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2006/09/24

【オールカマー】持久力の絶対値が問われる消耗戦

Cosmo_bulk_at_the_last_years_jc秋の中山名物・伝統のG2戦だが、例年10頭以下の小頭数で争われることが多く、基本的なトレンドは先行有利の一言に尽きる。中山コースで施行された過去5回のオールカマーを対象に、各コーナーでの位置取り別の成績を洗い直してみると、1コーナーで4番手以内の好位をキープできた馬が5勝・2着4回と、ほぼ連対圏を独占。4角でのポジションなら、5勝・2着3回を記録している3番手以内まで位置取りを押し上げていることが、勝利の絶対条件だ。
雨の多い季節のレースだけに馬場が渋っていることも多く、過去5戦(新潟代替開催の02年は除く)のうち3戦までが重・稍重馬場でのレースだった。そのせいで差しが届かず前残り決着になったという見方もあるのだろうが、おそらく理由はそれだけでない。

道中のラップ推移を確認してみると、ほぼ毎年、残り4~5ハロンの地点から各馬のペースアップが始まり、息の入らない厳しい流れになっている。良馬場なら、3角付近からゴールまでおよそ1000メートルにわたって、11秒~12秒台前半の淀みないラップが連続する展開だ。レースの後半になっても、先行勢がこれだけ速いペースで引っ張ってしまうと、後方に位置していた組も外を回して差を詰めることは難しく、結果的にはなし崩しに脚を使わされてしまう。つまり、中距離戦にありがちなスローペースの決め手勝負ではなく、持久力の絶対値を問う消耗戦になって、道中の着順があまり入れ替わることなく、各馬がゴールになだれ込む決着が繰り返される。それが、中山・外回りを舞台としているG2重賞の正体だろう。
血統面からそんな傾向を裏づけるのが、サンデーサイレンス直子の不振である。

中山開催の過去5回のレースでは、かろうじて3着に食い込んだ馬が2頭(01年サイレントセイバー・05年エルノヴァ)いるだけで、連対実績はゼロ。勝馬はすべて、ズルズルとした持久力が持ち味のノーザンダンサー系だったのが興味深い。2着もどちらかといえば、スタミナ色の強い顔ぶれで、サンデー系ではダンスインザダーク産駒のステイヤー・ファストタテヤマが03年に2着しているのが最高の成績である。一方、それとは対照的に新潟代替開催だった02年はサンデー直子がワンツー・フィニッシュを飾っている。新潟の外回りらしいラスト3ハロンの決め手比べに終始したこの年は、近年のオールカマーとは明らかに質を異にした競走だったと結論づけてよいだろう。

さて、今年のレースは、珍しく15頭立ての多頭数で争われることになった。
バランスオブゲームメジロマントル、さらにはコスモバルクと先行勢が揃って、外枠のエアシェイディも早め早めに動いていく展開が、当然のごとく目に浮かぶ。こうなるとレース前半はともかく、残り1000メートル地点から例年と同様の消耗戦が再現されるのは必至。直線まで決め手を温存したいタイプにとっては、厳しい流れになるのだろう。
だが、中山の急坂が影響するせいか、さすがの先行勢も残り1ハロンの地点からは脚色が鈍化する。良馬場ならば、最後の最後で0.5秒程度のペースダウンは避けられない。可能性は僅かでもそこに差し馬の付けいる余地がある。厳しい流れを4角である程度の位置まで押し上げている脚力があるタイプなら、2~3着争いの有力候補としてマークを欠かすべきではないだろう。

<結論>
◎コスモバルク
○ディアデラノビア
△スウィフトカレント
△ヴィータローザ
注バランスオブゲーム

2年前の秋、今回と同じ舞台の中山・外回りコースで、道中折り合いを欠きながら驚異のレコード勝ちを記録しているコスモバルク。厳しい条件だった初戦を叩いて秋2戦目というステップが当時と共通しており、こと今回に関しては大いに注目が必要だ。中距離の消耗戦で勝負根性の有無が問われる展開になれば、タップダンスシチーが現役を去った今、おそらくこの馬の右に出る存在はいない。「体調はこれまでにないくらいで気合も申し分ない」と田部調教師も太鼓判を押すなら、62キロの酷量を背負った前走は度外視だろう。前日売り単勝オッズは5倍を超える水準で推移しており、これなら、配当妙味も十分な本命馬と判断できる。

悩ましいのは、この馬の相手探し。上位人気馬のほとんどがオールカマーで不振のサンデー産駒だが、かといって人気薄の伏兵が台頭しそうなムードも薄い。とりあえず新潟好走組の△2頭よりも、血統・実績からスタミナ色が強いディアデラノビアに注目しているが、昨年もこれとよく似たタイプのエルノヴァが惜しい3着に終わっている。過度な期待は禁物だろうし、馬券的には◎の単勝本線が正解だろう。
一方、ノーザン系の伏兵バランスオブゲームは、脚質・血統こそ悪くないが、淡々としたスローに持ち込むことが好走条件。スタミナ・底力を問う展開になると、いかにも分が悪い印象を免れない。格上挑戦ドリームパートナーも、脚質的にここでは不器用すぎる感がある。

と、あれこれ迷った結論として、キルトクールには、前日売り1番人気のエアシェイディを指名してみた。サンダー×ノーザンテーストの配合は、消耗戦のここではいかにも軽すぎる印象だし、人気を背負って外枠からスタートとなれば、後藤騎手も早め早めのスパートを意識せざるを得ない。ゴール前、差し馬の餌食になるのは、えてしてこんなタイプだろうし、少なくとも2年前のセントライト記念でコスモバルクに付けられた着差を逆転するのは困難とジャッジしたい。

9月 24, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (8)

2006/09/20

【山中千尋】叩き2枚目で本領発揮!

