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2005/11/04

【JBC回顧】いろいろあれど、ひとまずは大成功!

time_paradox_at_jbcc名古屋競馬場を舞台に開催された今年のJBCナイキアディライトのわんこ座り事件に端を発した係員の「暴走」や、テレビ中継時間切れ問題などが、ネット界隈であれこれ物議をかもしている。なるほど、テレビ観戦だった人にとっては、随分とフラストレーションがたまる展開になってしまったようだが、実際に現地でレースを観戦してきた自分の印象からすると、それほどひどいレースじゃなかったと思う。

問題のJBCクラシックにしても、小回りコースらしく目まぐるしく先頭が入れ替わる展開や、肉弾戦も辞さなかった騎手たちの駆け引きは見応えがあったし、馬券の成否はひとまず置くとしても、手に汗握る熱戦だったというのが正直な感想だ。
また、問題視された係員の「蹴り」の一件も、レース結果に影響を与えるほどの暴挙という感じではなく、ライブならではのアクシデントのひとコマとして、場内では受けとめられていたと思う。NARのHPをみると、「不適切な対応」に関する主催者によるお詫びコメントも出されている。ひとまずは大目にみてやっても、いいのではないか。

自分がこんな感想を抱いてしまうのは、やはり朝から競馬場を包み込んでいた祭りの熱気に触れていたせいなのだろう。この日のドンコを支配していたそんなムードを、日頃競馬とは無関係な新聞の地方欄が、なかなか適切に伝えている。

競馬のダート日本一を決める「JBC競走」が3日開かれた名古屋競馬=同市港区=には、2万人を超すファンが詰めかけ、中央競馬(JRA)や地方競馬で活躍する一流馬の走りに酔いしれた。(中略)
 地元の名古屋競馬からは3頭が出走。クラシックに出走したレイナワルツ号(牝5歳)が残り約100メートルまで先頭を走り、観客を沸かせた。
 最後はJRAの武豊騎手と安藤勝己騎手の馬にかわされて3着だったが、地元のファンからは大きな拍手が送られた。
 2レースとも地方競馬所属馬が馬券に絡み、1~3着を順番通り当てる3連単はスプリントが39万3070円、クラシックが23万6450円の高配当となり、スタンドからはため息がもれた。
県競馬組合によると、1日の平均入場者は約3千人。この日は普段の約7倍のファンが訪れたことになり、関係者も「こんなにぎわいは初めてでは」と話していた。

 ~asahi.com : マイタウン愛知 11/4より引用

この日、自分が乗ったタクシーの運転手によると、ドンコの場合、公式発表が千人以上でも、実際には数百人しか場内にいないということがよくあるらしい(笑)そんな小さな競馬場が、これだけのビッグイベントを迎え入れるのだから、キャパシティオーバーは避けられない。施設面でいろいろと無理が出ていたのは事実であり、開催運営の面でも、苦言を呈すべきことは山ほどあった。たとえば、トイレの場所がわかりにくいこと。穴場や払い戻し所の数が致命的に不足しており、何をするにも長蛇の列が避けられなかったこと。パドックとスタンドを行き来する動線がレースのたびに滅茶苦茶になっていたこと。ゼッケンのフサイチネットの表示が邪魔で出走馬の馬名をパドックから読み取りづらかったことなどなど。

それでも「いつもと違う」名古屋競馬を満喫して、ドンコを後にすることができたのは、何より地元騎手や厩舎関係者の意気込みと奮闘を、肌身に感じることができたからだ。当日場内でお会いする機会を得たlandsliderさん地方競馬に行こう!)によるなら、この日は普段着の競馬だった前日とは明らかに異なり、朝からどの馬もピカピカの仕上げで競馬に臨んでいたとのこと。
mrその事実ひとつとってみても、関係者のやる気が伝わってくるが、実際にレースになっても、2レースでは名古屋の至宝・宮下瞳騎手が華麗なフォームで先頭を駆け抜け、5レースでも将来のアイドル候補・山本茜騎手がキッチリと人気に応え快勝と、ファンを喜ばす演出が用意されていた。晴れの舞台に最高の仕上げで競走馬を送り出す厩舎と、期待に違わぬ素晴らしい結果を引き出してみせる騎手たち。名古屋競馬ここにあり!を実感することができた瞬間である。
また、ファンサービスといえば、ミスターピンクこと内田利雄騎手も、この日はパドックを埋め尽くした観衆を相手に100万ドルの流し目を大盤振る舞い(笑)。JBCスプリントの返し馬でも、入念にスタンド前を行き来するなど、大いに楽しませてくれたものだ。

そして何よりのサブライズが、JBCクラシックのレイナワルツである。確かにデキの良さは目立っていたけれど、力勝負になれば到底JRAの強豪に太刀打ちできるはずがないと思われていたはず地元の女王が、4角回って2馬身リード。この瞬間、誰もがこの馬にやられたか?!と思ったはずだ。

「直線で、(自分に向けられた)歓声は届いていましたよ。皆さんに夢を与えられたのではないかと思っています。向正面からの手応えが抜群だったので、他馬に挟まれない様に、3コーナー手前から仕掛けていきました。次につながるレースが出来たと思いますよ。ただ遠征は苦手なので、名古屋限定ですが」
~児島騎手コメント(ラジオNIKKEI 競馬実況HP)より引用

reina_waltz_at_jbcc結果、惜しくも力尽きたとはいえ、地元コースを知り尽くした児島騎手のファインプレーは、賞賛に値すると思う。さすがにレイナワルツの馬券は買っていなかったけれど(汗)、自分もちょっと夢を見ました
いろいろあったけれど、祭りはひとまず大成功。こんな名古屋の頑張りに、他の地方競馬も是非続いてきて欲しい。

