頭数。しかも外国馬の参戦がわずか2頭という寂しい顔ぶれ。例年の華やかなJCとはいささか趣を異にする印象を禁じ得ないけれど、この事実を解して、日本馬の強さに恐れをなした海外の強豪が軒並み参戦を見送ったためとみる見方には、それなりの説得力がある。
勝つのはディープインパクトだ。いきなり結論じみたことから述べてしまって身も蓋もないのだが、紛れの可能性が少なくなった分、優勝の目はますます不動になったように思える。
単勝人気1倍台の馬が絶対的本命をつとめるレースだけに、馬券の焦点は2着争いに絞られよう。そこで今回は、中山代替開催だった02年を除く過去10年のレースデータから、2着候補を絞り込むためのヒントを探してみたい。

■外国馬(欧州所属馬)の2着はない
府中コースで争われた過去10年、外国馬の優勝は3度を数えるが、意外にも2着しているのは、香港所属のインディジェナス1頭のみ(99年) 本場の欧州・米国から参戦してきた一流馬は、00年のファンタスティックライトを最後に3着の座からも遠ざかっているというのが実情だ(と思ったら、この馬もUAEのゴドルフィン所属、要するにアジアの馬だった・・・・)。近走で凱旋門賞を好走していようが、BCの上位馬だろうが、敵地・府中のクラシック距離で日本馬を圧倒するほどの能力と適性がなければ、欧州所属馬は馬券の対象外と考えてよいのではないか。

■外国人騎手と日本馬のコンビが狙い目
一方で、JCウィークに集結してくる外国人騎手の手綱捌きには、十分な警戒が必要だろう。特に中央・地方を問わず日本調教馬の騎乗を任された外国人騎手には要注意だ。過去5年、ペリエ、ルメール、デザーモなど外人騎手とコンビを組んだ日本馬の活躍というのがJC攻略の最重要ポイントとなっており、その戦績は「2-2-2-3」。3着以上率が6割を超えるというハイアベレージが記録されている。
今年のメンバーなら、やはり注目はハーツクライの手綱を取るルメール騎手。もちろん本人は毎年優勝をめざして全力を尽くしているのだろうが、仮に2着に入賞すれば、3年連続JC2着という前人未踏の怪記録が達成されることになる。この怪挙、横山典の京都G1騎乗時や、シーキングザダイヤのダートG1と同様、JC2着は彼の指定席として、長く語り伝えられるエピソードになるのかもしれない。

■先行馬の粘り込みを警戒せよ
出走馬の脚質に注目してみると、タップダンスシチーの逃走劇成功!という記憶に残るシーンはあれど、基本的には、好位からの先行勢か中団からの差し馬が1・2着の座をほぼ独占している。ただし、差し馬の戦績が「7-2-4-46」と鮮やかに勝ちきることが多いのに対し、先行馬は「1-6-3-25」と、あとひと押しが効かず2着にとどまるという対照的な傾向が示されている。
ちなみに、差し戦法で2着に食い込んでいるのは、01年のテイエムオペラオー(勝馬ジャングルポケット)と99年のインディジェナス。前者は早めのスパートから抜け出して一度は先頭に躍り出ており、後者も道中は3番手を進むなど、どちらかといえば純然たる差しというより先行に近いニュアンスと解釈できる戦法だった。
京都の芝G1では、先週のマイルCSのように強い先行馬が差し馬を連れてきて決着という例が多いけれど、府中の芝二四で平均~スローペースになると、良い脚を長く使う差し馬が一足先に抜け出した馬を目標にゴール前交わし去っていく。この決着パターン、実はダービーなどでも、よく繰り返されてきた光景である。
ただし、前半1000メートル通過が59秒を切るようなハイペース寄りの流れになると、道中後方に位置した追込馬の2着台頭を警戒する必要がある。一昨年のダービーや、昨年のJCがそんなレースであり、当時は追込一辺倒の脚質だったハーツクライがいずれも2着している事実には注意を払っておきたい。

