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2006/06/29

【帝王賞回顧】上半期のベストバウトを目撃

Tck_night_raceカネヒキリ対アジュディミツオー。現役ダート最強馬2頭による頂上決戦に湧いた今年の帝王賞だが、その構図を象徴していたのが、単勝オッズに現れたファンの期待である。両雄がパドックに姿を現した直後には、ともに1.9倍。一時的とはいえ、1~2番人気馬が1倍台のオッズで拮抗する形というのは、非常に珍しい。

過去の対戦成績を紐解けばカネヒキリが3戦全勝と、常識的には勝負付けの済んだはずの両雄だが、これらの戦歴はすべて府中コースでミツオーが力を出せなかったときのもの。ホームコースの大井二千に舞台が変われば話は別というのが、南関ファンの胸のうちだろう。専門誌の馬柱にズラリと並んだ◎にも後押しされるように、アジュディミツオーへの単勝支持が、カネヒキリと互角の数値となって大型ビジョンに表示されていた。
ところが、その後に異変が起こる。パドックの周回が進むにつれ、カネヒキリの単勝が急に売れ出し、ミツオーとの間で水が開いていったのだ。ファンファーレ直前の最終オッズは1番人気のカネヒキリ1.6倍に対し、ミツオー2.2倍。ひょっとして一部の大口投票(?)が数値を左右した可能性もあるけれど、馬券の売れ方にこんな偏りが現れるとき、往々にして人気を上げたほうが有利。そんな現象は、競馬ファンなら誰もが一度や二度は経験しているはずだ。

単勝オッズの急変を生んだ原因は、おそらく主催者による馬体重の発表だろう。アジュディミツオーがマイナス16キロ?!・・・・東京大賞典以降、530キロ前後の目方で競馬を続けてきたこの馬が、肝心の大一番で510キロ台で登場してきたのだから、これは意外である。また、パドックでのミツオーも、いつもとはちょっと様子が違っていた。筋骨隆々として重厚味にあふれていたあの馬体が、この日はスッキリとシェイブアップされ、妙に軽快な調子でステップを踏んでいたのだ。
もちろん決して細くは見えないし、返し馬のフットワークも悪くなかった。とはいえ、これを素直に「究極の仕上げ」と解しても大丈夫なのか?と、多くのファンが一抹の迷いを感じたことは、想像に難くない。

対するカネヒキリは524キロの馬体重。前々走フェブラリーステークスとの比較では8キロ増えているが太め感はなく、むしろパワーアップした感じ。パドックの外目を悠然と周回する姿は、いつものカネヒキリそのもので、海外遠征帰国初戦の不安はまったく感じられなかったといってよい。

やはりミツオーは、カネヒキリの餌食になってしまうのか?」そんな南関ファンの期待と不安が交錯するなかゲートが開いたが、レースは序盤から2強による完全なマッチレースの様相を呈していく。逃げるミツオーとそれを直後でマークするカネヒキリ。道中の駆け引きからして、見応えは満点だ。4角では、カネヒキリがミツオーに並びかけ早々と追撃の態勢を整えるが、1馬身差まで迫られてからがミツオーの真骨頂。大井の長い長い直線。2強の着差が縮まらないまま、互いに火花を散らす激闘はゴールまで続いていった。

終わってみれば、コースレコードまで飛び出すハイレベルの一戦になったわけだが、それ以上に、両雄が死力を尽くしたレースの密度の濃さが特筆ものだろう。ギリギリまで無駄肉をそぎ落とさなければ勝てないと判断し究極の仕上げで望んだ地方の王者と、相手を楽に逃がしたら勝てないと誓って勝負を賭けたJRAの最強馬。ううむ、シビれました!JRAを含む上半期G1競走のなかでも、ベストバウトに値する名勝負であったといってよい。

だが、両者の勝負付けはまだ終わらない。王位防衛を期すミツオーに対し、カネヒキリも、このまま簡単に引き下がるわけにいかないだろう。両者がふたたび相見えるのは、川崎のJBCクラシックあたりだろうか。そのとき勝利するのはいったいどちらか?早くも、そんな期待すら抱かせてくれる熱戦を目撃できた幸運に感謝したい。

6月 29, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (10)

2006/06/25

【宝塚記念】平凡な結論でどうしようもない?!

Deep_impact_doshiyomonai阪神改装工事にともなう代替開催で、今年の宝塚記念京都の芝・2200が舞台。淀の宝塚記念といえば、横山典ライアンの執念が武豊マックイーンを封じ込めた91年のレースや、ライスシャワーが非業の最期を遂げた95年など、配当面はともなく、観る者に衝撃を与えるような波乱の結末が印象に残る。これらの年と同様に、もしも淀に棲む魔物が目覚めるならば、今年用意されるサプライズは、あの最強馬の敗退あるいは何らかのアクシデントだろうか?
だが、波乱の目を裏づける決定的材料を提示できない限り、そんな予感も憶測の誹りは免れないだろう。日曜日の雨予報が夕方以降に変更され、道悪競馬の可能性がほぼ無くなった以上、鞍上自身「なんの不安もない状態」「あとは、結果を出すだけ」とコメントする大本命が凡走する可能性は、やはり小さいと思う。そんなわけで、助平心はひとまず横に置き、ここは冷静に的中馬券を手にするためのヒント探しに徹することにしたい。
まず、考えるべきことは、京都・芝・外回り2200という条件の特質である。脚質的に「差し馬有利」のコースとして知られているが、実際、01年以降のレースデータを洗い直してみると、重賞では、逃げ・先行勢より差し・追込勢が狙い目という結果が如実にあらわれている。

