« 2005年11月 | トップページ | 2006年1月 »

2005/12/31

【桐花賞】冬の水沢、特殊な馬場をどう読むか?

tony_gent_at_05_mercury_cいよいよ今年も、残すところあと1日。
大晦日の重賞
といえば、岩手競馬のファン投票ドリームレース「桐花賞」(水沢競馬場・ダート二千)の行方が気になる。昨シーズンは、正月開催で施行されたこの一戦も、今年は年末の掉尾を飾る時期に日程を移し争われることになった。岩手競馬を愛する者の端くれとしては、やはり、「有馬記念・東京大賞典・桐花賞」と慌ただしく続く年末シリーズを体感しないと、1年が終わったという気がしないし、こんなスケジュール変更なら大歓迎だ。

今年の出走馬は、岩手の番長・トニージェントに、古巣復帰後3連勝中のタイキシェンロンといったお馴染みの顔ぶれに、ファン投票上位に支持された良血馬カーム3歳馬のウツミジョンソン・マツリダパレスらが挑むという構図。12月に南関遠征を敢行したエアウィードの名前はなく、正直、あまり新鮮みの感じられないメンバー構成ではある。だが、今回はトニージェントによる4連覇という大記録がかかっており、注目の一戦であることにかわりはない。

さて、冬の水沢競馬といえば、以前、当ブログのエントリでも紹介したように、天候・気温次第で馬場状態が激変する厄介なコンディションのもとで施行される。すなわち、「馬場をどう読むか?」が、ときとして出走馬の能力比較以上に、馬券作戦を占う重要なファクターとして浮上してくるのだが、そんな事情と水沢攻略法のヒントを、岩手競馬専門誌「テシオ」最新号の記事が手際よくまとめていた。参考として、以下に引用してみたい。

注意したいのは砂が凍ったままの状態と、気温が上昇して水分が融け、馬場が田んぼのように水浸しになった馬場とを同じ「不良馬場」と発表している点。水分が融けてきた馬場の方がレースタイムは速くなる。レース前半を同じようなラップタイムで進んでも、一方ではハイペースで差し馬のズブズブ決着、他方は先行馬が楽々逃げ切りという結果となっても全く不思議はない。また、この時期は馬場凍結を防止するために砂は大目に入っていると考えられ、無条件に先行馬がパッタリ止まってしまう日も時折、見られる。
~「テシオ」2005年冬号「冬の岩手競馬の楽しみ方」より引用~

なるほど、このように不可解な馬場状態が、当日どうなっているのか?を知るためには、やはり現場に立ち会うのがベストなのだろう。だが、あいにく当ブログ管理人は遠征資金に事欠いており、今年はそれも叶わない。そこで、12月水沢開催のダート千八を基準にタイム等を比較・検討し、現在に至るまで馬場状態がどのように推移してきたかを、推測してみることにした。

■05年12月 水沢ダ千八の決着傾向

開催日クラス時計馬場天候1着2着
12月4日B31:55:05不良曇り先行先行
12月5日A21:56:00不良曇り差し逃げ
12月11日B21:56:01不良晴れ先行差し
12月12日C22:00:01不良小雪先行先行
12月17日A11:57:09不良晴れ先行先行
12月18日A21:59:00不良先行先行
12月25日B11:58:08不良曇り逃げ差し
12月29日C12:00:08不良小雪差し差し
12月30日A11:59:07不良曇り差し差し

公式発表はすべて「不良馬場」だが、これを一括りにできないことは、前述したテシオの分析が指摘するとおり。だが、少なくとも上の表から判断するかぎり、開催が進み厳冬期の様相が濃くなるにつれ、決着時計もどんどん遅くなっている傾向を、明確に見てとることができる。また、上位入賞馬の脚質もそれと連動して、開催後半になるほど「差し馬」の台頭が目立ってきている。この傾向を生んでいるのは、果たして「砂を深くしている」せいなのか?それとも「馬場の凍結」によるものなのか?速断することはできないが、桐花賞の馬券作戦を考える上で、「力の要る特殊な馬場」という条件を無視することはできないだろう。

ちなみに、桐花賞当日となる大晦日。水沢地方の天気は、最低気温マイナス3度、日中の最高気温でも0度と予報されている。前夜から降り積もる雪の影響もあって、朝イチの馬場は多量の水分を含みつつ、ガッチリと凍てついて、硬くなっていることだろう。日中の気温上昇で、どこまでその水分が融け出していくかは未知数だが、前日までと同様、かなり時計の掛かる馬場状態を想定しておく必要がありそうだ。

【結論】
◎トニージェント (村上忍)
○ウツミジョンソン(小林俊)
▲タイキシェンロン(菅原勲)
△マツリダブロッコ(沢田盛)

展開を推理してみると、力の要る馬場で無理に先行すればスタミナを奪われることは必定と見て、各馬ともスローペースに落としていく可能性もありうる。
だが、そんなときこそ、後方から一気にまくっていく戦法が有効に作用するのは、水沢競馬ならではの「傾向と対策」といえる。こんな戦法が今回ズバリとハマりそうなのが、王者トニージェントだ。既に桐花賞3連覇を達成しているという事実が、何よりも冬の水沢コースへの適性の高さを示しており、心強い。
マーキュリーC後、休養に入って11月の北上川大賞典で復帰(3着)というのは昨年とほぼ同じローテーション。ひと叩きした後、ここで4連覇を達成というのが、やはり陣営の大目標なのだろう。交流重賞で示した積極果敢なレースぶりからも、力の衰えを懸念する必要はなく、大記録達成に向けた舞台は整ったとジャッジする。

これに次ぐのが、好敵手タイキシェンロンなのだが、過去の戦績からも明らかなように、この馬がトニージェントを凌駕できるのは、あくまでマイル戦までという留保がつく。距離二千の長丁場、しかも序盤から良い位置を取りたい脚質のこの馬を、今回敢えて強調することはできない。
そこで、2着候補の筆頭に抜擢したのが、目下勢いのある3歳馬ウツミジョンソンだ。冬の水沢で、まだ勝ち星がないことが不安材料であるが、それも目の上のタンコブだった同世代トレジャーファンドとの兼ね合いによるもの。父カコイーシーズにふさわしく2着・3着が多いタイプなので、おそらく勝ちきるには至らないと思うが、名手・小林の手綱捌きを味方に連対圏突入の目まで期待してみる。
以下では、距離延長をプラスにして、あとひと押し効く可能性のあるマツリダブロッコ

さて、今年最後のキルトクール指名馬には、超良血カームを指名する。
数々の障害を乗り越え、年末の大一番まで駒を進めることができたことに、賞賛を惜しむつもりはないけれど、現時点では如何せん実績が不足している。
桐花賞で初めてこの馬の手綱を取る村松騎手も、前日の競馬では疾病(風邪)のため騎乗できずじまい。人馬とも頑張ってほしいという気持ちは、もちろんあるのだが、それと馬券は別の話だ。

12月 31, 2005 岩手競馬, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (5) | トラックバック (4)

2005/12/30

【東京大賞典回顧】これぞ、ノーガッツ・ノーグローリー!

no_guts_no_glory闘志のないところに栄光はない!!
NO GUTS,NO GLORY)。リスクを負いながらも、自分から動いていかなければ成功はつかめない・・・・まさしく、今年のTCKスローガンを地でいくような内田博幸騎手のガッツ溢れる先行策が、アジュディミツオーを復活に導いた。
ユートピア、さらにはナイキアディライトと強力な同型が揃って、専門誌の想定でも先行勢に厳しい展開が予測されていた今年の東京大賞典。特にナイキアディライト陣営は、JBC「わんこ座り事件」の汚名をそそぐべく、「ハナが絶対条件」と外枠からの逃げを公言し、戦前から他の先行勢を牽制していた。
こうした状況のもと、内枠とはいえ好位からの競馬もできるミツオーの手綱を取る内田騎手にとって、無理な競り合いを避けるという常識的戦法を選択する手もあったはずだ。事実、川島調教師は、「外から逃げる馬がいたら2~3番手に控えるように」と指示していたらしい。

no_guts_no_glory_by_mitsuwoところが、発馬直後のダッシュに成功したとみるや、アジュディミツオーは強気に先手を主張していく。「位置取りはスタート次第でと考えていました」・・・・レース後、内田騎手はそうコメントを残しているが、まさに機に臨んで変に応ず。あらかじめ指示された戦法に固執することなく、果断に状況に応じた策を選択できるところが、名手の名手たる所以だろう。
結局、内田騎手のこの判断が勝負を分けた。はやばやとマイポジションを確保したミツオーは、1~2コーナーでちょっと行きたがる仕草をみせたとはいえ、向正面から完全なマイペースに持ち込んでしまう。直線に入ると、まるで昨年のレースのビデオ再生をみるかのように、独走状態で先頭を駆け抜けていった。後続からミツオーに競りかけていくような馬は現れず、唯一、3角で動いた同厩の後輩シーチャリオットも、ミツオーの牙城を脅かすには至らなかった。

クールな内田騎手も、この勝利はよほど嬉しかったとみえて、ウイニングランでは左手を高々と掲げたガッツポーズを繰り返す。武蔵野ステークス、JCダートとJRA重賞戦線に果敢に挑みながら、思うような結果を残せなかったお手馬を、見事にホームグラウンドで蘇らせたその手腕は、確かに賞賛に値するだろう。大井の良馬場で記録した2分3秒1の勝ち時計も価値が高い。今日の競馬なら、仮にカネヒキリが参戦していたとしても、ミツオーを捉えるまでには至らなかったのではないだろうか?

