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2005/10/27

【武蔵野S展望】雷神カネヒキリの死角を突く狂気の怪物

kane_hekili_at_dbgpとてもG3とは思えぬ豪華メンバーが顔を揃える楽しみな一戦。
なかでも注目は、3歳ダート戦線で無敵の快進撃を続ける「砂のディープインパクト」カネヒキリの参戦だろう。秋初戦・盛岡の交流G1・ダービーグランプリでは、風格さえ漂わせる完璧な競馬でライバルたちを圧倒。これで同世代との勝負付けは完全に終わった感がある。
初の古馬混合戦となる今回だが、ここもノンストップというのが大方の見解だろう。春シーズン、ユニコーンS優勝時に一度コースを経験しているのも強調材料で、おそらく当日、圧倒的な1番人気に推されることは間違いない。

だが、これまでのレース内容や陣営の発言を仔細に検討していくと、ダートでは一見無敵に思えるこの強豪にも、死角らしいものがあることがわかる。たとえば、ダービーグランプリを前に「カネヒキリの全貌を探る」という特集記事を組んだテシオ秋号では、角居調教師がこんな発言を残していた。

聴き手「どの辺りにダート適性を感じますか」
角居師「芝でも通用するスピードはあるが、脚をためてもそれほど伸びないし、緩急のある流れに対応するのが難しい感じ。ダートは芝ほど流れに緩急がないので、この馬には合っていると思います」
~ テシオ38号 角居勝彦師 インタビューより引用

なるほど、大井や盛岡でのカネヒキリの競馬を思い出してみると、ごくごく普通にコースを周回しているような、メリハリ感に乏しいレースばかりだ。けっして勝負所でグンと加速しているわけではない。だが裏を返してみると、他の追走が苦しくなるぐらいのスピードを程よく持続できるので、バテ気味の他馬とはいつの間にか差が開いてしまう。瞬時に繰り出せるスピードの絶対値で三冠の座をもぎとった同馬主の芝王者ディープインパクトとは、明らかに異なるタイプの競走馬といえるだろう。

たとえば、カネヒキリが道中好位から4角先頭の正攻法で押し切ったユニコーンSに関して、後半1000メートルのラップを確認してみると、こんな感じである。

12.1-12.3-12.2-12.1-13.1

見事なまでの平均ラップ。坂を上がったラスト200メートルでラップが13秒台まで落ちているが、当時からの成長を見込めば、現時点ではもう少し速い上がりを使える可能性もありうるだろう。
だが、決して切れる脚を使えるタイプではないだけに、勝負所でこれを一気に出し抜くような鋭い脚を使える馬なら、カネヒキリを負かせる可能性も皆無ではないと思う。瞬時のスピードの絶対値の違いで、あっと言わせてやるのだ。

そんな逆転候補の一番手として注目しているのが、左回りの短距離では、まだ底を見せていない上がり馬・トウショウギアである。

tosho_gear_at_nigata1これまで主に左回りの千二~千四を守備範囲にしてきたこの馬、今回は距離延長と重賞初挑戦が嫌われ、人気を落としてきそうな予感がする。だが、ユニコーンSの翌日に同距離で争われた麦秋Sでは、カネヒキリの価値時計を0秒4上回る好タイムで優勝しており、距離適性と時計の裏づけは十分といえる。

さらに強調できるのは、夏の新潟シリーズ2戦で控える競馬をマスターしたことだ。特に2戦目の越後ステークスは圧巻。好位最内で脚をため、ラスト2ハロン目・11秒台までラップが速くなったところを、一気に加速して抜け出すという非凡な決め手を披露してきた。おそらくこの区間がトウショウギア自身の最速ラップと思われるが、推定上がり3ハロンタイムから推し量るなら、おそらく11秒フラット近い脚を使っているのではないか?結局、最後の1ハロンも11秒台を持続し、2着以下との差を6馬身に広げゴールしたわけだが、有無を言わせぬ勝ちっぷりの凄さは、いくら時計の速い新潟ダートとはいえど、暴力的といっていいほどのインパクトを感じさせるものだった。

しかし、カネヒキリを打倒しうるほどのポテンシャルを秘めた怪物は、もう一面において狂気と隣り合わせの激しい気性の持ち主でもある。距離延長という条件のもと、どれだけ気持ちをなだめ、脚をためることができるか?逆転劇の成否は、鞍上・田中勝春騎手の乗り方ひとつということになりそうだ。トウショウギアとのコンビ結成時には6勝・連対率87.5%と抜群の実績を残している鞍上の手綱捌きに期待したい。

10月 27, 2005 今週の注目馬, 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

トウショウギアは自分もレースを一回見たことがあるんですが、狂気という言葉の似合うわからない馬ですよね。
ココで力を発揮するかは大いに疑問ではあるものの、実力は重賞級な事に間違いはなさそうですから。
逆にこの2頭の間隙をつく第3者も探しておいた方がイイ気もしますけど。

投稿: るいこすた | 2005/10/27 4:22:47

確かに。トウショウギアは勝つ時は恐ろしいほど強いけれど、常に惨敗のリスクを抱えた「わからない馬」ですね。第3の馬の候補探しには事欠かない豪華メンバーですが、少なくともカネヒキリと同世代のサンライズバッカスやドンクールなどでは、苦しいのではないでしょうか。

投稿: 山城守 | 2005/10/27 7:57:14

スピードの持続力ですか。強さは感じられるのにイマイチ印象度が低かった理由が理解できたような気がしました。
自分は、前走からの負担重量差と距離短縮といった観点からサンライズバッカスの逆転もありかなと思っていたのですが、持続力勝負で完敗した馬よりもトウショウギアのような爆発力をもった馬の方がカネヒキリを破る可能性が高いのかもしれませんね。

投稿: kemkem | 2005/10/27 22:22:03

トウショウギア・・・独走状態で直線を向いたときは、もしやと期待したのですが、私が「カツハルッ!」と一声叫ぶとそれを合図にしたように、バッタリ止まってしまいました。
思えば、次開催に的鞍・霜月S(ダ千四)があるわけですから、陣営の思惑からしても、今回はあくまで叩き台の重賞参戦だったんですよねえ(^^;
わかっちゃいたけど、馬券の魅力にあがなうことはできず、ついつい勝負してしまいました。まだまだ修行不足です。

投稿: 山城守 | 2005/10/30 10:54:10

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