■京都・芝・外2200 重賞競走 脚質別成績(01年~)
Kyoto_t2200_kyakusitsubetsu










上記のデータで特に注目すべきは、出走各馬が各レースで記録した上がり3ハロン順位別の着順分布だ。はっきりしているのは、とにかく速い上がりを使える馬が強いということ。上がり3ハロン1位の馬は連対率50%、2位が連対率47.1%。3位の馬になると連対率こそ落ちるが、単回値・複回値のかなり水準が高く、馬券的には大いに注目が必要だろう。
また、この逆の傾向として、速い上がりを使えなかった馬(6位以下)に、ほとんど出番が回る余地はない。つまり、ハイペースに持ち込み、力ずくで他をねじ伏せてしまうタップダンスシチー型の先行馬は、淀の宝塚記念では苦戦必至という結論になる。

また、血統的傾向をみると、やはりサンデー系(サンデーサイレンス・ダンスインザダーク)やトニービンの活躍が目立つが、父ノーザン系は勝ちきるにはあとひと押しが効かない感じ。とはいえ、母父に入ったノーザン系は悪くなく、特に母父ノーザンテーストまたはヌレイエフという配合馬には警戒すべきだろう。
面白いのは、父サッカーボーイ産駒だ。01年以降、延べ5頭が京都・芝2200の重賞に出走し、なんと4頭が馬券に絡むという成績を残しているものの、うち3頭が3着という結果である。今年の出走馬では、アイポッパーが該当するけれど、有力な3着候補としてマークを欠かない1頭になりそうだ。

【結論】
◎ディープインパクト
○リンカーン
△アイポッパー
△ナリタセンチュリー
△カンパニー
注ダイワメジャー

デビュー以来、出走した全レースで上がり3ハロン1位を記録しているディープインパクト。強い差し馬の能力が正しく着順に反映されるこの舞台で、優勝馬のイメージに最も近いのは、やはりこの馬・・・・平凡な結論になるけれど、こればかりはどうしようもない。おそらく今回は、天皇賞のような4角先頭の形ではなく、直線を向くまで脚をためる戦法だろう。それでも、状態さえ無事ならば、Dコースの大外から必ず飛んでくるはずだ。

結局、馬券作戦は、いつもの如く2・3着あてゲームの様相を呈する。普通の年なら、天皇賞のタイトルを手にしていたはずのリンカーンは最内枠。横山典騎手の胸の内は、ひょっとして菊花賞のアドマイヤジャパンの戦法を再現するつもりかもしれない。だが、その形では最強馬の決め手に対抗できないことは、もはや周知の事実だ。もしリンカーンが早く先頭に立ちすぎた場合、速い上がりで差してくる他馬にも、付けいる隙が生じてきそう。
その候補は、京都コースの中距離戦以上での実績があり、速い上がりを使える差し馬たち。ちなみに、筋肉質でマイラー体形のハットトリックあたりだと、やはりちょっと距離が長い懸念がある。

キルトクールは、コスモバルク
この距離でも速力勝負での強さは、セントライト記念の劇的勝利で実証されているものの、淀の2200条件では、むしろそんな脚質が割引材料になる。また、海外遠征帰り初戦で、スマートになりすぎた感のある馬体も、本来のこの馬の姿からはほど遠く感じられ、こと今回に関しては、状態面の不安が払拭されていない。東スポによるなら、あの清水成駿氏の本命馬ということでちょっと怖い気もするけれど、単勝3番人気の評価は明らかに過剰人気。心情的には応援している馬なのだが、断腸の思いで「消し」をジャッジする。

6月 25, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (12)

2006/06/23

「キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか」

Hanage思わず全身から力が抜けてしまいそうなタイトルだが、中身のほうは大真面目である。
たとえば、「そのひと言がなぜ言えない」と題された章には、こんな表題のコラムが並んでいる。「激マズ蕎麦屋で店主に味の悪さを指摘する」「電車のなかでマナーを守れぬ傍若無人な若者を叱り飛ばす」「貸したまま相手も忘れているであろう2千円の返済を迫る」・・・・・。
日常生活のなかで誰もが遭遇する場面において、面と向かって口にするのも憚られるような「ひと言」。もし、貴方が蛮勇をふるいそれらを言葉にしたら、いったいどんな反応が周辺に巻き起こされるだろう? 気まずい沈黙か、暴力沙汰か、はたまた人間関係の崩壊か?想像するだに恐ろしい結果に怖じ気づくことなく、勇気をもってそれを実験してみようというのが、この本のテーマである。
筆者は、小心ルポライターを自認する北尾トロ氏。この本の執筆時点で不惑を迎えており、もう決して若くはない人である。フリーライターといえど社会的立場を考えると、いろんな意味で冒険は難しい年頃のはずだが、そんな筆者が体を張って、トラブル覚悟の「人体実験」ルポに次々と挑んでいく。