これに対し、JRA勢は概して見所のない結果に終わってしまった。

seeking_the_daia_at_tokyo_daishoten2着シーキングザダイヤ・3着タイムパラドックス・・・・現時点の能力比較からは順当な着順といえそうだが、その敗因を「展開のアヤ」の一言で片づけてしまうのはどうだろう?勝負所で一歩仕掛けを遅らせるのが奏功したとはいっても、正直なところ、アジュディミツオーを負かすほどの意欲と勢いは最後まで感じられなかった。また、両馬ともパドックの状態をみるかぎり、前走のJCダートのほうが明らかに仕上がりは良好。要するに、このレースに賭ける意気込み・ガッツという点で、勝者に遠く及ばなかったということだ。

utopia_at_tokyo_daishoten5着のユートピアに至っては、とうとう自分の形に持ち込めず終い。「どうも大井に来ると、走りがおかしい。嫌がって走る面があるね」という安藤騎手のコメントが象徴するように、水を得た魚のように躍動していた盛岡での姿とは、まったく別馬のように感じられた。これならいっそ、岩手に移籍してみてはどうだろう。
彼の地の重賞レースを総なめにできれば、低額賞金でも年収1億以上の稼ぎをあげることはできるはずだが・・・・

sea_chariot_at_tokyo_daishoten南関ファンの期待を一身に背負ったシーチャリオットは、勝負所で自ら動いて仕掛けるも直線失速し、8着と不本意な結果に終わった。だが、走破時計として記録された2分5秒ゼロは、自らが東京ダービーでマークした持ち時計を更新している。この事実をふまえるなら、今回の敗因は、骨折明け2戦目での復調途上よりも、現時点の力量差がそのまま出てしまった結果と評せざるを得ないだろう。
とはいえ、さすがに評判馬である。良血らしく洗練された馬体を誇示しながら、パドックを周回する姿からは非凡な資質がうかがわれた。カネヒキリが豪快な馬体で周囲を威圧する野武士なら、こちらは貴公子とでも評すべきだろうか?
シーチャリオットが、かつての好敵手と再び相見えるためには、もうひと皮もふた皮もむける必要はあるが、新世代のダート王にストップをかける可能性を秘めた、高い素質には引き続き注目が必要だ。

(文中のコメントは、ラジオNIKKEI 競馬実況HPから引用)

12月 30, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (15)

2005/12/29

【東京大賞典】「にげうまだもの」の大復活なるか?

JRAの怪物には土がついてしまったが、今度は船橋の怪物が暮れの大井で復活劇を遂げる?!・・・・そんな南関ファンの期待に後押しされてか、3歳馬・シーチャリオットが前日売りで単勝1番人気に推されている。なるほど春当時、破竹の勢いで連勝を重ねたこの馬、2着常連のメイプルエイトを物差しにすれば、カネヒキリと遜色ないポテンシャルを秘める逸材と評価できるだろう。JCダートのイメージをダブらせてみれば、古馬G1級が相手でもいきなり通用という可能性も、なくはない。
だが、期待が大きかっただけに、骨折明けの復帰戦・惨敗には、やはり失望させられた。叩き2走目の上積みは計算できても、一気に相手関係が強化される大一番で果たしてどこまでやれるかとなると、正直、疑問を感じる。今回は鞍上にも主戦・内田博の姿はなく、「期待より不安が先に立つ」というのが、率直なところか。

nige_uma_damonoその内田博が手綱を取るのが、同厩舎のアジュディミツオー。ご存じ昨年の覇者である。この秋は武蔵野S・JCダートとJRA重賞戦線に挑みながら、思うような結果を残せていないが、両レースとも馬体の造りは決して悪い感じではなかった。既にドバイ遠征によるダメージからは回復しているはずで、大の得意コースに絶好枠と条件が揃った今回、一変の素地を秘めている。
川島調教師本人も激賞したという「にげうまだもの」のキャッチフレーズで知られるこの馬。仮にナイキアディライトやユートピアとの兼ね合いでハナを譲る展開になっても、しっかりと折り合って行けるなら、直線で一気に抜け出す策がありうる。上位混戦が見込まれる一戦だけに、名手の手綱捌きが怖い。

一方、JRAから参戦する古豪たちは、JCダートが激戦だっただけに、その反動が出ていないか?直前気配をしっかりとチェックしておく必要がありそう。

特に、前走で一気に馬体を絞ったシーキングザダイヤと、究極の仕上げでJCダート2連覇を目論んでいたタイムパラドックスの状態には注意がいる。
また、馬体のつくりが細めのユートピアも今回が秋4戦目。これ以上の上積みを望むのは酷かもしれない。混戦ムードだけに、評価が難しいけれど、今年最後の大一番はこの馬をキルトクールに指名しよう。

◎アジュディミツオー
○シーキングザダイヤ
△タイムパラドックス
△スターキングマン
△ベラージオ
△ボンネビルレコード
△シーチャリオット

12月 29, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (3) | トラックバック (14)

2005/12/25

点描・写真でつづる仁川のクリスマス♪

JRAが総力を挙げて推奨する三冠馬の快挙達成に背を向けて、はるばる府中から、やってきました仁川の競馬場(笑)おしりも阪神は師走開催の真っ盛り。当ブログ管理人が気の向くままシャッターを切った写真レポートで、師走の仁川の風景をレポートしてみましょう。

nozomi_700金曜日夕方、東京駅ホーム。「500系のぞみ」乗車を当て込んで新幹線の指定席を確保してみたら、あらら・・・ホームにやって来たのは、無愛想な「700系」。こりゃ納得できない!と、車掌さんに確認してみたら、雪禍で予定していた車両が東京駅にたどりつけず、やむなく700系に車両変更したとのこと。ううむ、そんな事情もあるんですねえ。
ちなみに、土曜日の競馬では、雪の影響による大渋滞に巻き込まれ、輸送熱を発症したと思われる馬たちの出走取消が続出。そんなところにも、師走競馬独特のが風情が顔を覗かせています。

hanshin_gateもともと関西圏(宝塚市内)に在住していた自分が競馬を始めたのは、ちょうど阪神競馬場が大改装を終えた当時。
改装直後の華やかな雰囲気に包まれたWSJSと、ニシノフラワーが快勝した阪神3歳牝馬S(G1なのに、当時は第10レースで施行されていた・・・・)は、今でも鮮明な記憶に残っています。
その後、大震災の試練を経ましたが、名物の大銀傘はいまだ健在。仁川駅から競馬場までの連絡通路も整備されました。意気揚々と入場門に向かうと、場内はすっかりクリスマスムードターフィー君もサンタの衣装でお出迎えです(ただし、例によって下半身は丸出しでしたが・・・・笑)

santa_sanカウンターの受付嬢も今日は特別サービス。サンタクロースの赤いおべべです。可愛いなあ・・・・。こんなお嬢さんたちを目の前にすると、馬券オヤジの心も、ちょっと激しく萌えてしまいました(汗)





hanshin_b_sitei重賞開催の土曜日。午前9時入場でも、楽々とB指定席(喫煙席)を確保することができました。
ちなみに12月からは、阪神でも「ホースレースiスポット」がオープンしたとのこと。これでスタンド4・5・6階の指定席エリアでは、無線LANを使うことができるようになりました。
ううむ、快適です。


boroboro_siba_course指定席4回スタンドから見下ろした芝コース。一見して、ボロボロの状態です・・・・。前週までの時計から想像していた以上に、芝の痛みが進んでいるようですね。週半ばの降雪も、この状態に拍車をかけた模様。ここまでひどい荒れかたは、秋の福島後半戦でみられるくらいじゃないでしょうか。力の要る馬場状態、差し有利の傾向が馬券作戦のポイントになりそうです。

sushi_train4レースが終われば、お昼時。さすがにどの食堂も、満員状態になりますね。
阪神競馬場といえば、「宝塚カレー」と思っていた自分が思わず瞠目したのは、回転寿司が出店していたこと。超満員だったので、入店は見合わせましたが、日曜日には速めの時間帯にトライしてみようかと画策中・・・・。



kent_desormeaux_at_hanshin_2005関西遠征中のケント・デザーモです。騎乗予定だったマチカネゲンジが出走を取消してしまったせいか?さすがに表情が険しい(笑)本日の成績は、計8鞍に騎乗し2着2回のみ。中山開催で感じていたように、彼本来のガッツあふれる手綱さばきが最近は影を潜めている気がします。日曜日は有馬で、ゼンノロブロイに騎乗予定。さて、どこまでやってくれますことやら。


admire_moon_at_rajitanメインレースです。今年で最後となる「ラジオたんぱ杯2歳S」のパドック(来年からはラジオNIKKEI賞)。
人気のアドマイヤムーンは、追い切りで鋭い動きを示していましたが、パドックではあちらこちらに愛嬌を振りまくお茶目な一面をみせていました。手綱をとっているスタッフの方が、競馬予想TV!の井内利彰氏によく似ている(笑)

sakura_mega_wondar_at_hanshin_2005これに相対するは、同コース・エリカ賞の勝者サクラメガワンダー
有り体に言うと、あまりやる気がなさそうな風情で、淡々とパドックを周回していたのですが、馬体の張りなど文句のつけようがなかったので、本命に抜擢しました。
レースは、一歩先に抜け出したアドマイヤを、サクラメガワンダーが猛追する手に汗握る熱戦に。差し有利の馬場状態も影響したと思いますが、ギリギリまでタメを効かせた名手・安勝の我慢強い手綱さばきが印象に残りました。
とにかく、今の阪神・芝コースは力が要るし、差し有利。これなら、わが愛馬オフィサーも絶好の条件を味方につけ、日曜日の好走が期待できそうです。

12月 25, 2005 旅打ちコラム, 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

【有馬記念】推定走破時計から結果を占えば

d_impact_kaeshiumaもしディープインパクトに土がつくとするなら、この暮れの大一番ではないか?そんな見方がいつの間にやら広がって、大本命馬の死角・不安を指摘する声が、競馬系ブログ界隈のあちらこちらで聞かれるようになった。
たとえば、前走以降の調整過程に対する疑問や、展開が向かないという仮説。あるいは同世代が低レベルではないか?という指摘。さらには、雪禍が生んだ交通渋滞による長時間輸送の影響を無視できないという見方などなど。
なるほど、どの説もそれなりの説得力をもっているように思えるが、なかでも自分が注目したのは、「蛸坊主の赤鉛筆」さんが指摘している「菊花賞と有馬記念とでは、Ave-3Fが極端に違う」という事実である。(「ディープインパクトは有馬記念向きではないかも」のエントリ参照)

