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2006/10/29

【天皇賞秋】毎日王冠の再現か?

Daiwa_major_at_yasuda_kinen_06◎ダイワメジャー
○ダンスインザムード
▲スイープトウショウ
△カンパニー
△コスモバルク
△オースミグラスワン
△アドマイヤムーン



「忙しくて・・」といっては泣き言になるけれど、週末になっても、なかなかレース検討の時間が確保できない。それでも天皇賞だけは現地観戦しようと、強引にスケジュールを調整したものの、肝心の予想ほうが今回は甚だ心許ない状況だ。とりあえず、印だけはアップしてみるが、さてどうなることか?

注目したポイントは、次のとおり。
逃げ馬不在でスローペースが囁かれる展開だが、ダイワメジャーにしてもトリリオンカットにしても、ある程度速い流れで他馬の上がりを封じる展開が理想。特にダイワメジャーが前走と同様、外枠から早めにプレッシャーをかける展開になれば、昨年のように極端なスローにはならない。
そこでPCI換算なら、52~60あたりのミドルペースで好走歴の多いタイプを狙ってみる。もちろん速い上がりをマークできればそれに越したことはないが、さすがにG1レベルになると、どの馬でも34秒台の脚は使ってくる。末脚の威力の絶対値より、流れに乗って好位でレースを運べるセンスを重視する必要があるのではないか?結局、前哨戦の毎日王冠と同じような先行勢同士の叩きあいになるとみて、上記の結論に達した。

キルトクールは、サクラメガワンダー
外から伸びかけて止まった、毎日王冠の内容に不満。

10月 29, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (6)

2006/10/22

【菊花賞】2種類の決着パターンをどう読むか

Fusaichi_junk_at_nihon_derby淀の坂越え・長丁場をどう読むか?
あれこれ思案をめぐらせながら、近年の菊花賞を振り返っているうちに、実はこのレースの決着傾向には、大きく分けて2種類のパターンが存在していることに気がついた。

例えば、昨年の一戦。人気薄の逃げ馬シャドウゲイトがハナを切って、前半1000メートル通過が61秒2。各馬の隊列も早々と決まって、先行馬群は縦一列を形成して淡々と1周目のホームストレッチを通過していった。スローペース寄りの流れである。こんな年は、ラストに速い上がりを駆使できる差し馬有利という傾向が現れており、優勝したディープインパクトは4角で7番手の位置取りから、終い3ハロン・推定33秒3の末脚を発揮、先行勢をまとめて差しきってみせた。これとよく似た決着だったのが、01年のレースであり、前半1000メートル通過は63秒のスローペース。優勝馬マンハッタンカフェはやはり4角中団の位置取りから、推定上がり34秒で鮮やかな差しきりを決めている。

5F通過優勝馬4角位置上がり3F
200163.0マンハッタンカフェ6番手34.0
200561.2ディープインパクト7番手33.3

一方、これらと対照的なのが、02年~04年の菊花賞である。レースの前半1000メートル通過は、58秒~60秒フラットと速めのラップが記録されており、1周目ホームストレッチにおける各馬の隊列も、先行勢が横に並んで併走する陣形だ。こんな展開になったとき台頭しているのは、早めのスパートから4角先頭まで押し上げたきた馬たち(ヒシミラクル、ザッツザプレンティ、デルタブルース)で、ラスト3ハロンも35秒台と、キレ味よりも底力やスタミナが要求されるタフな戦いとなっている。

5F通過優勝馬4角位置上がり3F
200258.3ヒシミラクル2番手35.2
200360.5ザッツザプレンティ1番手35.8
200460.4デルタブルース2番手35.7

すなわち、「前半スローなら上がり勝負の差し競馬」、あるいは「前半ハイペース気味ならスタミナ比べのマクリ競馬」・・・・近年の菊花賞は、このいずれかのパターンで決着しているというわけだ。血統的側面からこの傾向を補足してみると、前者の展開なら、当然の如くサンデー系の鋭いキレを武器にするタイプが強い。一方、後者の展開になれば、サンデー系でもスタミナ自慢のダンスインザダークや、ノーザン系あるいは異系の底力が台頭してくる。そんな傾向と理解してもよいだろう。

ちなみに、2着馬のタイプ・脚質にも注目してみると、前者のスローペースでは逃げ・先行馬(アドマイヤジャパン・マイネルデスポット)が粘りを発揮する一方、ハイペース気味の後者では4角10番手以降の位置から追い上げてきた差し馬(ホオキパウェーブ・リンカーン・ファストタテヤマ)が連対圏に突入というパターンが繰り返されている。逃げ馬の連対例は、「前半スロー・上がり勝負の差し競馬」のケースに限定されている

さて、そんな予備知識を念頭に置いて、今年の菊花賞を占ってみると、やはり単騎逃げ濃厚と思われるアドマイヤメインと、これをマークする立場に回るメイショウサムソンの動きが展開のカギを握っているように思われる。
一見する限り、アドマイヤメインの単騎逃げが濃厚にみえるが、最内枠の藤田トーホウアランを筆頭に、実は前々で競馬を運びたいクチは少なくない。となれば、案外と隊列がすんなり固定するわけにもいかず、1周目のバックストレッチでは先頭のアドマイヤの直後から各馬が横並びになって追走する陣形が形成されることだろう。
アドマイヤの手綱を取る武豊騎手も、そのことは当然、承知しているはず。さらに、ペースを落として逃げたダービーでメイショウサムソンの後塵を拝したことを思えば、前半からある程度のリードを確保しておきたいという思惑も働く。それが結果的に、横山典ドリームパスポートの決め手も封じる策に繋がるとなれば、前半1000メートルを60秒フラットに近いペースで逃げる策に迷いはない。結局、今年の菊花賞は、02年~04年に近いミドル~ハイペースの流れで進行するのでは?というのが、当ブログ管理人の想定である。
折り合いに一抹の不安を抱えながらも、スタミナと勝負根性に絶対の自信をもつメイショウサムソンにとっても、こんな展開は望むところだろう。3~4角からスパートした有力各馬が激しい叩きあいを演じるなかで、後方から脚を伸ばす差し馬が2着に浮上・・・・。果たして先頭でゴールを駆け抜けるのはどの馬か?淀の長丁場は、予断を許さない。