Lach_doch_mal_by_chihiro_yamanakaジャズ界の最強牝馬・山中千尋が放つ約1年ぶりのオリジナル・アルバム。昨秋にユニバーサル・レーベルに移籍してメジャーデビュー後、第2作にあたる本作に対しては、早くも各所から最高傑作!との呼び声もかかっているようだ。アルバム・タイトル「ラッハ・ドッホ・マール」とは、ドイツ語で「とにかく笑おう」という意味。思わずウルフルズのあの歌を思い浮かべてしまうけれど、中身は紛れもない本格的ジャズピアノトリオ作品である。恒例になっていた、日本の名曲カバー(中島みゆきとか、はじめ人間ギャートルズとか、ペギー葉山の学生時代など)も、今作では収録されていない。

初回限定盤のみの特典として、彼女の演奏シーンを収録したDVDがグリコおまけとして付いてくる。それを楽しみに、当ブログ管理人も発売当日に近所のCD店でいそいそと購入してきたわけだが、お家に帰ってパッケージを開封してみると、なぜか肝心のDVDが見あたらない。「何故だぁ?!」と思い、CDの現物をしげしげと観察してみると、そこにはしっかりと「通常盤」のシールが貼り付けられている・・・我ながら、この引きの弱さよ!思わず唖然としてしまうばかりである。

しかし、CDで聴ける演奏のほうは、評判に違わず素晴らしい。
山中千尋といえば、その容貌や、澤野工房からのデビュー当時に名付けられた「ピアノの歌姫」という異名が象徴するように、叙情的な歌心あふれる演奏というイメージで語られることが多いけれど、実際にライブ演奏を目の当たりにしてみると、そんな軟弱な印象は木っ端微塵に吹き飛ばされてしまう。踊る筋肉に飛び散る汗。いったいあの華奢な身体のどこに動力源があるかと訝ってしまうほどのスピードとダイナミズム。それこそが彼女の演奏の真骨頂だ。

競馬に例えるなら、芝の中距離戦を牝馬らしい一瞬のキレで差しきるタイプというよりも、中山のダート千二でテンからガリガリと押していくあの感じに近い。とにかくスピードの絶対値が違うのだ。血統的には良血のサンデー系ではなく、むしろ身体能力の高いミスプロ系のノリだろう。だが、けっして一本調子ではなく、奥深い底力の裏づけやスケール感も漂わせているあたりは、母系に入っているリボー系の為せる技だろうか?(嘘)

前作を含む過去の作品では、ややもすると熱いライブ演奏とクールなスタジオ録音との間に、ちょっとした温度差のようなものが感じられたものだが、今度の新譜ではそれが確実に縮まっている。本作に収録されている山中オリジナルの「2」や、ジェリ・アレンの「4」、マッコイ・タイナーの「10」などでは、これぞ山中千尋!というべきダイナミズムが爆発しており、まるで筋肉の躍動を間近で見せつけるかのような演奏に思わず手に汗を握ってしまう。ピアノを電子楽器に持ち替えてソリッドな演奏を披露する「7」から、ラグタイム風のレトロな味付けでいながら、ピアノの一音一音が確信に満ちあふれた音色で彩られた「8」に至る流れも、今作の聴きどころと言うべきだろう。録音が良いのも特筆もので、真夜中に比較的小さな音量で再生しても、演奏の迫力が失われないところがまたよい。

メジャーデビューの直後で、イントロデューシング・チヒロヤマナカに終始した感のある前作と比べても、今作の完成度は数段上のレベルにある。初戦を叩いて確実に良化を示した感が強い今回の新譜。ジャズに興味が薄い方にも自信をもってお薦めできる一枚で、ひとりでも多くの人に耳にしてほしいと切に願う。

9月 20, 2006 音楽 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/09/19

【ダービーGP回顧】夢の続きはまだ終わらない

Ohshu_crown_at_derby_grandprix_2006期待が大きかった分、その見返りとしての落胆も小さくはなかった。JRA2頭が激しい叩きあいを演じながらゴール板を通過した瞬間、オーロパークの各所から、思わずため息や嘆きの声が漏れ出した。第21回ダービーグランプリ(交流G1)・・・・JRA2騎を懸命に追撃したサイレントエクセルは「板垣、板垣っ!」の声援も空しく、3着まで食い込むのが精一杯。一方、単勝2番人気で挑んだオウシュウクラウンは、直線に入ると早々と力尽きて7着と不本意な結果に終わった。JRA勢の壁は今年も厚く、岩手県勢にとっては苦難と屈辱の歴史が、またも繰り返されてしまった。

