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2005/10/31

【天皇賞秋・回顧】想定外だった究極の上がり勝負

heavenly_romance_at_shuten05前半600m通過が37秒フラット、1000mの通過が1分02秒4。参考タイムがターフビジョンに映し出されるたびに、場内を埋め尽くす観衆の間に、ざわめきが広がっていった。どの馬も積極的に仕掛けることなく、レースは完全なスローペースに陥っている。こんな展開、いったい誰が事前に予測し得ただろう?
全馬が脚を温存したまま直線に突入し、レースは上がり勝負の様相を呈していった。こうなると前半ある程度の位置取りを確保している組が俄然有利になる。中団から後方に待機していた馬たちも伸びてはいるが、結局、好位勢と脚色が一緒になってしまった。
決着時計2分台でも、上がり3ハロンでべらぼうな速さを要求される戦い。なおかつ、勝負どころで数字に表れない一瞬の決め手を繰り出せる器用さがないと上位入線は厳しかったということか。結果、決め手に勝ったサンデー産駒たちが、例によって上位を独占している。

こんな予期せぬ展開になってしまったのは、レースを先導するとみられたストーミーカフェ・タップダンスシチーがいずれも順調さを欠いていたことが影響したせいだろう。宝塚記念ではコスモバルクを潰しにかかったタップダンスシチーも、今回はストーミーカフェを泳がせるだけの覇気のない競馬に終始してしまった。「動きたくても動けなかった」というのが、佐藤哲三騎手の本音かもしれないが。

エアグルーヴ以来久々の牝馬による天皇賞制覇を成し遂げたヘヴンリーロマンス。最内枠の利をフルに生かし距離ロスなく立ち回れたことも大きかったが、へこたれそうになる馬を叱咤激励し、温存していた決め手を最後の最後に引き出してみせた松永幹夫騎手の手綱捌きが光る。母父サドラーズウェルズ・母母父がリボーという重厚な血統背景や、渋馬場の札幌記念を制した実績から、どちらかといえばスタミナ勝負の消耗戦が得意なタイプと思っていたが、なかなかどうして。出走馬の持ち時計から上がり3ハロンだけを取り出し比較してみると、昨年の古都S・メイSで披露した33秒台の決め手はこのメンバーでも最上位の評価に値する水準で、サンデー産駒らしい決め手も兼ね備えた現代型の競走馬だったのだ。事前にスローペースと読み切っていれば、上位候補としてマークすることも可能だったわけで、今さらながら、展開予想の判断ミスが悔やまれる。

zenno_rob_roy__sweep_tosho_at_shuten05ゼンノロブロイは、直線狭いところをグイっと割って伸びてきたが、最後の最後、わずかに甘くなったところを差されてしまった。海外遠征明けの出走だけに、いったいどこまで仕上げてきたか?に注目しつつパドックを凝視してみたが、今回は例によって藤沢流の若干余裕残しの馬体だった。もちろん、この程度の状態でも本来の能力発揮に支障はなかったと思うが、昨秋G1を3連勝した当時の凄みまでは感じられなかったのも、また事実。年内残り2戦、おそらく次走のジャパンCでピークの仕上げに持っていく青写真なのだろう。


dance_in_the_mood__at_shuten05これに対し、パドックで素晴らしい気配をアピールしていたのが同厩舎のダンスインザムード。前走・府中牝馬ステークスでもこの馬の馬体を間近で観る機会を得たのだが、正直、馬体・気合い乗りとも「萎んでしまった」印象で、もう終わってしまったのか?と失望を感じていた。それがどうだろう?たった2週間後なのに、今日は馬体の張り・艶とも、まるで別馬のような絶好の気配を漂わせ、どっしりと周回を重ねているのだから、牝馬はわからない。気性面の煩さも、今ではすっかり解消されているようだ。レースにいっても、いったんは先頭を独走しあわやと思わせる好走を披露。北村騎手も、この馬をすっかり手の内に入れた感があり、この秋、目を離せない存在になりそうな予感がする。


sunrise_pegasus_at_shuten05パドックの気配だけなら、サンライズペガサスの仕上げの良さも目を引いた。毎日王冠当時、僅かに感じられたトモの周辺の緩みはすっかり解消され、マイナス8キロの馬体重も細くなったというより究極の仕上げというべき出来映えだったと思う。
スローペースで道中全馬が膠着状態に陥るなか、ただ1頭外からじんわりと動いていったが、結果的にはそれが裏目になり、直線まで脚をためた馬たちとの追い比べで後れをとってしまった。枠順が枠順だけに、待機策に徹したとしても上位まで届いたかどうかは、疑問といわざるを得ないが・・・・。生涯最後のG1獲得のチャンスを逃してしまったこの馬、つくづくに運に恵まれていないG2横綱に終わる定めだったのだろうか?こんな馬にシンパシーを感じてしまう自分も、まだまだ修行が足りないのかもしれない。

10月 31, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (21)

2005/10/30

天皇賞が終わったらJBC!

jbc_nagoya_index11月3日(祝)名古屋競馬(ドンコ)で開催されるJBCの特集です。左の画像をクリックすると、JBCの楽しみ方・見どころはもちろん、名古屋競馬の魅力を紹介する特集記事にリンクします。内容は本番直前まで、随時更新される模様です。
天皇賞のレース直前。馬券的妙味たっぷりの大乱戦ですが、ここで熱くなりすぎず、名古屋への遠征資金はしっかり財布に残しておきたいところです。なんだか、まだ入学試験が終わる前から、予備校のPRをしているようなもんですけど(笑)
当日は私も名古屋に乗り込み、地方競馬の魅力を満喫してきたいと思います。

バナー提供は、競馬ライター・井上オークスさんのサイトから。Blog@MilkyHorse.comさん(競馬ブログポータル)で当ブログの真上に掲載されていたKANKANのネット競馬屋日記さん経由にて発見しました。善は急げで、さっそく掲載させていただきます。

10月 30, 2005 岩手競馬, 日記・コラム・つぶやき | | コメント (4) | トラックバック (1)

【天皇賞秋】古馬最高峰は時計勝負だ!

sunrise_pegasus_at_mainichi_ookan開催4週目、今週からBコース使用となった東京競馬場・芝コース。土曜時点の馬場状態を現地で確認してみると、直線内側に少々傷んだ箇所がみられるものの、全体的には洋芝の丈が程よく伸びてフカフカのコンディションが維持されていた。一見するかぎり、その状態は、毎日王冠当時とほとんど変わっていない


これを時計面から検証してみると、土曜日・天皇賞(秋)と同じ距離で争われた精進湖特別(1000万下)が2分1秒フラットで決着している。スローペースの上がりの競馬になったため、タイムそのものは平凡といえるが、開幕週の同条件競走・本栖湖特別で記録された2分0秒6とほとんど一緒の水準である。これなら「依然として良好なコンディションです」というJRA発表の馬場情報もそのまま額面どおり信用できそうで、今年の天皇賞は、例年どおりの高速決着を想定しておく必要があるだろう。土曜の昼間から降ったりやんだりしている小雨の影響が心配されたが、どうやらそれも大したことはなさそうで、良馬場の競馬になると考えていい。

良馬場の天皇賞で決着時計として想定されるのは、一昨年の勝ち時計を基準にすると、1分58秒前後の水準だ。古馬最高峰レベルが集う一戦だけに、上位進出のためには、これくらいのレベルに対応できる時計の裏付けが必要になってくる。

実際、過去2年・コースリニューアル後の東京競馬場で行われた天皇賞(秋)の上位着順と、出走各馬の持ち時計(芝二千)の相関関係を探ってみると、両者にはそれなりの関連性があることがわかった。たとえばこんな感じである(※コース形態や馬場状態に起因して、べらぼうに速い時計の出やすい新潟・小倉は対象から除外した)

■03年天皇賞(秋)出走馬 芝二千持ち時計(中央4場+中京)
 持ち時計1位 1.58.3(中京)ツルマルボーイ   → 本番2着
 持ち時計1位 1.58.3(阪神)カンファーベスト   → 本番5着
 持ち時計3位 1.58.5(中山)シンボリクリスエス → 本番1着
 持ち時計5位 1.58.6(中山)サンライズペガサス→ 本番6着
 持ち時計5位 1.58.6(阪神)ロサード      → 本番8着

■04年天皇賞(秋)出走馬 芝二千持ち時計(中央4場+中京)
 持ち時計1位 1.58.1(中京)アドマイヤグルーヴ → 本番3着
 持ち時計2位 1.58.2(東京)ツルマルボーイ   → 本番4着
 持ち時計3位 1.58.6(中山)ダイワメジャー   → 本番17着
 持ち時計4位 1.58.8(中京)ナリタセンチュリー → 本番6着
 持ち時計5位 1.59.2(中京)バランスオブゲーム → 本番9着

こうして眺めると、持ち時計上位馬が本番の天皇賞(秋)でもソコソコ上位に食い込んでいる傾向をみてとることができる。

ちなみに、昨年の優勝馬ゼンノロブロイは、意外にもこの時点での芝二千・出走経験がわずか1戦のみであったため、出走馬中の持ち時計上位ランクには顔を出していなかった。とはいえ、その1戦=神戸新聞杯で記録した1分59秒5のタイムは、3歳秋時点においては十分優秀といえる水準だろう。2着ダンスインザムードも、秋華賞を1分59秒3で走っており、今にして思えば、高速決着に対応しうる十分な資格を有していたとの評価も可能だった。

それでは、他の距離の持ち時計と天皇賞の着順に何らかの相関関係があるのかといえば、その年その年で傾向がまちまちであり、確たる法則性を見いだすことは難しかった。ただし、マイル戦の持ち時計上位馬に関していうなら、少なくとも近2年、天皇賞で苦戦する傾向が出ているようだ。かつては、ヤマニンゼファーに代表される一流マイラーがスピードに物をいわせ、距離の壁を克服するレースというイメージがあっただけに、意外な印象を受けてしまうが、近年のレースの質の変化に関して、何かの示唆を与えてくれそうなデータである。

さて、今年の出走馬を対象に、芝二千の持ち時計をチェックしていこう。
あまり昔のタイムを持ち出しても直接の参考にはならないと思われるので、過去1年半のレースに限定し、ランキングを算出してみた。

■05年天皇賞(秋)出走馬 芝二千持ち時計(中央4場+中京)
 持ち時計1位 1.57.5(中京) タップダンスシチー
 持ち時計2位 1.58.1(中京) アドマイヤグルーヴ
 持ち時計3位 1.58.4(京都) スイープトウショウ
 持ち時計4位 1.58.9(東京) ゼンノロブロイ
 持ち時計5位 1.59.0(阪神) サンライズペガサス
 持ち時計6位 1.59.1(東京) ダンスインザムード
 持ち時計7位 1.59.2(阪神) ハーツクライ
 
2分を切る高速決着に対応した履歴を持っているのは、上記の7頭に絞られる。小倉限定で好タイムをマークしてるメイショウカイドウや、もっと長い距離を主戦場としているリンカーン・ホウキパウェーブらの取捨については慎重を期す必要があるとはいえ、おそらく今年の優勝馬は、これら7頭の中から輩出されそうな予感がする。