勇気をもってトライすべき課題は、それだけでない。機会があれば一度、「やってみたかったけど、できなかったこと」というジャンルもある。たとえば、「高校時代に好きだと言えなかったあの女性に23年のときを超えて告白する」とか、「人前で自作の詩を朗読する」などなど。つまり、自らの度胸と羞恥心の限界に挑戦してみようという趣向なのだが、思わず赤面してしまうこんな願望を実際に行動に移すとなると、要求されるエネルギーも半端でない。行動を前にした筆者の煩悶や胸の高鳴り。それが読み手の側にも手に汗握らせるほど、スリリングに伝わってくる。正直、ページを括り出すまでは、ばかばかしいという先入観もないわけでなかったけれど、この臨場感と当事者意識を筆者と共有してしまったら、もう最後まで一気読みは必至という怪作だ。

ちなみに、筆者の北尾氏は、競馬関係の記事も仕事にしている人なので、本書で設定される挑戦テーマには、競馬ファンにとっても興味津々の話題が含まれている。なかでも、「ウインズ後楽園にたむろする席取りオヤジに着座権を主張する」というのが、実にリアルな体験記だった。スポーツ新聞を座席に敷き詰めたまま、長時間、席をはずしていながら、戻ってくると臆面もなく着座権を主張するオヤジに対し、筆者が言い放つひと言が白眉である。

あんたなあ、必死になって席取って、いったいいくらの勝負してるんだ?メインの馬券買ったんだったら見せてくださいよ。5万10万の勝負してるんなら喜んで席を譲るから

・・・・(笑) ううむ、一度で良いから言ってみたいよね。何事につけ度胸が最優先。鉄火場の作法というのは、かくありたいものである。

6月 23, 2006 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/06/18

【マーメイドS】良脚長使のステイヤー血統を狙え

Sanrei_jasper_at_murasaki_showレース名と牝馬限定G3という看板こそ同じでも、斤量条件が別定からハンデに変更され、施行時期も夏開催第1週へと繰り上げられたマーメイドS。今年は阪神競馬場改修工事にともなう代替開催で、レースの舞台も淀の内回りに移される。さらには、前哨戦的位置づけだった愛知杯がなくなって、替わりに古馬牝馬のマイルG1が新設されるなど、ここに至るまでの番組変更の影響も見逃せない。これほど競走条件が変わってしまうと、昨年までの決着傾向をアテにしてレースを展望するなど、到底無理な相談である。重めの負担重量を課された重賞級の実績馬が順当に力を発揮してきたマーメードSのイメージは、一度リセットされると考えたほうが無難だろう。

49キロの3歳牝馬から57キロの元G1馬まで、バラエティに富む顔ぶれが揃うなか、いったい何を取っかかりにして勝馬を探すべきか?予想者泣かせの難問だが、今回のエントリでは、「Dコース使用」というコース設定に焦点をあて、考察をすすめてみたい。

Dコースといえば、仮柵の位置を最も外側に配置するため、A~Cコースと比べ走路の幅が狭められるわけだが、広々とした京都競馬場ゆえ、そのこと自体を特に気にする必要はない。むしろ注意が必要なのは、ゲートから最初のコーナーまでの距離の違いである。
たとえば、同じ京都・芝内回り2000mでも、例年、秋華賞の舞台となるAコースでは、1コーナーまでの距離が308.7m確保されているのに対し、Dコースでは235.6mしかない。小回りコースの福島・函館あるいは小倉の千八でも、第1コーナーに馬群が突っ込むまで270~280m程度の距離が確保されている事実を考えれば、京都・Dコースがいかにトリッキーな条件設定かを感覚的に理解できるだろう。騎手の視点からすると、スタートしてすぐ目の前に第1コーナーが迫ってくるというイメージだ。

この特異なコース設定が、レースの展開にどんな影響を与えるか?仮に他馬がトップスピードに乗る前に先手を奪い、1~2角でスローに落とすことができれば、逃げ馬有利という仮説もありうるが、さすがに重賞レベルになると、それほどうまく事が進むとは思えない。むしろ各馬が互いに牽制し合いながら、ひとかたまりでコーナーに飛び込んで、1~2角からバックストレッチまで先行争いが持ち越されると考えたほうが自然だろう。レースの流れも速めになって、先行勢にとっては息を入れづらい展開に・・・・こうなると、序盤~中盤にタメを効かす差し馬にも、後半チャンスが広がってくるはずである。

では、京都の内回り二千でこんな展開になった場合、どんなタイプが狙い目か?この問題を考えるうえで大いに参考になるのが、Brain Squallさんが2年前の秋華賞を回顧・分析した際に残している傑作エントリ「秋華賞と菊花賞の幻想」である。この記事でBrain Squallさんは、秋華賞の舞台がCからAコースに変更されたことにともない「先行争いが緩くなった」事実に注目。その結果、上位馬の傾向にも次のような変化が現れていることを指摘している。