スタートのタイミングが今ひとつだったこと。それがために終始コーナーで外・外を回される不利な形になってしまったこと。楽に先行していたバンブーエールに鈴をつける馬が現れず、前が止まらない展開に泣かされたことなどなど。地元の期待を一身に背負ったオウシュウクラウンにとって、敗因を探せばそんな材料をいくらでも拾い上げることができる。とはいえ、所詮それも言い訳や泣き言に過ぎない。敢えて言わせてもらえば、完膚無きまでの力負け。今回の敗戦に関しては、何ら弁解の余地はないと評さざるを得ないだろう。1着でゴールを駆け抜けたマンオブパーサーの3馬身半先には、休養中のあの白い怪物が控えている。名実ともにダート界の頂点に立つために、乗り越えなければならない壁はまだまだ高い。

だが、その一方でこの評判馬が、奥州王冠の名に恥じぬほど素晴らしい素質を秘めた大器であると感じたのもまた事実だ。いかにも見栄えする漆黒の馬体が、パドックの外周を一杯に使いながら悠然と歩を進めるその姿からは、昨年のカネヒキリに優るとも劣らないスケール感が漂っていたし、父ジェイドロバリーという血統背景から、まだまだ良くなる余地も大きそう。ひとことで言うなら、他の岩手所属馬とは競走馬としてのグレードが違っている。今回の敗戦を糧に、まだひと皮もふた皮も剥けてきそうなムードは確かにあって、来年・再来年あたりに大仕事をやってのけそうな予感がした。オウシュウクラウンは、けしてこのままで終わる馬ではない

思い起こせば、あのメイセイオペラでさえ、破竹の9連勝で臨んだダービーGPで2番人気の10着と、全国区の強豪に一度は屈した屈辱の過去がある(97年)。その後、同年の桐花賞制覇を振り出しに再び復活の狼煙を上げ、川崎記念4着・帝王賞3着・南部杯優勝とG1でのキャリアを重ねながら、クライマックスというべき冬の府中で持てる素質が大きく開花した。オウシュウクラウンには、そんな大先輩の足跡をなぞるような息の長い活躍を、是非とも期待したいもの。小林俊彦騎手ともども、ぜひぜひ捲土重来を期待したい。

9月 19, 2006 岩手競馬, 旅打ちコラム, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (3)

2006/09/18

【ダービーGP】今年こそ!艱難辛苦の歴史にピリオドを

Kobayasi_toshihiko_j全国指定交流競走として、JRA勢の出走に門戸を開いてから10年。今では初秋の盛岡競馬を沸かすダート最強馬決定戦として、すっかり定着した感のあるダービーグランプリ(交流G1)だが、その歴史は、地元岩手に籍を置く競走馬にとって苦難と屈辱の連続であったといってよい。
96年のイシノサンデーから昨年のカネヒキリまで、この10年間、優勝の栄誉に浴しているのは、すべてJRA勢。2着争いも、他地区に所属する地方馬2頭(97年船橋フドオー、00年笠松ミツアキサイレンス)が、かろうじて連対を確保しているものの、残る8年間はすべてJRA勢による寡占状態だ。これらに対し、地元・岩手勢の戦績はといえば、00年~01年に2年連続して3着(00年トニージェント、01年バンケーティング)があるものの、JRA勢の高い壁に挑戦しては跳ね返されるという歯がゆい結果が続いてきた。このレースに優勝したJRA勢の顔ぶれを思い起こすと、テイエムメガトンとか、ムガムチュウなど、正直G1馬としてのイメージがあまり沸いてこない名前も含まれているが、その程度の馬にさえ勝てなかったのだ・・・・。この10年の間、岩手競馬はメイセイオペラトーホウエンペラーと全国区でも通用するG1馬を輩出しているが、ことダービーグランプリに関していうなら、岩手が誇る強い馬づくりの伝統と実績も、まったく通用していない。
残念なことに、この傾向は年を追うごとに強くなっているようで、地元勢が掲示板にすら乗れない近年の不振ぶりは目を覆うばかりである。売上げの低下→賞金の引き下げ→入厩馬のレベルダウンという負のスパイラルが、こうした傾向に拍車をかけている一面もあるのだろう。菅原勲・小林俊彦ら地元コースを知り尽くした名手が秘術の限りを尽くしても、競走馬そのもののレベル差は如何ともしがたく、打倒JRAの大目標は、見果てぬ夢に終わるのかと思われていた・・・・。

ところが、今年は様相が一変、地元所属馬にとっては千載一遇のチャンスが到来しそうな予感がする。岩手から主役候補の一角として名を連ねるのは、ご存じジャパンダートダービー3着馬オウシュウクラウンに、史上最強牝馬の呼び声もかかるサイレントエクセル。待望久しいスター候補が揃って、この大一番に駒をすすめてきたのだ。なるほど、フラムドパシオンやフレンドシップなど大駒を欠くJRA勢が例年より小粒という事情もあるけれど、この2頭ならば、少なくとも過去10年の汚名をそそぐ好走を期待できるのではないか?そんなムードが少しづつ芽生えているように感じられる。

船橋在厩時とは馬が違う」そんな評判が掛け値なしに感じられるほど、岩手復帰後の充実ぶりが凄いオウシュウクラウン。5月以降、前述したJDD遠征を除けば、地元では負け知らず。特に圧巻だったのが、4走前の岩手ダービー・ダイヤモンドカップで、2着との着差は1馬身3/4でも、終始持ったまま後続を子供扱いしてみせた勝ちっぷりには、ちょっとした風格さえ感じられたものだ。各所で公にされているレーティングやスピード指数の比較では、今年のJRA勢上位陣とほぼ互角の評価が与えられており、地の利を生かせば、一気にG1奪取も夢ではないだろう。

