« 【クラスターC】スピードの絶対値を比較してみる | トップページ | 【札幌記念】アドマイヤムーンでも楽観は禁物 »

2006/08/16

【クラスターC回顧】シビックの機敏さがGTRの鈍重さを凌駕?

Agnes_jedi_cluster_cup_winner_06スタート直後から、笠松所属のクイーンロマンスとJRAディヴァインシルバーの逃げ馬2騎が互いにハナを譲らず、ガリガリとした先行争いがヒートアップ。人気のアグネスジェダイも、その直後から虎視眈々と両馬をマークして、レースは前半から電撃戦らしいハイペースで進行した。おそらく、先行勢にとっては息を入れるタイミングを計ることさえ難しかったはず。こうなると前崩れによる差し馬の台頭もあるかに思われたが、終わってみれば、結果はまったく逆。逃げるディバインシルバーの脚色は最後まで衰えることなく、アグネスジェダイもゴール直前になって渋太い末脚を発揮してきた。それとは対照的に、直線ジリジリと差を詰めてきた1番人気トウショウギアのほうが、ラストは苦しくなってしまう。例によって、後方から直線勝負に徹したオフィサーの末脚も、この日は不発。3番人気の支持を集めながら、掲示板にも乗れないようでは、重賞レベルで力不足という誹りを免れないだろう。

優勝馬アグネスジェダイの走破タイムは、前走・北海道SCの低調な決着時計のイメージを一新するかのように、1分9秒8のコースレコード・タイを記録。なるほど、この日の盛岡の馬場は砂が浅めで、午前中のレースから新聞の想定タイムを上回る高速決着が連続していた。前日の日曜日には、まとまった降雨もあったらしく、良馬場発表でも実は脚抜きの良い馬場状態が維持されていた可能性もありうる。とはいえ、自己ベストを大幅に更新した優勝馬の好時計は、やはり価値が高いと評さざるを得ず、自身あらためてスプリント適性の高さを改めて証明して見せた格好だ。出走各馬の持ち時計比較から、アグネスジェダイの評価を下げてしまった当ブログの予想などは、木っ端微塵に打ち砕かれてしまった感がある。

レースを終えあらためて感じたのは、競走馬のスプリント適性とは何だろうか?ということ。この日のように速い時計が出るダートになると、前半から流れに乗って比較的いい位置を追走できる機敏さがないと、やはり勝負にならない。すなわち、脚を速く回転させ、いち早くトップスピードに到達できる加速性能の有無が、レースの結果を分けてしまうということだ。
そんな視点から出走各馬のパドックの様子を振り返ってみると、アグネスジェダイやディバインシルバーと、トウショウギア・オフィサーなどとでは、明らかに姿・かたちからして、競走馬としてのタイプが異なっていたことが印象深い。

Tosho_gear_at_0814_oroハッキリ言って、第一印象で見栄えがするのは後者のほうだ。500キロ前後の雄大な馬格と逞しく盛り上がった筋肉の張り、スラリと長く伸びた手足ゆったりとした背中や胴体の造りなど、競走馬としてのスケール感を評するなら、明らかにこちらのタイプのほうに一日の長があったと思う。

Devine_silver_at_0814_oroこれに対し、前者のタイプは、馬体重こそ480キロ台と比較的大型の部類に入るけれど、全体的には見る者にコンパクトな印象を与えていた。だが、スケールの大きさは感じられなくても、馬体の各所が無駄なく機能的にまとまっている。ひと言で評すなら、控えめながらも「しなやかさ」を感じさせるタイプである。

自動車に例えてみると、トウショウギアやオフィサーは大排気量エンジンを搭載したスポーツセダン、これに対しアグネスジェダイやディヴァインシルバーはライトウェイトスポーツだ。この日の盛岡競馬場では、クラスターカップ開催を記念し、正門前でレーシングカーの展示(スカイラインGTRとシビックTYPE-Rの2台)が行われていたけれど、レース結果は、シビックの機敏さがGTRの鈍重さを凌駕したようなものだったといえるのかもしれない。

Cluster_cup_civic_vs_gtrちなみに、競走馬の「しなやかさ」やスプリント適性とは何か?というテーマに関しては、自他共に認めるパドック派である「ユキの気ままな日記」さんが、とても興味深いエントリを公にしている。ダート・スプリント競走とは必ずしも直結しない(?)、芝の直線1000メートル戦の適性に関するパドックポイントの考察なのだが、今回の結果を馬券の教訓として生かすためには、こんな記事を参考に、もう一度勉強し直す必要があるのかもしれない。

8月 16, 2006 ひとくち馬主日記, 岩手競馬, 競馬予想・回顧アーカイブ |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33923/11455839

この記事へのトラックバック一覧です: 【クラスターC回顧】シビックの機敏さがGTRの鈍重さを凌駕?:

コメント

トラックバックありがとうございます。
ああいう記事が参考になると、パドック見てる方としては嬉しいですね。
アグネスジェダイは見たこと無いんですが、トウショウギアやオフィサーは脚長で大トビ。つまり小回りとかではなく、広い馬場でこその馬なんですね。ピッチの馬よりも大トビの馬の方が加速に時間がかかる分、直線の長いコースの方が向いているんです。
車に例えるならピッチの馬、例えばオレハマッテルゼとかはギアが3速までしかないイメージ。加速は速いけど、トップスピードは知れている。それに対し、大トビは加速は遅くなるけど、ギアは5速まである。そんなイメージですかね。どこまでのギアを持っているかは馬によるんですが。もちろん、しなやかさがあれば、5速と言わず、6速くらいまである馬もいますけどね。
馬の脚質というのも実はそういう馬体構造的に決まる部分が大きいんです。

投稿: ユキ | 2006/08/16 21:00:58

ユキさん、コメントありがとうございます。
「しなやかさ」というのは、実物の馬を目の前にしないとなかなか体感しづらいニュアンスですが、新潟1000メートルのあのエントリはとても参考になったので、思わず紹介申し上げた次第です。
先週の新潟でも、あのエントリを参考に、8レースのピアニスト(単勝)で勝負できました。感謝です。

投稿: 山城守 | 2006/08/20 2:54:46

コメントを書く