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2006/10/22

【菊花賞】2種類の決着パターンをどう読むか

Fusaichi_junk_at_nihon_derby淀の坂越え・長丁場をどう読むか?
あれこれ思案をめぐらせながら、近年の菊花賞を振り返っているうちに、実はこのレースの決着傾向には、大きく分けて2種類のパターンが存在していることに気がついた。

例えば、昨年の一戦。人気薄の逃げ馬シャドウゲイトがハナを切って、前半1000メートル通過が61秒2。各馬の隊列も早々と決まって、先行馬群は縦一列を形成して淡々と1周目のホームストレッチを通過していった。スローペース寄りの流れである。こんな年は、ラストに速い上がりを駆使できる差し馬有利という傾向が現れており、優勝したディープインパクトは4角で7番手の位置取りから、終い3ハロン・推定33秒3の末脚を発揮、先行勢をまとめて差しきってみせた。これとよく似た決着だったのが、01年のレースであり、前半1000メートル通過は63秒のスローペース。優勝馬マンハッタンカフェはやはり4角中団の位置取りから、推定上がり34秒で鮮やかな差しきりを決めている。

5F通過優勝馬4角位置上がり3F
200163.0マンハッタンカフェ6番手34.0
200561.2ディープインパクト7番手33.3

一方、これらと対照的なのが、02年~04年の菊花賞である。レースの前半1000メートル通過は、58秒~60秒フラットと速めのラップが記録されており、1周目ホームストレッチにおける各馬の隊列も、先行勢が横に並んで併走する陣形だ。こんな展開になったとき台頭しているのは、早めのスパートから4角先頭まで押し上げたきた馬たち(ヒシミラクル、ザッツザプレンティ、デルタブルース)で、ラスト3ハロンも35秒台と、キレ味よりも底力やスタミナが要求されるタフな戦いとなっている。

5F通過優勝馬4角位置上がり3F
200258.3ヒシミラクル2番手35.2
200360.5ザッツザプレンティ1番手35.8
200460.4デルタブルース2番手35.7

すなわち、「前半スローなら上がり勝負の差し競馬」、あるいは「前半ハイペース気味ならスタミナ比べのマクリ競馬」・・・・近年の菊花賞は、このいずれかのパターンで決着しているというわけだ。血統的側面からこの傾向を補足してみると、前者の展開なら、当然の如くサンデー系の鋭いキレを武器にするタイプが強い。一方、後者の展開になれば、サンデー系でもスタミナ自慢のダンスインザダークや、ノーザン系あるいは異系の底力が台頭してくる。そんな傾向と理解してもよいだろう。

ちなみに、2着馬のタイプ・脚質にも注目してみると、前者のスローペースでは逃げ・先行馬(アドマイヤジャパン・マイネルデスポット)が粘りを発揮する一方、ハイペース気味の後者では4角10番手以降の位置から追い上げてきた差し馬(ホオキパウェーブ・リンカーン・ファストタテヤマ)が連対圏に突入というパターンが繰り返されている。逃げ馬の連対例は、「前半スロー・上がり勝負の差し競馬」のケースに限定されている

さて、そんな予備知識を念頭に置いて、今年の菊花賞を占ってみると、やはり単騎逃げ濃厚と思われるアドマイヤメインと、これをマークする立場に回るメイショウサムソンの動きが展開のカギを握っているように思われる。
一見する限り、アドマイヤメインの単騎逃げが濃厚にみえるが、最内枠の藤田トーホウアランを筆頭に、実は前々で競馬を運びたいクチは少なくない。となれば、案外と隊列がすんなり固定するわけにもいかず、1周目のバックストレッチでは先頭のアドマイヤの直後から各馬が横並びになって追走する陣形が形成されることだろう。
アドマイヤの手綱を取る武豊騎手も、そのことは当然、承知しているはず。さらに、ペースを落として逃げたダービーでメイショウサムソンの後塵を拝したことを思えば、前半からある程度のリードを確保しておきたいという思惑も働く。それが結果的に、横山典ドリームパスポートの決め手も封じる策に繋がるとなれば、前半1000メートルを60秒フラットに近いペースで逃げる策に迷いはない。結局、今年の菊花賞は、02年~04年に近いミドル~ハイペースの流れで進行するのでは?というのが、当ブログ管理人の想定である。
折り合いに一抹の不安を抱えながらも、スタミナと勝負根性に絶対の自信をもつメイショウサムソンにとっても、こんな展開は望むところだろう。3~4角からスパートした有力各馬が激しい叩きあいを演じるなかで、後方から脚を伸ばす差し馬が2着に浮上・・・・。果たして先頭でゴールを駆け抜けるのはどの馬か?淀の長丁場は、予断を許さない。

<結論>
◎フサイチジャンク
○ドリームパスポート
▲メイショウサムソン
△アドマイヤメイン
注アクシオン

前半ハイペース気味ならスタミナ比べのマクリ競馬」という想定に立つなら、本来、メイショウサムソンの三冠達成に一票を投ずべきところ。だが、過去10年の菊花賞で結局1勝も上げていないノーザンダンサー系であること、さらには前走・神戸新聞杯で露呈した折り合い不安が、この強い2冠馬にとって死角になる可能性は高く、少なくとも単勝級の評価までは与えづらい。
一方、逃げ馬の好走事例が「前半スロー・上がり勝負の差し競馬」のケースに限定されることを思えば、アドマイヤメインの逃げ切りを想定するのも難しい。芝G1未勝利のフジキセキ産駒ドリームパスポートも、鞍上・横山典の宿命(?)から、2着までが精一杯だろう。
となると、勝つのはこれら3強以外の馬。例えば、セントライト記念の凡走で一気に株を下げてしまったフサイチジャンクの巻き返しの可能性はないだろうか?元々サンデー直子ながら、その持ち味はキレよりも長く良い脚を使えること。岩田騎手に乗り替わった皐月賞以降、不完全燃焼のレースが続いているが、決め手勝負で勝ち目がないことは、鞍上自身が誰よりも痛切に感じいているはず。勝利の可能性を模索するなら、早め・早めの競馬しかないわけだが、デルタブルースを勝利に導いたあの度胸と手綱捌きなら、奇襲と思えるマクリの戦法も不可能ではない。ちなみに「前半ハイペース気味ならスタミナ比べのマクリ競馬」で勝利をモノにしているのは、いずれも5番人気以下の伏兵たちだった。人気を背負ってない今だからこそできる思い切った騎乗を期待してみたい。
穴馬なら、長丁場の競馬を未経験ながら、まだ底を見せていないアクシオンが怖いが、鞍上は田中勝春騎手。失礼ながら、菊花賞の勝利を手にするほど大胆な手綱捌きを期待するのは難しく、ここは3着候補の一角という評価に留めたい。

キルトクールは、マルカシェンク
明らかに余裕残しの馬体で、健闘を示した毎日王冠のレース内容は悪くないけれど、本気で菊を取るつもりなら、トライアル路線から始動するのが筋だろう。

10月 22, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ |

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