もう1頭のサイレントエクセルも、なかなか強い牝馬である。ダイヤモンドカップでオウシュウクラウンには歯が立たなかったけれど、その後は無傷の3連勝。自在性あふれる脚質と勝負根性には非凡なものがあり、血統的にも、小倉2歳Sでブルーコンコルドを負かしたメイプルロードの半妹にあたるなど、穴っぽい雰囲気が横溢している。そういえば、サウスニアの04年募集馬に、この馬の半妹メイプルダンス’04(競走馬名トゥルーノース)がいた。そんな意味でも当ブログ管理人にとっては、ちょっと活躍を期待したくなる1頭である。

さて、久々となる地元勢の好機到来に、決戦の地もさぞや盛り上がっていることだろうと期待しつつ、盛岡駅周辺で専門紙を物色してみたが、意外や意外、E紙やK紙が本命に推しているのはJRA所属のナイキアースワーク・・・・_| ̄|○
オウシュウクラウンの評価はといえば、むしろ○や▲△といった控えめな印が並ぶばかりで、サイレントエクセルも△の印が精一杯といったところだ。おいおいそれはないだろ!と思うのだが、期待しては裏切られ続けた10年の歴史の重さ・トラウマが、印を打つトラックマンの心理にも微妙に陰を落としているのだろうか。そんな呪縛を振り払う激走を、岩手代表の両頭には期待したいものだ。オーロパークを駆け抜けろ!オウシュウクラウン、サイレントエクセル!

<結論>
◎オウシュウクラウン
○サイレントエクセル
▲シルクウィザード
△バンブーエール
注マンオブパーサー
注ナイキアースワーク

たぶんに心情的応援の色合いが強い予想であることは否定しないけれど、指数の比較で差がなければ、地の利というファクターに注目する価値はある。オウシュウクラウンの単勝狙いに妙味はないものの、過去の傾向・対策からはありえない岩手勢のワン・ツー決着による夢馬券なら配当的にも期待は十分だろう。ダイヤモンドカップ当日、水沢競馬場に来場していたフサイチの社長が、この日もオーロパークにゲストとしてやって来ることからも、岩手ダービーの再現をこっそり期待してみたい。

地元勢の前に立ち塞がる強敵は、ユニコーンS・JDD組よりも、北海道シリーズで手強い古馬を強い競馬でねじ伏せてきた左回り巧者シルクウィザードバンブーエールの堅実さも捨てがたいが、力で圧倒する場面があるなら、むしろこちらのほうに軍配が上がりそう。

キルトクールは、ヤマタケゴールデン。関屋記念のパドックでその姿を目の当たりにしたけれど、ハッキリ言って、たいした馬じゃなかった。新潟のG3で16着に終わって馬が、仮にもG1で上位に来るようでは、このレースの看板にも傷が付くというものだろう。

9月 18, 2006 岩手競馬, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (3) | トラックバック (11)

2006/09/17

【セントライト記念】前走ダービー組は「着差」が肝心

Fusaichi_junk_at_satsukisho_gate_maeダービー組を筆頭とした春の実績馬に、夏競馬の条件戦を使われてきた上がり馬が挑戦。それがセントライト記念の基本構図なのだが、本来ならここで主役を張るべきダービー組の戦績が、案外とパッとしない。過去10年分のレースデータ(他場代替開催だった02年を除く)を振り返ってみると、前走でダービーに出走していた延べ19頭が、秋初戦をここから始動しているが、着順は「2-3-3-11」(連対率26%) 2走前にダービーに出走していた馬(97年エアガッツ3着・04年コスモバルク1着)の記録まで加算すると、確かに連対率は多少良くなるけれど、不動の中心というには些か心許ない水準である。
そもそも菊花賞で上位を狙うほどの有力馬は、関西圏で施行される神戸新聞杯からの始動を選択するのが通例。となると、同じG2トライアルとはいえ、わざわざ関東のセントライト記念に矛先を向けるダービー組のレベル自体、それほど高くはないのでは?という推論も成り立つだろう。実際、過去10年この前哨戦に登場した前走ダービー組のうち、ダービーでも掲示板に乗っていた実績上位馬が5頭ほどいたが、昨年はアドマイヤフジ(ダービー4着→セントライト4着)・マイネルレコルト(ダービー5着→セントライト9着)が揃いも揃って条件馬の後塵を拝するという凡走を演じている。これではダービー入着の看板も、すっかりメッキがはげてしまったと言わざるを得ない。
とはいえ、着順はともかくダービーで優勝馬から1秒以内の着差に食い込み健闘していた馬たちに限っていうなら、セントライト記念でも優勝1回・2~4着がそれぞれ2回・着外ゼロと、一応の面目を保った成績を残している。これに対しダービーで首位から1秒を超える決定的着差をつけられた馬たちは、ここでも「1-1-1-9」(連対率17%)と苦しい成績に終わっているわけで、そこから前走ダービー組のレベル判定は着順よりも着差が重要という仮説を立てることもできるだろう。