結論
◎サンライズペガサス
○ゼンノロブロイ
▲スイープトウショウ
△ハーツクライ
注タップダンスシチー

上記7頭の「優勝候補」のうち、ダンスインザムードとアドマイヤグルーヴは、昨年の勢いを欠く現状。一度調子を落とした牝馬を立て直すには時間がかかると思われ、今回に関しては静観が無難だろう。
また、タップダンスシチーも外傷明けでの出走が不安視されており、仕上げに関しては、直前気配を慎重に確認する必要がありそうだ。また、もともと自分の「型」にはまらないと脆さを露呈するタイプであり、初めての経験する府中二千のコースで全幅の信頼までは置きがたいという印象も感じる。

となれば、優勝争いの目を残しているのは、結局4頭にまで絞られることになる。
昨年の優勝馬に宝塚記念1・2着馬、さらには前哨戦の覇者といずれ劣らぬ強力な面子だが、ここは芝二千のスペシャリスト=サンライズペガサスの経験を買って、本命に指名してみたい。前走・毎日王冠はスローペースの上がりの競馬。仕掛けのタイミングがドンピシャリでハマった感はあるとはいえ、仮に淀みない流れになったとしても、この馬の場合、即座に対応できる自在さがある。そうした意味で、ハイペース歓迎のスイープトウショウハーツクライなどより、展開に左右されない強みがあるのは心強い材料だ。
また、おそらくこの馬にとっては、今回が生涯最後のG1獲得のチャンス。メイチの仕上げで参戦してくることは必至であり、馬券勝負するには絶好のタイミングといえる。

一方、ディフェンディング王者のゼンノロブロイは、海外遠征明け。その実績には敬意を表しつつも、1着候補として狙うには躊躇いを感じるのも確かで、人気とのバランスを考えると、馬券を買いづらい気もしてくる。もちろん鞍上・横山典だけに軽視はできないが、今回に限っては対抗の一角という評価がちょうとよい。

迷いに迷ったのがキルトクール。思い切ってリンカーンやテレグノシスあたりを切ろうかとも考えたが、ここは送りバントでキングストレイルを指名する。藤沢厩舎と福永騎手というコンビ結成が興味深いけれど、さすがに古馬のトップクラスが相手になると家賃が高いだろう。

10月 30, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (28)

2005/10/27

【武蔵野S展望】雷神カネヒキリの死角を突く狂気の怪物

kane_hekili_at_dbgpとてもG3とは思えぬ豪華メンバーが顔を揃える楽しみな一戦。
なかでも注目は、3歳ダート戦線で無敵の快進撃を続ける「砂のディープインパクト」カネヒキリの参戦だろう。秋初戦・盛岡の交流G1・ダービーグランプリでは、風格さえ漂わせる完璧な競馬でライバルたちを圧倒。これで同世代との勝負付けは完全に終わった感がある。
初の古馬混合戦となる今回だが、ここもノンストップというのが大方の見解だろう。春シーズン、ユニコーンS優勝時に一度コースを経験しているのも強調材料で、おそらく当日、圧倒的な1番人気に推されることは間違いない。

だが、これまでのレース内容や陣営の発言を仔細に検討していくと、ダートでは一見無敵に思えるこの強豪にも、死角らしいものがあることがわかる。たとえば、ダービーグランプリを前に「カネヒキリの全貌を探る」という特集記事を組んだテシオ秋号では、角居調教師がこんな発言を残していた。

聴き手「どの辺りにダート適性を感じますか」
角居師「芝でも通用するスピードはあるが、脚をためてもそれほど伸びないし、緩急のある流れに対応するのが難しい感じ。ダートは芝ほど流れに緩急がないので、この馬には合っていると思います」
~ テシオ38号 角居勝彦師 インタビューより引用

なるほど、大井や盛岡でのカネヒキリの競馬を思い出してみると、ごくごく普通にコースを周回しているような、メリハリ感に乏しいレースばかりだ。けっして勝負所でグンと加速しているわけではない。だが裏を返してみると、他の追走が苦しくなるぐらいのスピードを程よく持続できるので、バテ気味の他馬とはいつの間にか差が開いてしまう。瞬時に繰り出せるスピードの絶対値で三冠の座をもぎとった同馬主の芝王者ディープインパクトとは、明らかに異なるタイプの競走馬といえるだろう。

たとえば、カネヒキリが道中好位から4角先頭の正攻法で押し切ったユニコーンSに関して、後半1000メートルのラップを確認してみると、こんな感じである。

12.1-12.3-12.2-12.1-13.1

見事なまでの平均ラップ。坂を上がったラスト200メートルでラップが13秒台まで落ちているが、当時からの成長を見込めば、現時点ではもう少し速い上がりを使える可能性もありうるだろう。
だが、決して切れる脚を使えるタイプではないだけに、勝負所でこれを一気に出し抜くような鋭い脚を使える馬なら、カネヒキリを負かせる可能性も皆無ではないと思う。瞬時のスピードの絶対値の違いで、あっと言わせてやるのだ。

そんな逆転候補の一番手として注目しているのが、左回りの短距離では、まだ底を見せていない上がり馬・トウショウギアである。

tosho_gear_at_nigata1これまで主に左回りの千二~千四を守備範囲にしてきたこの馬、今回は距離延長と重賞初挑戦が嫌われ、人気を落としてきそうな予感がする。だが、ユニコーンSの翌日に同距離で争われた麦秋Sでは、カネヒキリの価値時計を0秒4上回る好タイムで優勝しており、距離適性と時計の裏づけは十分といえる。

さらに強調できるのは、夏の新潟シリーズ2戦で控える競馬をマスターしたことだ。特に2戦目の越後ステークスは圧巻。好位最内で脚をため、ラスト2ハロン目・11秒台までラップが速くなったところを、一気に加速して抜け出すという非凡な決め手を披露してきた。おそらくこの区間がトウショウギア自身の最速ラップと思われるが、推定上がり3ハロンタイムから推し量るなら、おそらく11秒フラット近い脚を使っているのではないか?結局、最後の1ハロンも11秒台を持続し、2着以下との差を6馬身に広げゴールしたわけだが、有無を言わせぬ勝ちっぷりの凄さは、いくら時計の速い新潟ダートとはいえど、暴力的といっていいほどのインパクトを感じさせるものだった。

しかし、カネヒキリを打倒しうるほどのポテンシャルを秘めた怪物は、もう一面において狂気と隣り合わせの激しい気性の持ち主でもある。距離延長という条件のもと、どれだけ気持ちをなだめ、脚をためることができるか?逆転劇の成否は、鞍上・田中勝春騎手の乗り方ひとつということになりそうだ。トウショウギアとのコンビ結成時には6勝・連対率87.5%と抜群の実績を残している鞍上の手綱捌きに期待したい。

10月 27, 2005 今週の注目馬, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (9)

2005/10/23

気になるニュース・・・・三冠の影でひっそりと

no_connection史上2頭目、無敗の三冠馬誕生・・・・不景気な話題ばかりが続いていた競馬界にとっては、久しぶりに世間の注目を集める明るいニュースだ。
ディープインパクト見たさに京都競馬場に詰めかけた大観衆は、10万人以上にも達したとのこと。おそらくその多数はG1以外に興味を示さないライトファンなのだろうが、それでも強い三冠馬が人々を惹きつけ、ファンの裾野を拡大するきっかけを提供してくれたことは、基本的に良い出来事だと思う。競馬歴××年のベテランファンでも、最初は誰もがライトファンから出発しているのだから。
幸いなことに今の時代は、「競馬のことをもっと知りたい!」と願うファンのニーズに十分応えるだけの情報サービスがかつてないほど充実している。競馬初心者が一歩づつステップアップし、中級者の仲間入りをするためには、恵まれた環境といえるだろう。必要な情報は、怪しげな予想業者などに授業料を支払わなくても、ネットや専門誌で過不足無く提供されている。また、スポーツ紙や地上波が報じる一般的な情報に満足できなくなったら、グリーンチャンネルに加入すればいい。月々わずか1200円であれほど充実した専門情報サービスが手に入るのだから、本当に素晴らしいことだと思う。キャスターも綺麗どころ揃いだし(^^;

ところが、そのグリーンチャンネルをめぐって、三冠馬誕生のお祝い気分に水を差すようなニュースが飛び込んできた。ソースは、MilkyHorse.comの馬法学研究会さんのエントリ。気がかりな話題なので、少々長めに引用してみたい。
 (*冒頭の写真と本文内容はまったく無関係です)

グリーンチャンネルが「知りたいKEIBA情報局」「全国競馬便り」「うまくら!」を年内打ち切りする方針

10月22日、海外競馬解説家筋によると、競馬専門テレビチャンネル「グリーンチャンネル」が今年限り(2005年12月)で、競馬ファンにとっての看板番組ともいうべき「知りたいKEIBA情報局」「全国競馬便り」と、ファン参加型バラエティ番組「うまくら!」の放送を終了する方針を固めたことが判明した。・・・・(中略)・・・・

「知りたいKEIBA情報局」は、海外の競馬や中央競馬のハイライト、過去の名レース・名場面についての話題を解説者やゲストを交えながら番組構成されており、週替わりの特集コーナーには合田直弘氏の撮影・編集・解説による「海外競馬ハイライト」(月1回)も含まれている。司会は鈴木淑子さん。

「全国競馬便り」は、地方競馬と交流競走及び地方のビッグレース等をタイムリーに放映しており、中央競馬のみならず、地方競馬の情報を知る上で必見の番組として注目されている。司会は柳沼淳子さん。・・・・(中略)・・・・

上記の海外競馬解説家筋によると、番組打ち切りの理由は視聴率低迷ではなく、もっぱら経費削減のためだという。2006年1月改編期以降の新番組ラインナップは未公表。

 ~MilkyHorse.comの馬法学研究会さんより引用~

海外競馬解説家筋とは、言わずとしれた合田直弘氏のこと。
知りたい競馬情報局」で、氏がコメンテーターを努める「海外競馬ハイライト」のコーナーは、海外の重賞戦線で活躍する名馬の姿を、実際に映像で目の当たりにすることができる、ファンにとって貴重な情報源だ。
競馬は流れで見ることによって、そこから派生する様々なドラマを感じ取ることができ、一層感動が深まるのです。ですから、競馬はビッグレースを見るだけではなく、そのプレップレース、さらにはその前のレースにも注目してもらいたいのです…」と合田氏は語る。確かにそのとおりで、重賞戦線全体を俯瞰する流れのようなものを体感するために、この番組が提供している海外映像の価値は高い。海外競馬に関する文字情報だけなら、週刊競馬ブックやネット上の海外競馬サイトがあるけれど、容易に代替のきくものでないことは、ファンなら誰でも感じていることだ。
たとえば、この番組で香港短距離路線に関する一連のレースを見る機会がなければ、多くのファンにとって、サイレントウィットネスの強さを事前に実感することなど、不可能だったであろう。

また、「全国競馬便り」も、グレードレースを頂点とする地方・中央のダート戦線の全貌を知るうえで、欠かせない情報源といえる番組だ。全国各地の地方競馬に所属する有力馬・有力騎手の活躍を居ながらにして知ることができるし、苦境に立つ地方競馬を元気づけようという番組のスタンスも好ましかった。日曜日の夜、JRA競馬で大敗を喫し呆然としているタイミングに、まったりと放映されるこの番組に何度癒されたことだろう?

