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2005/10/04

【スプリンターズS回顧】偉大なる闘争心に乾杯

seiei_daishi_yusho_at_nakayama終わってみれば、上位着順は人気順にワン・ツー・スリー。馬券的には興奮度の低い低配当決着であったが、レース内容そのものは素晴らしかったと思う。上位各馬が互いのスピードをぶつけ合い火花を散らすような熱戦で、カルストンライトオも、デュランダルも大いに観衆を沸かせてくれた。それでも、この日の主役は、香港からやってきた世界最速馬・・・・日本遠征2度目で見事栄光を掴んだサイレントウィットネスの凄さには、素直に賞賛を送りたいと思う。

その気になれば、カルストンライトオを子ども扱いするほどの速さを誇るこの馬でも、ハイペース必至の中山芝千二で外枠からハナを奪うのは容易ではない。無理に先手を主張すれば、ゴール前の急坂が容赦なく立ち塞がってくる。そんな中山コースの難しさを研究していたのか?ハナにこだわらず、いつでも抜け出せる絶好位で控える競馬に徹していたのはさすがというべき。その一方、大型馬の宿命というべきか?鞍上のゴーサインが出てからの反応にはちょっとズブさもみられた。それが影響し、勝負所の4コーナーではやや先頭との差が開いたが、直線に入って一度エンジンに火がつくと、550キロを超す巨漢とは思えないほどの鋭い脚を使ってくるのだから驚く。まさに矢のような伸び。ゴールに向かって一直線である。

だが、レース後パトロールビデオが捉えていた正面からの映像をみると、その印象はガラリと一変する。いったんラチ沿いを逃げるライトオに接近したかと思うと、ラスト100メートルでは再び進路を変え、大外から迫ってきたデュランダルとアドマイヤマックスに馬体を併せようとするかのようなアクションをみせていたのだ。これを外にヨレたとみるべきか、否か?鞍上のコーツィー騎手は明言こそしていないが、ゴール前さかんに右鞭を連打していたところからすると、意図的なプレイであった公算が強い。
思い起こしてみれば、ブリッシュラックと壮絶な叩き合いを演じたチャンピオンズマイルにしても、後続の追撃をゴール前寸前まで凌いでいた安田記念にしても、明らかに長いと言われる距離でこの馬が示した勝負根性の凄さは、目を引くものがあった。立ち向かってくる相手がいれば、100%以上の力を発揮してでも受けて立つ。この闘争心の激しさこそが、精英大師を最強馬たらしめているのだ。そんなパートナーの本質を知り抜いたうえで、右鞭を叩きつけゴールまで伸びを持続させたコーツィー騎手・・・・世界をまたにかけ闘ってきた勝負師ならではの見事な手腕だったといえるだろう。

以下、各馬に関して感じたインプレッションを写真付きで少々。

1着 サイレントウィットネス(コーツィー)
seiei_daishi_at_nakayama筋骨隆々。たくましくもりあがった胸前の筋肉からは汗がしたたり落ちる。GCで坂井千明元騎手が「人間でいうならボブ・サップ」と例えていたけれど、汗っかきであることに着目するなら超人ハルク・ホーガンのほうが、イメージに近いだろう(笑)
これだけの大型馬で一完歩のストライドも大きいはずなのに、なぜかパドックでは周回を重ねる毎に前を行く馬との間隔が開いていくのが、興味深かった。これはおそらく手綱を取っていた2人引きの厩舎スタッフが、うまくこの馬の気持ちをコントロールしていたため。なにせ、あれだけの巨漢で激しい気性の持ち主なのだから、一歩扱いを間違えれば、レース前に燃え尽きてしまいかねない。それを上手になだめながら、レースへの集中力を持続させてみせるのだから、香港の厩舎恐るべしである。勝利に貢献した、もうひとつのファインプレーというべきかもしれない。

2着 デュランダル(池添謙一)
durandal_at_nakayama_05慢性的な爪不安との戦いを余儀なくされるこの馬の場合、目標とするレースに向けピークに仕上げていくことには、かなりの難しさが伴うのだろう。馬体重454キロは、おそろく現時点でベスト体重というべき仕上げ。だが、その馬体からは、どこか華奢で頼りなげな印象が漂う。それでいて、レースになるとあれだけの脚を使ってくるのだから恐ろしい。ひょっとしたら、まだまだ完成途上の馬なのかもしれない。
この馬の美点をひとつあげるのなら、全身を使ってパドックの外周一杯を堂々と歩いてくることだ。これは馬自身が、レースに臨んで何をしなければならないかを完全に理解している証拠。ひょっとして虚勢を張っているのかもしれないが、この気持ちの強さが猛々しいばかりの末脚を生み出す原動力になっているのは、間違いないと確信した。

10着 カルストンライトオ(大西直宏)
light_o_at_nakayama05予想エントリではあまり評価していなかったが、穴をあけるなら、やはりこの馬しかいない。当日になって、そんな予感がひしひしと強くなり、密かに気配を注視していた1頭。だが、パドックに現れたその姿には、正直ガッカリ。トモの筋肉こそ落ちていなかったが、気合い乗りも馬体の張りもひと息と言わざるを得ず、アイビスSD当日、新潟競馬場で目撃した姿から、ほとんど変わっていなかった・・・・orz
希代の快速馬も既に7歳。激しい好不調の波に翻弄されるような、波瀾万丈の現役生活を送ってきたこの馬のキャリアからすれば、まだ最後のひと花があるのかもしれないけれど、現状G1レベルで過度な期待は難しい。とりあえず、現状の力を出し切ったレース内容そのものは悪くなかったが・・・・

10月 4, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

回顧のほうにもTBさせていただきました。
今度は恐らく普通にできてると思います。
先日はスイマセンでした。

それにしても、あの体型はすごいですね、サイレントウィットネス。
人間の100m走のランナーもムキムキな人が多いですから、いわゆるスプリンターの体型なんでしょうか。
日本馬で言うと昔のヒシアケボノが近かったのかな?

投稿: るいこすた | 2005/10/04 1:01:56

るいこすたさん、こんばんわ。

>それにしても、あの体型はすごいですね、サイレントウィットネス。

あれを見るために、わざわざ電車で1時間以上もかけて中山まで遠征してきました。電車代を払った甲斐もあったというものです(^^; それにしても香港勢、岡田総帥が「かなわん」とサジをなげたように、馬体の造りからして日本馬とまるで違うと言わざるを得ませんでしたね。ケープオブグッドホープのお尻も凄かったのですが、こちらはイマイチでした。

投稿: 山城守 | 2005/10/04 1:06:47

こんばんわ。デュランダルのパドックの雰囲気、私は大好きです。外、外を回って自信満々といった感じで「走るよ! 俺、走るよ!」という秘めた気合が体中に漲っていて、あの雰囲気が大好きです。一昨年のマイルCSの時、京都に観に行ったのですが、まさにそんな感じで、単勝をバカ買いしました。

投稿: fudaoyicheng | 2005/10/04 22:36:12

fudaoyichengさん、こんにちは。
香港賽馬会のニュース、いつも参考にさせていただいております。
デュランダルのパドックを生で見たのは、実は、今回がはじめて。確かに「気持ちの入った」歩き方で、馬券購入意欲を刺激しますね。レース内容も、期待を裏切らない好内容だったと評価しています。
それにしても、あれだけの末脚の持ち主ですから、その真価を是非府中の長い直線でみたいものです。次走・天皇賞(秋)に
出走してほしい!・・・・無理なリクエストかな?

投稿: 山城守 | 2005/10/04 23:56:56

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