「レースの質が変わり先行争いが緩くなった結果、ステイヤー血統の差し馬の穴馬が台頭する可能性は減った。だが逆にマイラー系、もしくは瞬発力勝負に優れる差し馬から穴馬が現れる可能性が高くなった」
Brain Squall 【競馬ニュース&コラム】
秋華賞と菊花賞の幻想(前半)より引用~

1角までの距離が極端に短いDコースの舞台で、先行争いが厳しくなるのを想定するなら、この指摘の逆の目を考えればよい。すなわち、マイラーや瞬発力自慢のサンデー系の狙いを下げ、あえてステイヤー血統の差し馬に注目してみるという予想法が、今年に関しては、正解への近道ではないかと思うのだ。

さらに馬場状態というファクターにも注意を払っておく必要がある。土曜日は雨の影響で午後から稍重発表になった芝コース。京都地方では、日曜の夜にかけても弱雨がシトシト降り続く予想が出ているが、仮にその影響が日曜の午前中まで残るなら、マーメイドSでも荒れたラチ沿いより、馬場の真ん中~外目を通る差し馬が有利という見方もできるだろう。たとえば、土曜9レースの洛南特別を圧勝したスズカフェニックスが直線で通ったコース取り・・・・あれこそが京都・芝のスイートスポットになっている可能性がある。こんな材料も、良い脚を長く使える差し馬の台頭という予測を後押ししていると言えないだろうか?

【結論】
◎サンレイジャスパー
○フィヨルドクルーズ
▲マイネサマンサ
△ヤマニンシュクル
注とにかく手広く(笑)

良脚長使・晴雨兼用タイプのステイヤー型といえば、このメンバーでも筆頭にあげられるサンレイジャスパー。自身、二千を超える距離での出走経験こそないものの、中長距離戦線で活躍した父ミスズシャルダンの実績を思い起こせば、サンデー系の上がり馬よりも、こちらに魅力を感じる。前残りの展開に泣いたとはいえ、シルクタイガーやニシノナースコールに先着したむらさき賞の内容も大いに評価できるもの。ハンデ51キロなら、主力形成の資格は十分だろう。
サンデー産駒ながら、母父Mtotoの影響が強くどこか重厚長大なイメージを払拭できないフィヨルドクルーズも、この条件なら主役候補の一角と評価すべきだ。ただし、こちらは良馬場限定タイプ。馬場状態の回復次第で、評価の上げ・下げを慎重に考えてみる必要はありそう。
昨年の2着馬・マイネサマンサは、うまく先手を奪いきれるか否かがポイント。週刊競馬ブックのフォト・パドックを見る限り、大幅に減っていた身体は回復しており軽視はできないが、意外と厳しくなりそうな展開面から、多少の割引はやむをえないか? 元・G1馬ヤマニンシュクルは、本質的にマイラータイプで57キロの斤量も有利とはいえないだろう。
キルトクールは・・・・今回はパスです。
サンデー系の条件馬たちをバッサリ切ってしまいたいところだが、上位陣との負担重量差を考えると、ドンガバチョのリスクがちょっと大きすぎる感じ。どの馬も、怖いと言えば怖い、乱戦模様のハンデ戦です。

6月 18, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (6)

2006/06/16

【安芸ステークス】怒濤の追込は坂路元帥に届くのか?

Officer_tokyo_kirai_kirai_daikirai夏シーズンを迎え、中央競馬も今週からはクラス編成替え。われらがオフィサー(牡4・当ブログひとくち出資馬)も、オープンクラスから降級し1600万下で再び仕切り直しの一戦を迎えることになった。降級初戦に矛先を向けたのは、今週土曜・京都メインの安芸ステークス(ダート千二)。前走に引き続き、G・ボス騎手とのコンビでのエントリーである。
その前走の欅ステークスでは4着に終わったとはいえ、東京の長い直線を豪快に追いこみ、トウショウギアなどオープンの強豪が相手でも互角に戦えることを証明したオフィサー。クラス編成直後の準オープンなら降級馬有利の構図は歴然のはずだし、本来はここも当然勝ち負けを意識すべき一戦といえる。だが、そんな愛馬の前に、立ち塞がるとんでもない強豪が現れた。その名は、坂路元帥=ジョイフルハート・・・・。

そのジョイフルハートは、これまで8戦を使って5勝・2着3回とパーフェクト連対を記録。ノドの疾患や蹄の状態に問題があって思うように使えぬも悩みも抱えていたが、出走さえできれば、他馬を寄せつけない圧勝劇の連続で、ダート短距離戦線の準オープン級まで出世してきた怪物である。
さらに実績以上に恐ろしいのが、この中間の坂路でマークしている猛時計の数々だ。先週の時点で4F48秒と栗東坂路のレコードを更新、さらに今週水曜日の追い切りでも48秒5を計時している。ここまで動けるなら仕上がり万全は間違いなく、陣営の発言も当然の如く自信たっぷり。降級馬の存在などまるで眼中にないといった口ぶりである。