もし、番組打ち切りの方針が事実なら、本当に惜しいことだと思う。視聴率低迷という事情があるなら、それも仕方がないと納得するしかないが、気になるのは、番組打ち切りの理由だ。「経費削減」のためとのことだが、事実は微妙に異なるとの指摘もある。
たとえば、評論家・山野浩一氏は、自らのサイトの掲示板で「特に秘密にする理由もない」と断ったうえで、今回の番組打ち切り方針の背景には「経費削減というより、民営化、あるいは民営的経営に向かうJRAのあり方」が関わっていると発言している。(これもMilkyHorse.comの馬法学研究会さん経由で発見)

どうやら、海外や地方競馬に対するJRAのスタンスとして、利他行為的なこと・一方的援助につながることは行わないという「方向性」が、最近強くなっているらしい。何も自分の金を使って他人のPRをしてやる必要もないということだろうが、これは中央・地方・海外を問わず、幅広い視野による情報提供を通じ、競馬へのファンの関心を養ってきたJRAの広報活動(優駿など)の重大な方針転換ではないのか?山野氏の発言からは、今回の番組改編にかかわるそんな真相が浮かび上がってくる。

費用対効果の視点から活動効果を測定し、直接の利益につながらない事業には大なたを振るう・・・・最近はやりの経営手法だが、JRAの情報提供サービスにこの原則をあてはめてみた場合、いったいファンのニーズはどこへ追いやられてしまうのか?また、海外や地方も嗜む「ほんとうの競馬好き」というべきファン層を「育てる」ことで、競馬界全体の優良固定客を囲い込んでいくという営業手法は、JRAの売上確保にとっても有効だったと思うのだが、もはやそんな悠長なことは言ってられないという状況なのだろうか?

だが、少なくともグリーンチャンネルに関しては有料放送である以上、ファン=視聴者の支払う利用料金が収益の源泉である。提供されるサービスは、スポンサーたるファンの意向を最重視して決定されるのがスジというものだろう。ファンのニーズを無視した番組改編が行われようとするなら、それは当然批判されてしかるべきだ。
ひょっとして、グリーンチャンネル首脳陣が、土日の中央競馬完全中継さえやっていれば、ファンは満足するはずと思っているなら「それは違う!」と、こちら側からも声をあげていく必要があると思う。そんな考え方に立ち、微力ながら当サイトも、今回の問題提起を通じ、ネット世論形成の一翼を担っていきたいと思った次第である。

幸いなことに、グリーンチャンネル公式HPでは、視聴者からの意見・感想を受け付けるコーナーが設けられている。ファンとして番組改編に対する意思表示を行うなら、これを利用し、グリーンチャンネル宛のメールを投稿するのが、最も効果的な手法だろう。ただし、意見表明はあくまで紳士的かつ冷静に行うことが大切。匿名投稿が可能とはいえ、脅迫めいたメールなど送っても逆効果しかもたらさないことは、今さら言うまでもないだろう。
ひとりでも多くの競馬ファンの良識が集まることによって、グリーンチャンネルの「方向性」が変わっていく、そんな好結果につながることを期待したいところだ。

10月 23, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (12) | トラックバック (6)

【菊花賞】トライアルのレベル比較から考えてみる

deep_impact_at_turf6戦全勝・クラシック2冠。華々しい勲章を胸に三冠挑戦の舞台にのぞむディープインパクトに、注目が集中する。この馬の力が同世代のなかで、一枚も二枚も抜けていることは、今さら論を待たないだろう。だが、現時点の絶対的能力の水準という意味で三冠にふさわしい資格を有しているのか否か?今回は、それを少し冷静に検証してみたい。
とはいえ、シンボリルドルフやナリタブライアンの時代との比較を試みるには、さすがに材料が不足している。仮にそれを論じてみたとしても、主観的な印象の域を出るものにはならないだろう。

そこで注目してみたのが、現役・古馬世代とのレベル比較だ。
検証の俎上にのせてみるのは、前走・神戸新聞杯と、同コース・同距離で争われる古馬混合G3朝日チャレンジカップ。この両レースの時計などを、各年ごとに比較・検証してみると、そこからどんなことが見えてくるだろう?と思い、過去5年分の成績を比較してみた。幸いなことに、両レースは過去5年間すべて良馬場で争われており、比較が行いやすい。走破時計を比べるためには、ペースの違いも考慮しておく必要があるため、前半1000メートルの通過ラップも表に付記してみた。

■朝日CCと神戸新聞杯の成績比較

朝日CC(1週目Aコース)神戸新聞杯(3週目Bコース)
優勝馬時計前半優勝馬時計前半
01イブキガバメント1.59.460.4エアエミネム1.59.560.6
02タップダンスシチー1.58.159.5シンボリクリスエス1.59.160.0
03カンファーベスト1.58.359.3ゼンノロブロイ1.59.560.5
04スズカマンボ2.01.662.6キングカメハメハ1.59.061.2
05ワンモアチャッター1.59.459.3ディープインパクト1.58.459.1

一般的に、開幕週の絶好馬場でスピード勝負を期待できる古馬重賞と、馬場が少し傷み出す3週目の3歳限定戦を比べれるなら、もちろん前者のほうが好時計をマークしやすい条件に恵まれている。そのためだろうか?01~03年の時期におけるデータをみると、朝日CCのほうが神戸新聞杯よりも速い時計で決着している。後にG1戦線を賑わしたシンボリクリスエスにせよゼンノロブロイにせよ、勝ちっぷりの鮮やかさはともかく、トライアル時点の時計比較で古馬の牙城を脅かすには至っていない。
ところが、04年・05年の最近2年はこの傾向が逆転し、神戸新聞杯優位のデータが記録されている。ただし、04年は比較対象となる朝日CCが前半62秒台のスローペース。優勝馬も3歳世代のスズカマンボであり、出走古馬のレベルにいささか物足りなさがあったことは免れないだろう。この年に限れば、単純比較で神戸新聞杯=3歳勢優位という結論を導くことは難しいのかもしれない。
一方、今年の両レースは、前半1000メートルの通過ラップを比較しても、59秒前半とほぼ互角。それでいて優勝馬の走破時計は、神戸新聞杯のほうが1秒優秀である。これは紛れもなく現3歳世代優位を裏づけるデータといえる。
さらに、注目すべきは上がり3ハロンの比較で、朝日CCワンモアチャッター35秒7に対し、神戸新聞杯ディープインパクトは驚愕の34秒1。今年の古馬オープン級との比較でも、また、歴代の神戸新聞杯優勝馬との比較でも、この時計の優秀さは特筆ものと評価せざるを得ない。

それでは、もう一方のトライアル路線であるセントライト記念の評価は、どう考えるべきだろう?こちらも同距離・同コースの古馬重賞=オールカマーとの比較で、その価値を吟味してみた。

■オールカマーとセントライト記念の成績比較

オールカマー(3週目)セントライト記念(2週目)
優勝馬時計前半優勝馬時計前半
01エアスマップ2.13.963.0シンコウカリド稍2.13.160.7
02ロサード2.11.759.3バランスオブゲーム2.12.961.1
03エアエミネム2.14.463.3ヴィータローザ不2.24.565.8
04トーセンダンディ稍2.13.461.3コスモバルク2.10.158.8
05ホオキパウェーブ稍2.16.764.9キングストレイル2.11.860.1

関東のこの路線は、毎年どちらかのレースが道悪になったり、極端なスローペースになったり、あるいは新潟代替開催だったりと、単純な比較がしづらい。だが、誰が見ても時計的な価値を肯定できるのは、コスモバルクによるレコード決着が話題を呼んだ昨年のセントライト記念ぐらいだろう。それ以外の各レースは、オールカマーにしてもセントライト記念にしても、G2レベルを基準にするなら凡戦という評価になる。

今年のレースも、セントライト記念がオールカマーを大きく上回る決着時計になったとはいえ、そもそも比較対象のオールカマーが前半64秒9の超スローペースだった。キングストレイルによる走破時計2分11秒8にしても、超スピード馬場の中山であることを割り引けば、特筆すべき水準とは言い難い。レース内容も、好位に位置していた組が馬場の助けを借りて流れ込んだもので、神戸新聞杯との比較で強い印象を感じることはできなかった。ディープインパクトだけでなく、2~3着馬(シックスセンス・ローゼンクロイツ)とのレベル比較でも、少々見劣りがするといったら貶しすぎになるだろうか?

ディープインパクトの力は、見た目の華々しさだけではなく、時計面からも裏づけることができる。ハッキリ言ってしまえば、仮に天皇賞(秋)に出走しても圧勝が期待できる水準だろう。ならば、どうして同世代限定戦の菊花賞で、他馬の後塵を拝する可能性を想定することができるだろう?
不動の本命馬による三冠達成は確実・・・・馬券的妙味は皆無でも、結論は落ち着くところに落ち着くしかない。

結論
◎ディープインパクト
○ローゼンクロイツ
▲シックスセンス
注アドマイヤジャパン
注アドマイヤフジ

馬券的な注目は2~3着争いに絞られるが、トライアル戦のレベル検証から、神戸新聞杯組を重視すべきというのが、当ブログの結論。完敗とはいえ、ディープインパクトから2~3馬身圏内の差でゴールしたシックスセンス・ローゼンクロイツも、他の路線との比較なら十分高レベルと思うし、セントライト記念組や前走・条件戦組相手なら、当然優位に立つ存在だ。休養明け初戦からの上積み余地という点で、前走プラス体重だったローゼンクロイツのほうを上位に取ったが、シックスセンスにしても大崩れは考えづらく軽視禁物だろう。
これら実績上位馬は、ディープインパクトを中心にそれと前後した位置取りを取ってくるはずで、仮に先行勢が前半から速いペースで飛ばしたとしても、それに動じることはあるまい。結局、勝負所から実績馬同士の争いに絞られ、平穏な決着が濃厚ではないかと考えている。

キルトクールは、長距離適性?を評価され、穴人気を一身に背負うフサイチアウステル。春時点で2500勝ちの実績があるとはいえ、当時の時計があまりに平凡雲國齋さんが普段からよく指摘している「外枠の藤田は斬り」というジンクスも、この大舞台では妙に気がかりだ。

10月 23, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (5) | トラックバック (32)

2005/10/21

【サウスニア】注目!最初で最後の「未勝利戦」

秋の週末である。世間の関心は菊花賞に出走する「あの馬」に一極集中しているようだが、もちろんそんな華やかな舞台だけが競馬ではない。今週からひっそりとスタートする福島・裏開催。競馬ファンを自認するなら、ローカルを舞台に展開される激しい闘いからも、目を離すべきではないだろう。
番組上の注目点は、なんといっても前年まで編成が見送られてきた秋の福島名物・3歳未勝利戦が復活することだ。とはいえ、勝ちきれない駄馬同士による低調な凡戦続きで、興行的な興趣を削がれるのを嫌ってか?JRAはこの開催の未勝利戦にエントリーするための出走資格をかなり厳しく制限してきた。出走するためには、具体的に以下の各条件を満たす必要がある。

・中央競馬の競走・地方競馬指定交流競走および外国の競馬の競走への通算の出走回数が5回以下である馬
・直前に出走した競走が中央競馬の平地競走であり、その競走における着順が第3着以内の馬

まだまだ数多い3歳未出走馬・未勝利馬のうち、この条件のいずれかに該当する馬だけが、秋のラストチャンスに参加する切符を得られるわけである。さらに、資格を満たしている馬であっても、この開催の未勝利戦には、たった1回限りの出走しか認められないというのがミソ。ここまで厳しい出走制限は前代未聞であり、各馬にとっては、参加する以上、必然的に背水の陣を強いられる構図になるだろう。まさしく「スーパー未勝利戦」という呼び名にふさわしい、サバイバルレース。考えようによっては、G1以上に熱く激烈な闘いといえるのかもしれない。

そんな厳しい条件を承知のうえで戦線に名乗りをあげてきた、我が一口愛馬がいる。
日曜日・福島4レース柴山雄一騎手とのコンビでの出走が決まったルミナスオレンジ(牝3)だ・・・・なんと今回が晴れのデビュー戦にあたる。

luminous_orange■ルミナスオレンジ 牝3
(当ブログひとくち出資馬)
馬主:サウスニアRH
美浦・堀厩舎所属
父 パントレセレブル
母父アフリート
10月23日(日)福島4レース
3歳未勝利・芝2000に出走!