<結論>
◎フサイチジャンク
○ドリームパスポート
▲メイショウサムソン
△アドマイヤメイン
注アクシオン

前半ハイペース気味ならスタミナ比べのマクリ競馬」という想定に立つなら、本来、メイショウサムソンの三冠達成に一票を投ずべきところ。だが、過去10年の菊花賞で結局1勝も上げていないノーザンダンサー系であること、さらには前走・神戸新聞杯で露呈した折り合い不安が、この強い2冠馬にとって死角になる可能性は高く、少なくとも単勝級の評価までは与えづらい。
一方、逃げ馬の好走事例が「前半スロー・上がり勝負の差し競馬」のケースに限定されることを思えば、アドマイヤメインの逃げ切りを想定するのも難しい。芝G1未勝利のフジキセキ産駒ドリームパスポートも、鞍上・横山典の宿命(?)から、2着までが精一杯だろう。
となると、勝つのはこれら3強以外の馬。例えば、セントライト記念の凡走で一気に株を下げてしまったフサイチジャンクの巻き返しの可能性はないだろうか?元々サンデー直子ながら、その持ち味はキレよりも長く良い脚を使えること。岩田騎手に乗り替わった皐月賞以降、不完全燃焼のレースが続いているが、決め手勝負で勝ち目がないことは、鞍上自身が誰よりも痛切に感じいているはず。勝利の可能性を模索するなら、早め・早めの競馬しかないわけだが、デルタブルースを勝利に導いたあの度胸と手綱捌きなら、奇襲と思えるマクリの戦法も不可能ではない。ちなみに「前半ハイペース気味ならスタミナ比べのマクリ競馬」で勝利をモノにしているのは、いずれも5番人気以下の伏兵たちだった。人気を背負ってない今だからこそできる思い切った騎乗を期待してみたい。
穴馬なら、長丁場の競馬を未経験ながら、まだ底を見せていないアクシオンが怖いが、鞍上は田中勝春騎手。失礼ながら、菊花賞の勝利を手にするほど大胆な手綱捌きを期待するのは難しく、ここは3着候補の一角という評価に留めたい。

キルトクールは、マルカシェンク
明らかに余裕残しの馬体で、健闘を示した毎日王冠のレース内容は悪くないけれど、本気で菊を取るつもりなら、トライアル路線から始動するのが筋だろう。

10月 22, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (12)

2006/10/20

そんな謝罪では競馬が危ない

416771711501_ss500_sclzzzzzzz_v39838854_凱旋門賞に出走したディープインパクトから禁止薬物が検出・・・・不世出のスターホースに降りかかった騒動は、一夜あけても収まる気配をみせず、各方面に波紋を広げている。競馬ファンの裾野を大きく広げた日本最強馬の凱旋門賞挑戦という「夢」物語に、まさかこんな「悪夢」の結末が用意されていたとは、いったい誰が予測できただろう?いずれにせよ、今回の一件がディープインパクト、さらには日本の競馬界全体に対して大きなマイナスイメージをもたらしてしまったのは否定できない。残念である。
不幸中の幸いと言うべきか? 仏国サイドからは「不正行為をする意図があったとは思えない」など、ディープを擁護する声が上がっており、厩舎サイドの故意あるいは重過失を裏づける材料も出ていない。そのせいか、現時点では日本のマスコミ各紙の論調にも、あからさまに厩舎や関係者を非難するトーンまでは見られないようだ。だが、薬物検出が動かしがたい事実である以上、競馬に対する「信頼の回復」は、喫緊の課題と言わざるを得ないだろう。その責務を担うのは、やはり中央競馬の主催者たるJRAをおいてほかにいない。すみやかな真相の究明と、オープンな情報公開、さらには再発防止に向けた道筋の具体化など、今すぐにでも取り組むべき課題は山積している。

ところが、昨日の記者会見におけるJRAの対応。これがいけなかった。
自ら会見に出席せず、書面を通じてコメントを明らかにした高橋理事長は、まだ事件の全容が明らかになっていないのに、今回の一件を「栄誉ある凱旋門賞に汚点を残す結果」と断定。その一方で、会見に出席した役員は、日本とは薬物規制が異なる海外への遠征について、「全責任は馬主と管理する調教師にある。検疫や禁止薬物、治療の許容限度などが違うが、それについては十分な説明をしてきた」と、自らの責任をたな上げにするような発言まで行っている。

もちろん、遠征中の飼養管理にかかわる直接的な責任は、調教師・馬主が担っている。それは当然のお話であり、国内競馬の主催者に過ぎないJRAが、海外における所属馬の一挙手一投足にまで監督責任を負っているわけではない。しかし、今回の凱旋門賞遠征という壮挙に際し、組織を上げてのプロモーション活動を展開し、ファンの関心の盛り上げに一役買ってきたJRAには、競馬に対する「信頼回復」という大きな責任があるはずだ。それにもかかわらず、当事者意識を欠くと受けとめられかねない、こんな発言を残してしまったのは、いかにもまずい。案の定、一部マスコミからは、JRAの姿勢に対し疑問を投げかける記事が公にされることになってしまった。

サンスポ.com
禁止薬物にJRA知らんぷり「全責任は馬主、調教師にある」

危機管理の視点から、企業不祥事やトラブルに際しての謝罪のあり方を論評している田中辰巳氏の著作「そんな謝罪では会社が危ない」(文春文庫)によるなら、企業・組織が「お詫び」をすべき場面で犯してしまいがちな失敗には、いくつかの典型的パターンがあるという。いわく「言い訳や反論混じりの謝罪」「嘘と隠蔽をふくむ謝罪」「曖昧にボカした謝罪」などなど・・・・。
田中氏の分類を参考にするなら、今回の一件に関するJRAの対応のまずさは、事実確認が不十分な段階にもかかわらず「汚点」というダーティーな表現でマイナスイメージを増幅させてしまった「早とちりの謝罪」、さらには競馬ファンや国民に対してではなく「栄誉ある凱旋門賞」に謝罪してしまったというトンチンカンな対応、すなわち「頭を下げる方向を間違えた謝罪」と言えそうである。さらには、これだけの大事件にかかわらず、トップの高橋理事長が自ら会見場に足を運んでいないという点では、「役者不足の謝罪」という印象も否定できない。
おそらく「嘘や隠蔽」がない分、まだ救われてはいるが、競馬の信頼回復という喫緊の課題に向けて、自らの責任の所在を明らかにするという意味では、不満の残る対応だった。また、いかにも配慮を欠いた発言がディープインパクトという名馬の傷に塩をすり込む行為に映ったのも、不用意だったといえないか?

