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2006/05/22

【オークス回顧】千明さん、それはちょっと違います

Kawakami_princess_at_the_oaksこれは速い流れっ!」と思わず実況アナも絶叫するハイペースになった今年のオークス。
発馬直後から暴走モードに突入し、後続を大きく離して逃げたヤマニンファビュルは、前半1000メートルを何と58秒1のハイラップで通過した。この時計だけを見るなら、まさしくマイル戦並の流れ。だが、そこから15馬身以上も離れたところに位置していた2番手グループは、時計換算し2秒5は遅く1000メートル地点を通過している。この事実に注目し、レース全体は、実はスローで流れていたとみる意見もあるようだ。たとえば、GCの回顧番組に出演した坂井千明氏がそんな見解を披露している。

しかし、坂上の地点から、早めに抜け出した馬も差してきた馬も、ほとんど同じような脚色になって入線していたゴールの光景や、桜花賞を好走した人気の差し馬たちが、結局3着にも食い込めなかったという結果を、「スローペース」説では説明できない。出走各馬の推定上がり3ハロンを比較すると、今年は最速でも35秒台。もし本当にスローペースなら、昨年のように33秒台とはいわないが、せめて34秒台を記録する馬も出てきてもおかしくないだろう。
気性の悪さを不安視されたフサイチパンドラが好位ですんなり折り合っていたこと、また、後方に位置どったキッストゥヘヴン安藤勝己騎手が「淡々とした流れ」だったとコメントを残していたことからも、2番手グループ以下の通過ラップは、いわゆるスローというより、緩急の少ない平均ペース的流れだったとも想像できる。さらには、ヤマニンファビュルの急失速のせいで早々と先頭に押し出されたアサヒライジングを目標に、各馬が早めのスパートを仕掛ける展開になったせいで、直線は「キレ」よりも「スタミナ」や「底力」が要求される厳しいレースになった。やはり今年のオークスは、例年とは明らかに異質な競馬だったと、結論づけるべきではないだろうか。

スタミナ」「底力」というキーワードで、あらためて結果を振り返ってみると、興味深いのは、上位に入線した3頭がいずれも馬格に恵まれたタイプだったということだ。
Kawakami_princess_at_the_oaks02優勝したカワカミプリンセスの馬体重・484キロは、昭和50年テスコガビーの486キロに次ぐ2番目の記録だという。そのカワカミプリンセス、パドックでは一見太めの姿に映ったが、よく観察してみると、プリプリとした感じの弾力ある筋肉に全身が包まれている。440~450キロ前後の華奢な牝馬たちとはタイプを異にするグラマラスな馬体は、まるで、中学生集団なかに峰不二子が1人紛れ込んでいるかのよう。2着フサイチパンドラ、3着アサヒライジングも、それぞれ500キロ近い雄大な馬格の持ち主だった。

Admire_kiss_at_the_oaksこれに対し、アドマイヤキッスキッストゥヘヴンはいかにも牝馬らしい「キレ」を内包してそうな華奢なタイプ。だが、その反面、どこか壊れてしまいそうな「線の細さ」を感じてしまったのも、また事実である。桜花賞から800メートル距離が延長されても、ヨーイドンの決め手比べなら、こんなタイプが台頭する可能性もあったのだろう。だが、今年のような展開だと、さすがにゴールまでキレを持続しきれず、最後はガス欠気味になってしまった。こんな結果からも、今年のオークスの「質」を、あらためて推し量ることができるだろう。

2番手以下スローペースではなく、見た目通りの厳しい競馬
秋以降の牝馬戦線、さらには来年のオークスを展望するうえで、この事実は是非、記憶にとどめておきたいところである。

5月 22, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

初めまして。いつも楽しく拝見させていただいております。
カワカミの取捨といい、パンドラの評価といい
まったくの同感だったので今回のオークスの記事は特に興味深く読ませていただきました。
馬格についての考察は面白いですね!
峰不二子、には思わず吹き出しそうになってしまいました(^^;
以前のフラムドパシオンの写真といい、
今回の馬格を比べた写真といい、とても
素敵で感動しました。
こういう独自の視点での記事はとても勉強になります。
これからも勉強させてもらいに参りますので
どうぞよろしくお願いいたします。
失礼いたしましたm(__)m

投稿: けん♂ | 2006/05/22 6:34:13

こんにちは。

「ガラスの競馬場」の治郎丸敬之です。

今年のオークスについては、私は平均からスローに近いペースだったと思っています。

ヤマニン1頭はハイペースでしたが…

それでも上がりが掛かったのは、馬場(芝の長さ?)によるところが大きかったのではないでしょうか。

だからこそ、おっしゃるような、スタミナと底力に富んだ馬力型タイプが粘りこんだということでしょう。

確かに、今年のオークスの質は少し違いましたね。

投稿: 治郎丸敬之 | 2006/05/23 22:04:18

おはようございます!
そしてお久しぶりです。

私も山城さんと全く同じ見解です。あれを2番手以下はスローなどと言っている専門家の気が知れません^^でなきゃ勝ちタイム2.26.2というオークス歴代2位のタイムなんて叩けませんからね。

投稿: むんく | 2006/05/24 8:02:12

こんばんは。ペースに対するご意見,全く同感でしたので,トラックバックさせていただきました。瞬発力勝負であれば,キストゥヘヴンがもっと伸びていたと思います。

また来させていただきます。

投稿: Montjeu | 2006/05/24 20:43:55

メディアの回顧記事などをみても、時計的にはスローに近いミドルペース、けれど各馬が早めの仕掛けを強いられた分、スタミナ比べの厳しい競馬になったという見方が、多いようですね。そんなレースで、他馬を力でねじ伏せたカワカミプリンセス。当ブログでは戦前、この馬の力を過小評価していましたが(汗)、歴代のオークス馬と比較してもかなり強い牝馬であるのは間違いないと思います。

投稿: 山城守 | 2006/05/26 0:32:20

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