<結論>
◎ディープインパクト
○ハーツクライ
▲スウィフトカレント
△メイショウサムソン
注ドリームパスポート
注コスモバルク

結局のところ、2着争いの帰趨は前半戦のペース次第ということになるが、なにせこの少頭数・・・・。昨年のようなハイペースは見込み薄という前提で、ひとまずは予想を進めることにしよう。
一歩先に抜け出す先行粘り込み+外人騎手効果に注目するなら、やはり2着争いの筆頭は、人気どおりハーツクライということになる。英国遠征以来の久々実戦に加え、陣営がわざわざカミングアウトしたノド鳴りというウィークポイントは確かにあるけれど、早くから目標をここに定め順調に調整を消化してきた以上、評価を下げる理由にはなるまい。目標にされる不利を承知で自分の競馬に徹するのか、それとも再び追込の奇策に転じるのか?ルメール騎手の手綱捌きに注目が集まる。

以下では、長く脚を使えぬ弱点があるけれど、天皇賞同様のイン突き強襲戦法が嵌ると怖いスウィフトカレントを、折り合いに課題を残すメイショウサムソンより上位に評価。五十嵐騎手とのコンビで臨むコスモバルクも、一昨年と同様の粘りを全開できる形に持ち込めれば、チャンスはある。

キルトクールは、欧州牝馬のウイジャボード。2日連続・世界のデットーリ騎乗馬を切ってしまうが、例年より1週間開催日程が遅れた前走BCフィリー&メアターフの反動も、今年は考慮しておく必要がありそうだ。

11月 26, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (7)

2006/11/25

【JCダート】距離延長でも通用する突然変異

Blue_concord_at_nambu_hai_06◎ブルーコンコルド
○シーキングザダイヤ
▲ハードクリスタル
△サンライズバッカス
△ジンクライシス
注メイショウバトラー
注ピットファイター
注フィールドルージュ


優勝馬の脚質は中団からの差し・マクリが基本。しかも、キレと勝負強さを兼備した「強い差し馬」であることが要求される。昨年のカネヒキリにせよ、一昨年のタイムパラドックスにせよ、スパートすべきタイミングで鋭い決め手を使い、さらにゴールまで脚を持続させ、このレースをものにしている。
そんな視点からすると、実績最上位のシーキングザダイヤは、いささか「勝負強さ」に欠ける一面が気になるところ。展開やコース取りに泣いた感のある南部杯・JBCの敗退には情状酌量の余地もあろうが、ここで巻き返しを期待できるかどうかと問われるなら、答は微妙と言わざるを得ない。

そこでブルーコンコルド。小回りコースでの戦績とはいえ、名古屋・川崎のJBCで示した勝ちっぷりの凄さは、過去のJCダート優勝馬とイメージが共通している。なるほど、距離に関しては未知の世界だが、早めのスパートから実質800メートル近くも脚を持続させるあの戦法は、スタミナの裏づけがなければ不可能というもの。一介の短距離馬と決めつけるのは早計で、キャリアを重ねるうちに突然変異を遂げたとみる解釈も成立しそうだ。交流戦と同様の強気な競馬に徹するなら、道は開ける。

以下では、ハードクリスタルサンライズバッカスら実績上位陣が連対候補だが、前者は馬体重後者はレース前のテンションの高さに、それぞれに課題を抱えている。最終評価は、パドックでの直前気配をしっかり確認したのち、ジャッジしたい。

キルトクールは、ルメール騎手を鞍上に迎えたヴァーミリアン。ダートの重賞番組が充実している秋のシーズン、わざわざここまで待機していたのは、おそらく順調さを欠いていたせいだろう。しかも、今回は多頭数の最内枠。そもそも包まれる展開が苦手なタイプであり、ちょっと無理な競馬を強いられることになりそうだ。

11月 25, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (2)

2006/11/19

【霜月S】いけいけオフィサー、どんと行け!

Gogoofficer東京日曜11R 霜月S
オープン・ハンデ・ダ千四
◎ニシノコンサフォス
○ヒカルウイッシュ
▲オフィサー
△トウショウギア
△ミリオンベル
△タイキエニグマ
△ツムジカゼ

夜も更けてきたので、東京メインの予想は印だけ。
坂路元帥ジョイフルハートの名こそ見えないものの、ダート短距離戦線を賑わす手強いメンバーが揃った。この相手を向こうに回して、オフィサー(当ブログひとくち出資馬)が上位にまで来れるようなら、重賞制覇も視界に入るというもの。おそらく小雨で高速化する馬場状態や枠順の優劣から、ニシノコンサフォスを逆転するまでには至らないだろうが、ハンデは悪くない。ぜひぜひ頑張って欲しい。ドンと行けっ!