ディープインパクトのみならず、競馬というジャンル全体に注がれる世間の疑念やマイナスイメージは一刻も早く払拭しなければならない。また、今回の出来事が、筋道を間違った規制強化や自粛ムードにつながって、ディープのみならず今後海外遠征を志す日本の競走馬にとって、障害になるような決着も避けなければならない。そのためにも繰り返しになるが、今、JRAが取るべき対応は、真相の徹底究明と情報公開、再発防止策の明確化に尽きる。競馬の未来に禍根を残すような事態を回避するためにも、JRAには当事者意識をもって、全力を尽くしてもらいたい。

10月 20, 2006 日記・コラム・つぶやき, 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (8)

2006/10/15

【秋華賞】ハイペースでも速い上がりが要求される

Admire_kiss_at_oaks牝馬三冠路線の最終戦。今年は、先行策を匂わせる馬たちが妙に多いのが気になる。「スピードを生かせるレースを」(ブルーメンブラット) 「先行力が生きるコース」(アサヒライジング) 「マイペースで運んでどこまで踏ん張れるか」(トシザサンサン)・・・・ヨーイドンの決め手比べの展開では、武豊アドマイヤキッスに敵わないのを意識してか、どの陣営も、気持ちが前へ前へと傾いているように思える。
なかでも積極的な構えを示しているのが、「ロングスパートで後続に足を使わせるレースができれば」と色気をみせるシェルズレイ。前哨戦のローズSではスローペースを見越した4角早め先頭の策から、あわやの粘りを見せているだけに、そのスパートのタイミングには注目が必要だ。1角を回りきって隊列が落ち着くまでの先陣争いがソコソコ激化し、さらに岩田騎手が積極果敢に3角付近からゴーサインを出してくるなら流れはハイペース。それをひとまずの前提として、予想作業をすすめてみたい。

ハイペースの秋華賞といえば、先行馬総崩れになってステイヤー系の追込馬2頭(ブゼンキャンドル・クロックワーク)が後方から台頭した7年前のレースをつい思い出してしまう。だが、コース設定がCからAコースに変更された00年以降、あれほど極端に速い流れは出現していない。特に最近3年のレースでは、毎年判で押したように、向正面でいったん緩んだ流れが残り4ハロンの地点からペースアップ。直線では、長く良い脚を使った差し馬(スティルインラブ、スイープトウショウ、エアメサイア)が勝利をモノにするパターンの競馬が続いている。こんなレースで上位に来るのは、どちらかといえばスタミナよりもスピード的色合いの強い中距離タイプの競走馬である。

今年の場合もハイペースとは言っても、ブゼンキャンドル的な流れというより、近3年の延長というべきペースになる公算が高いだろう。イメージ的に近いのは、ダンスインザムードが積極的に4角先頭をうかがってレース後半が全体的に速い流れになった2年前の秋華賞だろうか?このとき勝ったスイープトウショウが記録した上がり3ハロンは33秒9。見た目は同じような大外一気の差しきりでも、ブゼンキャンドルの上がり36秒1と比べれば、レースの質が明らかに異なっていることがわかる。ずぶずぶのスタミナ勝負ではなく、道中じっくりとタメを効かせ、直線どこまで弾けるかが問われる一戦。そんな適性を考慮し、上位候補を絞り込む必要がありそうだ。

<結論>
◎ソリッドプラチナム
○アドマイヤキッス
△シェルズレイ
△キストゥヘヴン
注ブルーメンブラット
注シークレットコード
注カワカミプリンセス

道中のタメが効いて、直線弾ける競馬・・・・近3年の勝馬のイメージに最も近いのは、やはりアドマイヤキッスだろう。なるほど、自力で動ける機動性があって、サンデー産駒にしては長く良い脚も使える。だが、この馬、どこかトライアルホース的風情があって、全幅の信頼まで置いてよいものか?判断に迷う。シェルズレイのスパートに釣られ、仕掛けが僅かに早くなるようだと、最後の最後に他馬の餌食にされる可能性があるかもしれない。
そこで狙ってみたいのは、アドマイヤよりさらに後方で爆発力を温存できるタイプだ。桜花賞馬のキストゥヘヴンも悪くはないが、関東馬不振の傾向が強いこのレースで本命にまでは推しづらい。ならば、ソリッドプラチナムはどうか?軽量の恩恵が大きかったとはいえ、秋華賞と同じ舞台の今年のマーメイドSを豪快に大外から差しきっている。前哨戦のローズSでは早めに動いていった分、タメの効きが中途半端だった印象があり、このうち枠でじっくり構える競馬ができれば、あの爆発力の再現も不可能ではないだろう。追込戦法が得意の小牧騎手への乗り替わりも悪くない材料だ。
以下では、シェルズレイの替わりに4角先頭に持ち込めれば面白いブルーメンブラッド、京都G1戦の2着争いなら無視できない横山典のシークレットコードを狙う。森厩舎・フサイチペガサス産駒に横山典とくれば、土曜競馬のオフィサーとの共通項もあって、穴馬として面白い存在だろう。
カワカミプリンセスは、オークス以来、久々の実戦がどうかというより、いかにもブゼンキャンドル的流れが向きそうなスタミナ型ではないか?という印象が強く、注の評価どまりとした。

キルトクールは、オークスで当ブログが本命指名した経過もあるフサイチパンドラ。蓄膿症の手術明けの影響だろうか?前哨戦の内容が物足りず、ここではアッサリ土俵を割る公算が高いと判断した。

10月 15, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (7)

2006/10/14

【神無月S回顧】オフィサー、敵は京都にあり

Officer_at_kanna_duki_kaeshi_uma末脚の威力を活かせる得意コースに、手薄な相手関係。さらには強力な鞍上(横山典)もパートナーに配して必勝の構え・・・・・オフィサー陣営にとって、さすがに今回は「勝ってもらわなければ困る一戦」だったといえるだろう。末一手の脚質からいったいどこまで信頼を置けるか? 馬券的な扱いが常に難しいタイプだが、これだけ条件が揃えば、最終的に単勝1.9倍の支持を集めたのも頷ける。
直線入口では、まだ前とだいぶ差があったものの、エンジンに点火してからは例によって豪快な伸びを披露。一完歩ごとに先頭との差を詰め、ゴール前では計ったように差しきって見せた。東京コースで終いが確実なのは、ブラジルC・欅Sのレースぶりでも実証済みであり、出資者の立場からも今日は安心して見ていられる競馬だった。

ただし、勝ったとはいえ、手綱を取った横山騎手のコメントはちょっと辛口である。

「ただ、楽をしているのですから、本来ならもっと突き放してくれてもいいのですが…。前を捕まえるまではグングン伸びてくれのに、馬がもう大丈夫と思ったところから勝手にブレーキをかけてしまうんです。最後はヒヤッとしましたよ。こういったところが解消してくれば、重賞でもやれる器。少しズルいところが課題でもあり、この馬の個性でもありますよね」(横山典騎手)
サウスニアRH公式サイト 会員向け情報から引用  

なるほど、この勝ちっぷりでも、まだ100%の力を出していないということか?