馬っぷりの良さや血統からも、もっと早くデビューの日を迎えることができたら、それなりの活躍が見込めただろうこの素質馬。同世代によるクラシック戦線が幕を閉じようとしているこの時期まで始動が遅れてしまったことには、それなりの理由がある。先天的な蹄の角度に問題を抱えているため、満足な育成過程をたどれなかったのだ。

自らの脚元との苦闘は、募集直後の1歳冬の頃から続いてきた。削蹄による爪の矯正、特殊な装蹄、投薬治療に舎飼休養・・・・爪の形がやっと整ってきたら、今度は蹄骨の先端に骨膜が出てくる。常に脚元への負担を気にせざるを得ない状況が続いたせいで、攻め馬を積み身体能力を養っていくプロセスはどうしても後回しになってしまった。
それでも何とか態勢を整え、トレセンに入厩してきたのが9月。だが、本当の意味での苦難はここから始まった・・・・。調教のピッチが進むにつれ爪の不安が再燃し、この開催でのラストチャンス出走に向けて、綱渡りの調整を強いられることになったのだ。

「本当にギリギリの線で爪がもっている状態。ただし、レースを使うからには悔いのない仕上げが求められますので、悪化を恐れずに、やるべきことはやったつもりです」(堀調教師のコメント)

本番直前のタイミングでの、調教師のこの発言・・・・これはさすがに重い。本馬にとっては、1回限りの出走制限だけでなく、自らの脚元という爆弾が必然的に「最初で最後の未勝利戦」を強いることになるのだ。ひょっとしたら壊れてしまうかもしれないが、それでも闘いに臨むしかない。なんだか悲壮感さえ感じられる異例のデビュー戦だ。
しかし、だからこそこの1戦に賭ける陣営の意気込みは、並はずれて強い。初戦から必勝の構えで臨む今回は、まさしく勝負がかりとみてよいだろう。

「馬体も出来上がっていると思います。稽古の感触から、能力的にはヒケをとらない感じですし、距離も忙しいよりはこれくらいの方が良さそう。最初で最後の未勝利戦ですし、使った後の反動などを考えると、この一度のチャンスを何とかモノにしたいところです」(堀調教師)

気になる相手関係だが、幸いなことに既走馬でそれほど手強いライバルはいないようである。また、初出走が敬遠され、愛馬がそれほど人気を集めることもあるまい。配当妙味は十分。ならば、ここは迷わず馬券でも勝負すべきタイミングといえる。
馬券を介して、愛馬と苦楽を共にする。結果はともかく、そんな競馬の醍醐味を満喫することができそうだ。三冠馬の誕生よりも、未勝利脱出なるか?!に要注目・・・・そんな日曜日は、もう間近に迫っている。

10月 21, 2005 ひとくち馬主日記 | | コメント (3) | トラックバック (1)

2005/10/20

「神様」を味方につけるコツ

a_book_and_some_disks村上春樹の最新短編「東京奇譚集」の冒頭に、ちょっと面白いエピソードが書かれている。筆者が、まだ米国に在住していた頃、ジャズ・クラブにトミー・フラナガンのピアノ演奏を聴きに行ったときのお話である。
率直にいってその日の演奏はパッとしないものだった。時間が経過するうちに聴く側も「このままで終わって欲しくはないな」と焦りに近い気持ちが強くなり、筆者も「もし今、トミー・フラナガンに二曲リクエストする権利が自分に与えられたら、どんな曲を選ぶだろう?」などと、思いを巡らしていく。だが、脳裏に浮かんできたのは、二曲ともあまりポピュラーとはいえない「渋い」選曲だった。リクエストが受けつけられたわけでもなく、こんな曲を今夜取り上げてくれる確率など天文学的な数字だろうと諦めかけていると、突然フラナガン氏は何も言わず、その二曲を立て続けに演奏し出したというのだ。しかも、実にチャーミングな素晴らしい演奏で!

このように第三者からみれば、取るに足らない偶然でも、当事者にとっては、ある種の不思議さに打たれる出来事というのが確かにある。けっしてオカルト的ではないけれど、人生に彩りを添える不可思議な現象・・・・そんな体験をしたとき、村上は「ジャズの神様みたいなのがいるのかもしれないな」とぼんやり考えるのだという。なるほど、「神様」とは言い得て妙である。
実は、自分も最近これと似たような体験をしている。
それもやはりジャスがらみのお話だ。

深夜だらだらと夜更かしをしながら、自宅で芋焼酎のグラスを傾ける。ブログの更新をする意欲も湧かず、さりとて床につく気にもなれない。自分の場合、普段はあまりテレビなど見ない人種なのだが、何となく手元のリモコンでスイッチをいれてみると、日本人ピアノトリオがジャズを演奏しているシーンが画面に映し出された(どこかUHF局の深夜番組だろう) しばらく聴いていると悪くない演奏だった。だが、何かが不足しているという印象も同時に感じる。男性ピアニストの奏でる音色と旋律から、どこかで日本人的な生真面目みたいなものが色濃く漂ってきて、ジャズ本来の奔放さとはちょっと異なる違和感を感じるのだ。
そんなとき、ふと先日イベントで耳にした山中千尋のダイナミックで素っ頓狂ともいえる演奏シーンが脳裏に浮かんできた。奔流のように流れるピアノの洪水とでもいうべき演奏だったのだが、あれはまさしくジャズだよなあ、という思いが強くなる。そんなことを考えながら、再びリモコンを操作しチャンネルを替えていくと、画面にはどこかで見たことのあるお嬢さんが映し出されていた。あ、この人、山中千尋じゃないか・・・・。

このときテレビは、NHKの「英語でしゃべらナイト」という番組のゲストで、たまたま彼女が登場していた回を再放送していたらしい。新譜がオリコン初登場20位にランクしたとはいえ、世間的にはまだまだ無名のミュージシャン。しかも、海外在住のこの人がテレビに出演することなど、かなり稀な出来事だろう。それを、誰もが寝静まっているような時間帯に発見できたとは、かなり幸運な偶然だったと思う。だが、偶然はそれだけで終わらない。テレビ画面の山中は、何の前触れもなく、ついさっきまで自分がぼんやり考えていた「日本人とジャズ」にかかわる話題について、自らの経験を語り始めたのだ。

「ジャズを聴いていただくと解ると思うんですけど、リズムや抑揚、イントネーション、それにリズムのとらえ方や耳の働き方が、英語を喋れるのと喋れないのとでは、ちがってきちゃうんです。」

「最初、英語を喋れないときに弾いたのを録音したんですけど、なんだか『あなたのお名前なんてえの』って感じで、私だけずっと五七調なんですよ。」「いきなり私のソロになると俳句なんですよね。」

「日本語だと一言ひとことはっきり発音しますけど、英語だと、リズムに乗って波がうねるようにとか、ビートがあるっていうか…。ある一定のリズム感があるんですね。」

「英語は共通言語なので、やっぱりそうやってリズムをとらえる、同じリズムを感じるっていうのがすごく大事だと思います。」

NHK「英語でしゃべらナイト」HPより引用)

どうやら「ジャズの神様」は、英語を話しているらしい(笑) 味方にするには、神様の住んでいる土地で、神様と同じ言葉を使って暮らし、それを身につけることが大切。山中自身がニューヨークを離れようとしない理由は、音楽環境もさることながら、こんな所にあるのかもしれない。

何かを体得し成果を得たいと思うなら、現場に近いところでその空気を共有することが大事という教訓は、ジャズにかぎらずいろんな分野に応用できそうな知恵だと思う。

そんなお話をちょっと強引に、競馬にあてはめてみよう。
たとえば競馬場に足を運んだとき、メインレースまでボロ負けだったのが、最終レースで運よく1日分の負けとほぼ同額を回収できたということが、たまにある。何種類もある買い目の配当を事前に計算しているわけでもないのに、不思議とそんなことが起こるのは何故か?「競馬の神様って、いるのかもしれないな」(笑)と感じる瞬間である。
このことは、競馬というゲームにおいて、、机上で予想を煮詰める作業だけではなく、現場における嗅覚のようなものを磨いておく意義が、小さくないことを示唆していると思う。パドックで馬をみて、周囲の観客がかもす雰囲気やオッズの動きにも気を配りながら、財布から身銭をきって馬券を買う。あるいは、1日のなかでの自分の運の上がり目下がり目を体感しながら、押すべきタイミングと引き際を考えてみる。目の前を通過する騎手と馬に対して腹の底から声を出し、声援を送る。そんなささやかな振る舞いの繰り返しが、競馬の楽しみ方に彩りを添えているし、知らないうちに神様を味方に引き寄せることにもつながっているのだと思う。
自宅のパソコンや携帯電話で馬券を購入できる時代になっても、わざわざ競馬場まで足を運ぶ。「神様」を味方につけるために、そんな努力を惜しんではいけない

10月 20, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (2) | トラックバック (1)

2005/10/18

京都・芝G1と横山典の微妙な関係

秋華賞の回顧記事でも・・・・と思って、キーボードを叩いてはみたものの、馬券をはずしたレースを振り返るというのは、やはり力が入らない。ひとことで言うなら、意外にアッサリと隊列が落ち着き各馬が折り合いに専念した結果、例年よりユッタリ流れたペースと武豊の圧倒的技術が、福永には誤算だったということか。ラスト1ハロン、抜け出したラインクラフトの脚が12秒台に鈍化したところを、計ったように差しきってみせたエアメサイア。まったくもって、文句のつけようがない勝利といえるだろう。

上位2頭のレースぶりについては、既に多く競馬系ブログで優れた回顧エントリが公にされているので、あらためて付け加えることはない。
むしろ、明日の馬券につながる材料という意味で注目しておきたいのは、3着に食い込んだニシノナースコールに騎乗した横山典弘騎手の手綱捌きである。
道中は後方で死んだふりを決め込み、直線にはいるといつの間にやら最内からスルスルと脚を伸ばしてくる。結果、優勝を争う2頭を脅かすには至らなかったが、騎乗馬の能力を100%以上発揮させ、しっかり馬券に絡んでいる。思い起こせば、かつてのローズバドといい、昨年の菊花賞のホウキパウェーブといい、京都競馬場のG1レースで横山典がこんな戦法を決め込むときは確かに怖い。イチかバチかの後方待機策・・・・一見リスキーな乗り方にも思えるが、これが意外なほど高い確率でハマっているのだから、侮れないと思う。