そう思いついてみると、なるほど、前述のアドマイヤフジ・マイネルレコルトも、ダービーでは先頭から1秒3~4遅れで入着していたという事実に突き当たる。相手はあのディープインパクトだったのだから、情状酌量の余地もあるだろうが、結果は結果である。「ダービーで大きく離されていた実績馬は、秋初戦のセントライトで過信禁物」 
ひとまずはこの教訓を念頭に置いて、次の分析に進んでいこう。

過去10年のレースデータを眺めてもう一つ気がつくのは、前走・条件戦の上がり馬が、昔ほど活躍できなくなっている傾向だ。条件戦からの格上挑戦でこのレースに優勝したのは、00年のアドマイヤボス(前走・知床特別500万下1着)が最後。以降、昨年のフサイチアウステルなど2着のケースはあっても、首位には手が届いていない。こんな傾向が出てきた背景には、00年以降、菊花賞の施行時期が繰り上げられたのに対応し、春の実績馬が従来以上に臨戦態勢を整え秋初戦に参戦するようになった事情などが影響しているのかもしれない。
いずれにせよ、道悪などの紛れがないかぎり、上がり馬が上位に食い込むためには、少なくとも前走・1000万下以上のクラスで連対という実績が要求されるようになった。前述したアドマイヤボスのケースは500万下からの3階級特進だったが、その前走・知床特別が超のつくハイレベルな競馬だった(1着は次走で神戸新聞杯勝ちのフサイチソニック)。夏の上がり馬とはいえ、昇級とともに徐々に勢いを失いつつあるタイプでは、さすがに通用しないものと心得ておきたい。

<結論>
◎キストゥヘヴン
○ミレニアムウイング
▲フサイチジャンク
△インテレット
注マツリダゴッホ
注トウショウシロッコ

前走・ダービー組の出走は2頭。このうち注目株は、やはりフサイチジャンクになるが、皐月賞2着の実績はともかく、ダービーでメイショウサムソンにつけられた着差1秒5というのが、やはり気がかりだ。確かに春のG1に比べ相手は大幅に弱化するけれど、デビュー以降4戦のレースぶりを思い起こしてみても、この馬自身、悪い意味で相手なりの競馬につき合ってしまう可能性も高い。はたまた、外を回す差し脚質で、年間を通じ最も高速化している今の中山の時計勝負にどこまで対応できるのか?考えてみればみるほど不安材料だらけの復帰戦とあっては、1番人気でも過信禁物と評さざるを得ない。少なくとも今回に限っては、▲の印が精一杯という評価になる。

前走ダービー組が評価できなければ、発走を少々転換してオークス組に注目という手もあるだろう。キストゥヘヴンは、府中の芝2400で最後ガス欠気味になってしまったが、それでも当時の走破時計2分26秒9は、フサイチジャンクが翌週に記録したタイムを2秒5も上回る水準である。カワカミプリンセスから付けられた着差は0秒7。馬場状態に差もあるので単純比較は禁物だが、オークスをダービーと読替えるなら、牡馬相手のここでも意外と面白い狙い目になる。そもそもフラワーカップ勝ち・桜花賞勝ちの勲章まで加味すれば、ここでは実績最上位と見立てることもできるだろう。

上がり馬勢の代表格なら、今年はやはりサドラーズ産駒の超良血ミレニアムウイングに期待したいところ。先行馬が踏ん張って連対圏に残ることが多い近年の傾向からも要注目だが、この大外枠がどうか?ダッシュを効かせるニシノアンサーを前半戦で深追いしすぎると、ゴール前で詰めの甘さをのぞかせる恐れもありとみて、対抗評価どまりとした。
以下では、春の実績上位馬と前走・1000万下クラスで連対実績を残している馬たちにも目配りしておきたい。

キルトクールは人気薄指名で恐縮だが、森厩舎のトロフィーディール。新潟夏開催の馬券でお世話になった1頭だが、前走でやや状態が下降線に入ったようにも感じられたので無印評価とした。

9月 17, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (9)

2006/09/14

【サウスニア】初勝利は「小枝節」に乗って

Grand_mission_asahikawa_v■グランドミッション  牡3
(当ブログひとくち出資馬)
栗東・角居勝彦厩舎所属
父 Tale of the Cat
母父 オジジアン
9月13日 旭川競馬第8競走
ボルックス特別(交流)1着



6月の函館デビュー戦(ダート千七)ではタイムオーバーの大差しんがり負け、一転して芝の短距離に挑戦した札幌の2戦目(芝千二)でも見どころを作れず終い。それ以降も、クラブから伝わってくる近況といえば、「ソエの進行を食い止めながら我慢の稽古」に終始という冴えないもの。JRAの未勝利戦終了のタイミングが近づいたこの時期、果たして初勝利のチャンスは訪れるのか?と、出資者の気をさんざん揉ませてくれた愛馬グランドミッション。だが、3戦目にして遂にやってくれました。9月13日の道営旭川競馬・JRA交流競走・ボルックス特別(ダート千)に出走すると、大外から豪快な差しきり勝ちを決め、待望の初勝利をマークしたのだ。

平日の旭川・ナイター開催への登場とあっては、さすがに現地観戦はかなわなかったけれど、幸いなことにホッカイドウ競馬の公式サイトで高画質のダイジェスト動画がアップされており、初勝利の余韻を味わうことができた。ホッカイドウ競馬といえば、場内で実況マイクを握るのは、名物アナの小枝佳代さん。パワフルな「小枝節」に乗って愛馬が激走というのも、また感慨深い出来事である。試みに実況による直線の様子を文字で再現してみよう。

