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2006/04/07

【桜花賞展望】アドマイヤキッスと2走ボケ不安説の微妙な関係

Hanshin_race_paddock週末に迫った桜花賞の行方を占うために、今回は、出走馬の臨戦過程に焦点をあて、データ・マイニングを試みてみよう。検討の素材に取り上げるのは、今年の女王候補・最右翼との評判も高いアドマイヤキッスの臨戦過程である。
そのアドマイヤキッスは札幌の未勝利勝ち以来、6か月ものリフレッシュ放牧を挟んだ後、休養明けで出走したトライアルをいきなり快勝している。これで一躍主役候補に名乗りをあげてきたわけだが、実は最近10年間の桜花賞において、こんな臨戦過程を経て参戦してきた馬は、他に1頭もいない。なにせ、年明け後のレースはおろか秋競馬もすべてお休みしていた馬が、トライアルのたった1戦を叩いただけで本番を迎えるのである。冷静に考えてみると、確かに異例づくめのローテーションと言えるだろう。

長期休養明けの馬が鉄砲駆けした次のレースといえば、やはり気になるのは、いわゆる「2走ボケ」の心配はないのか?ということだ。
休み明け初戦を快勝した実力馬が、2戦目にまるで不可解な敗戦を喫してしまう・・・・長く競馬をやっていると、しばしばそんな場面に出くわし、馬券的にも痛い目にあうことが少なからずあるわけだが、そんな現象に関連して興味深い分析を示していたのが、『蛸坊主の赤鉛筆』さんのエントリである。この記事では、休養明け優勝馬の2戦目の成績をTARGETで集計し、そこから得らえた結論として、「休養明け緒戦で上位人気で優勝したとしても休養明け2戦目は馬券を買わないほうがよい」(前走から2週間と3週間目は特に危険)との見解が示唆されている。

果たしてこの教訓は、桜花賞のアドマイヤキッスにも当てはまるのだろうか?
こんな設問に対する答えを探ってみるため、当ブログでも「長期休養明け初戦を優勝した馬の2走目」について、データ分析を深めてみることにした。

集計・分析の対象としたのは、03年1月~先週の中央競馬全成績(障害レースを含む)のうち、半年以上の休養を挟んで休み明け初戦を勝利した延べ296頭の「次走」である。
その全成績と条件別の集計結果は次のとおりとなった。

■前走・半年以上の休み明けで勝利した馬の2走目成績
2sobokedata01

芝・ダートを問わず連対率は30%前後。休み明けの快勝に続き「次走」も連続好走が期待できるケースは、実は3割程度にすぎないという結果が示された。

もちろん、この集計結果には、叩き2戦目が昇級戦にあたるケースも少なからず含まれている。したがって2戦目の敗因をすべて「2走ボケ」と結論づけることはできないが、それでも単勝回収値・複勝回収値が、条件を問わず100を切る値となったことには、注意を要する。このことは、2戦目に順当な良化を見込まれ人気を集めながら、あっさり馬券圏外に去ってしまう危険な人気馬が少なくないことを、裏づけるデータと解釈できるだろう。そんなタイプを2戦目で狙い打つのは、馬券作戦として賢明といえない。
競馬新聞などをみても、「馬体が絞れさらに上昇」などと評価された叩き2戦目の出走馬に印が集中というケースがよくあるけれど、実はこうしたタイプこそ疑ってかかる必要があるのではないか?そんな仮説を検証してみるため、次に2走目における馬体重の変化というファクターに注目し分析を続けてみた。

■前走・半年以上の休み明けで勝利した馬の2走目成績
 馬体重・前走比別成績
 
2sobokedata02

前走との比較で馬体が絞れていても、そうでなくても、やはり連対率は3割前後。だが、単勝回収値・複勝回収値をみると、前走からマイナス体重で出走している馬のほうが、プラス体重組と比べ、総じて低位な数値となっている。
このことは、一見「馬体が絞れた」ように見える馬のほうが、より人気を集めがちである反面、実は馬券的妙味が薄いという事実を明らかにしている。
参考までに、休養明けの前走で10キロ以上馬体を増やし、そこから2走目に体重を絞ってきたケースに限定した成績というのも調べてみたが、結果はあまり変わらなかった。10キロ以上馬体を絞った馬の場合だと単回値60・複回値106とまずまずの数値が出ているものの、それ未満のマイナス体重にとどまった場合は、連対率25%・単回値34・複回値70・・・・こんなタイプの馬券に妙味はない。どうやら、そのように結論づけてもよさそうな雰囲気である。

ちなみに、例数は少ないが、半年ぶり以上の休養明けを勝利し2戦目が「重賞」だった馬たちの成績を検索してみると、結果は「0-2-2-14」 連対率11%・複勝回収値57という結果が示された。
しかも、連対2件のうち1件は、障害レース(04年中山大障害・2着メジロオーモンド)の事例であり、平地重賞に関していうなら、休み明け優勝馬の2戦目の参戦は明らかに危険信号と言えそうだ。

さて、話をアドマイヤキッスの例に戻してみよう。
チューリップ賞での馬体重が、休養前との比較でプラス18キロ。「背が伸びてひと回り大きくなっているし、体重増は成長分」と松田博師は語っているが、果たして桜花賞当日の馬体重がどう推移してくるかにひとまずは注目が必要だろう。トライアルから本番まで中4週という余裕をもったローテーションである以上、常識的に前走の疲れを引きずっての出走はありえないが、そこはデリケートな3歳牝馬のこと。未知の臨戦過程と人気のバランスを考えると、積極的に馬券を狙えるか否かは、微妙という気がする。

だが、実はアドマイヤキッスにとって、心強いデータも別に用意されている。
それは、手綱をとる武豊騎手と「長期休養明け初戦を優勝した馬の2走目」の相性が妙に良いということだ。彼がこんなタイプに騎乗したときの成績は、なんと「8-2-1-5」 連対率は実に60%を超え、単勝回収値も122と意外な好結果が記録されている。
果たして、鞍上の優れた手腕が2走ボケの克服に貢献しているか否か?この因果関係の裏づけまで探るのは、さすがに手に余るけれど、1番人気馬の取捨を判断するうえで、念のため考慮しておく必要があるデータといえそうだ。

4月 7, 2006 競馬予想・回顧アーカイブ |

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いよいよクラシック第一弾桜花賞である。今年は混戦・乱戦ムードと言われている。オッ 続きを読む

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桜花賞 このレースのお馬さんの中でおいらはリボンの騎士を連想させるお馬さんがいるなあって思ってます。2歳時は男馬を蹴散らしてGⅠを勝利して田中勝春騎手のGⅠ連敗を止めました。厩舎は手塚厩舎ってのがいいですよね?次はきっとJRAのGⅠの連敗も止めてくれ....... 続きを読む

受信: 2006/04/09 8:13:03

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