Ave-3Fとは、競馬データベースソフトの定番「TARGET FRONTIER JV」で確認することができる指標で、「レース全体のタイムから上がり3ハロンのタイムを引いたタイムを、その残りの距離で割って3ハロン分に換算したもの」を意味する。言い換えると、レースの道中(残り600メートル標識まで)、各馬がマークした200メートル毎のラップを平均化したもので、その馬が速いペースで走っていれば値は小さく、遅いペースなら値は大きくなる。ちなみに、ディープインパクトが菊花賞で記録したAve-3Fは「37秒83」。長距離戦にふさわしくゆったりと追走していたことを示す数値と解釈できるが、タップダンスシチーが先導する有馬記念では、各馬のAve-3Fは「36秒台前半」になるので、ペースの違いに戸惑うのではないかという見方は、当然成り立つだろう。

ところで、この「Ave-3F」という指数には、これ以外にもちょっと面白い使い方がある。あるレースの「Ave-3F」を基準にとって、道中の走破タイムを求め、これにラスト3ハロンの上がりタイムを加算すると、別のレースの推定走破タイムを算出することができるのだ。

たとえば、先代の三冠馬=ナリタブライアンが距離二四のダービーでマークした「Ave-3F」「上がり3ハロンタイム」を基準に、100メートルの距離延長となる有馬記念の推定走破タイムを求めてみると、こんな感じになる。

「Ave-3F」36.5÷600×1900+上がり3F36.2=2分31秒8

実際ナリタブライアンは、その年の有馬記念で2分32秒2と上記推定に近いタイムを記録し、優勝を飾っている。このように「Ave-3F」を利用した推定走破時計の算出法は、各馬の時計的能力を把握するうえでは、そこそこ使える方法ではある。
だが、たったひとつのレースを基準に他のレースの時計まで占おうとするのは、やはり無茶なやり方と言わざるを得ない。それぞれのレースにおけるメンバー・展開・馬場状態、さらには負担重量が異なれば「Ave-3F」も違ってくるのは当然の話で、基準となるレースの指標をそのまま他のレースにあてはめることはできないからだ。

そこで、この欠点を補うため、今年の出走各馬の戦歴から参考となる複数のレースを抽出し、それらの「Ave-3F」「上がり3ハロンタイム」を平均化した後、有馬記念の推定走破時計を算出してみることにした。平均化した数値を基準にとることで、個々のレースの特殊性の影響は薄まり、全体として各馬の能力により忠実な推定ができるのでは?と考えたのだ。
分析対象としたのは、各馬の過去2年分のオープン競走出走履歴のうち、「良馬場」「距離二千~三千二百」「1着馬からの着差1秒以内」のレースである。この条件に該当するレースを、各馬ごとに最大5レース抽出し、指標の平均値を算出。そこから有馬記念の推定走破時計を計算することにした。すなわち、短距離戦や超長距離戦、あるいは力を出し切れず大敗してしまったようなレースは、有馬記念の直接の参考にはならないと割り切って、分析の対象から除外したことをお断りしておく。さらに、過去の斤量と有馬記念の負担重量の差を考慮し、それを補正する作業も行ってみた。

結果は、下表のとおりである。

■有馬記念 出走馬の推定走破時計(斤量補正後)

順位馬 名平均
AVE3F
平均
上がり3F
推定
走破時計
1タップダンスシチー36.135.42.29.5
2ゼンノロブロイ36.434.62.29.8
3サンライズペガサス36.334.92.29.8
4ハーツクライ36.734.22.30.3
5ディープインパクト37.033.82.30.6
6ヘヴンリーロマンス36.634.92.30.7
7リンカーン36.834.42.31.0
8オースミハルカ36.934.92.31.4
9スズカマンボ37.134.22.31.6
10グラスボンバー36.834.82.31.7
11コスモバルク36.635.82.31.7
12デルタブルース36.935.42.32.2
13オペラシチー37.135.32.32.8
14コイントス37.235.12.32.9
15ビッグゴールド37.235.22.33.2
16マイソールサウンド37.734.82.33.8

注目のディープインパクトの推定走破時計は、全馬のうち5番目という結果になった。さらにその内容に注目すると、上がり3ハロンが33秒8とずば抜けて速い水準である一方、「Ave-3F」が37秒フラットと遅い。要するに道中の位置取りが悪すぎて、差しても届かないのでは?という推論が成り立ちうるのだ。
単純計算してみると、ゴールから残り600メートル地点のディープインパクトは、先頭を行くタップダンスシチーから3秒近くも離された位置にいることになる。ここまで離されてしまうと、さしもの豪脚をもってしても苦しいと言わざるを得ないだろう。

だが、圧倒的人気を背負う名手・武豊が、肝心の勝負どころで首位から3秒も離され、じっとしているとは、ちょっと想像しづらい光景である。なるほど、菊花賞では残り600メートル地点、先頭と2秒4もの差があったけれど、今回は距離も500メートル短縮される。「ペースに違いに戸惑わなければ」という条件はつくが、おそらくラスト3ハロンの地点で2秒以内にまでは、差を詰めていることだろう。

ちなみに、ディープインパクトの上記推定走破時計の算出の参考として、基準としたのは「弥生賞」「皐月賞」「ダービー」「神戸新聞杯」「菊花賞」の5レース。このうち「弥生賞」「菊花賞」の2レースでは「Ave-3F」が37秒台後半とかなり遅く、それが響いて全体の算出結果でも遅めの数値が示される結果になったのでは?と考えることもできそうだ。かたや3歳春時点の成長途上で記録された数値、かたや長距離戦独特のスローペース・・・・そんな留保のつくデータを、果たして有馬記念の参考に採用するのが妥当かどうか
仮にこれら2戦を対象から除外して、「皐月賞」「ダービー」「神戸新聞杯」の3戦のみを基準に、あらためて三冠馬の推定走破時計をはじき出してみると、その結果は、「2分28秒9」(推定上がり3ハロン33秒8)という驚異的な数値になってしまった。前年にゼンノロブロイが記録したレコードを大幅に更新してしまう時計である。三冠馬が「本気」を出せば、古馬一線級が全能力を尽くしても、まったく歯が立たない・・・・タイムからの推定は、そうした可能性を強く示唆している。

もちろん「競馬」である以上、冒頭でも指摘したような様々な「死角」が影響して、三冠馬がもてる力を発揮できないという事態もないわけではない。
だが、ここまで強い馬が出走してくる以上、明確な裏づけのないアクシデントを前提にしたような予想を公にするのは、不適切の誹りを免れないだろう。三冠馬に古馬の壁は無し。ひとまずはその前提に立って馬券作戦を組み立てるほか、道はなさそうだ。

結論
◎ディープインパクト
○タップダンスシチー
△ゼンノロブロイ
△サンライズペガサス
△ハーツクライ
△ヘヴンリーロマンス
△リンカーン
△オースミハルカ

一言でいうなら、2着・3着探しのレース。三冠馬に人気が集中する以上、馬券的には三連単で勝負せざるを得ないので、相手は手広く考えたい。
仮に1着固定の3連単流しで42点を購入しても、合成オッズで3倍近くはつくので、何とか馬券を買える範疇だ。願わくば、サンライズペガサスであるとか、オースミハルカなどの伏兵が、ここ一番の奮闘を示してくれると嬉しいのだが。

キルトクールは、上位人気馬のうち、時計的にやや物足りないデルタブルースを指名。昨年の時計だけ走れば3着あたりに食い込む可能性がないわけではないけれど、前走・ステイヤーズSでも結果は辛勝だった。過去10年、このローテから有馬記念に参戦した出走馬の戦績は「0-0-1-8」(唯一の3着馬は3歳時のテイエムオペラオー)・・・・有馬記念男・オリビエの手腕をもってしても、今年は掲示板までが精一杯ではないかと、邪推している。

12月 25, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (33)

2005/12/23

暮れの仁川でサプライズ!オフィサー電撃参戦

いよいよJRA競馬も、残すところあと1週。「暮れの餅つき競馬」という言葉が昔からあるけれど、今週は、中山・中京・阪神の3場とも出走頭数が揃って、多くのレースでフルゲートの熱戦が楽しめそうだ。少数精鋭を旨としてきた、わがサウスニアRHもじっとしてはいられない。今年の掉尾を飾るべく、東西の特別競走に4頭のメンバーを送り出してきた。なかでも注目は、有馬記念当日の裏メイン・阪神11レースに、オフィサー(当ブログひとくち出資馬)の名が見られることだ。

officer_going_to_rokkou_island■サウスニアRH今週出走予定馬
 土曜中山12R ノエル賞
  カーティスクリーク 北村宏
 土曜阪神10R ベテルギウスS
  ペルフェット    藤岡
 日曜中山 8R フェアウェルS
  ダンスウイザード  木幡
 日曜阪神11R 六甲アイランドS
  オフィサー   四位

(情報は、サウスニアメールマガジン今週号より抜粋)

ダートの短距離なら準オープンでも最上位であることを証明した、前走・ブラジルカップの好走からおよそ7週間。短期放牧をはさんで、体制を整え直していたオフィサーが、当初目標に定めたのは、先週のアクアルミナスS(阪神ダ千二)だった。残念ながら、抽選で除外されたとはいえ、直後に早々と正月の羅生門S(京都ダ千二)に目標を切り替えることを表明していたこの馬が、まさかの電撃参戦。しかも、久々となる芝レースへの出走である・・・・正直、月曜の登録時点では、本当にここに出てくると、出資者の自分も想定していなかった。ちょっとした、年の瀬のサプライズといえる。

サウスニア情報によるなら、今回の出走判断について森調教師は、「急遽、四位騎手が阪神で騎乗できることになり、相手関係もそう苦しくなかったことから、ここで力試しをしてみることにしました」と、語っているという。だが、したたかな師の本音は、別にあるとみておくべきだろう。何と言っても、今週は「餅つき競馬」真っ盛りのラスト開催なのだから。

