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2005/07/20

【マーキュリーC】マンネリ打破の意気込み示した岩手勢の奮闘

mercury_c_05勝負どころの第4コーナー。先行各馬の外をスルスルと上がって先頭に接近していく青い帽子がターフビジョンに映し出されると、期せずして場内から「おおおおっ」という歓声が湧いた。岩手のファンにはおなじみの赤い覆面と勝負服、村上忍騎手のトニージェントだ!
一方、2番手に位置するエアウィード名手・菅原勲の叱咤にこたえ、逃げるクーリンガーの外で一歩も譲らぬ構えをみせる。交流G3の大舞台で、みちのく大賞典ワンツー・フィニッシュが再現されるかも?!レース前には思ってもみなかった絶好の見せ場を目の前にして、地元ファンの誰もが色めきだった。岩手の2強とJRA2頭が横一線に並び、直線に向くと期待は最高潮に達して・・・・

しかし、そんな儚い夢を打ち破るかのように、トニージェントのさらに外から伸びたピットファイターが他馬を一気に突き放していく。独走状態のままゴールに駆け込み、終わってみれば後続に7馬身差をつける完勝である。2・3着争いも際どい接戦を制したJRA勢が独占しているのだから、結果だけをみるなら、今年も例年どおりの交流重賞の光景が繰り返されたわけだ。
勝ち馬の走破時計は、奇しくも昨年と同じ2分05秒8。良馬場発表とはいえ、午後からの降雨で脚抜きのよい馬場だったことを考えるなら、前半のスローペースが影響したにせよ、平凡な水準といってよい。同じコース・距離で争われた地方重賞・みちのく大賞典の決着タイムが2分05秒9なのだから、地元岩手勢が好位で立ち回れたのも、それなりに時計の裏づけがあってのことだったといえる。

だが、そんなことより何より、JRA勢を向こうに回して一歩も引かず、ファイトする姿勢を示してくれた地元勢の頑張りが嬉しい。
交流重賞といえば、JRAから遠征馬が、力の違いを誇示して賞金をかっさらっていくレース。お立ち台に登るのは、日頃この競馬場では見れない中央のスタージョッキーたち・・・・正直、そんな結果の繰り返しには食傷気味だった。中央の重賞レースで活躍するような強豪を、個性豊かな地元の名馬たちが正面から迎え撃つ。そんなワクワクするような対決を、地方競馬ファンは期待しているのだ。もちろん、中央・地方の賞金格差に起因する所属馬のレベルの違いという現実は否定できないけれど、結果はともかく、堂々と勝ちにいく競馬をみせてくれた菅原勲騎手・村上騎手には、大いに賞賛の拍手を送りたい。

トーホウエンペラー・バンケーティングによる地元勢同士のワンツー決着で、実況の及川アナが「岩手の2頭でどおしようもないっ!」と絶叫した3年前の南部杯。あんなレースがいつか再現されることを、ほんの少しでも予感できただけで、楽しい気持ちになれた好レースだった。

以下、出走各馬に関して感じたインプレッションを写真付きで少々。

1着 ピットファイター(安藤勝)
pit_fighter_at_morioka予想時点では、二千以上の距離での出走経験がないことを不安材料として指摘したが、終わってみれば何のその。大回り盛岡コースで距離ロス覚悟の大外回しを敢行しながら、後続に7馬身も差をつけてみせたのだから、この距離は守備範囲だったということか。
初コースを気にしてパドックでは終始ちゃかつく仕草をみせていたが、実戦に行っての折り合い不安がまったくない。そのことも距離延長克服の原動力になっているのだろう。血統や体形、抜け出すときの瞬発力の非凡さから、本質的にはマイル~千八くらいが適距離?のタイプとは思うが・・・・
6歳馬ながらまだまだキャリアは浅く、順調に使えるなら、交流重賞・G1でも上位常連として信頼できる存在に成長していきそうだ。

2着 スターキングマン(武豊)
star_kingman_at_mercury最内枠のアドバンテージをフルに生かすべく、道中は好位のインでじっと待機。おそらく武豊騎手は、JCダートのタイムパラドックスをイメージしてレースを運んだものと思われる。だが、直線を向くと岩手の2頭に相次いて進路をカットされる不利。その間に外を通っていたピットファイターが一気に抜け出したことを思えば、このロスは確かに痛かった。とはいえ、ゴール前ではギリギリ接戦を制し2着確保なのだから、盛岡巧者の面目は一応保つことができたといえる。
この馬もパドックではチャカつき気味だったが、騎手控室の前に姿を見せていた森調教師は余裕の笑顔だったし、仕上げに不安はなかったはず。夏場を順調に乗り切れるなら、南部杯でも侮れない存在になる。