実際に過去5年、京都競馬場を舞台に争われた芝・G1レースで、10回以上の騎乗機会があった騎手たちを対象に成績を調べていくと、あらためて横山典とこのコースの相性の良さが浮き彫りになってくる。

■京都・芝G1 騎手別成績(01年~05年)

kyoto_g1_jocky_rank












※騎乗回数10回以上の騎手に限定

優勝回数では、さすがに武豊には敵わないけれど、連対率だけをみればほぼ互角である。関東所属騎手としては、異例の好成績といえるだろう。また、特定少数のお手馬に依存気味の池添(デュランダル・スイープトウショウ)福永(エイシンプレストン)らとは異なり、様々なタイプの馬の手綱を取っては上位に導いているのは、まさしく一流騎手としての手腕の確かさを示すものだ。

ただし、好走時のパターンには、けっこうクセがある。
セイウンスカイイングランディーレによる逃げというイメージが強い割に、実際に上位に来ているときの戦法は差し・追込がほとんど。しかも、その場合は常に勝ちきれず、あと一歩で2~3着という結果ばかりなのだ。長距離戦では内をすくい、マイル戦になると外から差してくるケースが多いが、結果はどちらにしても同じようなもの。見た目が派手な戦法を採用しているわりに、その戦績から読み取れるのは、2~5人気の馬を確実に掲示板に導くという職人的な手堅さである。
裏を返せば、まったくの人気薄を腕だけで上位に持ってくるほどの怖さはない。このコースの王者・武豊の視点に立つなら、自らの牙城をけして脅かす心配のない忠実なナンバー2(=アンパイ)と映っているのかもしれない。

その横山典弘騎手。今週の菊花賞では、アドマイヤジャパンとのコンビによる出走を予定しているようだ。馬の能力については、春の実績から2番手候補の一角という評価が妥当だろう。人馬とも何となくキャラが被るこのコンビ。おそらくディープインパクトを負かしにいくような無茶な競馬を仕掛けてくるとは考えづらいが、馬券を買う立場からはマークを欠かせない存在である。1着・3着固定の3連単でも、買ってみようか・・・・

ちなみに、横山典弘騎手の競馬場別・芝G1騎乗成績は、以下のとおり。
京都・阪神・東京コースの2~3着候補としてなら軽視は禁物だが、舞台が中山になると、からっきしダメという傾向は、是非覚えておきたいところだ。

■横山典弘騎手 芝G1場別成績(01年~05年)

yokoten_g1_seiseki











10月 18, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (6) | トラックバック (6)

2005/10/16

【秋華賞】一騎打ちムードで本当にいいのか?

line_craft_againラインクラフト対エアメサイア
秋華賞の前日売りオッズは、この2強による馬連の組み合わせが「1.5倍」前後の人気で推移しており、まさしく一騎打ちムードが濃厚である。
確かに単純な能力比較なら、2強の力が抜けているという印象は否定できない。だが、ただでさえ不確定要素の多い牝馬同士の重賞で、この低配当馬券を本線に据えた勝負ができるのか?と問われれば、さすがに躊躇いを感じてしまう。

波乱を呼ぶ可能性を検討するなら、まず考慮の対象となるのは、京都・内回りというコース形態の特殊性だろう。
中央場所の中距離コースのなかでは、比較的ローカルの小回りに近い形状をもつこの舞台は、一見するかぎり逃げ・先行有利に思えるが、実際のところ秋華賞では、ほぼ毎年にように比較的淀みない流れが形成され、道中息を入れる余裕を取りづらい厳しい競馬が繰り返されている。各年のラップ推移をチェックしても、オークスのようなスローペースの上がり勝負ではなく、どちらかといえばマイル戦に近い緊密な流れが基本。その結果、歴代秋華賞上位馬は、圧倒的な能力で後続を圧倒した先行馬か、直線後方から脚を伸ばしてきた追込馬のいずれかであることが多い。
サンデーサイレンス直子の苦戦傾向がみられることも、こうしたコース形態・展開面のファクターが強く影響した結果と解釈することができるだろう(この点に関しては、「ガラスの競馬場」さんのエントリがたいへん参考になる)。

だが、ここはさらに一歩踏み込んで、少々視点が異なる見解も参考にしてみたい。
そんなとき、ふと思い出したのが、昨年の秋華賞直後に公にされた「Brain Squall」さんの回顧記事中の貴重な指摘である。00年以降、秋華賞のレースの質が変化し、その結果、上位に来る馬の傾向にも、従来とは異なる注目すべきが出てきているというのだ。

記事の論旨を要約してみよう。

00年以降のレースの質に変化をもたらしたのは、CコースからAコースへの施行条件の変更である。すなわち、この条件変更にともない、スタートから1コーナーに進入するまでの距離が約70mも長くなったというのがミソ。その結果、従来よりも先行馬の隊列が早めに落ち着いて、2ハロン目・3ハロン目のラップも比較的緩めになる。こうした展開で上位に来るのは、マイラー系、もしくは瞬発力勝負に優れる差し馬であり、ステイヤー血統の差し馬(ハイペースで台頭するスタミナ型と言い換えてもいいだろう)が台頭する可能性は減った。それが近年の秋華賞のトレンドではないか?と「Brain Squall」さんは指摘している。

もちろんペースが緩んだといっても、秋華賞の場合、スローのヨーイドン的な流れとはほど遠く、基本的に12秒前後が連続するフラットなラップ推移であることに変わりはない。だが、00年を境にしてラップの出方が微妙に変わっていることは事実だし、それを踏まえた指摘は、確かに傾聴に値すると思う。
もう一つ、このエントリのなかで注目しておきたいのは、昨年の秋華賞のように前半でやや流れが落ち着きかけたとき、すかさず4ハロン目から仕掛けていく先行馬が出てくる可能性があるということ。そこまで考えていくと、結局のところ、ステイヤータイプが台頭するような前崩れの展開にもならないし、さりとて実質直線だけの上がり勝負でもない。フラットな流れに乗れる先行タイプか、マイラー系の差し馬が狙いということになるだろう。

では、今年の展開はどうなるのか?
そう考えつつ出馬表を眺めていくと、注目すべき傾向に気がつく。5番枠のラインクラフトより内に入った4頭がすべて逃げ・先行タイプなのだ。もちろんこの4頭が競り合って、超のつくハイペースになるとはさすがに考えにくい。だが、2~3ハロン目のラップは昨年・一昨年よりも速めの時計を刻むことは間違いないし、道中も比較的フラットな流れを想定できる。ローズSの前半、緩い流れでの折り合いに苦しんだラインクラフトにとって、これはおあつらえ向きの展開だろう。勝負所でこれら先行勢の外から早めに動いて4角先頭。直線そのまま押し切ってしまうというシナリオを、容易に描くことができそうだ。

対する、エアメサイア。この馬の場合、好走時のPCI(ペースチェンジ指数)を確認してみると、53~60のレンジに良績が集中しているのがわかる。どちらかといえばスロー寄りのミドルというべきペース配分。すなわち、先行勢が飛ばす展開になっても、自身は脚をためて後半の末脚に賭けるレースでこそ、本領を発揮するタイプだ。速めのミドルペースになれば、自然とその位置取りは後方待機ということになる。
問題は、3~4角付近でラインクラフトに潰され、脱落する先行勢が続出した場合、それを避けて、外目を回していかさざるを得ないことだ。おそらくかなりの距離ロスは覚悟する必要があるだろう。もし舞台が、エリザベス女王杯の外回り2200なら、それでも届くだけの直線距離は確保されているが、果たして内回りコースでどこまでやれるだろう?ここは武豊騎手の手綱捌きに注目だが、前走の神懸かり的な末脚の再現を期待すると、案外な結果に終わる可能性もありうる。

展開・脚質から2強対決の構図を鵜呑みにすることはできない。崩れるとすれば、エアメサイアのほう・・・・もちろん2強ワン・ツー決着の芽を完全否定するつもりまではないけれど、オッズと相談するなら、ここはラインクラフトの相手選びと割り切って、より妙味ある穴馬との組み合わせで勝負する手を選択したいところだ。

結論
◎ラインクラフト
○デアリングハート
▲フェリシア
△ライラプス
△オリエントチャーム
注ニシノナースコール
注エアメサイア

昨年も2~3着馬を輩出している古馬混合重賞・クイーンS組を重視してみたい。
まずは、デアリングハート。春の実績を考えれば、この馬が2番人気でもまったくおかしくはないのだが、エアメサイアとの比較で距離が嫌われたか?かなり人気を落としている。だが、NHKマイル同様、ラインクラフトの直後でマークする形が見込めるだけに軽視は禁物だろう。馬券的には1番人気の前走より、今回のほうが明らかに狙うべきタイミングといえる。

また面白いのは、デアリングと同じクイーンSを叩いて参戦してきたフェリシア。まったくの人気薄だが、前走の敗因は札幌の重い芝。京都の軽い馬場なら、一変があっても驚けない。強調材料は、このレースと相性の良い母父ネヴァーベント系の血統だ。過去に10頭が出走し3着以内に4頭が食い込んでいる実績を考慮するなら、侮れない存在と思う。

以下では、春の牝馬クラシック戦線で曲がりなりにも注目を集めた実績馬を押さえる。

キルトクールは、ステイヤー系の差し馬を彷彿とさせる血統から、ショウナンパントルを指名。当馬の距離適性自体、ハッキリ言って未知数の部分もあるが、小回りの多頭数を捌ききるほどの器用さは感じられない。

10月 16, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (44)

2005/10/15

オフィサー復帰戦にみる森厩舎の思惑

豪脚爆発!7月の前走では、後の重賞出走馬(マルカフレンチ)をまったく問題にせず、後方から一気の差しきり勝ちを決めてみせた、我がひとくち愛馬オフィサー。土曜日の京都競馬・最終レースに再び登場することが決定した。当初は、夏の新潟出走を目標に調整されていたが、トレセン入りの際、馬運車を破壊して自身も外傷を負ったり、尻尾の皮膚病に悩まされたりと、何やかんやで復帰が遅れ、やっとこさ態勢を整えて迎える復帰第1戦である。

officer_hisabiser■オフィサー 牡3
(当ブログひとくち出資馬)

馬主:サウスニアRH
栗東・森厩舎所属
父Fusaichi Pegasus
母父Irish River
10月15日(土)京都12レース
1000万下・ダ1200に出走!