11月 19, 2006 ひとくち馬主日記, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (5) | トラックバック (2)

【マイルCS】ハイペースの差し馬有利を狙うなら

もう随分と昔の話になるけれど、女優の鶴田真由がJRAのイメージキャラクターに起用されていた頃、テレビCMで競馬初心者に扮した彼女が「ハイペースなら差し馬が有利、スローペースになれば逃げ・先行馬が有利」などと、「競馬の常識」を諳んじてみせるシーンがあった。少しでも競馬をかじった人なら、そんな陳腐化した常識に頼って馬券を的中させることなど絶対に不可能!と身をもって知っているわけだが、マイルCSの舞台となる京都芝の外回りマイルというのは、案外とこのセオリーが素直に通用してしまう条件なのである。
まずは下の表のご覧いただきたい。01年~今年の京都・芝千六の外回りで施行された重賞競走とオープン特別を対象に脚質別の成績を探ってみると、前半1000メートルの通過タイム58秒を境にして、連対馬の傾向がガラリと変わってしまうことがわかる。逃げ・先行馬が残れるのは、前半戦のラップが58秒以上で流れる比較的ゆったりしたペースのときだけ。テンから先行勢がガンガン飛ばし、前半から58秒を切るハイラップになってしまうと、「セオリー」どおりの差し馬天国と化してしまう。

■京都・芝千六外回りスロー・ミドル(前半5F/58.0秒以上)
Kyoto_mile_grade_race_over_58




■京都・芝千六外回りハイペース(前半5F/57.9秒以下)
Kyoto_mile_grade_race_under_579





そもそもマイルCSといえば、3年前・1昨年と連覇を成し遂げたデュランダルを筆頭に強い差し馬が活躍するレースという印象が強いけれど、今年も、そんな光景が繰り返されるか否か?それは、ひとえに前半戦のペース次第といっても過言ではないだろう。鍵を握っているのは、単騎先行が有力視されるステキシンスケクンと小牧太騎手のペース配分である。

そのシンスケ君。もとよりタメ気味の先行策では味がないことを陣営も承知しているはずで、となれば前走スワンSで記録した前半56秒8まではいかなくとも、58秒を切るペースで先行勢を牽引していく可能性が高い。つまり今年も直線で差し馬が台頭できる展開が俄然濃厚なのだが、その前にちょっと注意しておきたいポイントがある。

先に示した表のなかで、唯一ハイペース(57.9秒以下)で2着の連対実績を残しているのが、実はダイワメジャー。昨年のマイルCSで、逃げるローエングリンを道中から突っつき回し前半1000メートル通過57秒1のハイペースを演出。それでいてゴール寸前まで粘って2着を確保しているこの馬が、今年も出走してくる以上、単純に差し有利・先行馬は消しとも断じきれないと思うのだ。差し馬有利の展開でも、ダイワメジャーという高い「壁」を乗り越えるだけのポテンシャルがなければ、秋のマイル王の称号を勝ち取ることは難しい。

打倒ダイワメジャーのヒントを与えてくれるのは、やはり昨年の覇者ハットトリックの勝ちっぷりだろう。ハイペースも影響したせいか、当時ダイワメジャーが記録した上がり3ハロンタイムは34秒9。それを中団から一気に推定上がり33秒3の脚を繰り出しハットトリックが交わし去ったわけだが、仮に今年も同じようなペース・展開になると仮定すれば、少なくとも終い33秒台前半の脚を使える差し馬でないと狙いは立たない。また、先行する馬がここまで強力だと、さすがに後方から直線一気の戦法だけでは届かないのも道理である。推定上がり33秒2を記録しながら、外差し不発に終わったデュランダルの例を思い起こせば、末一手のタイプではなく、前半戦からある程度の位置で流れに乗れるタイプこそ、勝者の資格があるものと心得ておきたいところだ。

<結論>
◎キンシャサノキセキ
○ダイワメジャー
▲ハットトリック
△ダンスインザムード
注マイネルスケルツィ
注マルカシェンク
注キネティクス

Kinshasa_no_kiseki前走・桂川Sでは、条件戦ながらスワンSを1秒近く上回る桁外れの走破タイムを記録しているキンシャサノキセキ。道中は中団でやや掛かり気味になりながらも、直線に向くと推定32秒9の速い脚を披露しアッサリ他を完封してしまった。掛け値なしに価値のあるレース内容からは、心身ともに大きく成長している事実がうかがわれ、時計的な裏づけも十分。底が割れた感のある古馬勢と比較してみても、打倒ダイワメジャーの筆頭格に名をあげたいのは、やはりこんなタイプだ。