4番のルシファー、ルシファーが先頭であります。外から11番のドリームドアバードが2番手で200の標識を通過。内からは9番のアケボノユウシャであります。
大外から、大外から黄色い帽子っ!グランドミッション、グランドミッション。さあ、先頭入れ替わるか?外からグランドミッション、グランドミッション!そしてアケボノユウシャ。グランドミッション先頭、アケボノユウシャが2番手、3番手は並びました。
ゴールイン!
勝ったのは5番のグランドミッション。5番のグランドミッション、最後の直線、外から伸びてまいりました。

~小枝アナの実況(ホッカイドウ競馬公式サイトより)~

小枝アナの実況も伝えているように、レースの内容は、直線で横に広がった各馬を、後方から大外に持ち出したグランドミッションが一気に脚を伸ばして交わし去るというインパクトの強いものだった。確かに相手関係は札幌に比べると随分楽だったし、1分1秒9という決着タイムそのものにも価値は感じられない。とはいえ、この日もほとんどのレースで逃げ・先行決着に終始した旭川の、しかも短距離戦を実質直線だけの競馬で勝ってしまうというのは、あまり例のない出来事ではないか?ゴール前では四位騎手が手綱を抑える余裕もみせており、時計以上に強い印象を与えるパフォーマンスは、素質の片鱗をうかがわせるに十分な内容だったと言えよう。

さて、グランドミッションの次走以降だが、当面は2勝目よりも、長く苦しめられてきたソエの完治が課題だ。クラブの情報によるなら、この後栗東トレセンを経由して放牧休養に出される予定らしく、復帰の時期は未定と伝えられている。状態さえ完全なら、上級出世も見込める器だけに、ここはじっと我慢が肝心。地方交流戦が初勝利なら、復帰戦でJRA500万下に出走してもさほど人気することもないだろうし、馬券的妙味の期待も含め、カムバック初戦を楽しみに待ちたい。

9月 14, 2006 ひとくち馬主日記 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/09/12

【サウスニア】高いよなあ・・・・とは思いつつ

Chelsea_green_04_at_hokkaidoサウスニアRHが、9月9日から「特別募集」の受付を開始した話題の外国産馬チェルシーグリーン’04
元値が公表済みのトレーニングセール上場馬にしては妙に割高な価格設定や、東京都内で催されたパーティーへの参加者にのみ出資金20%オフの特典が付くなど、その募集方法をめぐっては何かと批判的な意見も耳にするけれど、何だかんだ言いながら、結局ひとくち出資に踏み切ってしまいました。
クラブから、早速郵送されたきた請求書によれば、一口分のお値段はこんな感じ。
ううむ、確かに高いよなあ(汗)

出資代金  112,000円   消費税       5,600円
保険料     1,971円   維持会費      1,200円
輸入諸経費  15,200円   合計請求金額  135,971円!

次世代募集馬の登場も待たれるこの時期、常識的には見送りとジャッジすべきところを、あえて出資に踏み切ったのは、単純に良い馬だという印象を受けたから
そもそも募集パンフの立ち写真が見栄えするのは当たり前の話なのだが、むしろ出資の決め手になったのは、クラブの公式サイトで公開されている動画でみた動きの良さだった。それもこの馬を主役にしたものではなく、先の特別募集馬ヘイリーズフュリー’04(競走馬名アルシラート)との併せ馬を撮影したビデオに、「脇役」として登場していた場面である。この動画の話題は、例のブログでもエントリとして取り上げていたけれど、動く特別募集馬を目の当たりにしているうちに、ついつい財布のヒモが緩んでしまったというわけだ。

調教相手のヘイリーズフュリー’04は、やはりファシグティプトン・コールダー2歳トレーニングセール出身で、セリ当時の公開調教では10秒3をマークしたほどの仕上がりが自慢だ。8月初旬には早々と栗東トレセンに入厩しており、育成牧場に在籍していた7月当時も相当に調整ピッチは上がっていたと思われる。これに対し、7月15日撮影の調教で内からピッタリ馬体を併せ、終始アタマ差のリードを保って「煽るような動き」を示していたのが、当時はまだ一介の調教パートナーに過ぎなかったチェルシーグリーン’04である。やや首の高いフォームで、回転の速いピッチ走法で飛ばす前者がいかにも短距離のスピード型なら、こちらは重心の低い構えから大飛びのフットワークを繰り出していくタイプ。2歳トレーニングセール当時の調教時計はまさに雲泥の差で、ヘイリーズフュリーに及ぶべきもなかったチェルシーグリーン’04だが、現時点での特別募集馬同士の比較なら、ほぼ遜色がないところまで仕上げが進んでいる。