いろいろと深読みできそうな発言で興味深いが、とりあえず「勝手にブレーキをかけてしまう」ズルさが解消すれば、より強い相手を向こうに回しても好戦可能だろうし、マイル戦あたりまでの距離延長にも対応できる可能性も感じられる。この馬の本質を一介の短距離馬と決めてかかるのは早計かもしれない。

これで再びオープン戦線に返り咲いたオフィサー。次走は、同じ東京・ダート千四が舞台の霜月S出走が有力だろう。おりしもこの日、京都10レース・エニフSでは、坂路元帥ジョイフルハートニシノコンサフォスと、同路線に君臨する強豪2頭が強い競馬で力のある所を示している。3~5着に入線したサカラート・タイキエニグマ・ミリオンベルといった面々も相当に手強い顔ぶれ。これらの面子が霜月Sに向かうとなれば、昇級初戦のオフィサーにとっては、厳しい競馬を覚悟しなければならないだろう。とはいえ、そんな相手と互角以上に戦えなければ、重賞云々を期待するのはまだ早計だ。
果たして、得意の舞台での再戦でどこまでやれるのか?「ズルさ」を見せてはとても通用しない強豪との再対決で、あらためてオフィサーの末脚の真価が問われる。

10月 14, 2006 ひとくち馬主日記, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (3) | トラックバック (0)

2006/10/13

【サウスニア】ダービー馬の全弟が福島へ?

Hyde_park_at_miho_trecen_06秋競馬シーズンも佳境に近づくなか、各地の競馬場でサウスニアRH所属馬の活躍がめざましい。特にこの数週間は、中京新馬戦を快勝した評判のマル外アルシラート、札幌シリーズ終盤で怒濤の2連勝を達成したメテオグローリー、さらには遅れてきた府中のデビュー戦で秘めた素質をアピールした良血ジークエンブレムなど、ほぼ毎週コンスタントに勝馬を輩出という勢いである。いまだ重賞勝ちとは縁がないものの、毎年の募集頭数が10頭ソコソコという小規模クラブであることを考えれば、大健闘と言うべき成績だろう。
勝利の味が出資者の気持ちを明るくしているせいか、ここにきてクラブを取り巻く雰囲気も、にわかに活気づいてきた感がある。そんな上げ潮ムードに乗って、今週の東西土曜メインには、同クラブ所属の代表格というべき大駒(オフィサー、アルシラート)が登場。あわよくばダブル優勝の可能性もあるだけに、是非とも健闘を期待したい。

だが、このクラブにとって、秋競馬最大のハイライトはまだ別に用意されている。昨年の募集時にも話題を呼んだ日本ダービー馬タニノギムレットの全弟・ハイドパーク(美浦・藤澤厩舎所属、当ブログひとくち出資馬)のデビューが近づいているのだ。
実績に裏づけられた血統背景や、垢抜けた馬体の良さからPOG戦線でもソコソコ人気を集めていた同馬は、9月の声を聞くやいなや早々とトレセンに入厩。以降、順調に乗り込み本数を消化しており、そろそろ正式デビューのお呼びがかかるか?という段階に到達している。だが、今週になってちょっと気になるニュースが飛び込んできた。藤澤厩舎陣営は、なんとこの評判馬を府中ではなく、福島・裏開催でデビューさせるという仰天プランを検討しているというのだ。

クラブの会員向け情報や、netkeiba.comの掲示板によると、ハイドパークのデビュー戦として有力視されているのは、10月28日(土)福島5Rの2歳新馬戦(芝1800m)。第3回福島開催でわずか4鞍のみ組まれた新馬戦のうち、唯一芝の中距離条件にあたる一戦である。
常識的に考えれば、クラシック戦線を睨むほどの有力新馬なら、府中か京都の表開催をデビュー戦の舞台に選択する。だが、そんな常識を蹴飛ばして、敢えて福島から使い出そうというのだから、この評判馬、少なくとも現時点では「わけあり」なのだと考えたほうがよさそうだ。といっても、クラブからの情報による限り、脚部不安とかゲート難などの致命的問題があるわけでもない。調整過程そのものは、至って順調である。

どうやら馬自身がまだ「覚醒」していない・・・・諸情報を総合してみると、そんな事情がこの異色のローテーションの背景にあると考えられそうだ。
確かに入厩から1か月以上を経過しながら、今だに格上のパートナー(ミレニアムウイングやマチカネゲンジなど)と併せると、大きく手応えが見劣る動きしかできていないし、陣営のコメントからも良化度合いの遅さを意識した発言が目立っている。

藤澤調教師
「体力的にへこたれるようなところはありませんが、まだ走ることに対して気持ちが集中しきれていない様子。」(9月21日)
「あまり稽古ばかりを重ねていても単調になってきますので、一時は短期放牧を挟んで11~12月のデビューに仕切り直すことも考えましたが・・・・レースを叩きながら目覚めてくるタイプのようですから、初戦は比較的相手関係が楽とされる福島開催も視野に」(10月12日)
津曲助手
「若さゆえ、まだハミの銜え方がぎこちない感じ。物見はそれほどしませんが、走り方を知らないというか、いかにも幼いといった印象ですよね。」(9月28日)
サウスニアRH公式サイト 会員向け近況報告から引用

もう一つ、ハイドパークの調子についてヒントになるのが、TARGET frontier JVで知ることができる坂路調教の時間帯である。入厩後まもない時期には、早朝まだかなり早い時間のうちに坂路入りして、ダンスインザムードを筆頭とする「強い馬たち」と坂路を駆け上がっていたハイドパークだが、今週に入ってからはお日様が高く昇った8~9時台になって、やっと坂路に向かうことが多くなった。同じ時間帯に調教されているのは、未出走や下級条件馬など、さほど期待されているとは思えない馬たち・・・・有り体に言えば、入団当初は期待のルーキーだったドラフト上位指名選手が、「1軍」から「2軍」へと格落ちの烙印を押されてしまったというのが、この馬の現状なのだろう。とはいえ、体調に何か問題があるわけでもなく、どこかで競馬に使う以上、凡走は許されない。とりあえず一度叩いてからの良化を待ってみる。初戦は与しやすい相手の待つ福島から・・・・というのが陣営の思惑なのではないか?