ハットトリックは、精彩を欠く一連のレース内容から果たしてどこまで復調しているか?がポイント。今シーズンに入って一度も34秒を切る末脚を使えてないのが不安材料ではあるが、体調や仕上げに特に問題があるわけでもなく、要はちょっとしたキッカケが掴めるかどうかなのだろう。
毎日王冠でダイワメジャーと死闘を演じたダンスインザムードも、前に壁を作って道中の折り合いさえつけば、2着までには浮上できる余地がある。

キルトクールは難しいけれど、デットーリとのコンビで乗り込んできた英国のコートマスターピースを指名。初来日ながら、日本でもそれなりに名の売れている競走馬といえるが、香港マイルでハットトリックの、ゴドルフィンマイルではユートピアの後塵をそれぞれ拝している。日本勢との比較ではそれほど怖い感じがしないし、この枠順では外に持ち出すまでのロスもあるのかもしれない。

11月 19, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (9)

2006/11/12

【エリザベス女王杯】天皇賞(秋)のパドックで感じた違和感

天皇賞(秋)からエリザベス女王杯へ。2年連続して、王道ローテーションで秋のG1ロードを歩み続けるスイープトウショウの動向が気になる。昨年は、秋天で0秒3差の5着した後、3歳勢の挑戦を退け女王杯に優勝と、古馬牝馬最強にふさわしい堂々たる勝利をモノにしているが、同じく天皇賞5着から駒を進める今年は、いったいどんな結果が待っているだろう?
連覇に向けて気がかりな材料といえるのは、前走・天皇賞でマイナス12キロと大きく馬体を減らしていたことだ。それでも差して掲示板圏内に届いているのだから、実際のレースで馬体減の影響は軽微だったのかもしれない。だが、パドックで間近に馬体を確認した自分の印象からすると、この日のスイープトウショウの気配からは、「ちょっとどうかな?」と違和感を感じてしまったのも事実である。

Sweep_tosho_05_tennohsho例えば、右の写真。ゼッケン14番が昨年、7番が今年の天皇賞出走時のスイープトウショウのお腹からトモにかけての様子をアップにして比較したものである。牝馬らしからぬモリモリとしたトモの盛り上がりなどは今年も健在だが、お腹のあたりのラインが昨年と今年とでは微妙に異なっているのが、わかるだろうか?Sweep_tosho_06_tennohshoどっしりと腹袋に実が入った様子だった昨年と比べると、今年はちょっとスッキリしすぎてしまった感じ。「腹が巻き上がった」とまでは言えなくとも、よりスリムなイメージが強調されているのが一目瞭然だろう。見方によっては、休み明けの前々走から馬体が絞れたせいと言えなくもないが、実物を目の前にすると、やや心許ない印象を受けてしまう。スケール豊かな筋肉量を誇る最強牝馬としては、少々物足りない状態・・・・実際のレースでも「差せる展開」を生かし切れなかったあたりに、この日の体調面での不安が何らかの影響を及ぼしたとも考えられる。

馬体減と気配落ちの理由は、休み明け初戦の京都大賞典を激走した反動か?あるいは栗東からの長距離輸送が影響したせいだろうか?いずれにせよ、天皇賞から中2週という僅かな期間に、この馬が体調をどこまで立て直してくるかが、今年の女王杯の行方を占う最大の焦点になる。最終結論は、パドック映像を確認してからということになるが、現時点で女王の連覇には黄信号が灯っていると言えるのかもしれない。

【結論】
◎カワカミプリンセス
○アサヒライジング
▲ディアデラノビア
△サンレイジャスパー
△スイープトウショウ
注フサイチパンドラ

ユッタリとしたスローペースで、道中は縦長の隊列。直線を向いて早めのスパートから粘り込みをはかる先行馬を、強い差し馬が上がり33秒台の末脚で差しきるというのが、近年の女王杯でよく見られる決着パターン。本来ならスイープトウショウが最も得意とするのがこんなレースなのだが、今年は前述の事情があって、不動の本命にまでは推しがたいのが辛い。

