« 「馬券術 政治騎手」ヘタクソを買え!と推奨する個性的馬券本 | トップページ | 【フェブラリーS】展開・適性から考えるカネヒキリの取捨 »

2006/02/14

【馬券日記】ガンバレ!がけっぷち騎手

feb_12_tokyo_12_race_baken2月5日、日曜日・東京開催6日目
トリノで開幕を迎えた冬季オリンピックが世間の耳目を集めているらしいが、馬券オヤジの管理人にとって、そんな話題は当然アウト・オブ・眼中だ。土曜競馬でこっぴどくヤラれた記憶を4回転ジャンプの遠心力でエイヤっと振り払い、今日も意気揚々と府中の競馬場に繰り出す。見上げる空には、眩しいばかりの冬の青空が広がっていた。

さて、本日の馬券作戦で最も重視しようと考えていたこと。それは、前回エントリで取り上げた競馬本「政治騎手」の教えを実践し、高額配当獲得に挑戦してみようというものである。ヘタクソ(と世間から侮られている騎手)を敢えて買うべし!という馬券作戦が、果たしてどの程度通用するものなのか?まずは何事も、身をもって体験してみないことには始まらない。

勝負レースに選んだのは、最終12レース。1000万下条件の牝馬限定・ダート1400メートル戦である。一見するかぎり出走メンバーのレベルはどんぐりの背比べ。低調な顔ぶればかりが目立つ馬柱だが、そこで芳醇な匂いを放つ「ヘタクソ騎手」の名を発見してしまったのだ。

5枠9番 センノクニャーズ ▲52 鈴木(乗替)

鈴木慶太騎手、22歳
今年でデビュー4年目の年を迎える美浦の若手ジョッキーだ。平地競走で記録している通算成績は、274戦を消化してわずかに5勝。平均しても1年に1勝をあげることができるかどうかという微妙というペースである。今シーズンは辛うじて1勝をマークしているが、いまだ低空飛行を脱する兆しは見えない。そうこうするうちに、減量の特典がなくなる審判の日(06年3月)が近づいている・・・・「政治騎手」の著者の言葉を借りるなら、彼こそ、フェイドアウト寸前、筋金入りの「がけっぷち騎手」という評価になる。

だが、そんな鈴木騎手を「アンチャン」「ヘタクソ」と侮ることなかれ。「政治騎手」の著者も彼を高く評して、このように語っているのだ。

だが、この「がけっぷち」な状況が、馬券に活用できます。つまり今の彼にとっては、平場の一戦一戦が「生き残りをかけた真剣勝負」。しかも彼は、私が見る限り「熱いハートを持った騎手」。どんなレースでも腐らず諦めず乗ってきます。・・・(中略)・・・・その素顔は「わずかでも可能性のある馬なら、ジッとこらえてロスを減らし上位に押し上げるという「平場の決め打ち系」騎手なのです。
樋野竜司「馬券術 政治騎手」より引用~

なるほど。言われてみれば、平場戦を中心にわけのわからない激走馬が波乱を演出するとき、手綱をとっていたのが鈴木騎手だったということは、1度や2度ではない。
3年前の鎌倉特別ではサクラティガーを駆って鮮やかな逃げ切りを収めてみたり、昨夏の新潟ではヤマニンスプラウトによる豪快な追いこみを披露したりと、ハマッったときの破壊力はかなり強烈である。記録より記憶に残るジョッキーと言ったら、誉めすぎだろうか?
問題は、そんな「がけっぷち騎手」を、いったいどのようなタイミングで狙い打てばいいのかということだ。たまに馬柱でその名をみかけても、馬場掃除専用と評すしかないオンボロ馬に騎乗していることが少なくない騎手だけに、この判断はきわめて重要といえる。
その点、この日の騎乗馬・センノクニャーズは、以下のファクター分析からかなり魅力的な存在に思えた。

■ポイント1
前走・佐藤聖也騎手からの乗り替わり。この「アンチャン」の成績も鈴木騎手とどっこいどっこいなのだが、技量というポイントで判断するなら、「熱いハートをもった男」鈴木騎手のほうが期待値は高そう。

■ポイント2
3走前・東京ダートコース(千六)で勝ち鞍がある。

■ポイント3
高レベル評価だった前走で追込み、出走馬中第2位の上がりタイムを記録!