新聞(競馬ブック)の予想欄を眺めてみると、休養あけ初戦・昇級という不利な条件が重なっているにもかかわらず、けっこう重たい印が並んでいるので驚いた。それもそのはず、わが愛馬は水曜日の栗東・坂路で、馬なり調整で51秒フラット堂々の1番時計を記録していたのだ。
それに気をよくしたのだろうか?陣営のコメントも、初戦からそれなりの手応えを感じていそうなムードである。

「仕上がりはいいですし、このクラスでも通用しそうな雰囲気を十分持っていますよ。」(今井助手)
 ~競馬ブック土曜版より引用  

なるほど。カッカとした燃える気性の持ち主だし、ゲートにも不安はないから、いきなり力を発揮できる可能性はありうる。各種指数をチェックしてみても、1000万下昇級が壁になることはなさそうだ
でも、馬券的に勝負可能か?と問われるなら、それはちょっと待って欲しい。

なにせ冷静に考えてみると、今回は中間一頓挫(皮膚病)があっての復帰戦である。乗り込みは一応足りていても、そもそも11月頃の復帰を予定をしていたのだから、まずはひと叩きしつつレース勘を戻すことが最優先だろう。そんな思惑が胸の内にあるせいか、森調教師自身も、慎重な姿勢を崩していない。それを裏づける以下の発言には、十分な注意が必要だろう。

「期待しているとは言え、いきなりから流れの違いに対応できるかとなると、そう簡単なものでもないでしょう。武豊騎手は先約があり、今回は騎乗できませんが、・・・・可能な限りの条件は揃えたつもりです」(森調教師)
 ~サウスニアHP・近況報告より引用  
  ちなみに今回の鞍上は、四位洋文騎手への乗り替わり。初戦から必勝を期しての全力投球なら、もう1~2週待機してでも、主戦・武豊騎手とのコンビ結成を最優先してくるはずだ。 さらに、相手関係をみれば、今回は一般戦とはいえ手強い相手が揃っており、テンから流れも激化しそう。そんな激しい競馬に、この素質馬がどこまで対応できるのか?昇級初戦の今回は小手調べしてみようというのが、復帰戦に臨む陣営の本音ではないだろうか?

馬券的に評価してみるなら、オフィサーの位置は、マチカネホマレ、マイティシルバー、リーサムウェポンら有力どころに続く4~5番手あたりが妥当なところだ。もちろん、勝ってくれれば天にも昇る心境なのだが、まずは掲示板を目標に、無事完走してくれることを期待したい。

10月 15, 2005 ひとくち馬主日記, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (19) | トラックバック (10)

2005/10/11

【南部杯回顧】ユートピア、黄金郷で「してやったり!」

utopia__kaneko最大のサプライズは、発馬直後早々に現実のものとなった。
単勝人気1.9倍。断トツの支持を集めた大本命馬パーソナルラッシュがゲートから出てこない・・・・驚きと失望のどよめきが場内の観衆に拡がるなか、好スタートを決めた先行勢が淡々とレースを引っ張っていった。

後門の狼の圧力から解放されてしまえば、前に位置する馬たちの優位は、誰の目からみても明らか。外枠から巧く舵を切りながらハナを奪うことに成功したユートピアにとっては、「してやったり」の展開だろう。そんな流れを見越してか?タイムパラドックスが外から早めに動いていくが、そんな挑発も軽く受け流され、馬群は4角へ。ここでユートピアと後続の間隔がどんどん拡がっていく。追いすがるシーキングザダイヤの追撃もちょっと及びそうにない。終わってみれば、まるで昨年のVTRを再現しているかのように、パーフェクトな逃げ切り勝ちである。

それにしても、盛岡遠征時の安藤勝己騎手は侮れない。
前日の毎日王冠では、コスモバルクで行くのか?行かないのか?煮え切らない戦法に終始しているうちに、サンライズペガサスの奇襲を許し、不本意な結果に終わってしまったが、一夜明ければ、まるで別人のような思い切りの良さ。道中のペース配分も絶妙で、同じ失敗は繰り返さないというのが、名手の名手たる所以なのかもしれない。金子軍団のお馴染みの勝負服も、すっかりお似合いになっていた。

だが、今日の着順は、各馬の実力が正確に反映されたというより、やはり展開の占める比重も大きかったように思える。

ユートピアにしてもデキそのものは、昨年の南部杯当時からとくに変わったわけでもなく、「これは強い!」という強烈な印象までは感じられなかった。JBC・ジャパンカップダート・東京大賞典と続く、秋のダートG1戦線で主役を演じきるほどの器と評価するには、ちょっと荷が重い
では、力を出し切れないまま敗退したパーソナルラッシュの巻き返しはあるのか?あるいは、ここを叩いたシーキングザダイヤ・プリサイスマシーンの上積み、さらには順調そのものといえるタイムパラドックスの動向はどうだろう?もちろんこれら各馬についても、重賞戦線で上位の評価は必要と思うが、正直なところ、カネヒキリやサカラートの勢いを逆転できるほどの魅力は感じられなかった。となると、秋の王者は別路線組から誕生ということになるのだろうか?

尾張・名古屋の大一番に向けて、ダート界有力各馬の勢力図を、もう一度慎重に検証しておく必要がありそう・・・・それが、今年の南部杯終了時点の率直な感想である。

10月 11, 2005 岩手競馬, 旅打ちコラム, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (5) | トラックバック (6)

2005/10/10

【南部杯】サプライズは繰り返される

utopia_nanbu_hai04交流G1といえば、人気上位馬が評判どおりの力を示し平穏な決着に終わるというのが、一般的なイメージだろう。だが、近年の南部杯(G1)に限っていうなら、毎年のようにちょっとしたサプライズが用意されており、一筋縄ではいかないレースという印象が強くなっている。
たとえば、トーホウエンペラーアドマイヤドンのような実力馬が圧勝すると2着に突っ込んでくるのはノーマークの伏兵。昨年にしても、1・2番人気によるワンツー決着とはいえ、ユートピアの逃げ切りを事前に予想していた人は案外少なかったのではないか?

こんな波乱の傾向は、JBCやジャパンカップダートなど、南部杯の後に行われる高額賞金のビッグレースが新たに創設されてきたことにも関係していると思う。ロード・トゥ・JBCというサブタイトルが象徴しているように、南部杯はG1とはいえ、あくまで前哨戦の位置づけ・・・・秋のG1戦線を闘う有力馬にとって、この後に控える大一番こそが目標である以上、ここでピークの仕上げに持っていくわけにはいかないのだ。そこに伏兵のつけいる余地が生まれるし、サプライズの芽が隠されることにもなる。そんな視点で今年の出走表を眺めてみると、意外な穴馬を発見することができるかもしれない。

■マイルCS 南部杯G1(盛岡ダ1600)出馬表


馬名性齢 重量所属騎手名
11アパティア牡857愛知岡部 誠
22ユウキュウ牡657愛知宇都英樹
33コウエイシャープ牡957笠松島崎和也
4プリサイスマシーン牡657JRA後藤浩輝
45マツリダブロッコ牡457岩手沢田盛夫
6オースミエルフ牝555愛知兒島真二
57ローランボスコ牡557岩手村上 忍
8タイムパラドックス牡757JRA武  豊
69シーキングザダイヤ牡457JRA横山典弘
10エアウィード牡557岩手菅原 勲
711マイネルレガリア牡757愛知倉地 学
12ユートピア牡557JRA安藤勝己
813エビスイーグル牡757岩手小林俊彦
14パーソナルラッシュ牡457JRA藤田伸二

1番人気の支持を集めるのは、おそらくパーソナルラッシュだろう。
驚愕のレコード勝ちを決めた昨年のダービーGPと同様、今年もエルムS(G3)をひと叩きしてからの参戦である。だが、そのエルムSの決着時計を比較してみると、今年は昨年より1秒7も走破時計が遅くなっているのが気がかりな材料だ。もちろん負担重量に差があるので単純比較はできないが、レース内容を思い起こしてみても、今年はずいぶんとズブさが増してしまったようにも思える。この馬にとっては忙しいマイルという距離、さらには出遅れの可能性まで考慮してみると、エンジンが掛かった頃にはもうレースが終わっていたというリスクが、どうしてもつきまとう。豪脚の魅力は認めても、不動の本命という評価までは、果たしてどうだろう?

そこで注目してみたいのは、パーソナルラッシュよりも前で競馬ができる実績馬である。たとえば、昨年の覇者ユートピア。ダート馬にしては華奢な体形なので、使い込んで良くなるタイプでもない。また、メイショウボーラーや南関の同型馬との競合を強いられる次走以降より、休み明けの今回こそが狙い頃だろう。専門誌をチェックしても、馬と馬の間を割る意欲的な攻め内容ブリンカ装着など、ここに賭ける陣営の意欲が感じられるのがよい。父フォーティナイナーの血統から、雨で馬場が渋るようならさらに粘りも増すはずで、人気を落としているようなら、迷わず「買い」のジャッジである。

相手も先行脚質の馬が面白い。ストームキャット×シーキングザゴールドの配合でまさにアメリカ的スピード競馬の申し子といえるシーキングザダイヤがこれに該当する。まだ本来の動きではないと陣営は謙遜しているが、直前気配をチェックして動ける状態にあるなら、「行った行った」を期待してもいいかもしれない。
G1・3勝の実績馬タイムパラドックスは、順調に使われている分、大崩れはないだろう。だが、距離・脚質をふまえれば、過度の期待は禁物。果たしてどこまで追いあげてくるか?ヒモ穴評価で注目してみる。
さらに地方勢で1頭あげるなら、マーキュリーCでJRA勢を向こうに回し、内容の濃いレースをみせた岩手代表エアウィードだろう。距離延長歓迎という印象があるけれど、あらためて戦歴をチェックしてみると、マイル戦もけっして悪くはない。地方馬が意外な頑張りをみせてきたこのレースの伝統を、再現してくれることを期待しよう。

結論
◎ユートピア
○シーキングザダイヤ
△タイムパラドックス
△パーソナルラッシュ
△エアウィード

キルトクールは、プリサイスマシーン
精密機械のようなラップをふんで先行できる脚質はたしかに魅力だが、ブライアンズタイム系の父に影響されたのか?休養明け初戦は取りこぼしも少なくない。マーキュリーCを圧勝したピットファイターとは、かつて好敵手だった間柄だが、G1級との比較になると一枚落ちという評価は免れないだろう。
もう一言いわせてもらうなら、今回に限っては、鞍上が減点材料になる。
日曜日の府中で毎日王冠制覇に、夕方のイベントプロデュース(はっきり言って、くだらない内容だった)と八面六臂の大活躍だった後藤騎手・・・・おそらく今夜は、夜のネオンに身を任せ、浴びるように飲んでいるんじゃないか(笑) まだ若いとはいえ、二日酔い?の肉体と頭脳でG1を制覇できるほど、岩手の水は甘くはないのだ

10月 10, 2005 岩手競馬, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (7) | トラックバック (31)

2005/10/09

【毎日王冠】展開と馬場から考えるコスモバルクの命運

dai_uchuu_at_nakayama古馬一線級が顔を揃える秋の府中・名物G2は、ほぼフルゲートの17頭。前日売り単勝オッズも程よい割れ加減で、混戦ムードがいっぱいである。メンバーを見渡して、まず気がつくのは、典型的な逃げ馬が1頭もいないということ。「展開要らず」の格言で知られる府中千八コースではあるが、これはやはり気になる。となれば、一にも二にも、コスモバルクの出方が道中のペース、ひいてはレース結果を左右することになりそうだ。

そのコスモバルク。昨年の有馬記念以来、無理に控えれば屋根と大喧嘩、行く気に任せて先行してみれば掛かって自滅したり、強い同型馬に潰されるなど、不本意なレースが続いている。だが、本質的には道中息を入れながらの先行策から直線上がりをまとめる競馬がベストの戦法だろう。かつて好走した中距離戦のラップを再検証してみると、そんなこの馬の本質が浮き彫りになってくる。