これに対し、3歳勢の代表格カワカミプリンセスは弾力に富む馬体と、自分から動いていける自在性が魅力。一見、スローペースの決め手勝負歓迎というタイプには見えないけれど、仮に経験の乏しい展開になったとしても、対応できる素地はありそうだ。秋華賞の走破タイム1分58秒2というのはやはり優秀で、過去の優勝馬と比較すれば、3歳時のファインモーションやテイエムオーシャンと同等以上の能力を秘めている可能性もある。
問題は大外枠。過去5年、このコースで16番枠を引いた出走馬の戦績は「0-1-1-12」と、いまだ未勝利なのが確かに気になる。けれど、縦長の隊列になれば、本来、枠順の有利不利はあまり気にする必要がないはずで、ここは能力を素直に信頼してみたい。

一方、横山典不在の2着争いは、意外と難しい。叩いての上積みと展開利の大きそうなアサヒライジング、決め手の強烈さならスイープと同等以上のポテンシャルを備えるディアデラノビア、充実一途の近況を評価すべきサンレイジャスパーらは、ほぼ互角の評価を与えるべきで、馬券的にはカワカミからこれら各馬への馬単が本線。

キルトクールには、アドマイヤキッス。決め手比べの展開は望むところだが、前走の内容が案外。血統的にも、いかにもトライアルホース的風情が漂っており、過信は禁物か?

11月 12, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (3) | トラックバック (7)

2006/11/05

【AR共和国杯】ハンデについて知るべき二、三の事柄

Tokyo_race_course_new_turf_vision過去の戦績一覧を遡り、アルゼンチン共和国杯(G2)好走馬の傾向を探ってみると、東京コース改修の前後を問わず、連対馬の組み合わせに共通する一定のパターンがあることがわかる。それはすなわち、重ハンデ・軽ハンデによるワンツーが殆どであるということ。連対馬の1頭が比較的重めのハンデを課せられた実績馬なら、相手は軽ハンデの上がり馬。そんなパターンの決着が、ほぼ毎年のように繰り返されている。僅かな例外として、軽ハンデの伏兵2頭による決着の例が99年にあるものの、56キロ以上を背負う実績馬同士による上位独占という結果は、過去10年のデータを遡ってみても一度も見られなかった。
このレースと同じ東京・芝二五のG2ハンデ戦という条件で春シーズンに施行される目黒記念では、実績馬同士のワンツーという組み合わせが何度か出現しているが、同じ条件でも秋競馬となると、少々勝手が違うようである。ひと夏を越して急速に力をつけた上がり馬が軽ハンデの恩恵を受けて激走・・・・G2とはいえ、いかにもハンデ戦らしいそんなサプライズが用意されているのが、アルゼンチン共和国杯ならではの特徴と言えそうだ。
それでは、重ハンデと軽ハンデ、それぞれどんな馬を狙っていけばよいのだろう?

まず重ハンデ組についてみていくと、ひとつの傾向として注目できるのが、ハンデ頭の不振傾向である。トップハンデを課された実績馬は、これまで5年連続して、馬券の圏外に沈むという不本意な結果が続いている。ただし、敗れ去ったトップハンデ組の敗因を仔細に確認してみると、長期休養明けでの出走だったり(05年デルタブルース)、前走が先頭から1秒近くも離された完敗だったり(04年ダイタクバートラム、03年ホットシークレット)と、結果的にハンデが過大評価だったという事情が窺え、情状酌量の余地もありそうだ。要は、ハンデに見合った実力が発揮できる状態にあるかどうか?をじっくりと見極めること。それが、重ハンデ組の取捨を判断するポイントといえるだろう。

一方、軽ハンデ組では、やはり勢いのある馬がG2のここでもしっかり結果を残している。過去10年、ハンデ55キロ以下でこのレースを連対した馬は延べ13頭いるが、その前走成績を通算してみると、「6-3-1-3」(連対率69%)。このうち前走で4着以下に敗れていた3頭(05年マーブルチーフ、01年ハッピールック、96年エルウェーウイン)は、いずれもオープン特別か重賞の条件に出走し、しかも首位との着差が1秒以内だった例に限られる。つまり、前走条件戦を凡走していた馬がAR共和国杯で突然好走という例は皆無だったわけだが、この事実を裏から見ると、格下でも前走を好走した勢いに乗って参戦してくる馬なら、G2のここでも通用の素地は十分と解釈することもできそうだ(前走下級条件1着馬のAR共和国杯・連対率31%、下級条件2着の場合は連対率80%)