残すことろあと1週のJRAリーディングトレーナー争いは、先週4勝の固め打ちを決めた瀬戸口厩舎が、藤沢厩舎に5勝の差をつけ、独走態勢を築きつつある(JRA競走成績)。ところが、地方交流戦成績まで加算した総合ランキングで順位を眺めると、その様相はガラリと一変する。53勝すべてをJRAであげた1位・瀬戸口厩舎に対し、地方交流戦で13勝も稼いでいる2位・森厩舎は計52勝。その差、僅かに1勝というきわどいデットヒートを演じているのだ。こんな事情も反映しているのか、今週の出走予定頭数は、瀬戸口9頭に対し森8頭と、両者ともここ一番の多頭出しで最終決戦にのぞんでいる。まさに厩舎の面子をかけた総力戦である。勝負はおそらく最後までもつれ、僅差の争いになる・・・・となると、両陣営にとっては、確実に1勝を計算できる手堅い馬の存在が、ぐっと貴重になってくる。
そんな「計算の成り立つ」有力馬の1頭として、森師がオフィサーを位置づけここに差し向けてきたと考えると、どうだろう?一見唐突な電撃参戦にみえても、馬券作戦のうえでは、俄然注目が必要ということになる。

今でこそすっかりダート路線のイメージが定着したとはいえ、デビュー当初、芝のマイル戦で好タイムの2着があり、グリーンチャンネル先週の結果分析で番組推奨馬の栄誉に浴したこともあるオフィサー・・・・芝替わりがけっしてマイナス材料とならないことは、過去の戦績から裏づけがある。加えて、京都と比べれば差し優位の傾向がハッキリしているコース形態と、適度に傷みが蓄積された目下の芝の状態を考慮するなら、パワーに恵まれたこの馬にとって、阪神の芝こそは絶好の活躍舞台と考えることもできる。

もう一つ付け加えるなら、森調教師も指摘している相手関係・・・・骨っぽい面子が揃うダート戦線と比べてみれば、これといった強い馬のいないここなら、確かに与しやすい。前走で馬脚を現してしまったクリノワールドがトップハンデ57.5キロなら、あのタイキエニグマといい勝負をしてきたオフィサーの56キロはかなり恵まれた条件といえる。
また、おそらく今回は芝替わりが嫌われ、極端に人気を集めることもないだろう。ダートで一本被りに支持されてしまうくらいなら、馬券勝負のタイミングはむしろ今回とジャッジすべきだ。

有馬記念の興奮から約15分後、もう一つのサプライズに立ち会えるなら、新幹線代も惜しくはない・・・・そんなわけで、当ブログ管理人も、急きょ年末の阪神遠征を決断。今年最後のJRA競馬と馬券勝負を、仁川で楽しんでこようと画策中である。

12月 23, 2005 ひとくち馬主日記 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2005/12/21

「さおだけ屋」はなぜ活字中毒者に受けないのか

約1年前に東京に転勤し、京王線で電車通勤の日々を送るようになってから、激増したものがある。読書の時間だ。
もともと自分の場合、ちょっと手持ち無沙汰の時間があれば、ぼんやりとしているよりも、本や新聞に目を落としていたいクチであり、活字中毒を自覚している。そう、字さえ書いてあるものなら、スポーツ新聞のエッチ欄だろうと、チラシ広告だろうと、基本的には何でもOKなのだ。そんなわけだがら、毎日往復2時間の電車のなかで、じっとつり革に掴まっていたり、寝たふりをきめこんして、無為に過ごすことなど考えられない。週刊競馬ブックの月曜日と、週末の日刊紙をチェックしている金曜日の帰路、さらには酔っぱらってしまい本当に爆睡しているときなどを除けば、できる限り車中では、書籍化された活字を貪り続けてきたつもりだ。
とはいえ、ラッシュアワーの只中で大ぶりのハードカバーの頁をめくり続けるほどマナー知らずではないし、仕事帰りのリラックスタイムに肩のこるような書物と格闘するのも勘弁してほしい。そんなわけで、わが読書生活は、文庫化された軽めの小説などという至極ありきたりな路線が、その中心を占めることになってしまった。

だが、活字中毒者は、大きめの活字で組まれたスカスカの書物が苦手である。往々にして、そんな本は、取っつきやすそうにみえても、内容のほうもスカスカということ多く、手応えが感じられないことを経験的に知っているからだ。このような書物が、活字中毒者のどん欲な欲求を埋め合わせてくれるとは、到底言い難い。

4334032915たとえば、今年のベストセラーとして評判になった「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」(光文社新書)という公認会計士の書いた本がある。飲み会の割り勘や、2着で満足する麻雀打ちという身近なエピソードから説き起こして、初心者にわかりやく会計の世界をガイダンスしようというコンセプトの入門書なのだが、そんなうたい文句や会計本らしからぬネーミングが受けて、いまだ売れに売れているようだ。
けれど、あの本を手に取った自分がまず感じてしまったのは、新書版にしては異様に活字のポイント数がでかいという特徴である。
実際に数えてみたら、1頁あたりの行数は14行しかなかった。これは一般の新書に比べると2行ほど少ない数字である。1行あたりの字数も38字で組まれており、結局、頁あたりの情報量は普通の新書の8割程度に抑えられている。この密度の薄さこそ、「数字嫌いでもすらすら読める会計書」を標榜するこの本の真骨頂なのだろうが、頁を開いていくと活字の黒さよりも、余白部分の真っ白さのほうが目立ってしまうほどだ。

そのうえさらに、筆者は前書きで「むずかしいところは読み飛ばしてください」とか、「最後まで読み切っていただくために・・・・くだらない話もたくさん盛り込んでいます」とか優しく読者に語りかけてくる。けれど、これだけ密度を希釈したような本を読み飛ばしたりして、ほんとうに内容を理解できるの?という気がする。

で、活字中毒者の自分にとっては、やっぱりこの手の本の軽さがダメだったのである。まあ、話の種にでもと・・・・読み始めたまではよかったが、結局、途中で飽きがきてしまい、読了しないまま投げ出してしまった。「さおだけ屋が潰れない理由」は飲み込めたけれど、とりあえずの収穫はそれだけ。自分にとって、世間の話題を集めるこの本が、会計世界への誘いとなることはなかった。この本を通じ「あなたと会計が出会うことによって、新しい何かが生まれたら」と願い、執筆した筆者には申し訳ないけれど、それが事実である。

電車のなかで読むお手軽な一冊といえど、書物である以上、やはりそれなりの手応えはほしいと思う。ここでいう手応えとは、①書店で本を手にしたときのわくわくするような期待度、②実際に読み始めてからの吸引力(次の頁をめくって読み進めたいと思わせる文章の力)、さらには、③読了時に感じるずっしりとした余韻のバランスのうえに成り立つ、書物の魅力のことだ。「さおだけ屋」を例にとっていうなら、①は満点だが、②と③がいかにも弱いという印象を禁じ得なかった。本を売る出版者や書店の側に立っていうなら、とりあえず①が強い本ならベストセラーになる可能性が高いので、それでいいじゃないかという見方もあるのだろうが、コアな活字中毒者にとっては、②③がなくちゃ、アイ・キャン・ゲット・ノー・サティスファクションなのだ。

さて、実はこのエントリ、自分にとっての今年のブック・オブ・ザイヤーを発表するための前ふりとして書き始めたのだが、思いのほか長文になってしまった。そんなわけで本題は、次の稿に譲ることにしたいのだが、最後にその予告編を兼ね、最後に雑誌ダ・ヴィンチが発表した「5236人の本好きが選んだブックオブザイヤー・ベスト10」を紹介してみたい。はたして、このなかに活字中毒者の飽くなき欲求を満たしてくれる良書が何冊含まれているのだろうか?興味津々である。
ちなみに、これらのうち自分が読了したのは、第7位第10位にランクインしている作品だ。これらは、当ブログでも、以前ネタとして取り上げたことがある。とはいえ結局、「電車男」には縁が無い1年だったと思うと、ちょっと感慨深い。

■5236人の本好きが選んだブックオブザイヤーベスト10■
  第1位 電車男(中野独人)
  第2位 東京タワー(リリー・フランキー)
  第3位 NANA(矢沢あい)
  第4位 さおだけ屋はなぜ潰れないのか?(山田真哉)
  第5位 半島を出でよ(村上龍)
  第6位 鋼の錬金術師(荒川弘)
  第7位 バッテリー(あさのあつこ)
  第8位 ハチミツとクローバー(羽海野チカ)
  第9位 のだめカンタービレ(二ノ宮知子)
  第10位 東京奇譚集(村上春樹)
    ~雑誌ダ・ヴィンチ
      ブック・オブ・ザ・イヤー総合ランキングより引用  

12月 21, 2005 書籍・雑誌 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2005/12/18

【阪神牝馬S】今季限り「幻のシリーズ」第1戦を占う

line_craft_and_y_fukunaga_at_nhkmc暮れの仁川名物としてすっかり定着した牝馬限定マイル重賞・阪神牝馬S。だが、昨年までは、何となくその位置づけ・性格がハッキリしない一戦といえた。
曲がりなりにもG2の看板を掲げる以上、そこそこの面子は毎年集まってくる。だが、実績馬が人気を背負いながら期待を裏切る凡走をみせたかと思うと、前走・条件戦を勝ち上がったばかりの格下が連に絡み波乱を演出するなど、その傾向に掴みどころというものがない。その格下馬が後に天皇賞(秋)を制したりすることもあるので(笑)、ますますわけがわからなくなるのだが、基本的には「祭りの後」の脱力感と目標喪失感が色濃く漂うなかでの黄昏の重賞といえた。このようなレースにわざわざ参戦してくる、有力馬の本気度を推し量ることは、馬券を買う側からすると、ほんとうに難しい。

だが、今年に関しては、そんなレースの趣も例年とはいささか異なるようだ。ポイントは、JRAが先日発表した来季の番組改編である。それによるなら、阪神牝馬Sも来年からは春開催(桜花賞前日)に時期を移行することが決定している。レースの名称こそ変わらないものの、新設牝馬G1・ヴィクトリアマイルの前哨戦と位置づけられ、距離も千四に短縮されるという。
この改編にともない、来春をめざす有力牝馬陣営にとっては、「05年阪神牝馬S(マイルG2)→06年阪神牝馬S(千四・G2)→府中の牝馬マイルG1」と、本番に向けた新たな道筋が拓かれることになった。まさしく、ロード・トゥ・ヴィクトリアマイル・・・・ちなみに来年以降、阪神冬開催のG2戦は、牡馬混合戦の阪神カップ・千四に模様替えされるので、この牝馬限定G2・G1合計3レースは、今季限りの「幻のシリーズ」として実現される運びとなる。3レースの優勝賞金合計額は2億円。参戦のモチベーションを高めるには、悪くない金額である。
もちろん来春の新設G1までは、まだ5か月の時間があるので、さすがに今回の阪神牝馬Sまでも直接の前哨戦と位置づけるわけにはいかない。だが、それでも本番を見据える有力どころにとっては、参戦する以上、少なくとも無様なレースはできないという思惑が、確実に働いていることだろう。