そんなわけで、クラシック候補の一角から、早くも一歩後退し「2軍落ち」の烙印を押されてしまった感のあるハイドパークだが、現時点では、まだそれほど悲観する必要もないだろう。そもそも兄のタニノギムレットにしても、本格的に頭角を現したのは、2歳の暮れに阪神の未勝利戦を勝ち上がって以降だったし、叩きつつ本領を発揮してくるのが父ブライアンズタイムの血の特性でもある。仮に芝でダメだったとしても、血統からダートでも楽しめそうなタイプでもあり、ここは長い目で成長を見守っていきたい。POG的にはクラシックの舞台に上れなければ意味がないけれど、ひとくち馬主にはそんな気長な楽しみ方も許されているのだ。
でも、一度「覚醒モード」に突入すれば、爆発力はハンパでないはず・・・・そんな期待をちょっとだけ胸に秘め、福島のデビュー戦を現地観戦するプランを検討してみようかとも、現在思案中である。

10月 13, 2006 ひとくち馬主日記 | | コメント (4) | トラックバック (2)

2006/10/09

【南部杯】3強対決の構図を占う

岩手競馬の全レースを対象にタイム指数(スピード指数)を公表している貴重なサイト・「盛岡タイムス」さんのところに、こんなコラムが掲載されている。指数を用いた予想法について指南するコーナーのひとコマなのだが、経験から導き出された馬券の極意のようなものがさらりと語られており、なるほど、と思わず頷かされてしまう。

荒れるレースを見極めることが、予想の最大のポイントです。 荒れるパターンはいくつかあります。
まず第1は、圧倒的な1番人気が敗れる波乱です。(中略)
次は2頭の強い馬が出ている場合です。人気薄が3着に入ることを狙ってワイドで攻める手もありますが、このパターンは意外に荒れるケースが多いのです。2頭で決まれば馬複で200円台の配当。でもどちらか1頭が強すぎた場合、2強の一角が崩れることがあります。
3強がでているレースはあまり極端には荒れません。これは経験則ですね。
 盛岡タイムス公式サイト
 ~みちのくレース岩手競馬スピードインデックスより引用

Nambuhai_poster_2005レース前には鉄板と思えた2強の一角が脆くも崩れ、伏兵が2着に飛び込んでくるケース。あるいは、3強が死力を尽くした激闘を繰り広げ、下馬評通り上位を独占するケース。競馬ファンなら、誰でも一度や二度は思い当たる事例を経験しているはずだ。
JRAのG1レース・天皇賞春を例にとって思い起こしてみると、トウカイテイオーとメジロマックイーンの初対決に沸いた92年などは前者、サクラローレル・マーベラスサンデー・マヤノトップガンの3強が歴史的名勝負を繰り広げた97年は後者の典型例といえるだろう。
さて、そんな教訓を脳裏に刻みつつ、今年の南部杯(G1)の出走メンバーを見渡していくと、これは典型的な3強対決のパターンに該当するのではないか?という印象が強くなってくる。すなわちG1制覇を目論む強いモチベーションを胸に秘め、ここに参戦する競走馬が3頭いるということだ。JRA代表のシーキングザダイヤヒシアトラス、道営代表のジンクライシスである。

カネヒキリが戦線を離脱し、一方JBC以降になると南関の王者アジュディミツオーが待ちかまえている・・・・そんなダート戦線の構図を睨むと、無冠の帝王シーキングザダイヤにとって、今年の南部杯こそがG1獲得の宿願をかなえる千載一遇のチャンスといえるだろう。だが、そんな目論見は、札幌のエルムSワン・ツーから意欲的な転戦を試みてきたヒシアトラス、ジンクライシスとて同じ。特に後者は、主戦の山口竜一騎手から敢えて五十嵐冬樹騎手にパートナーをスイッチしてきたのが注目される。左回りのダート重賞で、それぞれに実績を残しているこの3頭。いずれもやる気は満々だ。

3強の能力を比較するなら、G12着の常連シーキングザダイヤが一枚抜けているようにも思えるが、この馬の場合、良い意味でも悪い意味でも常に相手なりの競馬を演じてしまう傾向がある。少なくとも2着以下に大きな着差をつけての独走は考えづらく、そこに北海道転戦組でも互角に戦えそうな可能性が生まれる。しかも、この3頭はみな先行脚質。スタート直後から互いが互いをマークして牽制し合うような神経戦の様相を呈すれば、三つ巴の優勝争いは、ゴールまでもつれる可能性が濃厚だろう。

一方、これ以外の出走馬に関していうと、能力以前の問題として、このレースにかける意気込みが些か弱いのではないか?という印象を禁じ得ない。
たとえば、昨年のJBCスプリント王者・ブルーコンコルド。距離千六が1ハロン長いのは自他共に認めるところだし、目標はあくまで次の川崎だろう。「好調時のデキに比べれば八分程度」と陣営が公言しているようでは、正月のガーネットSと同様、かなり太目の馬体でオーロパークに姿を現す公算が高い。また、全盛時に比べ衰えが感じられるタイムパラドックスは叩きつつの良化待ちといったところだろうし、森厩舎の大ベテラン・ノボトゥルーに至っては、シーキングの難敵になりそうだったメイショウバトラー参戦を阻止するためのエントリー?と、そもそも出走の動機自体に疑問符が付く。
強敵を迎え撃つ地元代表ウツミジョーダン・エアウィードも、今回に限っては、弱気一辺倒のムードで、波乱の一翼を担おうという気概までは感じられない。

消去法からも、結局、3強対決の構図ばかりが浮かび上がってくる。
どうやら配当的に大きな期待まではできないが、今年は「荒れない南部杯」を前提に、馬券作戦を組み立てるのが得策といえそうだ。

<結論>
◎シーキングザダイヤ
○ジンクライシス
▲ヒシアトラス
注ブルーコンコルド
注ノボトゥルー

馬券は、◎○▲の3連単ボックスが本戦。
キルトクールには、タイムパラドックスを指名します。

10月 9, 2006 岩手競馬, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (9)

