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2006/09/24

【オールカマー】持久力の絶対値が問われる消耗戦

Cosmo_bulk_at_the_last_years_jc秋の中山名物・伝統のG2戦だが、例年10頭以下の小頭数で争われることが多く、基本的なトレンドは先行有利の一言に尽きる。中山コースで施行された過去5回のオールカマーを対象に、各コーナーでの位置取り別の成績を洗い直してみると、1コーナーで4番手以内の好位をキープできた馬が5勝・2着4回と、ほぼ連対圏を独占。4角でのポジションなら、5勝・2着3回を記録している3番手以内まで位置取りを押し上げていることが、勝利の絶対条件だ。
雨の多い季節のレースだけに馬場が渋っていることも多く、過去5戦(新潟代替開催の02年は除く)のうち3戦までが重・稍重馬場でのレースだった。そのせいで差しが届かず前残り決着になったという見方もあるのだろうが、おそらく理由はそれだけでない。

道中のラップ推移を確認してみると、ほぼ毎年、残り4~5ハロンの地点から各馬のペースアップが始まり、息の入らない厳しい流れになっている。良馬場なら、3角付近からゴールまでおよそ1000メートルにわたって、11秒~12秒台前半の淀みないラップが連続する展開だ。レースの後半になっても、先行勢がこれだけ速いペースで引っ張ってしまうと、後方に位置していた組も外を回して差を詰めることは難しく、結果的にはなし崩しに脚を使わされてしまう。つまり、中距離戦にありがちなスローペースの決め手勝負ではなく、持久力の絶対値を問う消耗戦になって、道中の着順があまり入れ替わることなく、各馬がゴールになだれ込む決着が繰り返される。それが、中山・外回りを舞台としているG2重賞の正体だろう。
血統面からそんな傾向を裏づけるのが、サンデーサイレンス直子の不振である。

中山開催の過去5回のレースでは、かろうじて3着に食い込んだ馬が2頭(01年サイレントセイバー・05年エルノヴァ)いるだけで、連対実績はゼロ。勝馬はすべて、ズルズルとした持久力が持ち味のノーザンダンサー系だったのが興味深い。2着もどちらかといえば、スタミナ色の強い顔ぶれで、サンデー系ではダンスインザダーク産駒のステイヤー・ファストタテヤマが03年に2着しているのが最高の成績である。一方、それとは対照的に新潟代替開催だった02年はサンデー直子がワンツー・フィニッシュを飾っている。新潟の外回りらしいラスト3ハロンの決め手比べに終始したこの年は、近年のオールカマーとは明らかに質を異にした競走だったと結論づけてよいだろう。

さて、今年のレースは、珍しく15頭立ての多頭数で争われることになった。
バランスオブゲームメジロマントル、さらにはコスモバルクと先行勢が揃って、外枠のエアシェイディも早め早めに動いていく展開が、当然のごとく目に浮かぶ。こうなるとレース前半はともかく、残り1000メートル地点から例年と同様の消耗戦が再現されるのは必至。直線まで決め手を温存したいタイプにとっては、厳しい流れになるのだろう。
だが、中山の急坂が影響するせいか、さすがの先行勢も残り1ハロンの地点からは脚色が鈍化する。良馬場ならば、最後の最後で0.5秒程度のペースダウンは避けられない。可能性は僅かでもそこに差し馬の付けいる余地がある。厳しい流れを4角である程度の位置まで押し上げている脚力があるタイプなら、2~3着争いの有力候補としてマークを欠かすべきではないだろう。

<結論>
◎コスモバルク
○ディアデラノビア
△スウィフトカレント
△ヴィータローザ
注バランスオブゲーム

2年前の秋、今回と同じ舞台の中山・外回りコースで、道中折り合いを欠きながら驚異のレコード勝ちを記録しているコスモバルク。厳しい条件だった初戦を叩いて秋2戦目というステップが当時と共通しており、こと今回に関しては大いに注目が必要だ。中距離の消耗戦で勝負根性の有無が問われる展開になれば、タップダンスシチーが現役を去った今、おそらくこの馬の右に出る存在はいない。「体調はこれまでにないくらいで気合も申し分ない」と田部調教師も太鼓判を押すなら、62キロの酷量を背負った前走は度外視だろう。前日売り単勝オッズは5倍を超える水準で推移しており、これなら、配当妙味も十分な本命馬と判断できる。

悩ましいのは、この馬の相手探し。上位人気馬のほとんどがオールカマーで不振のサンデー産駒だが、かといって人気薄の伏兵が台頭しそうなムードも薄い。とりあえず新潟好走組の△2頭よりも、血統・実績からスタミナ色が強いディアデラノビアに注目しているが、昨年もこれとよく似たタイプのエルノヴァが惜しい3着に終わっている。過度な期待は禁物だろうし、馬券的には◎の単勝本線が正解だろう。
一方、ノーザン系の伏兵バランスオブゲームは、脚質・血統こそ悪くないが、淡々としたスローに持ち込むことが好走条件。スタミナ・底力を問う展開になると、いかにも分が悪い印象を免れない。格上挑戦ドリームパートナーも、脚質的にここでは不器用すぎる感がある。

と、あれこれ迷った結論として、キルトクールには、前日売り1番人気のエアシェイディを指名してみた。サンダー×ノーザンテーストの配合は、消耗戦のここではいかにも軽すぎる印象だし、人気を背負って外枠からスタートとなれば、後藤騎手も早め早めのスパートを意識せざるを得ない。ゴール前、差し馬の餌食になるのは、えてしてこんなタイプだろうし、少なくとも2年前のセントライト記念でコスモバルクに付けられた着差を逆転するのは困難とジャッジしたい。

9月 24, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

ご無沙汰しておりますー
相変わらずの鋭い分析に感服するばかりです。
私の◎がキルトクール指名されてるしw
あれから色々波乱の人生歩んでおりますが無事生きてますのでご報告まで。
それではまた!

追伸 凱旋門賞行ってきます!

投稿: ほはてい | 2006/09/24 13:14:40

>ほほていさん

何年ぶりになるんでしょうか?!お久しぶりです。いよいよ待望の復活ですね!
blogのほうも早速拝見しましたが、トライアンフも健在で、ちょっと興奮しております。

>追伸 凱旋門賞行ってきます!

羨ましいです。帰国後は、是非府中開催でご一緒しましょう。


投稿: 山城守 | 2006/09/24 13:51:32

おお、見事3連複で的中ですね。
おめでとうございます。
私の◎は5着orz
過去レースの厳しい流れを指数化してみたいところですがまだまだ難しいです。
府中で同窓会wとかして見たいですね
それではまた!

投稿: ほはてい | 2006/09/24 16:32:43

>ほはていさん

>おお、見事3連複で的中ですね。

いや。エントリにも書いたように、バルクの単勝本線だったもので、実馬券はかろうじて押さえていた馬連的中のみです。悔やまれるハナ差でしたが、レースそのものは見どころ満載で満足しております。馬券の負けは、夕方からのパチンコ出勤で取り戻してきました(汗)昔と同様、あまり進歩のない生活を繰り返しております。

>府中で同窓会wとかして見たいですね

あの伝説の会議室OBで、現役ブロガーとして健在なのは、雲國齋さんくらいかな?
と思いながらネット界隈をググってみたら、偶然にも論愚阿来無さんのHPを発見してしました(^^) ブログではありませんが、キーワード「万馬券の兵法」でヒットするはずです。

仏国の旅打ち、楽しんできてください。ではでは。

投稿: 山城守 | 2006/09/25 0:25:29

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