既にこの秋3戦の消化し、そのどれもが激戦だったラインクラフト
通常なら休養入りしてもおかしくないこの名牝がわざわざ、ここを目標に調整を積んできた背景にも、おそらくそのような思惑があるのだろう。それを知ればこそ、ファンもディープインパクト並の単勝オッズで、この馬を支持している。

過去の傾向と対策に照らしてみれば、1番人気がアテにならない重賞ではあるが、こと今年に関しては、例年と異なるそんな事情まで考慮する必要がありそうだ。

【結論】
◎ラインクラフト
○マイネサマンサ
▲アドマイヤグルーヴ
△チアフルスマイル
注オースミコスモ
注レクレドール

ローズS・秋華賞と折り合いに課題を残したラインクラフトにとって、マイルCSの淀みない流れは明らかにプラスに働いていた模様。後方からこれまでにない鋭い脚を使えたのも、そのあたりのファクターが幸いしたものと思われる。
一方、今回の出走メンバーを見渡してみると典型的な逃げ馬が見あたらず、マイル戦にしては緩い流れになることも懸念される、だが、それならばNHKマイル当時の好位からの抜け出しで対応することもできるだろうし、桜花賞トライアルのように仕掛けを遅らせる差しという手もありうる。頭数も11頭と手頃だし、得意のマイル戦なら鞍上の意のまま動けるセンスの高さを発揮するのに支障はないはず。断然人気だが、ちょっと逆らえそうにない本命とジャッジしたい。

一方、これに対抗するアドマイヤグルーヴは、今回がラストランとなる。「良血牝馬の引退レースは無理をしない」という古い格言に惑わされる必要まではないけれど、来春に向けたモチベーションという点で、ラインクラフトに一歩譲るのは確かだろう。斤量を背負わされる今回は、おそろく早め早めの仕掛け。それが、ゴール前での決め手にどう影響するだろうか?

マイネサマンサのエリザベス女王杯は、緩い流れに痺れを切らし道中でなし崩しに脚を使ってしまったのが敗因。今回は、自らペースを作っていく可能性もあるが、折り合えば、意外と速い上がりを使える。一歩先に抜け出す競馬なら、意外と面白い存在になるかもしれない。以下では、やはり速い上がりを使えるチアフルスマイルだろう。

キルトクール指名馬は、ライラプス。すっかり、相手なりに走れるトライアルホースという評価を確立した感があるが、決め手勝負になると少々物足りない。最内枠発走からの馬込みを苦にするタイプではないけれど、阪神との相性もひと息。嫌って妙味ありなら、やはりこの馬ということになりそう。

12月 18, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (0) | トラックバック (16)

2005/12/17

【サウスニア】この馬で行きます!06年2歳馬募集申込

今年も、いよいよ始まったサウスニアRH06年2歳馬出資申込
先行受付期間12月17日~12月25日の9日間となっており、この間であれば、募集価格(出資金)より1割引で、出資申込を済ますことが可能である。募集口数は、すべて500口の設定だ。
とはいえ、このクラブの募集馬にふさわしく、一口あたりの募集金額がやたらと強気な設定なので、けっして安い買い物にはならない。将来の愛馬候補の選択は、今年も悩ましい作業になった。クラブから送られてきたDVDの動画で馬体・歩様などをチェックし、当ブログ管理人がセレクトしたのは、結局、次の2頭である。

lc_002■レディカーラ’04 牡
 父 Mark of Esteem(ミルリーフ系)
 母父Caerleon(ニジンスキー系)
 栗東・角居勝彦厩舎 入厩予定
 
英オークス馬と2000ギニー馬の配合による本年のマル外最高価格募集馬。大きなストライドで優雅に歩くその姿は、良血馬にふさわしい気品に満ちている。不安点があるなら、5代血統表に、シャーリーハイツ・ノーザンダンサー・ヴェイグリーノーブル・ラウンドテーブルと、やたら多くのインクロスが表示されていること。個人的には、もっとスッキリとしたアウトブリードタイプの配合が好みなのだが・・・・。とはいえ、ノーザンダンサー・ナタルマのクロスに思いっきり傾斜している他の高額募集馬(タッセルド・アリシドーラ)よりは、こちらのほうがマシか。
出資の決め手になったのは、香港国際競馬で角居厩舎のハットトリックが優勝を飾ったこと。角居先生、3年後に私を香港に連れてって!(笑)この馬なら、それもユメじゃないと思わせるだけの器だと期待しています。

tc_003■タニノクリスタル’04 牡
 父 ブライアンズタイム(ロベルト系)
 母父クリスタルパレス(フォルティノ系)
 美浦・藤沢和雄厩舎 入厩予定
 
以前のエントリでも紹介した日本ダービー馬の全弟。今年の募集馬の目玉といってもよいだろう。馬体はまだまだ完成途上にあるが、どっしりとした腹袋は父の産駒ならではと思わせるし、DVDから受ける印象も、さすがに他の内国産募集馬とは一線を画す大物感に満ちあふれている。
このクラブとの相性がひと息な感のある藤沢厩舎に入厩予定なのは、確かにプラス材料とはいえない。それが影響して、松国流ハードトレーニングで早い時期から才能を開花させた兄とは、まったく異なる競走馬生活を送ることになるかもしれない。順調なら重賞級への成長が期待されるこの馬にとって、はたしてそれがどう出るか?
だが、3歳で燃え尽きた兄の志を継承したこの馬が、7歳でダート準オープンを走っていたりする地道な中堅馬に成長するのをじっと見守るのも悪くはない。そんな酔狂な風景を想像しながら、ついつい出資を決断してしまった(笑)

結局、マルガイと内国産の高馬を2頭、ボーナスをはたいて買うという、あまり芸のない選択になってしまった。これ以降、追加出資を検討するなら、カーティスクリークの弟=リルズ’04がその候補だろうか。出資額と馬のバランスを考えると、案外このあたりが最も賢いお買い物といえる可能性はあるだろう。

12月 17, 2005 ひとくち馬主日記 | | コメント (8) | トラックバック (3)

2005/12/16

掟破りもまた楽し rain book ラ・フェット多摩に登場

lafete_tama雨の休日に読書を楽しむ」というグループ名の由来のせいだろうか?rain bookレインブック山本容子前澤ヒデノリによる音楽ユニット)が野外で演奏するときには、あいにくの空模様の下でのライブになることが多いように思える。
11月に聴いた名古屋のライブも、今にも泣き出しそうな曇り空のもとでの演奏だったが、それから1か月、再び彼らの演奏と相まみえたのは、小雪が舞い散る多摩丘陵のショッピングモールのステージであった。12月11日(日)ラ・フェット多摩(東京都八王子市)。この日のrain bookは計3回のライブ演奏を行っているが、自分が観に行ったのは17時からの第3部である。

どんよりとした冬の曇り空から、お日様が顔をのぞかせることもなく、冬の日没を迎えてしまうと、気温のほうもグングン低下していく。吹き付ける風はまさしく真冬のそれ。年々亜熱帯化が進行する東京都内といえど、内陸部・多摩エリアの冷え込みはやはり格別だ。府中競馬場新スタンドの内装を彷彿とさせる(?)南欧風のデザイン・コンセプトが、かえって場内の寒々しさを強調しているようにも思えてきた。
こんな場所で野外ライブとはちょっと酔狂に過ぎたかも?と少々後悔しはじめたころ、おもむろにrain bookのお二人が、イベントステージに登場してくる。

1曲目・・・・ボーカルの山本容子さんが、無伴奏のまま、高らかに第一声をあげる。

Silent night, holy night
All is calm, all is bright

アカペラによる「聖しこの夜」に続いて、リズミカルな伴奏が始まると曲調は一変する。「アメージング・グレイス」へと連なる英語版のクリスマス・メドレーだ。真冬の夜空の下、澄み切った空気にのって、山本さんの声量豊かなボーカルが、どこまでもどこまでも伸びていく。

Amazing grace, how sweet the sound
That saved a wretch like me
I once was lost, but now am found
Was blind, but now I see・・・・

Aretha Franklinのように年輪を刻んだソウルフルな唱法とはかなり趣が違うけれど、山本さんの歌声も、揺るぎない確信とストレートな透明感に満ちた力強い響きだ。
凄い。たった一声で、場内のムードをrain bookの世界に変えてしまう説得力は、やはり健在だった。気がつくと、その歌声が買い物客の足を止めさせ、ライブを取り巻く観衆の数も増えてきている。

MCに続いて、2曲目には「見上げてごらん夜の星を」、3曲目「風をあつめて」とカヴァー曲が披露された。

風をあつめて」は、いまや伝説となった和製ロックバンドの草分け・はっぴいえんどの手による隠れた名曲である。若き日の細野春臣氏が抑揚のない声でボソボソとシュールな歌詞(松本隆作詞)を歌い、それがかえって叙情的な趣を強調するというヘンな名曲であった。その後、矢野顕子MY LITTLE LOVERのカバーが発表されて、今やそちらのほうが定番化してしまった感があるけれど、最近、新発田のライブでも演奏されたというこの曲を山本・前澤コンビがどう料理してくれるのか?自分にとって、今回、最も注目していたライブのハイライトがこの場面である。

街のはずれの背伸びした路地を散歩してたら
しみだらけの靄ごしに起きぬけの路面電車が
海を渡るのが見えたんです
それでぼくも、風をあつめて・・・・・

寒いので元気の良い曲をやります」「手拍子をして体を暖めましょう」と山本さんが紹介し始まった曲は何と、アコースティックな原曲のイメージを覆すような、ハンドクラップ入りのアップテンポ・バージョンであった。山本さんもスタンドマイクを前に両手を打ち鳴らしながら、リズムに乗ってどんどん歌っていく。スローミュージックを標榜するrain bookにしては掟破りの戦法(笑) ともいえるが、これがまた良いのだ。聴く側もさすがにスタンディング・オベーションというわけにはいかなかったけれど、これで随分と、身も心も温まってきた気がする。