「放牧から帰って、ここ目標にしっかり乗り込んだ。7日は素晴らしい時計が出たし、動きも抜群だった。ここでは力が上だと思う。」 ~小野調教師(週刊競馬ブック 今週号より引用)~

対するオフィサー陣営(森厩舎)のほうはどうか?というと、降級とはいえ、立ち塞がる坂路元帥の強さを意識せざるを得ない、微妙なムードが行間に滲んでいる。

「京都コースならそれなりに直線もありますし、走りやすく、前を捕まえやすいはず。確かに一頭強いのがいますけど、うちのだって強い馬。あとは展開ひとつでしょう」
~渡辺調教助手(サウスニアRH 公式サイトより引用)~

京都ダート千二のベストタイムはジョイフルハートの1分10秒2に対して、オフィサーは1分10秒1。この持ち時計だけを取り出してみれば、オフィサーのほうがコンマ1秒速いけれど、こちらは脚抜きの良い高速馬場で記録されたもの。対するジョイフルハートのタイムは、パンパンの乾燥ダートでマークしているものだけに、両者の時計的価値を比較しても、ジョイフルに1日の長があるのは否定できない。
いずれにせよ、能力比較なら他の出走馬に対し、これら2頭の力が抜けている一戦。馬券的には、ジョイフル頭→オフィサー2・3着付けのの3連単フォーメーションの点数をどこまで絞れるかがポイントだろう。

出資者の目から見てもついつい弱気に流れてしまいそうな対決の構図だが、ここは愛馬の真価を問う一戦。逃げるジョイフルハートに対して、オフィサーは後方から怒濤の追込を狙う手しかないが、坂路元帥との差を果たしてどこまで詰めることができるか?あわよくば、逆転の目も期待できないか?などと助平心を胸に秘めつつ、レースの日を待ちたい。

6月 16, 2006 ひとくち馬主日記, 今週の注目馬, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (4)

2006/06/11

【エプソムC】素質馬の行く手を阻むサンデーの鬼門

Machikane_kirara_at_tokyo_2005来るべき夏競馬の季節に向けて、B級オープン馬たちがズラリと勢揃い。先週までの華やかなG1シリーズとはだいぶ趣は異なるけれど、馬券的妙味という点では、むしろこんなG3戦のほうが興趣をそそられる。楽しみな一戦だ。
帯に短くタスキに長いイマイチ君たちのなかで、断トツの1番人気に推されたのが、藤沢厩舎の秘蔵っ子というべき素質馬マチカネキララ。90年代の初頭、豊かなスピードで関西の重賞戦線を賑わしたマルガイ牝馬ケイウーマンに、大種牡馬サンデーサイレンスを配した良血中の良血である。そのマチカネキララ。確かに、わずか7戦のキャリアで早くも5勝をあげるなど、その戦績は未知の魅力にあふれている。陣営が「先々大きいところを狙える器」と大言しているのも、それなりの手応えに裏づけられた自信の現れというべきだろう。このG3を無事突破できるようなら、秋のG1戦線に向けて夢も大きく広がってくる。

だが、単勝オッズ1倍台の配当に見合うほど、この人気馬が今回信頼できるのか?と問われれば、話は別だ。何と言っても、エプソムカップといえば、サンデーサイレンス産駒が最も苦手としているJRA重賞競走なのだから・・・・
過去5年、このレースに挑んだサンデー産駒18頭の成績は「0-0-1-17」、1番人気を背負って出走しながら馬券に絡むことさえできなかった3頭(ロサード、ダイヤモンドビコー、サイレントディール)を筆頭に、枕を並べて討ち死という惨状を呈してる。展開による紛れが少なく、勝ちきるための決め手を要求される府中千八コースで、毎年こんな結果が繰り返されているのは、ちょっと不思議というしかない。いったい何がサンデー産駒たちをこれほど苦しめているのか?

この点に関し、当ブログの昨年のエントリでは、苦戦の背景として考え得る次の3つの仮説を提示している。

①出走馬のレベル
古馬G1戦線の狭間に施行されるG3戦ゆえ、サンデー産駒といえど、一線級の出走事例があまりない。1流半~2流のサンデーなら、他の系統のオープン馬でも十分太刀打ちできる。

②速い上がりを要求されない展開
道中はミドル~ハイペース寄りの淀みないラップで流れ、極端な上がりの競馬にはならない。すなわち、サンデーの瞬発力よりも、ノーザンダンサーの持続力や、ミスプロ系のスピードがモノをいう展開になる場合が多い。

③雨による馬場渋化
梅雨の入口=6月に施行される一戦だけに、道悪の可能性には、常に留意が必要。また、仮に良馬場でも、2開催連続の後半になって傷みが蓄積している馬場が、サンデーのキレを殺す。

