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2006/06/29

【帝王賞回顧】上半期のベストバウトを目撃

Tck_night_raceカネヒキリ対アジュディミツオー。現役ダート最強馬2頭による頂上決戦に湧いた今年の帝王賞だが、その構図を象徴していたのが、単勝オッズに現れたファンの期待である。両雄がパドックに姿を現した直後には、ともに1.9倍。一時的とはいえ、1~2番人気馬が1倍台のオッズで拮抗する形というのは、非常に珍しい。

過去の対戦成績を紐解けばカネヒキリが3戦全勝と、常識的には勝負付けの済んだはずの両雄だが、これらの戦歴はすべて府中コースでミツオーが力を出せなかったときのもの。ホームコースの大井二千に舞台が変われば話は別というのが、南関ファンの胸のうちだろう。専門誌の馬柱にズラリと並んだ◎にも後押しされるように、アジュディミツオーへの単勝支持が、カネヒキリと互角の数値となって大型ビジョンに表示されていた。
ところが、その後に異変が起こる。パドックの周回が進むにつれ、カネヒキリの単勝が急に売れ出し、ミツオーとの間で水が開いていったのだ。ファンファーレ直前の最終オッズは1番人気のカネヒキリ1.6倍に対し、ミツオー2.2倍。ひょっとして一部の大口投票(?)が数値を左右した可能性もあるけれど、馬券の売れ方にこんな偏りが現れるとき、往々にして人気を上げたほうが有利。そんな現象は、競馬ファンなら誰もが一度や二度は経験しているはずだ。

単勝オッズの急変を生んだ原因は、おそらく主催者による馬体重の発表だろう。アジュディミツオーがマイナス16キロ?!・・・・東京大賞典以降、530キロ前後の目方で競馬を続けてきたこの馬が、肝心の大一番で510キロ台で登場してきたのだから、これは意外である。また、パドックでのミツオーも、いつもとはちょっと様子が違っていた。筋骨隆々として重厚味にあふれていたあの馬体が、この日はスッキリとシェイブアップされ、妙に軽快な調子でステップを踏んでいたのだ。
もちろん決して細くは見えないし、返し馬のフットワークも悪くなかった。とはいえ、これを素直に「究極の仕上げ」と解しても大丈夫なのか?と、多くのファンが一抹の迷いを感じたことは、想像に難くない。

対するカネヒキリは524キロの馬体重。前々走フェブラリーステークスとの比較では8キロ増えているが太め感はなく、むしろパワーアップした感じ。パドックの外目を悠然と周回する姿は、いつものカネヒキリそのもので、海外遠征帰国初戦の不安はまったく感じられなかったといってよい。

やはりミツオーは、カネヒキリの餌食になってしまうのか?」そんな南関ファンの期待と不安が交錯するなかゲートが開いたが、レースは序盤から2強による完全なマッチレースの様相を呈していく。逃げるミツオーとそれを直後でマークするカネヒキリ。道中の駆け引きからして、見応えは満点だ。4角では、カネヒキリがミツオーに並びかけ早々と追撃の態勢を整えるが、1馬身差まで迫られてからがミツオーの真骨頂。大井の長い長い直線。2強の着差が縮まらないまま、互いに火花を散らす激闘はゴールまで続いていった。

終わってみれば、コースレコードまで飛び出すハイレベルの一戦になったわけだが、それ以上に、両雄が死力を尽くしたレースの密度の濃さが特筆ものだろう。ギリギリまで無駄肉をそぎ落とさなければ勝てないと判断し究極の仕上げで望んだ地方の王者と、相手を楽に逃がしたら勝てないと誓って勝負を賭けたJRAの最強馬。ううむ、シビれました!JRAを含む上半期G1競走のなかでも、ベストバウトに値する名勝負であったといってよい。

だが、両者の勝負付けはまだ終わらない。王位防衛を期すミツオーに対し、カネヒキリも、このまま簡単に引き下がるわけにいかないだろう。両者がふたたび相見えるのは、川崎のJBCクラシックあたりだろうか。そのとき勝利するのはいったいどちらか?早くも、そんな期待すら抱かせてくれる熱戦を目撃できた幸運に感謝したい。

6月 29, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

山城守さん。どうもです。
単は、アジュデのマイナス16キロで少し嫌った人がいたんじゃないでしょうか。
でも南関ということもあって、アジュデが勝った時の盛り上がりはすごかったですねぇ。

投稿: もくに | 2006/07/01 3:32:43

もくにさん、毎度どうも!
帝王賞は現地観戦だったのですね。ネクタイ当選おめでとうございます。
自分の見立てでいうと、能力的にはカネヒキリのほうが上と思っていたので、良い意味で期待を裏切られたレースだったと思います。
馬券は外してしまいましたが(汗)

投稿: 山城守 | 2006/07/02 2:15:22

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