4曲目・5曲目には、新譜にも収録されているオリジナル2曲「千本桜」と「心の力」が演奏される。ファンにとってはどちらもお馴染みで安心して聴ける作品だが、初めて彼らの演奏に接した聴衆には強い印象を残したらしく、ライブ後の即売会で、かなりの人々がCDを買い求めていたようだ。あるいは、前日に彼らが出演したNHK・FMのオンエアを耳にして、会場に駆けつけた人も少なからず含まれていたのかもしれない。こうしてrain bookを知る人が着実に増えてくれるのは、やはり嬉しいものである。

この日もう一つの収穫は、ライブの合間に、お話する機会を得た前澤ヒデノリさんが、実は府中の出身であると判明したこと。新潟出身のボーカルと府中出身の作曲者によるユニットですか・・・・馬券オヤジの自分がrain bookに惹きつけられるのも、案外そんなところに理由があったりして(笑)

rain bookは年内この後、12月21日(水)新宿ワシントンホテル・ラブリースクエアB1特設会場でクリスマスライブを、25日(日)CBC55周年記念イベントとして三重県桑名市でのライブを予定している。
新宿のライブには、時間をみつけて再び足を運んでくるつもりである。

12月 16, 2005 府中日記, 音楽 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2005/12/12

【超訳競馬ニュース】香港マイルを急襲!日本のエースだ!ハットトリック

hattrick_on_tennosho香港国際競馬で、日本勢が予想以上の大健闘!みごと香港マイルを制したハットトリックはもちろん、ヴァーズ2着のシックスセンス、マイル6着のアサクサデンエンも、よく頑張ってくれたと思います。これを記念し今回も、海外競馬ニュースの速報版を、当ブログ管理人による「超訳」にてお届け。原文は、香港賽馬会HPのニュースページに掲載されていた「JAPANESE ACE HAT TRICK SWOOPS TO LAND CATHAY PACIFIC HONG KONG MILE」です。
例によって、あくまで訳者の思いこみによる誤訳・暴走も多々あるかと思います。特に、鉛が落ちてレース発走時刻に遅延が生じたというくだりは、あまり自信がありません。昔、フェブラリーSで、岡部騎乗のウイングアローが馬場入場後、鉛を落とし再検量という「事件」があったけれど、今日のレースでは全騎手が再検量を強いられたのでしょうか?このあたりの事情は、さすがに記事だけでうかがい知ることはできないので、どなたか補足していただけると嬉しいです。

■香港マイルを急襲!日本のエースだ!ハットトリック
Japan's Mile Championship winner Hat Trick transported his national status to the international stage when landing the CXHK MILE at Sha Tin under Olivier Peslier.
Sent off as second favourite behind local hope Bullish Luck, Hat Trick was towards the rear of the field early in third last spot under a patient ride from Peslier.
Turning into the straight Hat Trick started to improve his position and came with a decisive run from the 300 metre mark to take the race by the scruff of the neck and win by a length and a quarter from the Darren Beadman ridden The Duke, who had raced prominently throughout, but who had no response to the winner's decisive thrust.

鞍上オリビエ・ペリエに導かれ、シャティンの香港マイルを見事制したハットトリック(三連冠)・・・・日本マイルチャンピオンシップの勝者は、世界の檜舞台でも哩王の勇名を轟かせてみせた。
地元の期待を集めるブリッシュラック(牛精福星)に次ぐ2番人気の支持を集めたハットトリックは、道中、最後方に近い位置取り。しっかりと手綱を抑えるペリエのもと、我慢の競馬に徹していた。
勝負は、直線を向いてから。進撃を始めたハットトリックは、残り300メートルの点から持ち前の豪脚を披露し、一気に他馬をゴボウ抜きする勢いを示す。終わってみれば、ダレン・ビードマンが騎乗するザデューク(星運爵士)に1馬身と4分の1差をつけての、完勝だった。ザデュークも、完璧に勝ちパターンの競馬だったが、勝者の圧倒的決め手の前には為す術がなかった。

Afterwards a delighted Peslier said: "It was a great race, and he's a wonderful horse. He was as good here as he was in the Mile Championship last time. He races from the rear, he was drawn wide, but I was always confident."

レースの後、喜びのペリエ騎手は、こう語っている。
いいレースでしたね。ハットトリックは素晴らしい競走馬ですよ。仕上がりも万全で、マイルチャンピオンシップを優勝したときと変わりないほど、状態が良かった。外目の枠で後方からの競馬だったけれど、終始、自信をもって乗ることができましたよ

The Tony Cruz trained favourite Bullish Luck raced in about eighth spot and ran on to finish fourth, without ever looking likely to take a hand in the finish. Dave's Best was third, half a length behind The Duke, who was the same distance ahead of Bullish Luck.

一方、1番人気を背負っていた地元の雄・ブリッシュラック(トニー・クルーズ厩舎)は、道中およそ8番手の位置どりを進んだものの、これという見せ場を作れることなく4着に終わった。デーヴズベスト(天仲之寶)は、ザデュークから半馬身差の3着に食い込み、ブリッシュラックに半馬身の着差をつけている。

The disappointment of the race was Rakti, who missed the break from gate three, and travelled on the fence in about sixth spot, but never looked to be happy in the race, never gave his jockey Philip Robinson any cause for hope at all. "He was not the same Rakti, the gears were just not there today," lamented Robinson.

残念なのは、ラクティ(發達蹄)のレースぶりだった。3番ゲートから出遅れ気味にスタートし、道中は内ラチ沿いの6番手を進んでいたが、終始手応えがひと息。直線でも全くいいところなく敗退してしまった。「いつものラクティじゃなかったよ。今日は歯車がかみあわず、ちぐはぐな競馬になってしまった」と、鞍上のフィリップ・ロビンソン騎手も、落胆を隠さない。

There was a quarter of an hour's delay to the start of the race when a lead weight was found on the floor, which necessitated the runners being unsaddled, the jockeys weighing out again, and the horses re-saddled before the race could take place, a factor that cannot have helped the more volatile contenders.

ちなみにレースの発走時刻が、予定より約15分遅れとなったが、これは鉛の重りが、床に落ちていたことが判明したため。このアクシデントのせいで、出走馬は一度鞍をはずし、騎手たちも再検量を行う必要が生じた。出走各馬はレース前に再度、鞍を装着しているが、そんな出来事が、激しい気性の馬たちに何らかの影響を及ぼした可能性もありうるだろう。

Asakusa Den'en , Japan's other challenger ran well from his widest draw in gate 14 to finish sixth just behind Court Masterpiece under Kieran Fallon, who got a dream run up the rail.
Fallon said, " At one point I thought I might get there, but he weakened in the last 100 yards."

日本からのもう1頭の挑戦者アサクサデンエン(浅草田園)は、大外14番枠からよく差をつめてきたが、内ラチ沿いをスルスルと伸びたキーレン・ファロン騎手のコートマスターピース(珍品)の直後、6着での入線だった。
一瞬、届くかも!と思ったけれど、残り100メートルで一杯になってしまったよ」とファロン騎手は語っている。

12月 12, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (23)

2005/12/10

【朝日杯】大一番の結果を左右するのは結局「屋根」

馬場管理技術の進歩にともない中山・芝コースの高速化が進んだと言われる02年以降、朝日杯は、来春のクラシック戦線を占う登竜門というより、マイラーとしてのスピード適性の高さを問う一戦へと、その性格を変貌させてきたように思える。
たとえば、決着時計の速さ。過去3年の優勝馬はいずれも1分33秒台のタイムを記録しているが、2歳オープン馬にとってはかなり敷居の高い水準であり、自らの持ちタイムを大幅に短縮しないかぎり、上位入賞は難しい。これひとつとってみても、競走馬として相当高い次元での完成度を備えていないことには、とてもクリアできない課題といえるだろう。ちなみに、5~6年ほど前には、エイシンプレストンメジロベイリーなどが新馬・未勝利を勝ち上がった後、いきなりここに挑戦しG1制覇を達成という例もあったが、当時と今とでは、決着時計が1秒近くも違っている
また、近年の上位入賞馬が概ね共通して兼ね備えているのは、マイル戦に相応しい緊密なラップへの適応力と、Aコースのラチ沿いをロス無く立ち回れる器用さ、さらには直線で先行勢を一気に捉えきる瞬発力・・・・そこから思い浮かぶのは、まさしく一線級マイラーのイメージである。クロフネシンボリクリスエス、あるいはディープインパクトでもいいのだが、デビュー当時からスケールの雄大さが評判を呼んでいた(その反面、荒削りな不器用さも秘める)素質馬たちと、朝日杯の優勝馬とでは、そのイメージが明らかに異なる。開花時期の早いスピード型であればOKというわけではないが、少なくとも、21世紀の2歳王者決定戦は、素質の高さだけで勝てるほど、甘いレースではなくなったということだ。

katsuharuまた、朝日杯の勝者を占ううえで、もう一つ注目しておくべき重要なファクターがある。それは騎手の手綱捌きというポイントだ。土曜日の芝のレースでも、再三繰り返された光景だが、この時期の中山芝コースは、Aコース開催にふさわしく、とにかくインを通った馬が優勢である。
たとえば、最終レースの幕張特別(芝二千・1000万下)。右回りは鬼門と言われ人気を落としていたルーベンスメモリー(柴田善)が、道中番手から終始ラチ沿いの好位置をキープして、後続の追撃を1番を振り切って見せた。その反面、1番人気で先行利が見込めたコンドルクエストは、中団から大外を回す競馬を試み、結局、差して届かずの3着・・・・このコンドルクエストの手綱を握っていたのが、朝日杯ではショウナンタキオンに騎乗する田中勝春騎手である。道中ではほとんど同じような場所に位置していた横山典騎手が終始最内にこだわる乗り方で2着確保したことを思えば、勝春騎手の騎乗ぶりは無用なロスを増やしただけという印象だった。これでは、さすがに「ボーンヘッド」の誹りを免れないし、この馬から馬券を買っていた自分も、正直かなり失望を感じた。