11月 4, 2005 旅打ちコラム, 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

> 祭りはひとまず大成功

中にいたらそう思われるでしょうね
でも、テレビで観ていた人間にとっては締め切りを7分延ばした競馬場の我儘、グリーンチャネルさえレース中に放送を打ち切る手際の悪さ、今後地方競馬と海外から離れると言われるJRA&GCHの姿勢、過去最低のレース売上...
結局競馬はJRAとTCKしか残らないだろうなぁ、という暗澹たる思いは変わりませんねぇ、こういうレースがJRAPATで買える、GCHだけでもいいから必ず生放送するというだけでも随分変わるはずなんですが...
ディープで13万人というライトなファンを取り込まないとね、そんな意味でも結果はともかく、どスローだった天皇賞の魅力にとぼしいレースは最悪だし、ノリ以外は無抵抗だった菊花賞も良くない、外から被せてディープを威嚇する騎手すらいなかった、ああいうレースをみせてはファンはつかないなという思いが強いですね

投稿: マルセル | 2005/11/05 0:35:53

>マルセルさん

確かにネット界隈を巡回してみると、場内組とテレビ観戦組で、かなりの温度差を感じます。MXだけじゃなくて、GCも途中打ち切りだったんですか・・・・
こんなことなら、帰り際に目の前を通り過ぎた土居アナをつかまえて、小一時間問い詰めておけばよかった(笑)

>ディープで13万人というライトなファンを取り込まないとね

さすがに13万全部は無理でしょうけど、その13分の1でも味方につけることができれば・・・・と思います。そうした意味で、天皇賞(秋)はライトファンにとっては難しすぎたのかも知れませんね。

投稿: 山城守 | 2005/11/05 0:50:40

TBありがとうございました。
遠く水沢のテレトラックにてJBCを観戦しておりましたが、馬券が外れても満足なレースでした。
馬の力も然ることながら、小回りで短い直線の競馬場の走り方をを熟知したジョッキーの見事な騎乗は、さすがだと思いました。
是非とも現地で見るべきだったと後悔しております。

「テレビ中継の時間切れ問題」「発走係員足蹴事件」が話題になっていて非常に残念ですが、レースはどちらも非常に見応えのある白熱したレースだったと思います。
小さな競馬場の大きな晴れ舞台に賛辞の拍手を私も送ります。

投稿: 駿平 | 2005/11/05 1:27:22

TBありがとうございます。

たしかに地方競馬は実際に見ると、また中央競馬にはない特別な雰囲気や気持ちになりますよね。ドンコには行ったことがありませんが、それは大井競馬場や浦和競馬場でも同じことが言えます。現地で観れた山城さんがうらやましいです。

自分もそのお祭りに少しでも参加しようとTVの前で陣取っていたのですが・・・参りましたw。TV組と現地組の温度差はかなりのものがあったと思います。今回は仕方ないですが、この時代、情報技術も進化して競馬の楽しみかたはそれぞれです。その温度差を少しでも埋める努力をすること、TV組でも楽しめるようにする努力をすることは中央、地方関係なく競馬全体の課題なのかもしれませんね。

投稿: MOTTOI | 2005/11/05 2:24:44

TBどもです。

逆に考えれば、それだけ現地で見ることはいい事だ、やはり競馬はライブで、というのが如実に現れたんじゃないですかねぇ(^^;;
とはいえ、あの現場じゃ馬券買える状況じゃなかったですが....この際、枠連だけにして「買い目毎の窓口」とかにしてもよかったかも(爆)←わかる人にしかわからないネタですな。
来年は川崎っすかぁ、2日連続で通うのもなぁ....といいつつ行ってしまうのが自分です。TVで見てるとまた切れるかもしれないですしね(苦笑)

ライトなファンは競馬の良さなんてわからないので「見ごたえのあるレース」「見ごたえの無いレース」なんて区別つきません。逆に見ごたえの無いレースをたくさんやったって、コアな競馬ファンは「見ごたえのあるレースやれよ!」と見続けるのです(笑)スローな競馬ばっかりで見ごたえが無いから競馬やめた、なんて人は聞いたことありませんし....。

ライブの競馬の楽しさを覚えてもらうことだと僕は思いますけどね....TVは二次的なものですよ。TVで競馬を見た人が実際に生で見に行ったり、生で見た人が今週は行けないからTVを見る。長期的にはいかに生の競馬を楽しんでもらうか、を工夫すべきだと思うんですけどねぇ。今は残念ながら短期的な視野での売上至上主義でまったく逆の方向ですが。

でも、ディープにむらがるあの競馬ファンじゃない連中が競馬場に来るのは御免被りたいです。あの連中は競馬を見に来ているわけじゃないので。競馬ファンに取り込みたくもないし、取り込めないでしょうね。これはJRA含めていろんな人が誤解していると思います。13万人の質が違う、こんなことも生で見た人だからこそわかるのですけど....。

ではでは。

投稿: てつじん | 2005/11/05 18:35:59

JBCはやはりドンコで生観戦して良かった!改めてそう感じています。あの小さな競馬場に2万人以上が押し寄せたのですから、場内の人口密度はダービー当日の府中と遜色なかったわけですが、場内の雰囲気は、てつじんさんのおっしゃるとおり「質」が違いましたね。やはりみんな「競馬」を見に来てるんだなと・・・・。
競馬はライブが一番です。といいつつ、今回の遠征ではまだ往復の新幹線代も回収できていませんが(笑)

投稿: 山城守@旅打ち中です | 2005/11/06 2:02:30

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