距離適性はおそらくマイル~中距離前後。脚質的には、ちょっとエンジンの掛かりが遅そうな体形から、差しが向いているだろう。オープンまで出世できるかどうかはともかく、この後も順調なら、ソコソコ楽しめそうな将来性は備えているかもしれない・・・・。
こんな印象を受けたのが当ブログ管理人だけではないのか?あるいは、例のパーティー参加者がこぞって出資を決め込んだのか?現時点の募集状況では、満口(500口)のおよそ半分にあたる程度まで出資の申込みが集まってきたという。おそらく出資額の回収にはかなりのリスクを伴う募集価格から、万人にお薦めできるとはとても言い難い1頭だが、幸いなことに現時点までは順調に来ているようだ(美浦トレセン近郊の牧場で育成中)。おそらく、あと1か月ほどでトレセンに入厩というスケジュールだろうか?
愛馬に対する期待は裏切られるのが当たり前というのが、もうすっかり慣れっこになってしまったサウスニアでの一口馬主ライフだが、それでも来春あたりにとりあえず1勝、さらには古馬になってからの息の長い活躍を期待して、ここは大枚を投じてみたいと思う。

9月 12, 2006 ひとくち馬主日記 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/09/10

【京成杯AH】休養明けの軽ハンデ馬に好走なし

Meiner_scherzi_at_nhk_mile_06京成杯AHには、過去の傾向と対策から知ることができる必勝法というべきセオリーがあった。それは「前走と比較し今回斤量が増えている馬」を狙うこと。ハンデ戦で前走よりも重めの斤量を課されるということは、近走の充実ぶりが評価されてこその勲章だろうし、特に夏競馬からの続戦組の場合、前走重賞で好成績をあげている馬も多い。それが秋初戦の重賞での好走につながっている。当ブログの昨年のエントリでは、そのように結論づけ自信満々で予想を公開したのだが、終わってみれば、前走よりも重いハンデを課せられた該当馬4頭が悉く連対圏から外れてしまうという皮肉な結果になってしまった・・・・。これでは「必勝法」の神通力もすっかり色褪せてしまったと言わざるを得ず、今年のレースに臨む指針も、一から軌道修正が必要だ。

とはいえ、オータムハンデの名が冠せられている以上、予想上の最重要ファクターとして、斤量というポイントにはやはり着目せざるを得ない。問題は、どんな切り口で斤量という素材を料理してみるか?ということだろう。
たとえば、過去6年分のレース結果(新潟で施行された02年を除く)をデータで振り返ってみると、前走比で斤量が増えた馬の戦績は「2-1-2-4」(連対率33%)。一方、斤量が減った馬は「2-3-1-33」(連対率13%)、増減なしは「1-1-2-7」(連対率18%)となっている。連対率の比較なら、やはり斤量増の組に一日の長があるとはいえ、斤量減・増減無しの馬でも延べ7頭も連対馬が出ているのだから、斤量の前走比較は、勝馬探しの決定的ポイントではない

それでは、負担重量そのものの軽重に注目してみてはどうか?すると、このレースでは55キロを超える重めのハンデを課せられた実績馬のほうが、軽ハンデの伏兵よりも優勢という傾向が出ていることがわかった。

■京成杯AH ハンデ重量別成績(00~05年)
 ハンデ55.5キロ以上 4-2-3-10 (連対率32%)
 ハンデ55.0キロ以下 1-3-2-34 (連対率10%)

このうち、特に良績が集中しているのがハンデ57キロを背負った馬たちである。該当馬の戦績は「2-1-1-2」(連対率50%)。ちなみに着外に敗れた2頭(00年マイネルマックス、05年マイネルソロモン)は、前走でともに二桁着順を記録するなど本調子を欠いていたのが敗因と思われ、順調にここへ駒をすすめてきた馬に限れるなら、例数こそ少ないものの100%馬券に絡む好成績を収めている。実績と負担重量のバランスを考えれば、なるほど、このあたりのハンデが狙い目といえるのかもしれない。

55キロ以下の軽ハンデ組の好走事例についても、研究してみよう。
馬券圏内に届いた6頭(ゼンノエルシド・ニシノシタン・シャイニンルビー・シベリアンホーク・オースミコスモ・ヴァイタルトラック)は、年齢・性別・さらには脚質とタイプがまちまちで、一見する限り共通項を見いだしにくい。だが、このレースに至るまでのローテーションに注目してみると、少なくとも1度は当該シーズンの夏開催(新潟・札幌・福島)で使われていたことがわかる。この場合、前走二桁着順からの巻き返し例も結構あり、叩かれての上積み+軽ハンデという条件面のプラスアルファが好走を後押ししているといえそうだ。

ちなみに、この傾向を裏から見ると、「休養明けの軽ハンデ馬に好走なし」というセオリーを導き出すこともできる。過去6年のデータで、前走から10週以上の間隔をとってこのレースに出走してきたハンデ55キロ以下の馬の成績を確認してみると、「0-1-0-8」(連対率11%)。唯一2着に食い込んだのは、7月の福島戦以来の出走だったシベリアンホークであり、6月の東京・中京開催以来の出走馬の好走例となると、94年のホッカイセレス(安田記念以来の出走で3着・ハンデ53キロ)以来、途絶えて久しい。
休養明けの軽ハンデといっても、けして弱い馬ばかりではない。春シーズンの3歳オープン路線を賑わしてきた素質馬が出走してくる場合も、往々にしてこのパターンに該当してくる。春の実績に照らせば、一見有利にみえるハンデが設定されるこんなタイプは、えてして人気を背負うことも多いけれど、「休養明けの軽ハンデ馬に好走なし」のセオリーから免れていないことには注意が必要だ。昨年も、NHKマイル以来の出走で上位人気を集めたアイルラヴァゲイン(55キロ)・マイネルハーティー(54キロ)が揃って着外に姿を消している。今年、このパターンに該当するマイルスケルツィ(54キロ)は、はたしてその轍を繰り返すのか?実績から上位人気必至といえる存在だけに、レース結果を占う重要なポイントとして、注目してみたいところだ。