たたし、斤量(ハンデ)に関していうと、もう一つ注意を要するポイントがある。それは、このレースで、前走から斤量が減った馬が圧倒的に好成績を収めているということ(過去10年で9勝・2着7回)。重ハンデ・軽ハンデ組のいずれにも共通してあてはまるこの傾向は、意外とAR共和国杯の勝馬を探すための最重要ポイントと言えるのかもしれない。そんな視点から今年の出走メンバーを見渡してみると、ハンデ56キロ以上を課された実績馬(アイポッパー、トウカイトリック、トウショウナイト、ウインジェネラーレ)で、1頭も斤量減の恩恵を受けた馬が見あたらないことが気になる。重ハンデ対軽ハンデの比較なら、どちらかといえば重ハンデの実勢馬優勢の傾向があるこのレース。だか、今年は、ハンデ55キロ以下の上がり馬に、勝利の女神が微笑む結果が用意されているのでは?という予感がしだいに強くなってくる。

<結論>
◎チェストウイング
○ウインジェネラーレ
▲トウショウナイト
△アイポッパー
注トウカイトリック

ハンデ56キロ以上を課された実績馬は、どの馬も前走との比較で斤量の恩典がない。ならば、今年は軽ハンデ組の出番とみて、最も勢いが感じられるチェストウイングを本命に抜擢してみる。冷静に考えてみると、勝つためにはハンデ差を考慮してもあと0.5秒ほど時計を詰めておきたいところだが、東京5勝のコース相性でそこを何とかしてほしい。
相手は、重ハンデ組のうち、斤量面の不利が少ない順番に評価。右目の視力を失ったウインジェネラーレにとって、左回りの東京コース替わりは、間違いなく条件好転といえるだろう。この枠順でも巧くラチ沿いを立ち回る形に持ち込めれば、チャンスはある。

キルトクールは、メジロトンキニーズ。東京得意の長距離走者も、笹針休養明け初戦にこの鞍上とのコンビでは、静観が無難だろう。

11月 5, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (10)

2006/11/03

【JBCクラシック】ヒントは南部杯にあり!

Seeking_the_dia_at_nambuhai06仕事の都合で「夜カラ川崎」には行き損ねてしまったが、「昼マデ川崎」には何とか間に合いそう。金曜日の祝日はぶらりと南武線に揺られ、川崎競馬場のJBC見物に繰り出そうと思う。
さて「マイル」と「クラシック」の変則2本立てとなった今年のJBCだが、カネヒキリ・アジュディミツオーの中央・地方両横綱を欠く出走メンバーは、例年に比べやや小粒という印象を否めない。連戦連勝で大一番に名乗りをあげてきた南関勢が強敵相手にどこまで通用するか?という楽しみ方もあるけれど、大舞台での経験不足や戦ってきた相手の違いを考えれば、過大な期待までは難しいところ。となると今年も主力はJRA勢、なかでも両横綱と何度も際どい接戦を演じてきた大関・シーキングザダイヤに勝機到来?とみるのが順当だろう。同コース・同距離のG1川崎記念で、アジュディミツオーにクビ差まで迫った好戦はまだ記憶に新しく、馬場適性に不安がないのは強調材料だ。

だが、そのシーキングザダイヤ。これまでG1で2着7回という戦績が象徴するように、どこか詰め甘いタイプという印象を未だに払拭できていないのも、また事実。強敵不在が囁かれ初G1制覇を期待された前走の南部杯(盛岡・ダ千六)でも、まさかの4着敗退という不甲斐ない結果に甘んじている。
いつでもG1を勝てる力を持ちながら、勝利に縁の無い馬・・・・そんなファンの目線を忠実に反映するように、今回も前日売り1番人気の支持を受けながら、単勝オッズそのものは2.3倍という微妙な数字だ。鞍上・武豊、しかも実績を考えれば1倍台の断トツ人気でも文句が言えない「大関」に対して与えられたこの評価を妥当とみるか?それとも美味しい配当と考えるべきか?そんな判断ひとつで、馬券作戦の行方も大きく変わってくる。そこで、難問を解くヒントを探るため、もう一度、前走・南部杯でのシーキングザダイヤのレースぶりを振り返ってみたい。

