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2006/05/30

【ダービー回顧】時計平凡でも低レベル評価は禁物

The_derby_2006_start

優勝したメイショウサムソンの走破時計・2分27秒9は、過去10年のダービーで2番目に遅い水準。レース自体の上がり3ハロン35秒3も、前半のスローペースを考慮するなら、平凡と評していいものだ。道中の流れが緩く、上がりも要したこのタイムだけを取り上げれば、いわゆる「低レベルレース」に該当しそうな今年のダービー。走破タイムを単純比較してみると、メイショウサムソンは、昨年の18着馬シルクトゥルーパー(2分27秒5)にも及ばない?いう妙な結論が導き出されてしまう。
だが、実際のレースから受ける印象は、「低レベル」の凡戦どころではなく、上位各馬が死力を尽くしたダービーにふさわしい熱戦だった。

ポイントはやはり「稍重」と発表されていた馬場状態だろう。前後のレースを参考に、ダービーが争われた時点の馬場差を推測するなら、普段と比べ1~2秒は時計を要するコンディションだったと思われるのだ。

たとえば、芝千四で争われた第11レースの秋川特別(1000万下)に注目してみると、勝ったロードアルティマは後続に6馬身差をつける圧勝劇なのでおそらく別格の存在。この馬を例外処理してみると、むしろ2着・3着争いをしたグループが、普段1000万下条件で勝ち負けできるレベルだろう。こんな前提に立って、2着馬の走破タイム1分22秒7と、コース改修後の同条件・良馬場の1着平均タイム(1分21秒6)を比較してみると、やはり時計が1秒以上も遅い。この事実を基本に、距離の違いを補正してみると、ダービーの舞台・芝二四は、およそ1秒8程度、平常時よりも時計が掛かる馬場状態ではなかったか?と推測できる。

Meisho_samson_at_the_derby_paddockさらに、比較的淀みのない展開で淡々と流れた昨年と、アドマイヤメインがじっくりとためていった今年のダービーとでは、前半のペースが2秒以上も違っていた。馬場差の違いで2秒弱・ペースの違いで2秒と、合計4秒程度の条件差があったわけだから、一見低調に見える今年の決着時計には、大いに情状酌量の余地があると評価すべきだろう。仮にメイショウサムソンやアドマイヤメインが昨年のダービーに出走していたら、ディープインパクトには及ばずとも、インティライミ以下よりは優勢で、2着の可能性は大いにあったと考えられる。

Admire_main_at_the_derbyまた、先週のオークス同様、ダービーでも、500キロ前後の馬格に恵まれたタイプが上位を独占しているのが、今年の特徴だ。メイショウサムソン502キロ、アドマイヤメイン496キロ。ともに、パドックでは大きなストライドを使って、外周付近を堂々と周回していた。
一方で、サクラメガワンダーフサイチジャンクといった460~470キロ台の有力差し馬は、結局、上位2頭を脅かすほどの終いのキレを発揮できず、ゴール前では失速気味になってしまった。こんな現象も、やはり異常に馬力を要求する馬場状態を裏づけるものといえそうだ。
例年のダービーと違い、4コーナーを回りきっても馬群がコース全体に広がらず、直線では比較的内ラチに近い場所での攻防になっていたことからも、今年はそもそも外を回す差し馬の出番は無かったということかもしれない。

Dream_passport_at_the_derbyそんな状況下で、後方から唯一34秒台の脚を使って3着に食い込んだドリームパスポートも、かなり強い。デビュー以来、3着以下を外したことのない超堅実派。フジキセキ産駒の宿命からか?使える脚はけっして長くないが、芝の重賞路線では、条件を問わず常に上位候補にマークすべき存在として、この好走を記憶にとどめておきたい。

5月 30, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ |

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