このうち3番目の仮説は、おそらく良馬場で行われるあろう日曜競馬において、必ずしも重視する必要はないが、第1・第2の仮説は、今年も一考に値するといえそうだ。
まずは展開。今年のペースを握ると想定されるニシノデューは、逃げきった前走と同様にブリンカーを着用。近走でマイル以下の短距離戦に出走を続けてきただけに、今回も自然と淀みないペースをつくって先行していくはずだ。騎手も決め打ち系の吉田豊なら、他に先手を許すような中途半端な逃げにはならない。例年のエプソムカップと同じような前半1000メートルで60秒を切る流れになって、直線ではキレよりも持続力が問われる展開が待っているだろう。サンデー産駒にとっては、あまり歓迎とは言いたくない状況である。

ちなみにマチカネキララ自身は、1000メートル通過58秒9のエイプリルS(中山芝二千)を勝利した実績をもっており、淀みない展開にも一応対応できそうだが、当時の走破時計は1分59秒8。高速馬場の中山の良にしては、やや低調と評さざるを得ない水準だった。また、前走のオーストラリアTにしても、関西遠征による馬体減という明確な「敗因」があったとはいえ、メンバー構成と人気を考えれば不甲斐ない敗戦である。持久力が問われるペースへの対応、さらには一流馬にふさわしい実績の裏づけ。これらいずれの条件もまだ完全に満たしているとは言いがたい。
つまり、マチカネキララの現時点の戦績だけを取り上げてみるなら、未知の強豪というより、むしろオープン特別レベルが適鞍の「1流半~2流のサンデー」という評価のほうが、身の丈にあっていそうな感がするのだ。「素質馬の先物買い」もいいけれど、サンデー苦戦の舞台で単勝オッズ1倍台とは、いかにも買い被られすぎた感じがするし、妙味が薄い。
1番人気のサンデーが信頼に値しないというなら、むしろ狙うべきは3番人気以下で実力を過小評価されているタイプ。そんな伏兵を探し出して、中波乱決着を期待していみるのが、エプソムカップとの正しいつきあい方ではないか、という気がしている。なにせこの一戦、過去5年間で3~5番人気のダークホースが4勝をあげているのだから。別定戦といえど、けっして平穏に終わらない一戦と心得て、慎重かつ大胆に馬券作戦を組み立てたい。

【結論】
◎グラスボンバー
○スズノマーチ
▲クラフトワーク
△トップガンジョー
△ダンスインザモア
△コンラッド
△サイドワインダー
△カナハラドラゴン
△ルーベンスメモリー

晩春から夏場にかけての季節が稼ぎどきのグラスボンバー。前走で背負わされたハンデ(57.5キロ)からもメンバー中では実績最上位と評すべき存在で、淀みない流れも歓迎のクチ。ベストの距離で満を持すここなら、よもや凡走はないはずだ。これに、昨年の覇者スズノマーチを筆頭に手広く相手を組み合わせ、3連単による高配ゲットに挑戦してみよう。
キルトクールは、断トツ1番人気のマチカネキララ。消しの理由は散々述べてきたので、あらためて繰り返さない。本領発揮か?あるいは馬脚を露してしまうのか?馬券は別にしても、この「素質馬」のレースぶりにはじっくりと注目してみたいところだ。

6月 11, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (5)

2006/06/08

【教訓・安田記念】追込・武豊の狙いどきを考える

「道中はロスなく追走できたし、直線に向くまではいい感じだった。さすがに内には自分のスペースはないと思い、外に進路を取ったんだけど、スムーズに出すことができた。これならと思って追い出したんだが・・・・・・。グンとは伸びてくれなかった。せっかくいい馬に乗せてもらったのに残念。」(武豊騎手)
~週刊競馬ブック今週号より引用~

Telegnosis_at_yasuda_kinen_featuring_tak安田記念で当ブログが本命に推したテレグノシス(9着)に騎乗していた武豊騎手のレース後コメントである。そのテレグノシス、発馬直後にスッと手綱を抑えて、いつものように後方待機を決め込むと、道中は安全運転。おかげで、香港馬のふらつきによる被害を受けることもなかったが、結果的に終始、外・外を回していく形になって、直線の末脚も不発に終わった。
名手・武豊なら、普段とは違うテレグノシスの新たな一面を引き出してくれるのでは?と期待していたが、結局この日も、いつもと同じワンパターンの外を回す追い込み戦法・・・・パドックでの気配とレース結果が必ずしも一致しないムラ駆けタイプなので、ひょっとして馬の体調や精神面に敗因があった?という可能性も否定できないけれど、それにしても、もう少し工夫のある競馬ができなかったものか?というのが率直な印象だ。道中、ほとんど同じような後方のポジションに陣取っていたアサクサデンエンが、果敢に内の馬群に突っ込んで、最後の最後に2着にまで浮上したことを思えば、ますますそんな気持ちは強くなる。

不発に終わった豊マジック・・・・だが、馬券オヤジは、転んでもタダでは起きない。安田記念の武豊テレグノシスの凡走を教訓にして、今後の馬券作戦の糧を見いだすことはできないか?そんな切り口で、武豊騎手の追い込み戦法に関するデータ分析を試みようと思う。武豊といえば、現役屈指の追込競馬の名手というイメージが強いけれど、豊マジックが鮮やかに決まる時と、そうでない時には、いったいどんな条件の違いがあるのだろう?