注目すべきは、南部杯の4角から直線に入る際のコース取りである。シーキングザダイヤの手綱を取っていた武豊騎手は、ロスの無い競馬を意識したせいだろうか?最内のラチ沿いから、一気に抜け出す戦法を選択した。ユタカマジックに導かれ、スルリと内から前の馬を交わし去り、一瞬突き抜けるかにみえたシーキングザダイヤ。だが、そこからの伸びが案外で、結局外から差してきたブルーコンコルドジンクライシスに僅かに遅れゴール板を通過という結果に終わっている。一見する限り、詰めの甘さを露呈したかにみえるレース内容。だが、馬場状態というフィルターを透かしてレース内容を再考してみると、案外と情状酌量の余地は大きいかったのではないか?と思うのだ。

ヒントを与えてくれたのは、南部杯当日、現地観戦でご一緒した「駿平の岩手競馬に注目!! 」さんである。駿平さん情報によると、この日の盛岡ダートは、良馬場発表ながら前日の雨の影響をどう読むかがポイント。朝方のウェットな状態から徐々に乾燥が進んで、遅いレースになるほど力の要る馬場へと変化していったわけだが、実は、乾燥の進み具合がコース全体で均一でなかった。つまり、シーキングザダイヤが通っていた内ラチ沿いのほうがいち早く乾きが進行して、力の要る馬場状態になっていたのでは?というのである。
なるほど、そう思ってレースを観戦していると、確かにお昼の5レースあたりを境目に、ラチ沿いを通る先行馬が苦戦する一方、馬場の真ん中を通ってきた馬たちがスイスイ台頭してくる場面が目立ってきた。ゴール前で外からグイッと伸びたブルーコンコルドが鮮やかに差し切って見せた南部杯も、そんなパターンに該当するレースと考えられる。
ちなみに、南部杯1~3着馬の鞍上(ブルーコンコルド幸・ヒシアトラス横山典・ジンクライシス五十嵐冬)は全員、南部杯当日に別レースで騎乗機会があって、馬場状態に生じていたバイアスを事前に察知することができたが、その一方、この日の武豊騎手は、乗鞍が南部杯1レースのみだったという事実にも注目しておきたい。仮に、騎手の情報不足に起因したコース選択の判断ミスが、この日のシーキングザダイヤの敗因だったという仮説に立つなら、この日の4着敗退は決して力負けでなかったということになる。
少なくとも、馬体の造りや体調に何か問題があったわけでなく、当時の状態をJBCまで維持できているようなら、大関シーキングザダイヤ巻き返しの可能性はかなり高いとみておく必要があるだろう。

<結論>
◎シーキングザダイヤ
○ハードクリスタル
▲マンオブパーサー
△ビービートルネード
△マズルブラスト

昨秋のシーズン、シーキングザダイヤの休養明け3戦の成績は「2着→6着→2着」とV字型を描いて好転。しかも、3戦目のJCDではカネヒキリとハナ差の接戦まで持ち込んでいるのだから、まともに走ってくれされすれば、ここで負ける目はまず考えられない。武豊騎手も同じミスを2度繰り返すとは思われず、詰の甘いイメージが配当妙味に繋がってくれれば、馬券的にも勝負可能な本命馬といえそうだ。
相手はJRA勢の2頭。G1連続2着の余勢を駆って、ここでも横山典騎手が「指定席」を確保しそうな予感。例年に比べ大駒を欠く3歳勢代表のマンオブパーサーは、まだ古馬との対決ではちょっと物足りない。名手・内田博の手綱捌きでどこまで着順を上げてくるだろうか?
地元・南関勢からは、東京ダービー馬ビービートルネードに、先行利が大きそうなマズルブラスト。マンオブパーサーあたりとの比較なら、それほど差は感じられないがどうか?

キルトクールは、JRAの老雄タイムパラドックス
もともとパドックで覇気を見せないタイプだが、今シーズンはすっかり老け込んで、馬体の張りを欠いてしまった印象。ひょっとしたら、もう終わっているのかもしれない

11月 3, 2006 岩手競馬, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (9)