課題があるとするなら、馬柱に掲載されている過去5走のすべてにおいて「出遅れ」の前歴が記録されていたことだ(汗)。だが、これとて鈴木騎手乗り替わりによる「がけっぷち」魂の注入によりうまく好発を決めることができれば、かえって面白い材料に転化するネタになるように思える。パドックを周回するこの馬の気配もけっして悪くは映らないし、爆弾級の穴馬に「平場の決め打ち系」が乗ってくるとなれば、これはもう買うしかないだろう。

さて、そうはいっても、さすがにこの人気薄から単勝系の馬券で勝負するほど、自分は強心臓の人間ではない。じっくりと時間をかけパドックを凝視し深慮をめぐらした結果、購入を判断したのは、センノクニャーズと他の有力馬の2頭軸による三連複を中心に買ってみるという作戦である。前日予想の時点で本命と考えていたアマビリータの腹が巻き上がっており気配がひと息なのは誤算だったが、ここはとにかく手広く馬券を抑えるのが肝要と割り切るしかない。人気のピクシーダストゴットザビートあたりとの組み合わせを中心にバラバラと小額多点買いの馬券を購入してみた。夢を追って、3連単のフォーメーションにも、ちょっと手を出してみる・・・・これで、うまくいけば100万円獲得の目も出てきたというわけである。そうこうするうちに、最終レースのファンファーレが場内に響き渡る。

ゲートが開くと2頭ほど出遅れた馬の姿がターフビジョンに映し出された。青い帽子と緑の帽子?・・・・どうやら黄色い帽子の鈴木騎手は、無事発馬を決めることができたようだ。ひょっとしたらひょっとするかも?!と色めきだちながらあらためて場内の大画面を凝視する。だが、センノクニャーズの名がなかなか実況に登場してこない。どこにいるんだ?「出てこい鈴木慶太!」と思っていたら、何と、いつの間にやらその位置取りは後方2番手まで後退していた。ううむ、やはり控えてこそ味があるタイプなのか?と半信半疑の気分で見守るうちに、馬群は4コーナーの勝負所に差しかかってくる。前方の内ラチ沿いにみっしりと馬群が密集するなか、ここで鈴木騎手は不利を避け大外のコース取りを「決め打ち」する。

だが、結果的にはこのコース取りがセンノクニャーズの致命傷になってしまった。道中前後する位置取りを進んでいた藤田騎手が迷わず最内に進路をとって前との差を一気に縮めてくるのとは対照的に、外から懸命に追いこんでくる鈴木騎手。だが、追えども追えども前との差がいっこうに縮まらない・・・・長い長い府中の直線でも、ダート千四で大外差しを決めるのは、至難の技。結局、流れ込むようにして10着入線という不本意な着順に終わってしまった。競馬に「たられば」は禁物だけれど、結局、ゴール前では最内をすくった藤田騎手が後方から3着まで順位を上げてきたことを思えば、鈴木騎手にとっても、外を回した一瞬の判断ミスが惜しまれる騎乗だったと思う

だが、これも「決め打ち系の宿命」というべきか?思い切った判断が吉と出る日もあれば、凶と出る日もある。結果はともかく、自らのセールスポイントをアピールしてくれた鈴木騎手の手綱捌きは、それなりに観る者の印象に残った。
そしてまた、今回の凡走を誰よりも悔しく感じているのは「熱いハートをもった男」鈴木騎手自身にほかならないだろう。センノクニャーズの手綱を再び取れるかどうかはわからないが、チャンスがあればきっと捲土重来の一発をかましてくれるに違いない。減量恩典の無くなる直前まで、当ブログはこの若者の競馬に注目してみたいと思う。

へこたれるな!「がけっぷち騎手」
君の熱いハートをアピールするチャンスは、すぐに訪れるはずだ。

2月 14, 2006 府中日記, 日記・コラム・つぶやき |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33923/8650687