分析対象データは、03年以降に武豊騎手がJRAで騎乗したすべての芝のレースである。まずは、全レースの脚質別成績から、チェックしてみたい。

■武豊騎手 騎乗馬の脚質別成績(芝03年~)
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道中「後方」に位置していたときの成績は、「逃げ」「先行」馬騎乗時と比較して、大きく見劣っている。常に人気を背負うトップ騎手の宿命として、単勝回収値・複勝回収値の低さには目をつむるにしても、連対率が2割を切っているとは、ちょっと意外な印象さえ受けるほどだ。
この数値だけを見ても、追込戦法による豊・マジックに大きな期待を寄せるのは危険であることがわかる。近代競馬の鉄則は、条件を問わずあくまで「先行有利」・・・・天才・武豊といえど、この法則から自由であることはできない。

次に、武豊騎手が「後方」脚質の馬に騎乗していた場合にターゲットを絞り分析してみたときに、気になったのが、以下のデータである。

■武豊騎手 追込馬騎乗時の人気別成績
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1~2番人気を背負う実力馬に騎乗しているときを除けば、ほとんど好走例がない。
特に注目したいのが、複勝率である。1~2番人気と3番人気以下の場合とで、ここまでハッキリと成績格差が出ているとは・・・・3番人気以下の追込馬では、いかに豊マジックをもってしても馬券につなげることは難しい。その事実に気がついていれば、安田記念のテレグノシス(5番人気)など、早々に馬券の対象から消して妙味有りという判断もできたはずだ。
武豊の追込馬でも、3番人気以下なら「お客さん」・・・・3連単・3連複のヒモ選びに迷った際には、是非とも、思い起こしたいデータである。
最後に展開・ペースの違いによる傾向も、チェックしてみよう。

■武豊騎手 追込馬騎乗時のPCI別成績
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PCIとは、競馬データベースソフトの定番・TARGET Frontier JV で出力できる「ペースチェンジ指数」のこと。各レースのペースを判断する際の指標として用いられるが、数値が約50で前後半が同一程度のペース、それより小さい値だと後半の速度が低下したこと(概ねハイペース)、大きい場合は速度が速くなったこと(概ねスローペース)を意味している。
このデータから、武豊騎手の追込戦法がズバリと決まるのは、ほとんどPCIが50を超えるスロー気味のペースの場合に限られることがわかる。典型的には、芝の中・長距離戦のユッタリした流れを後方から追走し、直線速い上がりで先行勢をゴボウ抜きするような、レースでこそ、豊マジックは生きるのだ(これは、サンデー産駒が得意とする展開でもある)。逆に、マイル戦のように前後半のペースが変わらない淀みない流れや、短距離戦特有のハイペースでは、豊騎手騎乗でも、追込馬に出番は回ってこない
ハイペースの前崩れ=追込有利というセオリーに逆行するような結論だが、短距離戦においては、往々にして少々ハイペースになろうと、先行馬が力で後続をねじ伏せるようなレースがどうしても多くなる。そんな展開になってしまうと、もう騎手の技量が介在する余地は少ないということなのだろう。実際、武豊騎手が騎乗した追い込み馬の距離別成績を確認してみても、芝1200メートル条件だと、連対率は僅か2%という惨状を呈している。ちなみに複勝率23.8%。名手の手綱捌きで何とか3着まではもってこれても、それ以上を望むのは酷なのだろう。

追込の名手・武豊といえど、好走できるのは、条件が揃った場合に限られる。
安田記念の教訓として、是非、今後の馬券作戦に応用してみたいデータといえそうだ。

6月 8, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (3) | トラックバック (2)

2006/06/04

【安田記念】グリーンベルト・イン有利説を深読みする

Telegnosis_at_tokyo_course安田記念の行われる東京春開催・後半3週目。この週の競馬を予想するうえで、目配りを欠かせない重要ファクターが、仮柵移動によるコースローテーションの問題だ。
オークス・ダービーでは、仮柵で保護されていた芝走路の内側が再び開放され、いわゆる「グリーン・ベルト」ができあがる。前週まで使われていた外側の芝と比べ、まだ傷みも少なく走りやすいといわれる、このラチ沿い数メートルのゾーンをめぐって、いったい各馬がどんなコース取りをしてくるのか?毎年、安田記念の予想をするとき、たっぷりと頭を悩ましてくれる難題である。
常識的に考えるなら、インのコース取りを選べる馬が、当然有利ということになろう。馬場の良いところを通る内の馬に対して、外から差す戦法では、府中の長い直線といえど追いこみきれなくなってきている。興味深いのは、そんな内有利の傾向が、改修工事後のコース・リニューアルが行われた03年以降、いっそう顕著になってきていることだ。
たとえば、02年以前のレースでは、直線に入って馬群が横に大きく展開し叩きあいを演じる光景がよくみられたものだが、03年以降になると、4コーナーを回ってからも馬群が内ラチ沿いに密集するようになってきた。馬群の形にそんな変化が現れたのは、改修工事によるコーナー形状変更の影響もあるのだろうが、手綱をとる騎手たちが、これまで以上にラチ沿いのコース選択を強く意識するようになった。そんな事実の有力な傍証といえないだろうか。