その勝春騎手、改めて中山・芝コースでの戦績を調べてみると(JRAレーシングビュアーでチェック!)、人気を背負う差し・追込馬に騎乗しているときには、無難に外を回していることが多い。もちろん内目のコース取りを通ることもあるが、そんな場合は往々にして内枠からの発走であり、自らインにこだわったというより、他馬に押し込められ意に沿わぬ位置を選択せざるを得なかったという風情である。

後方からの競馬になる」「ゴチャつく位置を避けてスムーズに進出させたい」との作戦を上原調教師が指示しているショウナンタキオン・・・・今回の枠順は、最内に近い2番枠になったが、上記の勝春騎手の騎乗ぶりも考え合わせていくと、おそらくインを突く戦法はありえない。昨年マイネルレコルトがみせたような、3コーナー付近から外目をマクってのロングスパートをイメージしているのだろうか。だが、芝の荒れがそれほど進行していない現在のAコースで、この乗り方はかなりリスキーな戦法と言わざるを得ない。
思えば、驚異的な末脚で他馬を圧倒した新潟2歳Sにしても、全馬が直線、馬場の真ん中から外に持ち出す特殊な展開・・・・ラスト600メートルでは、直線1000メートル戦と同様のセパレートコースの様相を呈しており、ショウナンタキオンは、何ら不利を受けることなく後方から進出し、長い直線と芝のいい外目を通るメリットを存分に生かし切ることができた。一方、今回の中山戦では、これとは対照的にインを走るコース取りの利が明白な競馬になる。果たして、新潟でみせた「あの脚」の再現を素直に期待していいものかどうか?人気ほどの信頼は置けないと考えておく必要がありそうだ。

仮にショウナンタキオンが好走できる可能性があるとするなら、先行勢が前半から超ハイペースで飛ばし、馬群が縦長になった場合だろう。これなら、ラチ沿いから1~2頭外側を通りながら後方から先団に取り付くことができる。また、馬群が散り散りになる展開になれば、3年前のサクラプレジデント(勝春騎乗)のときと同様、内枠から出遅れても、運良くインのコース取りを確保できるかもしれない。
だが、今回に限っては、好位でラチ沿いのコースを固めるグループも、福永・武豊・内田博幸・デザーモなど、かなりえげつない顔ぶれが揃っている。これらのメンバーがガッチリとラチ沿いを固めてしまう状況が見え見えというなかで、後方からやってくる馬に勝利への最短コースが開く可能性はかなり小さいとみておく必要がある。また、逃げ馬スロクハイネスの取り消しで、前半から極端にペースが速くなることもなさそうだ。

非凡な素質を秘めるショウナンタキオンという天の配剤に恵まれた今年の朝日杯、勝春騎手にとっては久々のG1勝利の好機ではある。だが、大一番の結果を左右するのは、結局「屋根」の巧拙という、厳しい現実が待ち受けていそうな予感がしてならない。

【結論】
◎ジャリスコライト
○フサイチリシャール
▲ダイヤモンドヘッド
△ディープエアー
△フェイクフェイス

Photo:(C)Horses.JP(この画像の無断転載・複製はご遠慮ください)

「屋根」といえば、ジャリスコライトの手綱を取る名手=ケント・デザーモも、中山開催に入ってから、人気を背負いながら、今ひとつ成績が振るわない印象を受ける。先週のターコイズSのように最内を突くと前がズラリと壁になって立ち塞がり、外を回すと前が止まってくれない。どうにもチグハグな印象で、リズムが悪い
だが、悪ければ悪いなりに活路を見いだし、しっかりと結果を残してくれるのが、名手の名手たる所以である。幸いなことに、今回手綱を取るのは、鞍上の指示に機敏に反応できるセンスと世代屈指の決め手の持ち主。いちょうSが、マイル戦とはいえスローだったことを危惧する声もあるが、現時点での完成度の高さという点で、朝日杯の勝者に最もイメージが近いのはやはりこの馬。追い切りでみせた前代未聞・10頭合わせのパフォーマンスも、好位の馬込みから動いていく戦法を強く意識したもので、どんなペースになっても対応できる自在さを強化する方向に働きそうだ。

また、フサイチリシャールの手綱を取る福永騎手は、土曜競馬で痛恨の落馬。一時は日曜日の騎乗が危ぶまれたものの、どうやら中山入りして万全の態勢を取ってくる模様で、まずは一安心といったところ。仮に福永騎手が騎乗できない事態なら、当日中山で5鞍騎乗予定のある村上忍騎手(岩手)へのスイッチという妙手(!)を期待したいところだが・・・・フサイチの社長にそこまでの英断ができるかどうか?
前走の時計は掛け値なしに優秀だが、淀みないラップを刻んで先行するタイプとはちょっと違う。それがマイル戦でどう出るかが見所だろう。
以下では、最内枠に恵まれた武豊騎乗馬と、レベルの高い北海道シリーズ好走馬には、当然注意が必要。

キルトクールは、ショウナンタキオン。もちろん能力が能力だけに、2~3着の目はあるが、おそらく優勝はない。取りこぼしの可能性が最も高い人気馬であることを、再度強調しておきたい。

12月 10, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (26)

2005/12/09

オフィサー包囲網?同世代の強敵たちを検証する

officer_green_wood前走・ブラジルカップで2着した後、短期放牧に出されていたオフィサー(牡3・当ブログひとくち出資馬)が、6日(火)栗東トレセンに無事帰厩してきた。目下、出走に向けて照準を合わせているのは来週土曜日・阪神メインに組まれる準オープンのハンデ戦・アクアルミナスS(ダート1200)である。
(写真は、サウスニア公式サイトより)


週刊競馬ブック」に掲載された「オープン馬・準オープン馬近況レポ」によれば、現時点で、このレースに出走表明をしているのは、スリージェム(牡4)・コウエイキンラベル(牡6)といった準オープン常連に加え、エアアドニス・ゼンノエキスプレス・プリュネルといった3歳勢・・・・・つまり順調にいけば、有名なヨメ@宮本さんのところのプリュネル嬢(牝3)と、愛馬オフィサーの初対決が実現するわけで、ブロガー的にはちょっとワクワクするような注目の争いである。
だが、それはともかく、このレースには、ダートでまだ底を見せていない3歳の素質馬がこれ以外にも少なからず登録してくることが想定され、侮れないメンバーの集うハイレベルな一戦になりそうな予感がする。

そう思って、現在ダート短距離戦線を争う3歳・準オープン馬の顔ぶれをチェックしてみると、想像以上に層が厚いことに驚かされる。アクアルミナスSに出走可能性がある馬だけを数えても、ざっと20頭。試みにTARGET FRONTIER JVを使って、3歳勢だけで仮想出馬表を組んでみたのだが、古馬抜きの顔ぶれでもかなりの大激戦である。グリーンチャンネル「先週の結果分析」で三たび番組推奨馬に選ばれたオフィサーといえど、ここまで強敵が揃うと、ちょっと油断はできない。

aqua_luminous


これらのうち、既にオフィサーが直接対決で下しており、勝負付けが済んでいると思われるのは、マルカフレンチを筆頭に、ヒカルバローロリメンバードリームマイティシルバーヴィフォルテモエレの2頭といったあたり。それ以外の馬とはまだ対戦履歴がない。

未対戦のメンバー中でも、時計比較からまず強敵になりそうなのは、マイティスプリングだろう。前走・東京ダート千四で前日のブラジルC2着に匹敵する走破時計を叩き出している。このレースで2着に下したメジロハンターが次走をアッサリ勝ち上がったことから高レベル評価は疑いようもなく、さらには、あのアントニオマグナムを4馬身も離しているのだから、先行力が生きる展開になればかなり怖い。

さらには、牝馬のキープザフェイス。距離適性は千六がベストなので、敢えて阪神の千二にまで駒を進めるかどうかはわからないが、仮に出走してくれば、オフィサーの強力なライバルになりうる素材とみている。前走・河口湖特別(東京ダ千六・1着)では、鞍上の田中勝春騎手がこの馬に跨ったとたん、ニンマリと表情を緩めていたが、つまりはそれほどの状態にまで仕上がっていたということ。牝馬といえど、昇級後も上位で通用する可能性は小さくないだろう。

これ以外だと、風水パワーの後押しを受ける(?)実績馬コパノフウジン、坂のあるコースでは未知数とはいえ連勝の勢いが怖いアフリート産駒・ゼンノパルテノン、馬体が絞れていれば鋭い末脚を発揮してくるダンディズム、それに宮本厩舎の秘密兵器・プリュネル嬢などにも、当然注意を払っておきたいところだ。

ブラジルカップの内容から、今回はそれなりのハンデは覚悟しなければならないオフィサーが、これら同世代の強敵をどう迎え撃つのか?また、オフィサーとのコンビ復活が期待される武豊騎手(あるいはペリエかも?)が、どんな手綱捌きで愛馬を導いてくれるのか?ちなみに古馬勢からも、タイキジリオンなど強豪がここに矛先を向けてくる可能性があり、興味は尽きない。
注目の1戦に愛馬の出走が決定すれば、阪神競馬場に遠征の体制を組んで、声援を送りに行くつもりである。

12月 9, 2005 ひとくち馬主日記 | | コメント (5) | トラックバック (2)

2005/12/04

【阪神JF】「切れすぎる」末脚に不安あり!

alluring_voice_at_fantasy_s前哨戦・ファンタジーS(京都・芝・外千四)では、目の覚めるような差しきり勝ちをおさめ、一躍、2歳牝馬戦線の主役に躍り出た感のあるアルーリングボイス。5戦4勝の堂々たる戦績に加え鞍上・武豊とくれば、おそらく1番人気は必至だろう。この馬の取捨をどう考えるかが、今年の阪神ジュベナイルフィリーズを占ううえでの最大の焦点だ。

そのファンタジーS。自分も現地で観戦してきたのだが、あっという間に目の前を駆け抜けていったアルーリングボイスの脚は、まさに「切れる」という表現がピッタリであった。4角後方で馬群を捌きながら外に持ち出し、エンジンに火がついたのはゴール前300メートルほどの地点。そこから一気に加速し、10数頭いた先行勢をまとめて交わし去ってしまうのだから恐れ入る。1ハロン距離が伸びる本番でも、あの爆発力を再現できるようなら、他馬にとって十分な脅威だろう。
だが、その切れ味に、一抹の「脆さ」のようなものを感じてしまったのも、偽らざる印象である。抽象的な表現になってしまうけれど、「切れすぎる」と言うべきか・・・・以前、当ブログで、「カミソリの切れ味」「ナタの切れ味」を比較し考察するというテーマの記事を掲載したことがあるが、そのとき参考にしたスポーツライター・島田明宏氏の言葉が、アルーリングボイスの末脚の「質」をよく言い表しているようにも思える。あらためて引用してみたい。