2006/10/08

【速報】遅れてきた大物がデビュー戦快勝

10月8日(日)東京・第3レース 3歳未勝利(ダート千六)を、愛馬ジークエンブレムが快勝しました(鞍上は北村宏騎手
ヨハネスブルクの弟にあたる評判の素質馬もこれまで順調さを欠いて、遅れに遅れたデビューが今日のこのタイミング。経験馬相手に果たしてどこまでやれるか?と不安もありましたが、終わってみれば正攻法で押し切る強い競馬で後続の追撃を退けてくれました。ハッキリ言って嬉しい誤算です。
速報替わりにパドックでの勇姿を、どアップで掲載してみました。親ばか丸出しですが、今日ばかりはどうかご容赦を。

Sieg_emblem_20061008_v

10月 8, 2006 ひとくち馬主日記 | | コメント (8) | トラックバック (2)

【毎日王冠】大胆な戦略力が要求されそう

Osumi_grass_one_at_nigata_kinen_06秋の府中開催オープニングを飾る名物G2。今年もメンバー中6頭がG1ホース、さらには春のクラシック戦線を賑わせた3歳勢の参戦もあって、なかなか豪華な顔ぶれが揃った。とはいえ、単勝1番人気が4倍台という前売りオッズが象徴するように、抜けた存在までは見あたらず、混戦ムードがいっぱいだ。展開次第で着順も大きく変わりそうに思えるが、レースの舞台は「展開要らず」の格言で知られる府中の千八。そもそも事前に展開を想定すること自体が難題である。

とりあえず、予想の取っかかりになればと考え、府中コース・リニューアル前後の毎日王冠について、ラップタイムの出方を比較してみることにした。東京・千八といえば、マイルと中距離戦を足して2で割ったような平均ペースから直線上がりの勝負。そんなイメージが強いけれど、実際のところどうなのか?まずは、コース改修前3年分(99年~01年)のラップから折れ線グラフを作成し、各年の展開を視覚化してみよう。

Mainichi_okan_before

ほぼ毎年、同じような波形が繰り返されている。ラップの出方に凸凹が少ないのが特徴で、道中のペースは概ね11.5~12秒の範囲内と、いわゆる「淀みない」流れでレースが進んでいたことがわかる。直線に入って8ハロン目の地点(坂の上り)でペースアップしているのも各年共通の傾向で、いずれにせよ先行勢にとっては厳しい展開である。レース結果を振り返ってみても、連対馬の脚質は差し馬が優勢。どうやら、この時期の毎日王冠に関していうなら、展開や決着の傾向はある程度「型」にはまって、パターン化されていたと言えそうだ。
ところが、コース改修によるリニューアルオープン(03年)以降、レースの「型」はいったんリセットされてしまう。

Mainichi_okan_after

ラップ波形は各年で大きく異なっているが、コース改修前と比較すると、道中でのペースの緩急差が大きくなったのが特徴だろう。
このうち、ファインモーションがテンから暴走気味に飛ばしハイペースになった03年をひとまず例外扱いすると、残る近2年は向正面で12秒台半ばまでラップが緩むスロー。その分、ペースアップも早く、3角入口からラスト2ハロン目までグラフは右肩上がりの波形を描いていく。いわゆるヨーイドンの決め手勝負というよりも、スピードを小出しにしながら脚を持続させていくタイプにとって、有利な流れといえそうだ。

コース改修前後のラップの出方にこのような差が生じているのは、改修前に比べ延長された府中コースの直線の長さを各騎手が意識し、道中でタメを効かせるようになったのが原因だろう。短い直線の中山からの開催替わり1週目というのも、そんな騎手心理に微妙な影響を与えているはずだ。また、今年の出走馬の顔ぶれを見渡しても、内枠のメジロマントルがハナに立てば、隊列は比較的すんなり決まりそうなムード。となると、今年も近2年と似たような「前半は緩め、3角あたりから徐々にペースアップ」という展開が繰り返される公算は高いのではないだろうか?TARGET frontier JVで確認できるPCI(ペースチェンジ指数)を目安にするなら、概ね50~60前後の流れを想定しておきたい。

また、上位候補の脚質についていうなら、過去2年、前半の緩いペースを読み切って、流れを味方に立ち回って4角でリードを広げた先行馬(ローエングリン、サンライズペガサス)と、後方からレースの上がりを1秒以上も上回る脚で追い上げた差し馬(テレグノシス)によるワンツー決着が続いている。いずれにせよ、先行チョイ差しの無難な戦法より、思い切った策で勝負に出る大胆さが功を奏している感がある。上位候補を絞り込むためには、そんな騎手の戦略力にも注目が必要といえそうだ。

<結論>
◎オースミグラスワン
○ダイワメジャー
▲ダンスインザムード
△アサクサデンエン
△カンパニー
注サクラメガワンダー
注マルカシェンク
注ローエングリン
注テレグノシス

流れを読んで早め抜け出しの策を試みてきそうなのが、外のダイワメジャー内のダンスインザムード。実績上位のこの2頭が勝ちきっても不思議ではないが、前者は東京コースでの脚の持続性に課題を残し、後者にも馬群を捌ききれないという一抹の不安がある。
そこで、先行するにせよ追いこむにせよ、ここは「思い切った策」に打って出る可能性が高い四位騎手オースミグラスワンに注目してみる。もとよりPCI50~60前後の競馬で最も好走例が多く(新潟大賞典優勝時のPCIが59.6)、脚の持続力を要求される流れへの適性は高い。太め残りだった前走からの上積みを加味すれば、この相手を向こうに回しても互角以上にやれる素地は十分とみた。
以下では、ゴール前もつれて混戦になった場合の決め手に魅力を感じるアサクサデンエンカンパニーサクラメガワンダーマルカシェンクの3歳勢は、古馬との初対決となるここが試金石といえそうだが、仕上がり次第でマークが必要だろう。

キルトクールは、NHKマイルの勝者ロジック。G1勝ちの勲章のおかげで、負担重量57キロを背負わされる羽目になったが、古馬初挑戦の3歳馬にとって、これはいかにも不利な条件。大柄な馬体で叩きつつ調子を上げるタイプかもしれず、今回に限ってはとりあえず様子見に徹するのが得策だろう。

10月 8, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (6)

2006/10/04

【超訳競馬ニュース】ターゲットにまっしぐら!