さらに、先週のダービーが象徴しているように、今シーズンの府中開催では、そもそも内有利の傾向(トラックバイアス?)が強く現れている。土曜競馬の芝のレースを振り返ってみても、比較的コースの内目を通ってきた馬たちばかりが、連対圏を賑わすという結果になった。日曜日になると、安田記念の行われる第11レース以前に計6鞍、芝のレースが組まれているので、ラチ沿いの芝部分でもある程度は傷みが進行してくるだろう。だが、見た目以上に頑丈といわれる府中の芝が、一転して外差し有利のコンディションにまで状態を変化させるとは、さすがに考えづらい。グリーンベルトは終日健在。ひとまずは、この前提に立って、レース展望を進めていく必要がありそうだ。
だが、内有利 イコール「内枠」「先行脚質」を狙い打ちすれば、自動的に馬券が取れるほど、安田記念は生易しいレースではない

たとえば、ペースという視点からこの一戦を考えてみると、スタートからゴールまで、終始一貫してG1級のマイル戦にふさわしい速い流れでレースが進み、先行勢にとっては息の入らない厳しい競馬になる。このため、レース自体の上がりも最後の1ハロンだけは、12秒台まで落ちてしまうことが多い。つまり、坂下あたりで一歩先に抜け出したとしても、残り100の地点になると、どうしても脚が止まってしまうのだ
一方、先行馬の直後で脚を溜める内の差し馬にとっても、失速気味の前が壁になってしまうリスクが、どうしてもつきまとう。特に今年の場合、仮柵移動がBコース設定になっていることにも、注意が必要だ。すなわち、昨年までのAコース設定なら6メートル確保されていたグリーンベルトが、Bコースだとわずか3メートルの幅しかない。直線を向いて、多頭数の馬群がこの狭いスペースに殺到するとなると、前の壁を捌けないまま脚を余して不完全燃焼に終わる馬が自ずと増加するだろう。インを突く差し馬である以上、そんなリスクも、覚悟しておかなければならない。

逆説的な推論になるけれど、イン有利の傾向が例年以上にハッキリしている今年の場合、特に外から脚を伸ばす差し馬には警戒が必要ではないか?それも、道中は馬場の良いラチ沿いで脚をためつつ、直線もロスを最小限に抑えグリーンベルトの外側ギリギリから決め手を発揮してくるタイプ。思い起こせば、3年前のアグネスデジタルの勝ちっぷりが、ちょうどそんな感じだった。コース取りの選択をめぐっての一瞬の判断が、着順の明暗を分ける。そんな一戦だけに、騎手の技量というファクターも普段以上に重視して、レースの行方を占ってみたい。

【結論】
◎テレグノシス
○ダンスインザムード
▲ダイワメジャー
△インセンティブガイ
△カンパニー
△アサクサデンエン

最近では、大外ブン回しのワンパターンな戦法がすっかり板についたテレグノシス。だが、もしも4年前のNHKマイルのようにソツのないレース運びができるなら、勝馬のイメージに最も近いのは、意外とこんなタイプだ。この枠順だと道中は後方に控える策をとらざるを得ないが、1枠両馬やメイショウボーラーが先に行ってしまえば、馬群の内でもストレスのないポジションを難なく確保できそう。武豊の手腕込みで、単の狙いが面白い。

ダンスインザムードは、前走の牝馬G1で、何もかも上手く運びすぎた印象があるけれど、歴史的名牝が復活を遂げた以上、もう軽視は禁物だ。マイラーズカップでは、ダイワメジャーに先着を許したが、ゴール前の決め手と府中コースへの適性を比べれば、むしろこちらに一日の長がある。

ダイワメジャーは、逃げ馬たちを突き回しながら、直線で力任せに押し切る展開に持ち込めるかどうかがポイント。京都や阪神・中山なら対応できても、直線500メートルの府中G1になると、そんな芸当も案外と難しい。強いときには鬼のようでも、土俵を割るのは案外アッサリというタイプかもしれず、3番手評価までとしたが、展開のカギを握るのは間違いなくこの馬だろう。要注目。

以下では、ハマればゴール前で、一瞬の鋭い脚を使える馬たちが続く。これらのタイプは幅3メートルのグリーンベルトに密集する馬群の真っ直中に位置する公算が高くリスクは大きいが、うまく捌ければ上位進出の目も残っている。

キルトクールは、オレハマッテルゼ
無類の東京巧者で、本質的にはマイラー。そんな資質を考えると人気も当然と思えるが、早めに抜け出すとソラを使う癖が泣きどころ。必然的にギリギリまで手綱を抑える策を強いられるが、多頭数の激戦だけに、そうこうしているうちに行き場を失ってしまう恐れが・・・・。

ちなみに、香港馬3頭も強い顔ぶれが揃ったけれど、東京コースで乗り慣れていない外国人騎手を割引材料と考えたい。馬券的には「はじめから出走していない」扱いにしてしまったほうが精神衛生上よいので無印としたが、実績的に勝たれてしまっても、まったく文句はいえないという厄介な存在だ。

6月 4, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (17)