この記事へのトラックバック一覧です: 【馬券日記】ガンバレ!がけっぷち騎手:

» アサカラキニナル トラックバック CHANCE GETTER
ただ今トリノオリンピック開催中★ でも、日本勢はイマイチですね(^^; 開催前は スノーボード 国保 今井兄妹 スピードスケート 加藤 の面々がメダル候補となっていましたが、 実際は予選落ちだったり… やはり大舞台では力が発揮できない 若い力という....... 続きを読む

受信: 2006/02/15 11:55:58

コメント

こんにちは、山城守さん。
こないだの答えですが、スクロールが長すぎて、ずーっと下まで行かないとコメント欄が出てこないみたいで最大サイズオーバーで画面がフリーズするみたいになっちゃうんですよ。
再更新するとトップ画面になっちゃうし・・・
PCからでしか無理なんですかね??
残念だなあ~

投稿: Smart boyⅡ | 2006/02/14 14:39:37

はじめまして。鈴木騎手を(こっそり)応援している者ですm(_ _)m 興味深い記事でしたので、コメントさせていただいた次第です。
「熱いハートを持った男」、いいですね~。私も使わせてもらおうかしら。

センノクニャーズ、残念でしたね。久々に手綱を取れることもあって、私も期待していたのですが。今回は「決め打ち」が裏目に出てしまったみたいです…。

あと2週で減量が取れてしまいますが、それまでに一発かましてくれればと思っています。

投稿: ゆにぃ | 2006/02/15 2:47:20

フィクサーこんばんは。

鈴木慶太いいですねぇ。この土曜日に障害戦でいい穴を提供してくれたので、特に。障害戦での3kg減は結構効く場合があるので、重宝してます。西では佐久間、高井なんかも良いですね。

このレースではピクシーダスト&内田の軸は堅そうなので、3連複1頭軸でセンノクニャーズも絡めて買ってました。センノクニャーズの道営実績からいっても牝馬限定1000万下は十分通用すると思ったんですが、残念でした。馬券は藤田が抜けで外れ(泣)。

投稿: こう@技術委員 | 2006/02/15 22:51:19

山城様はじめまして。

ヒノです。単行本宣伝していただきありがとうございます。
センノクニャーズには苦い思い出があります。
500万下時代に鈴木騎手で大穴を期待していた馬だったのですが、
よりによって佐藤聖騎手に乗り替わったときに勝たれてしまったのです。
当然馬券でも見送り(涙)
鈴木騎手に戻ってきたのはうれしいですが、
減量特典のタイムリミットが1ヶ月をきっております。鈴木騎手の今後が気になります。

投稿: ヒノくん | 2006/02/16 18:55:36

>Smart BoyⅡさん

>最大サイズオーバーで画面がフリーズ

申し訳ありません。どうも必要以上に文章を長くしてしまうのが悪い癖でして、以前PCから携帯メールを送信した知人にも文句を言われた経験があります(汗)

投稿: 山城守 | 2006/02/19 3:17:00

>ゆにぃさん

はじめまして。コメントありがとうございます。
このエントリをまとめるにあたって、実は、貴サイトの情報もこっそり参考にさせていただきました。新年度の騎手試験合格者も発表され、鈴木騎手の減量特典消失まであと僅か・・・・土曜競馬、障害レースの競走中止はひやっとしましたが、無事ということで何よりです。ガンバってほしいですね。

>こう@技術委員さん
>西では佐久間、高井なんかも良いですね。

さすがに、そのあたりを買うのはちょっと躊躇いを感じます(汗)障害戦限定でしょうか?長距離レースと斤量の相関関係というのは、ひろく~んが紹介していた清水成駿コラムも指摘している所で、気になるファクターです。

>ヒノくん さん

著者の方にまで、直々にコメントをいただき恐縮です。
川田騎手はすっかりメジャーになりつつあるので、次なる「売り出し前」「売り出し中」を私も探してみたいと思います。

ではでは。

投稿: 山城守 | 2006/02/19 3:26:51

コメントを書く