Silent_witness_defending_champ2日ごろ競馬を嗜まない一般人まで巻き込んで、ちょっとした社会現象の趣を呈していた今年の凱旋門賞。すでに各所で語り尽くされた感のあるこの話題や、ディープインパクトという競走馬に対して、今さら当ブログが付け加えることなど何もありません。強いてひとこと言うなら、当日、NHKの現地解説者に迎えられていた岡部さんが「まだ、まだまだっ!」とドラマティックなかけ声を発していたのが一番印象に残ったかなあと・・・・
海外競馬で日本馬が活躍するたび、不定期に掲載してきた「超訳競馬ニュース」の素材もあちこち探してみましたが、今回はあまり良いソースが見つかりませんでした。そんなわけで、凱旋門賞の話題を敢えてパス(汗)。ちょっと趣向を変えて、同日・中山競馬場で行われた国際G1・スプリンターズSの英語回顧記事を超訳してみることにしました。

原文は、JRAの英語版公式サイトに掲載されている10月1日付ニュース「RIGHT ON TARGET: Janiak captures Sprint Challenge title」からの引用です。翻訳ではなく、あくまで「超訳」ですから正確さは二の次。当ブログ管理人の憶測や願望まで、渾然一体と入り交じった怪しい日本語訳であることを、お断り申し上げます。
(写真は、昨年のスプリンターズSの精英大師です)

RIGHT ON TARGET: Janiak captures Sprint Challenge title

Takeover Target romped to the second Global Sprint Challenge title on Sunday afternoon, the Joseph Janiak-trained gelding winning the Grade 1 Sprinters Stakes at Nakayama Racecourse, Chiba Prefecture.
Favorite Target hit the wire two-and-a-half lengths ahead of Yuichi Fukunaga’s runner-up Meisho Bowler to cement his Sprint Challenge victory, collecting 20 points for a total of 53 points with one race remaining.
Target can cash in a US$ 1 million bonus if he wins the Hong Kong Sprint on Dec. 10, which would give him three G1 wins in three different countries

「ターゲットにまっしぐら!」 ジャニアック師、スプリントチャレンジタイトルを獲得

第2回グローバル・スプリント・チャレンジのタイトルを力でもぎ取るような圧勝劇だった。日曜日の午後、千葉県・中山競馬場で開催された国際G1競走・スプリンターズS。見事に勝利を収めたのは、テイクオーバーターゲットジョセフ・ジャニアック厩舎所属のせん馬である。
この日、1番人気に推されていたターゲットは、福永祐一騎乗のメイショウボーラー(2着)に2馬身半の着差をつけ、栄光のゴールへ。この勝利で20ポイントを獲得した同馬は、残り1戦を残しながらシリーズ通算53ポイントとなって、スプリント・チャレンジ優勝が確定した。これでもし12月の香港スプリントも制するとなれば、3カ国でG1レースを3勝した馬に授与される100万ドル・ボーナスのオマケまでついてくる。

“I knew he was 110 percent fit, I knew he’d give 110 percent because that’s what it would take to win this race because he’s up against the best,” Janiak said during the post-race press conference.
“As it turned out, the jockey put in a 110 percent ride and all in all, it turned out nice for us.”
Jockey Jay Ford turned in a bold performance aboard the 7-year-old Australian entry, jousting with inaugural Sprint Challenge champion Silent Witness for the lead early on and never looking back down the straight to tip the clock at 1 minute, 8.1 seconds in 1,200 meters.
“I’m very excited,” said Ford, who handed Target his 13th victory in 23 starts. “It’s good to see the horse come out, everyone seeing him at his best. The horse raced fantastic, and he showed that at the end of the day he was too strong.”

110%のデキまで仕上げられたと思うし、レースでも110%の力を出してくれたね。そこまで頑張らないと勝てないと思っていたけど、馬も期待に応えてよく頑張ったよ」ジャニアック師はレース後の記者会見で、そう語った。「ジョッキーも110%の完璧な騎乗だった。こんな風にすべて条件が揃って、今日の好結果に繋がったんだと思う」
手綱を取ったジェイ・フォード騎手も、7歳の豪州馬を駆って実に大胆な騎乗ぶり。前半から初代スプリントチャレンジ王者・サイレントウィットネスと激しくハナを競り合う展開ながら、直線では、後方を一度も振り返ることなく一気に駆け抜けた。1200メートルの走破時計は、1分8秒1だった。
とても感動してます!」ターゲットが走った全23戦のうち13勝目の勝利をあげた騎手も、興奮を押さえきれない様子だ。「何より結果を出せたのが嬉しかったし、最高の競馬をお見せできたと思います。素晴らしいレースでした。結局、この馬が一番強かったんです!」

Hong Kong hero Witness came in fourth after a photo finish with long-shot Tagano Bastille. Benbaun, another gelding, rounded out the board in fifth.

“He’s on his way back,” said Witness’ trainer Tony Cruz, whose horse remains without a single win in five races this year.

She is Tosho, the second favorite and winner of the Grade 2 Centaur Stakes on Sept. 10, fizzled to eighth among the field of 16.

香港の英雄・サイレントウィットネスは、写真判定の結果、伏兵タガノバスティーユに足下をすくわれ4着という不本意な結果に。もう1頭のせん馬ベンバウンもラチ沿いから脚を伸ばしたが5着に終わった。
まだ復調途上だったしねえ・・・・」ウィットネスのトニー・クルーズ調教師は、そのように敗因を語っている。今シーズンこれで5戦目を消化した同馬、いまだ未勝利の足踏みが続いている。
9月の前哨戦・セントウルS(G2)を勝利し、2番人気に推されていたシーイズトウショウは、馬群のなかで伸びを欠いて失速。16頭中8着での入線だった。

Target and Witness set a furious first-half pace, clocking 32.7 seconds through the first three furlongs. Target rounded the final bend in front but showed no signs of slowing down, even on the Nakayama hill.
Target overcame an outside barrier (posted in No. 13) and a cut-up track, which had listed the turf to be in excellent condition despite light rain throughout the day.

あらためてレースを振り返ると、ターゲットとウィットネスが互いに競り合って、前半から激流のようなハイペースを刻んでいったのが、今年の特徴だ。前半3ハロンのラップは32秒7を記録。結局、最終コーナーを先頭で通過したのはターゲットのほうだったが、中山の急坂も何のその。その脚色は、ゴールまでまったく衰える気配を見せなかった。
ターゲットは、外枠からのスタート(13番枠だった)や、終日小雨の空模様でも絶好の状態を維持していた芝の高速馬場を克服したわけだが、そんな事実も、また特筆すべきだろう。

“We drew a bit awkward gate but this horse has good gate speed,” Ford said. “He’s just so strong, he tries every time.

“We were as confident as we could be. The horse definitely had improved off his last race in the Centaur Stakes, so we were going into the race confident that he would run well. We were confident, but there is always that fear.