「切れる」という表現には、「きっちりエネルギーを使い切る」というニュアンスもたぶんに含まれている。
88年のサンケイ大阪杯をフレッシュボイスで勝った武騎手は、レース後、「これが『切れる』ということなんですね」といったコメントをした。数年後、それはどういう意味だったのかを彼に訊いてみたら、スパートしてから素晴らしい脚を使い、ゴールした瞬間、フッと余力がゼロになったのだという。
つまり、切れる脚を使える馬というのは、「レース終盤のある短い時間内に、相当な量のエネルギーを一気に燃焼させることができる馬」と言える。着火したら短い時間内に確実に燃焼し切る。着火のタイミングが早すぎると、燃え尽きる地点がゴールより手前になってしまうわけだ・・・(中略)・・・・そうした強さと脆さの二面性を「切れる」という言葉は含み持っている。

      ~週刊競馬ブック8月7日号 競馬は本音で
      島田明宏氏のエッセイより引用~

なるほど。そう思って振り返ると、早め先頭から馬場の真ん中を通って後続の追撃を封じた小倉2歳Sにしても、ゴールを通過した瞬間、「フッと余力がゼロに」なっているように見える。また、ファンタジーSでアルーリングボイスが記録した推定上がり3ハロンタイムは34秒1は、確かにずば抜けた水準であるが、トップスピードに乗って速い上がりを使っていたのは実質直線部分だけ。長く良い脚を使ったという感じではない

とはいえ、これはあくまでも視覚から受ける主観的印象である。タイムやラップという観点からの検証も必要だろう。そう思い、00年以降のファンタジーSを対象に、ハロンごとのラップ推移を比較してみた。

graph_fantasy_s

グラフで視覚化してみると、今年のファンタジーSは例年とやや異質のラップを踏んでいたことがわかる。すなわち、ラストから2ハロン目のラップが速く、反面、最後の1ハロンになるとガクンとペースが落ちている。この箇所は、早め先頭に立って押し切りを狙ったラッシュライフ(2着)の動き方を反映したものと思われるが、最後の最後に1秒以上もペースダウンしていたとは、正直、意外な感じだった。この失速が、アルーリングボイスの末脚を、実際以上に鮮やかに見せる効果を生んだことは、想像に難くない。
ゴール前、計ったように差しきったあの脚は確かに見事であったが、本当に強い馬なら、もっと楽に先頭に立って、レースのラスト1ハロンを引っ張り上げることができたのではないか・・・・?やはりそんな思いを禁じ得ないのだ。そのように考えていくと、アルーリングボイスが未経験の阪神マイルでファンタジーS同様の爆発的末脚を発揮できるか否かは、ちょっと微妙という気がしてくる。

一方、これと好対照をなすのが、、ピースオブワールドが優勝している02年のラップである。好位から早めに抜け出した同馬が、ゴールまでしっかりと加速を持続させている様子がグラフの波形によく表れている。ちなみに、分析対象とした過去6年のうち、ファンタジーSを制した後、阪神JFでも優勝を飾っているのは、このピースオブワールド1頭のみ。千四以上の距離での出走経験がないままマイルG1を優勝できた背景には、それなりの時計的裏付けがあったということだ。

そもそも過去5年間の馬連平均配当100倍以上と、1番人気があまりアテにできない波乱の一戦である。天下の武豊といえど、過去にこのレースを制したのは僅かに1回だけ・・・・そんな傾向まで考え合わせていくと、前哨戦の1着馬が思いのほか伸びを欠き馬群に沈む可能性も否定しきれない。ここは思い切った穴狙いに行くべきだろうか?悩みは尽きない2歳女王決定戦の前夜である。

結論
◎コスモミール
○コイウタ
△フサイチパンドラ
△ブラックチーター
△エイシンアモーレ
注アルーリングボイス

cosmo_meal_at_fantasy_sファンタジーSの勝馬に信頼が置けないとなると、これにかわる優勝候補は、距離千四以上の牡馬混合重賞で好走経験をもつ馬ということになる。この条件に該当するのは、新潟2歳S3着のコスモミールと、京王杯2歳S組のコイウタ。だが、前者はファンタジーSでアルーリングボイスに完敗、後者は時計が平凡と、ともに本命としては強調しづらいのが辛い。ならば、12月開催の阪神マイル(Aコース)で圧倒的な実績を残しているサンデーサイレンス産駒(フサイチパンドラ。ブラックチーター)はどうか?といえば、こちらも出遅れ癖にキャリア不足と不安が一杯。結局、自信の本命を選び出すことは難しく、ここは上記4頭+先行利の見込めるエイシンアモーレを加えたボックス馬券でも買ってみるしか、手はなさそう。
結局、前走からの上積みを加味して、一応コスモミールを本命視してみたが、これとて、苦労人・木幡騎手と根本調教師のコンビをちょっと応援してみよう、という以上の意味ではない。上がり時計を要するハイペースになれば、5戦を数えるキャリアの重みが生きてくる可能性はあるが・・・・。

キルトクールも難しい。思い切ってアルーリングボイスを指名すればいいのかもしれないが、仮に末脚不発でも、今ひとつパッとしない今年のメンバーが相手なら3着くらいには食い込んできそう・・・・そんなわけで、今回は弱気に大外枠のアイスドールを消すのが精一杯。さて、どうなることやら。

12月 4, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (26)

2005/12/02

【サウスニア2歳募集馬】選ばれし者の恍惚と不安

tc_002満を持してというべきか?やっとこさというべきか?暮れも押し詰まりつつあるこの時季、我らがサウスニアRHの2歳募集馬のラインアップの全容が、ようやく明らかになってきた。長引く不況とイマイチ煮え切らない所属馬の成績を反映してか?例年に比べ募集馬の頭数(全9頭)が少なめであるのが気になるものの、今年も、英オークス馬の仔に、デインヒルのラストクロップ、ロックオブジブラルタルの初年度産駒など、ゴージャスな外国産馬を品揃え。他のクラブと一線を画す独自の良血マル外路線は、いまだ健在のようだ。

だが、例年なら募集馬の看板をつとめるこれら外国産馬の影が薄くなるほどの、内国産ビッグネームが、今年はスタンバイしている。タニノクリスタル’04(父ブライアンズタイム)・・・・そう、言わずとしれた日本ダービー馬・タニノギムレットの全弟がラインアップの一角に加えられているのだ。

募集総額は8400万円(一口あたり168千円)。良血馬に相応しくかなり強気の価格が設定されている。これを高いとみるか、お買い得とみるべきか?サンデー無き後、クラブ法人の募集価格が全体として低下傾向にある現在、評価は微妙と言うべきかもしれない。もちろん、ネームバリューだけで即断するのは危険であり、自分も実際の馬体を目にするまで最終評価を保留しようと思っていた。
だが、公式サイトで公開された写真・映像をみるかぎり、その雰囲気はなかなかのものであった。スター候補生にふさわしく漆黒の毛色に四白流星ブライアンズタイム産駒らしいどっしりとした腹袋。まだ幼い体つきをしているとはいえ、クラシックシーズンに向け成長の余地もかなり大きそうな印象を受ける。ひとことで言うなら、齢1歳にして兄同様、威風堂々たる風格を漂わせている。このまま順調にいけば、皐月賞も視野に入ってきそうな器とみたい。

しかし、その一方で、不安な要素もないわけではない。

ポイントになるのは、入厩を予定している藤沢和雄厩舎の調教方針が、ブライアンズタイム産駒のこの馬にマッチするかどうか?だろう。藤沢厩舎の管理してきたBT産駒といえば、ボールドブライアントレジャーがその代表格といえるが、いずれも頭角を現してきたのは、春のクラシックシーズンを終えた後。仕上げにかなり時間を要しているし、その後、息の長い競走生活を続けいるとはいえ、ややもすると絞りきれないままレースに出走し凡走と、持てる素質を十分に生かし切れているとは言い難い。運動量そのものは豊富でも、レース出走時には幾分お釣りを残す藤沢流の調教流儀と、太りやすいブライアンズタイムの相性がどうなのか?出資を判断するうえでは、やはり気になる問題である。その反面、外国人騎手を積極的に登用する厩舎だけに、ケント・デザーモのような騎手に恵まれれば、レースにいってビシビシ追われ、仕上がり以上の好走も期待できるのだがが・・・・

サウスニアRH、2歳馬募集先行受付は、12月17日(土)~有馬記念当日の12月25日(日)まで。募集開始まであと2週間の時間がある。一度出資を決断すれば、その後数年間苦楽を共にする愛馬を選ぶ作業・・・・その最終判断は自ずと慎重にならざるを得ない。タニノクリスタル’04を中心に、今年の顔ぶれをもう少しじっくりと吟味してみようと考えている。

<参考ネタ> クラブ法人 今年の高額募集馬たち(2歳)

クラブ募集額兄弟
サンデーフレンチデピュティブルーアヴェニュー1億クロフネ
ロードRock of Gibraltarレディパステル8400万
サウスニアブライアンズタイムタニノクリスタル8400万タニノギムレット
サンデーアグネスタキオンディクシーズスプラッシュ8000万デルタブルース
サンデーダンスインザダークロゼカラー8000万ローゼンクロイツ
サウスニアMark of EsteemLady Carla7350万
社台ダンスインザダークニキーヤ7000万ゴールドアリュール
キャロットダンスインザダークポトザリス7000万ディアデラノビア
社台ダンスインザダークシングライクトーク6000万セイレーンズソング
ゴールドSeeking the Goldグラマラス5880万
サウスニアDanehillTasseled5880万Deploy Venture
ウインフレンチデピュティピンクタートル5800万レディパステル

12月 2, 2005 ひとくち馬主日記 | | コメント (2) | トラックバック (1)