■百日草特別 (PCI58.8)
 12.8-11.3-11.9-12.4-12.6-12.6-11.6-11.2-11.5
■ラジオたんぱ杯 (PCI57.4)
 12.6-11.6-12.3-13.0-12.8-12.5-11.9-11.8-11.4-11.7
■弥生賞 (PCI57.3)
 12.6-11.8-12.1-12.2-12.2-12.3-12.5-11.6-11.3-11.9
 
レース名の横に記したPCIとは、TARGET FRONTIER JVで確認することができるペースチェンジ指数のこと。上がり3ハロンの位置を分岐点とし、その前後の走破タイムからそれぞれ速度を計算し、その比を表したのがこの値である。数値が約50で前後半が同一程度のペースになり、それより小さい値だと後半の速度が低下したことを意味し、大きい場合は速度が速くなったことを意味している(TARGET FRONTIER JV ヘルプファイルより)
この数値が、60を超えるような場合だと、完全に上がりの競馬になったことを意味するが、コスモバルクの好走時の数値はいずれも57~58。すなわち、ややスロー寄りのミドルペースで先行するのが、この馬の好走パターンだ。ちなみに、途中からハナに立って直線もよく頑張っていた菊花賞(4着)ではPCI53.0、直線で外国馬を差し返す根性をみせたJC(2着)ではPCI52.1が記録されている。逆に、凡走してしまった有馬記念や日経賞では、この数値が50を下回っており、前後半のペース配分に失敗していたことがうかがわれる(有馬記念の場合、控えていながらラスト大きく失速したことが数値にも影響したと思われるが・・・・)

注目は、今回はじめて手綱をとる安藤勝己騎手が、行きたがる馬の気持ちを巧くコントロールできるか否かだろう。幸いなことに、今回は馬主サイドから乗り役に対する妙な指示もないときく。ならば、逃げ馬不在の顔ぶれで名手が無理に控える策を取るとも考えられず、ここはスンナリと先手を奪う展開が有望ではないか。ハナに立ってしまえば意外に折り合いがつくこの馬のこと、PCI換算で55~60程度のマイペース逃げがレースの流れを支配するとみた。

そこで気になるのが、馬場状態だ。稍重~良発表で施行された土曜日の競馬をみると、速い時計が出るには出るが、開幕週の割にゴール直前で先頭に立っていた有力馬(ルーベンスメモリーやヴリル)が差し馬の餌食になる場面も目立っていた気がする。
JRA発表の馬場情報によると、開幕週の草丈は、野芝8~10cm、洋芝(イタリアンライグラス)14~18cmとのこと。洋芝の草丈が意外に深い感じで、密生している分、力の要るオーバーシード状態になっている可能性があるだろう。
また、雨上がりという条件なら、例のトラックバイアスが効いてもいいはずなのだが、内外の芝状態にあまり差が無く全馬がインを意識した競馬をしてくるせいで、影響は微弱だったようにも思える。日曜日も深夜から弱雨予報が出ているが、雨の影響はそれほど考えなくてもいいかもしれない。

マイペース可能な展開と、重めの芝コース・・・・果たしてこの条件でコスモバルクの逃げ切りがみられるのか?道中巧く息が入れば面白いともいえるが、近走をふりかればこの馬自身、そんな自分の競馬を忘れてしまった可能性も否定できないのが辛い。また、本質的にはパンパンの良馬場でスピードを生かしたいタイプだけに、重めのオーバーシードが鬼門になりそうな予感も・・・・ゴール前、何かに捕まって2~3着という光景が、どうしても目に浮かんでしまう。

ここで2着しなければ、以降のローテーションが白紙になる背水の陣だけに、応援したい気持ちはあるが、馬券作戦に情は禁物。ここは心を鬼にして、本命選びには慎重を期す。それが現時点の偽らざる心情である。

結論
◎サンライズペガサス
○カンパニー
▲コスモバルク
△テレグノシス
△スイープトウショウ
△バランスオブゲーム
△ダイワメジャー

狙い目は、PCI50~60のレンジで速い上がりを使って、好走した実績をもつ馬たち。オープン以上の条件で33秒台を使えるのが一応の分岐点となるだろうか。この条件に一番マッチするのは、カンパニーだ。比較的小柄な馬体で仕上がりも早く、中団から機動力を使える強みもある。だが、力の要る洋芝オーバーシードへの適性は未知数。トニービン直系に母父ノーザンテーストの血統から、こなせる可能性はあると思うが、枠順まで考えると、単勝系馬券ではちょっと狙いづらいところ

そこで、本命はサンライズペガサスに。時季を問わず、オーバーシードの阪神コースで好走履歴が多いことに注目してみた。良馬場限定のタイプではあるが、土曜ぐらいの馬場状態なら人気の盲点になりそう。脚部不安をかかるこの馬にとっても、1戦1戦が配水の陣。出走してくる以上、手緩い仕上げはありえないだろう。

以下では、人気上位の実績馬をマークしてみるが、各馬ともにそれぞれ死角を抱えている印象があって、全幅の信頼は置きがたい。印をつけた馬以外にも、馬単で手広く流しておく必要がありそうだ。

キルトクールは、ハイアーゲーム
一見晩成型の血統だが、レース内容をみるかぎり、昨春がピークの早熟型であった可能性が高い。比較的人気上位の馬で、安心して切れるのは、この馬くらいしかいないのが悩ましい。

10月 9, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (3) | トラックバック (35)

2005/10/07

rain book 待望の新作が登場

新潟県小千谷市出身シンガー山本容子率いる"rain book"
あれから1年・・。 新潟・中越大震災から立ち上がろうとしている方たちへの"応援ソング"ともなる楽曲『心の力/お家へ帰ろう』のリリースです。古き良き日本の歌・童謡エッセンスを散りばめた作品。2年ぶりの新作、登場です

rain book公式HPの告知より引用~  

10月19日(水)リリースとなる待望の新作は、4曲入りマキシCD
「心の力」「お家へ帰ろう」「野ばら」「千本桜」・・・・いずれも、新潟県のFMポートではたびたびオンエアされているナンバーで、ファンにはお馴染みの楽曲だが、はじめて耳にする人に鮮烈な印象を与えることは確実だろう。ボーカル山本容子さんの透明感あふれる歌声は、相変わらず素晴らしく、思わずため息がでる。

DSCF0039久しぶりに公式HPに飛んでいくと、収録された全曲を試聴可能という大盤振る舞いを実施中であった。これで新作の全貌をほぼ知ることができたわけだが、4曲まとめて再聴してみると、また違った印象が感じられるのが興味深い。
rainbookというユニットが秘める可能性をまだ模索中でアラカルト的味わいだったデビュー作と比べ、2作目は作品としての統一感がぐっと強くなっている。郷愁を誘う旋律・アレンジと一体になって、ろうろうと響きわたる確信に満ちた歌声。歌詞のモチーフになった日本の童謡世界ばかりでなく、どこか知らない国を旅しているとき感じるような無国籍的な情感も少し感じさせてくれる。ありきたりな表現になってしまうけれど、独自の音楽世界が完成に近づいたというべきだろうか。個人的には、ライブでよく演奏している感涙必至のアイルランド唱歌「サリー・ガーデン」も収録して欲しかったが、見送られちゃったのが少し残念。

新潟と東京の一部に限られていた活動半径も、少しづつ拡がってきた。10月からは横浜のFMサルースでも、日曜10時から新番組「rain book~雨の日と日曜日は~」がスタート。多摩地区でも試聴可能なのは川崎市の山手エリアまでに限定されるので、我が家で直接耳にすることはでけないけれど、いったいどんな番組なんだろう。興味津々である。

umbrellabana2また、当ブログにたびたびコメントをいただいているtaylarさんの手による「rain bookファン倶楽部・新潟支部/umbrella」も結成されている。「新潟支部」なのに、関東圏からも入会者が多いのは何故?(笑) ともあれ私もさっそく入会して、「新潟支部・府中競馬場駐在員」として活動を開始しようと画策中である。

10月 7, 2005 音楽 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2005/10/04

【スプリンターズS回顧】偉大なる闘争心に乾杯

seiei_daishi_yusho_at_nakayama終わってみれば、上位着順は人気順にワン・ツー・スリー。馬券的には興奮度の低い低配当決着であったが、レース内容そのものは素晴らしかったと思う。上位各馬が互いのスピードをぶつけ合い火花を散らすような熱戦で、カルストンライトオも、デュランダルも大いに観衆を沸かせてくれた。それでも、この日の主役は、香港からやってきた世界最速馬・・・・日本遠征2度目で見事栄光を掴んだサイレントウィットネスの凄さには、素直に賞賛を送りたいと思う。

その気になれば、カルストンライトオを子ども扱いするほどの速さを誇るこの馬でも、ハイペース必至の中山芝千二で外枠からハナを奪うのは容易ではない。無理に先手を主張すれば、ゴール前の急坂が容赦なく立ち塞がってくる。そんな中山コースの難しさを研究していたのか?ハナにこだわらず、いつでも抜け出せる絶好位で控える競馬に徹していたのはさすがというべき。その一方、大型馬の宿命というべきか?鞍上のゴーサインが出てからの反応にはちょっとズブさもみられた。それが影響し、勝負所の4コーナーではやや先頭との差が開いたが、直線に入って一度エンジンに火がつくと、550キロを超す巨漢とは思えないほどの鋭い脚を使ってくるのだから驚く。まさに矢のような伸び。ゴールに向かって一直線である。

だが、レース後パトロールビデオが捉えていた正面からの映像をみると、その印象はガラリと一変する。いったんラチ沿いを逃げるライトオに接近したかと思うと、ラスト100メートルでは再び進路を変え、大外から迫ってきたデュランダルとアドマイヤマックスに馬体を併せようとするかのようなアクションをみせていたのだ。これを外にヨレたとみるべきか、否か?鞍上のコーツィー騎手は明言こそしていないが、ゴール前さかんに右鞭を連打していたところからすると、意図的なプレイであった公算が強い。
思い起こしてみれば、ブリッシュラックと壮絶な叩き合いを演じたチャンピオンズマイルにしても、後続の追撃をゴール前寸前まで凌いでいた安田記念にしても、明らかに長いと言われる距離でこの馬が示した勝負根性の凄さは、目を引くものがあった。立ち向かってくる相手がいれば、100%以上の力を発揮してでも受けて立つ。この闘争心の激しさこそが、精英大師を最強馬たらしめているのだ。そんなパートナーの本質を知り抜いたうえで、右鞭を叩きつけゴールまで伸びを持続させたコーツィー騎手・・・・世界をまたにかけ闘ってきた勝負師ならではの見事な手腕だったといえるだろう。

以下、各馬に関して感じたインプレッションを写真付きで少々。

1着 サイレントウィットネス(コーツィー)
seiei_daishi_at_nakayama筋骨隆々。たくましくもりあがった胸前の筋肉からは汗がしたたり落ちる。GCで坂井千明元騎手が「人間でいうならボブ・サップ」と例えていたけれど、汗っかきであることに着目するなら超人ハルク・ホーガンのほうが、イメージに近いだろう(笑)
これだけの大型馬で一完歩のストライドも大きいはずなのに、なぜかパドックでは周回を重ねる毎に前を行く馬との間隔が開いていくのが、興味深かった。これはおそらく手綱を取っていた2人引きの厩舎スタッフが、うまくこの馬の気持ちをコントロールしていたため。なにせ、あれだけの巨漢で激しい気性の持ち主なのだから、一歩扱いを間違えれば、レース前に燃え尽きてしまいかねない。それを上手になだめながら、レースへの集中力を持続させてみせるのだから、香港の厩舎恐るべしである。勝利に貢献した、もうひとつのファインプレーというべきかもしれない。