“We were always going to ride our horse the same, regardless of where Silent Witness went. Our horse is a horse that likes to get in front and get going, so at the end of the day, it didn’t really faze us what happened. We were doing what we were always doing.”

「少し不利な枠順を引いてしまったけれど、この馬はゲートが上手ですからね」「彼はほんとうに強い馬だし、本当にいつでも頑張ってくれるんです」フォード騎手はそう語っている。
「自信はありましたよ。前走のセントウルS当時より馬の状態はグンと良化していたし、自信を持ってレースに臨めました。もちろん自信はあったけど、だからこそ慎重にいかなくちゃ、とも考えていました」
「サイレントウィットネスの位置取りを気にせず、いつもと同じ競馬ができればと考えていました。ターゲットは、ちょっと気性が前向きすぎて行きたがることもあるけれど、今日は慌てるような場面もありませんでした。そう、普段着の競馬ができたのが、今日の勝因ですね」

10月 4, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006/10/01

【スプリンターズS】短距離戦線のレベル低下を考える

Silent_witness_defending_champ秋のJRA・G1初戦へと施行時期が繰り上げられて7年目。かつて師走の季節にレースが行われていた時代には、マイルCSから参戦してきた一流マイラーの活躍が目立ったものだが、開催日程の変更後は、そもそも安田記念上位組の出走例が殆ど無くなってしまった。今ではその名のとおり、スプリント専業の馬たちによる争いの構図が定着した感がある。
一流マイラーたちがこのレースを敬遠するようになった理由は、まだ施行時期が早すぎること。これに尽きる。オープン級のマイラーを管理する陣営にとって、9月末の本番を目標に仕上げのスケジュールを逆算するなら、まだ暑さの残る時期からの始動を避けられないが、それでは天皇賞やマイルCSまで体調の維持が難しくなる。まして暮れの香港挑戦まで視野に入るほどの馬なら尚更のこと、無理はできないだろう。結果、このレースを目標にするのは、後顧の憂いをあまり考える必要のない短距離馬ばかりになって、秋のスプリント・マイル両戦線の色分けは、ハッキリとした境界線で仕切られることになった。

そんな傾向は年を追うごとに強くなっているように思えるが、サマースプリントシリーズによる芝千二重賞が整備された今年からは、夏場の重賞を目一杯使いつつ賞金を加算し、最終目標としてこの大一番に駒を進めるというローテーション選択も可能となった。この番組変更が今年以降、マイラー・スプリンターの分業化傾向に一層拍車をかけるのは必至だが、そのこと自体、主催者JRAの意図に沿うものといってよい。
だが、分業化によるマイラーの排除が、スプリント路線における一流馬の層の薄さという予期せぬ結果を生み、全体として短距離重賞のレベル低下をもたらしているのも、また事実だろう。今年のスプリンターズSの結果を占ううえでも、この傾向を安易に看過することはできない。

たとえば、サマースプリントシリーズの5戦。優勝したのはすべて牝馬で、うち3頭が条件クラスからの格上挑戦だったという結果をどう考えるべきか?確かに「夏は牝馬・格より調子」というけれど、牡馬の一線級スプリンター不在という問題の深刻さを、浮き彫りにしているようにも思える。また、ブルーショットガンネイティヴハートといった大ベテランが、いまだにこの条件だとソコソコ健闘できるのも、彼らを凌駕する若い世代がなかなか台頭してこないからこそ、と解釈することも可能だ。
今年のスプリンターズSの出走馬を見渡してみても、本来ならここで主役を務めるべき4歳世代の出走が1頭もみられず寂しい印象を禁じ得ないが、この事実ひとつとってみても、わが国のスプリント戦線の低迷は、構造的に根深いところまで来てしまったのかもしれない。

なかなか意気の上がらない日本勢とは対照的に、グローバル・スプリント・チャレンジ優勝や、このレースの連覇をかけ乗り込んでくる外国馬陣営は、そもそもモチベーションからして違っている。海の向こうで、日本調教馬の歴史的快挙達成なるか?!が注目される日曜日。目を国内の短距離王決定戦に転じてみれば、外国勢による上位独占という皮肉な結果が待ち受けていそうな予感が強くなる。

<結論>
◎サイレントウィットネス(香港)
○テイクオーバーターゲット(豪州)
▲レザーク (英国)
△ベンバウン(英国)
△シーイズトウショウ
注ブルーショットガン
注オレハマッテルゼ

春シーズンは未勝利と不本意な結果が続いたディフェンディング王者・精英大師。ウイルス感染という予期せぬアクシデントによる体調不安がその原因とのことだが、休み明けと距離千六だった2戦を除けば、首位とは僅差の競馬。570~80キロ台の重め残りの状態だったことまで考慮すれば、世界最強の称号に傷がついたわけでもない。
昨年の優勝時。馬の強さにも驚かされたが、それ以上に強く印象に残ったのが、王者の能力を100%引き出すべく、隅々まで心づかいを行き届かせていた厩舎スタッフとコーツィー騎手の仕事ぶりである(回顧エントリ参照)。チーム・サイレントウィットネスが自信をもって再び王者を送り込んでくる以上、敬意を払っての◎評価は当然だろう。

豪州のテイクオーバーターゲットは、英国のレザークに2度敗れているけれど、明らかに余裕残しの造りだった前走で、日本の高速馬場への対応力を既に証明済み。欧州調教馬不振の傾向も踏まえるなら、やはりこちらを上位に取るべきだろう。とはいえ、一瞬の決め手に欠く脚質や、いかにも精英大師の目標にされそうな枠順・展開から、勝ちきるまでの評価を与えるのは疑問で、ここは本命に近い連軸候補というところに落ち着きそう。以下では英国調教馬の2頭も、低レベルの日本馬より上位の評価になる。

日本馬から上位候補を選ぶなら、やはりシーイズトウショウが筆頭だろうか?昨年と比べ体調面が雲泥の差なのが幸いしているし、デュランダルとのコンビでこのレースを3年連続連対している池添騎手の奮闘も期待したいところ。北海道シリーズで馬群を捌ききれなかったブルーショットガンや、春の覇者オレハマッテルゼあたりもマークは必要と思うが、さすがに首位候補というイメージまでは湧いてこない。

キルトクールには、チアフルスマイルを指名。
中山の芝が一気に高速化した02年以降、芝千二の16頭フルゲートで大外枠だった馬の戦績は「1-2-4-74」(連対率3.7%) いかにも中山向きの瞬発力を備えた同馬でも、外外を回されるこの枠順では、不利を免れないだろう。

10月 1, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (11)