<結論>
◎カンファーベスト  57キロ
○ステキシンスケクン 54キロ
▲インセンティブガイ 57キロ
△ワディラム     53キロ
注ローエングリン   58キロ
注マイネサマンサ   55キロ
注マイネルモルゲン  57.5キロ

Camphor_best_06_sekiya_kinen本命は、このレースでの良績が多いハンデ57キロを背負う馬から。インセンティブガイカンファーベストのどちらを重視すべきか?正直判断に迷ったが、夏場を順調に使われた強みと配当妙味(笑)を考え、今回は後者を主軸に据えてみた。
そのカンファーベスト。前走・関屋記念は、何もかもが上手くいき過ぎた印象もあったが、激しい気性を走るエネルギーへと効率的に転化できるという意味で、マイルの条件は確かに向いている。目下の充実ぶりなら、中山開幕週の淀みない流れになっても、戸惑う心配はないだろうし、57キロを与えたハンデキャッパーの評価を掛け値なしに信頼してみたい。
また、重めの斤量を背負う実績馬の相手は55キロ以下の軽ハンデ馬、さらには、道中ハナ~2番手の位置を確保できた先行型が残るというのが近年の決着パターン。それを思い起こせば、対抗格には下手な実績馬よりもステキシンスケクンのようなタイプが似合っている。首位争いはともかく、案外この馬を2着に据えたフォーメーションなどが、馬券的には正解なのかもしれない。同じく軽ハンデ組から取り上げるなら、関屋記念を好戦したワディラムの差し脚にも魅力がある。

キルトクールは、マイネルスケルツィ。なるほど、春の実績と中山マイルへの適性の高さに疑問の余地はないけれど、「休養明けの軽ハンデ馬に好走なし」のセオリーから、このタイプの馬券は買いたくないところ。これ以外では、フォーカルポイント・キネティクスが休養明けの軽ハンデというパターンに該当。セオリーの有効性を検証するために、今回はこれら各馬を消して、馬券勝負に挑んでみたい。

9月 10, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (7) | トラックバック (5)

2006/09/03

【BSN賞回顧】国内最強!坂路元帥に脱帽

土曜日は、夏の新潟・最終週を現地観戦。メインレースのBSN賞に出走していた愛馬オフィサーも久々に唸りをあげるような豪脚を披露して2着に食い込むなど、満足のいく1日でした。
この勢いで日曜日も・・・・と意気込んでいたら、野暮用で東京にトンボ帰りすることになり、結局、2歳ステークスの馬券が買えなくなってしまいました。そんなわけで、今週の重賞予想エントリはお休みさせていただきます。
お詫びというわけではないけれど、写真付きでBSN杯の感想を少々。

Hanro_gensui_at_nigata1着 ジョイフルハート
坂路元帥という異名から想像されるほど、パドックでオーラを放つタイプではないけれど、なるほど、これといって欠点のないバランスの取れた馬体の持ち主。戦前に囁かれていた爪の不安に関しては、正直よくわからなかったので、現地でお会いしたパドック派ブロガー・ユキさんのお話をうかがってみたが、この状態で特に問題はないとのこと。ならば、馬券の中心はやはりこの馬でやむなし。当然のように圧倒的1番人気に推され、当然のように勝利をさらっていったのも、確かな能力の裏づけが有ればこそだろう。
騎乗した武豊騎手のコメントでは「左回りが初めてだったので、馬が少しアレっという感じで走っていましたね」とのことだが、それでいてこの時計で楽勝なのだから恐れ入る。ダート千二という条件に限定すれば、おそらく国内最強の評価を与えていい。今なら、あのニシノコンサフォスとて敵わないだろう。

Officer_at_niigata_20062着 オフィサー
前走クラスターCのあっけない敗戦から、今回は正直期待できないか?と思っていたら、大外から唸るような豪脚を披露し、ゴール前では2着にまで台頭。出資者の思惑を裏切る嬉しい好走だった。
とはいえ、走破時計の1分10秒8・上がり3ハロンの35秒1というタイム自体、実は、凡走していた安芸S・クラスターCで記録したものと殆ど変わっていない。要するに自分の持ち時計だけは安定して走れても、着順は展開に左右されるという他力本願型の宿命から免れていないということだ。このあたりが距離・千二のスピードレースへの対応の限界なのだろう。キャリアを重ねるごとに道中のズブさを増してきた近況から、距離はもう少し伸びたほうがよさそう。東京コースの千四~千六の条件で、本領発揮を期待できないだろうか?

Tosho_gear_at_nigata_2006_s4着 トウショウギア
使ったあとの反動が大きく、体調面に若干の不安が残る」という陣営のコメントからパドックを注目してみたが、なるほど今回はお腹からトモにかけての部分が明らかに緩んでしまった印象で、デキ落ちの印象が強かった。この状態では、さすがに名うての左回り巧者も苦しい。レースに行っても、直線追込の態勢に入りながら、その脚勢には凄みが感じられなかった。次走はおそらく東京秋開催まで待機なのだろうが、立て直しには少々時間が必要なのかもしれない。

9月 3, 2006 旅打ちコラム, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (3)