2着 デュランダル(池添謙一)
durandal_at_nakayama_05慢性的な爪不安との戦いを余儀なくされるこの馬の場合、目標とするレースに向けピークに仕上げていくことには、かなりの難しさが伴うのだろう。馬体重454キロは、おそろく現時点でベスト体重というべき仕上げ。だが、その馬体からは、どこか華奢で頼りなげな印象が漂う。それでいて、レースになるとあれだけの脚を使ってくるのだから恐ろしい。ひょっとしたら、まだまだ完成途上の馬なのかもしれない。
この馬の美点をひとつあげるのなら、全身を使ってパドックの外周一杯を堂々と歩いてくることだ。これは馬自身が、レースに臨んで何をしなければならないかを完全に理解している証拠。ひょっとして虚勢を張っているのかもしれないが、この気持ちの強さが猛々しいばかりの末脚を生み出す原動力になっているのは、間違いないと確信した。

10着 カルストンライトオ(大西直宏)
light_o_at_nakayama05予想エントリではあまり評価していなかったが、穴をあけるなら、やはりこの馬しかいない。当日になって、そんな予感がひしひしと強くなり、密かに気配を注視していた1頭。だが、パドックに現れたその姿には、正直ガッカリ。トモの筋肉こそ落ちていなかったが、気合い乗りも馬体の張りもひと息と言わざるを得ず、アイビスSD当日、新潟競馬場で目撃した姿から、ほとんど変わっていなかった・・・・orz
希代の快速馬も既に7歳。激しい好不調の波に翻弄されるような、波瀾万丈の現役生活を送ってきたこの馬のキャリアからすれば、まだ最後のひと花があるのかもしれないけれど、現状G1レベルで過度な期待は難しい。とりあえず、現状の力を出し切ったレース内容そのものは悪くなかったが・・・・

10月 4, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (17)

2005/10/02

【参戦表明】絶対に来ない馬がそこにはいる!

あれれ、気がついたらトラセンの「下半期G1予想大会」が締め切られちゃった!
でも、こちらはまだ大丈夫ということで投票してみます。「競馬道GT4争奪!キルトクール王決定戦」 まずは、初戦の指名馬から・・・・

img42_kcl2005aスプリンターズSのキルトクールは、シーイズトウショウ(安藤勝)!
指名理由は、休養明けでもこの馬の場合、笹針明けであること。自分の場合、何があろうと笹針明けの馬は絶対に買わない。これを馬券購入時のルールにしています。なぜ笹針がいけないのか?そのためのヒントとして、栗東の名伯楽・白井調教師の以下の発言を引用してみましょう。

私も昔よく笹針をしました。でも笹針というのは日本独特ですね。外国では聞いたことがありません。外国でやっていないからやめたというわけではありませんが、ある獣医にいわせると、これはよくないということを聞きました。 悪い血を抜く。これは問題ないのですが、針を刺すことによって新しい筋肉を傷つけてしまうことがあるというんです。
~白井寿昭調教師 「G1勝利の方程式」から引用  

人間にあてるような針とは比べものにならないような、ぶっとい針を馬体に突き立てる。確かに鬱血部分に対する治療効果はあるのかもしれませんが、競走馬に与えるストレスなどを考えれば、代償は小さくないはずです。さらに白井調教師が発言しているように筋肉の生成に対する影響もあるのならば、ハリを打たれた馬がダメージから回復するために必要な期間は相当長くかかる。2~3か月やそこらで元の状態に戻る馬は少ないでしょう。確たるデータを集計したわけではないけど、「ハリ明け」の出走馬の凡走例は枚挙にいとまがないのでは?と思います。

もちろん競走馬にもいろんなタイプがいて、特異的にタフな馬なら笹針の影響も関係なく好走してしまうのかもしれませんが、長い目でみるなら、こんなマイナス要因が公表されている馬を消していった方が馬券回収率は向上するはず。そんな信念に沿って、今回もシーイズトウショウをキルトクール指名します。

10月 2, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (3)

【スプリンターズS】休養明けの明暗を考える

seiei_daishi_at_yasuda_kinen2師走から初秋へと開催時期が移行して以来、休養を挟んだぶっつけローテーションで、この大一番にのぞむ出走馬が増えてきた。今年の出走馬・全16頭のうち、外国馬2頭を含む8頭が休養明けでここに参戦してきた馬たちである。
前哨戦と位置づけられるセントウルS(G3)をステップに選択すれば、どうしても酷暑期からの始動を強いられることになる。あるいは、夏の新潟・小倉で走り続けるという選択肢もあるにはあるが、そんな無理を嫌って夏場は休養と調整に専念というのが、多くの有力馬陣営の思惑だろう。スプリンターズS→マイルCS(またはスワンS)→香港国際競走というローテが秋の短距離G1戦線の王道として定着するにつれ、今後この傾向はいっそう強くなるのではないかと思われる。

現在の開催時期になってからの過去5年。新潟代替開催の02年を除いて、休養明けでこのレースに挑み見事連対を果たしたのは、アグネスワールド(00年)トロットスター(01年)デュランダル(04年)の3頭を数える。これらの各馬はいずれも過去にG1勝ちの実績を有し、本番でも上位人気に推されていたわけだが、反面、同じ休み明けでも5番人気以下の伏兵の場合、なかなか上位に進出するのは難しいようだ。高い「実績」と、それに見合った能力を発揮できるだけの「仕上げ」。休養明けのG1でいきなり好走するためには、その双方の条件を備え万全の態勢を整えていることが必須といえるだろう。

そんな観点から今年の焦点を探れば、日本勢の大将格デュランダルの仕上がり具合がどうなのか?というのが、やはり気になる。慢性的な爪不安から、昨年と同様に長期休養を挟んでの秋初戦。とはいえ、春一戦を消化していた昨年と異なり、今回は冬の香港遠征以来と、いかにもブランクが長い

一般に、中長距離と比較し、短距離は「一息で走れる」分、休み明けでも息が保ってしまうことがあるといわれる。鉄砲使いでも、それが致命的ハンデにはならない?という希望的観測をあらわしたものだが、過去3年分のJRA全競馬場データ(02年1月以降)を対象に、休養馬が芝・千二に出走した場合の成績を洗い直してみると、結果はやはり芳しいものとはいえなかった。

■データ1 芝千二・休養明け出走馬の成績

レース間隔着別度数勝 率連対率単回値複回値
10週~半年134-112-112-19036%11%10582
半年以上42-42-36-7575%10%5472

■データ2 芝千二・休養明け(半年以上)の脚質別成績

脚質着別度数勝 率連対率単回値複回値
逃げ11-7-3-4118%29%274205
先行15-18-17-1328%18%79145
中団14-14-11-3204%8%3758
後方2-3-5-2631%2%1011

データ2からも明らかなように、たとえ半年以上の休養明けでも、逃げ・先行策で後続を圧倒するようなスピードを発揮できるタイプならば、ゴールまで「息が保ってしまう」ことはありうる。逃げ・先行脚質の単回値・複回値が100を超える高い値を示しているのは、人気薄の逃げ・先行馬が、後続の油断している間にまんまと粘り通してしまう例が多いことを意味しているのだろう。ところが、後方から追い込むタイプの場合、仮に展開利に恵まれたとしても、自身が最後までしっかりと走れる末脚を残していなければならない。ブランク明けでレース勘の鈍った休養馬にそんな芸当を求めるのは、やはり難しいといえそうだ。

ちなみに、舞台を中山競馬場の芝千二に限定するなら、半年以上休養馬で道中後方に位置していた馬の戦績は「0-1-1-11」。ここで唯一2着に食い込んだ実績を残しているのが、昨年のスプリンターズSでのデュランダルの快走である。本来得意とはいえない道悪で3角からスパート、唯一自力で勝馬カルストンライトオとの差を詰めてきたレースは、ブランク明けを感じさせない強い競馬だった。果たして今年その再現はありうるのか?最終評価は直前気配を確認してからとしたいが、昨年以上に強力な先行勢が顔を揃えた今年、けして楽観は許されないだろう

一方で、逃げ・先行脚質なら、ブランク明けでもそれなりに走れるというデータは、香港の大将・精英大師(サイレントウィットネス)にとって心強い材料だ。中山競馬場・芝千二で、休養期間10週~半年の逃げ馬が残している戦績(02年1月以降)は「5-2-1-6」 直線の急坂が休養明け先行馬の脚を止めるという懸念は、あまり考えなくてもよさそうである。
死角があるとするなら、馬体重の変動だろうか?安田記念出走当時の体重が550キロ。前走比マイナス23キロという数字にはちょっと驚かされたが、昨シーズンは550~560キロ台の目方で競馬を続けており、春以来の競馬となる今回も560キロ前後で出走できるなら、特に問題はないだろう。
ちなみに、休養期間10週~半年の出走馬が芝千二重賞に出走した成績(02年以降)を調べてみると、10キロ以上馬体重の増減があったときの戦績は「1-0-0-19」。このデータをみるかぎり、前走比で大幅馬体増となる570キロ台より、むしろ550~560キロ台で出走してきたほうが、期待できそうな気がする。

結論
◎サイレントウィットネス
○ケープオブグッドホープ
▲デュランダル
△アドマイヤマックス
△キーンランドスワン
△ゴールデンキャスト
△シルキーラグーン


カルストンライトオより速い馬がいるっ!」・・・・昨年の香港国際競走で日本の実況アナを驚かせた快足自慢のサイレントウィットネスだが、中山千二のCコースでこの外枠では、恐らくハナは奪えないだろう。ダッシュ力だけを評価するなら、内枠のテイエムチュラサンのほうがおそらく上。だが、道中2~3番手からの競馬でも鞍上の意のままに動ける性能を持ち合わせていることは、安田記念で既に実証済みだ。4角で自然と先頭に立つ競馬に対応することは可能だろう。一方、これに立ち向かうディフェンディング王者・カルストンライトオ昨年の状態にないことを公言しており、ハイペースになっても、香港の英雄が意外と楽な競馬に恵まれる可能性は高いと思う。
もう1頭の遠征馬ケープオブグッドホープ。過去の対戦成績から精英大師には敵わないという評価が定着しているが、59キロの酷量を背負って英G1を勝利してきた力量を侮るべきではない。昨年は道悪競馬で3着の勲章も、「今年はどうか降らないで欲しい」と陣営がコメントしていることを思えば、良馬場でこそあらためて真価を問いたいところだ。馬券的にも、こちらを頭に据えた精鋭大師との馬単の「裏」(前日オッズ44倍)は、是非押さえておきたい。
一方、日本勢に目を転じてみると、意外に有力馬に死角が多いことが気になる。とりあえず高松宮記念上位組と、セントウルS勝者、中山巧者の穴馬を押さえてみるが、有力どころでも状態に不安のあるプレシャスカフェ・カルストンライトオまでは、ちょっと手が回りそうにない。
昨年の道悪競馬とは対照的に、良馬場でのスピード勝負が堪能できそうな日曜日の中山。国際競争に相応しい熱戦を期待してみよう。

10月 2, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (3) | トラックバック (32)