3着 スナークレイアース(小野)
snark_rayearth_at_mercury1・2着馬がスピードと瞬発力で勝負するタイプなら、この馬やクーリンガーは、力の要る馬場を苦にしないパワーが武器。大きなアクションでパドックを周回していく仕草や、馬体の張りを見る限り、10歳という年齢をまったく実感させないほど、この日も元気一杯だった。
雨で脚抜きのいい馬場だっただけに、馬券的な評価はやや割り引いてしまったが、それでもゴール前一番外から際どく追い込んできたのには驚かされた。正直、この年齢になると、JRAのスピード競馬への対応は苦しいと思うが、交流重賞路線ならまだまだ活躍できる。マンボツイストなど高齢馬の活躍が目立つ、岩手に移籍してくれたら面白い存在になると思うがどうだろう。

4着 エアウィード(菅原勲)
air_weed_at_mercury地元勢同士の比較ならまだしも、JRA所属馬と比べてしまうと、パドックで受ける印象はいかにも地味だった。専門紙に載った陣営の発言も「胸を借ります」という弱気なトーンに終始。穴馬として期待しながら、正直どこまでやれるか?と思っていたら、結果4着と地方馬で最先着を果たして見せた。しかも、内容が濃い。菅原勲騎手の好騎乗もあったが、逃げたクーリンガーを競り落とし、直線で叩き合った好敵手トニージェントの追撃を退けてみせたのだから、それまでの戦績を考えるなら大健闘といえる。
そのトニージェントもしばらく休養に入るようなので、今後の好敵手はウツミジョーダンということになるのだろう。岩手のトップの座を賭けた対決が今から楽しみに待たれる。
血統的に距離延長大歓迎のクチで、2500の長丁場で争われる北上川大賞典などでは、不動の大本命に推されような予感も・・・・

7月 20, 2005 岩手競馬, 旅打ちコラム, 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

菅原騎手・村上騎手の騎乗ぶり、本当に格好良かったです。
4コーナーでは鳥肌が立ちました。
こういう競馬が見られれば、ファンは盛岡を応援しますよ!

投稿: 古木33 | 2005/07/20 6:56:00

いつも楽しく拝見させていただいてます!
熱狂的坊主生活!!の坊主です。
この度写真初心者・サイト運営初心者の坊主が
熱狂的写真館というサイトをオープンしました。
(熱狂的坊主生活!!の方でもリンクさせて頂きました。)
その中のリンクページに失礼ながらリンクさせていただきました。
リンクOKでない場合は即刻削除するので返信お願いします。

http://www.geocities.jp/hotbowz/

内容に関係ない書き込みすいませんでした。。。

投稿: 坊主 | 2005/07/21 0:34:07

遅くなりましたけど、トラックバックありがとうございます。私の方の観戦記(というより旅行記?)のほうは、もう少し時間が掛かりそうですのでお待ち下さい(笑)。

このレースの一番の見所は4角の攻防であったことは、私としても疑いようの無いものです。トニージェントが捲っていった時は期せずして喚声が上がったのは、地元の期待の表れだったのでしょうか。しかし、さらに外へブン回して勝ったピットファイターには大いに驚かされたものです。

あと、盛岡競馬場には初めて行ったのですが、いい所ですね。機会があればまた訪れてみたいものです。

投稿: ジョカトーレ・F(F's blogroom管理人) | 2005/07/22 21:45:45

古木33さん、こんにちは。
結局、見せ場は一瞬だったわけですけど(^^;
でも結果はともかく、闘う姿勢をみせなければ何も変わらない。そんな思いとあの場の雰囲気から、あのような観戦記になってしまいました。ではでは。

投稿: 山城守 | 2005/07/22 22:35:59

坊主さん、こんにちは。
新サイトのほうも早速訪問させていただきました(^^)/
2004の日付がついたスイフトセイダイの写真が凄く気になります。場所はオーロパーク・・・・。ということは、展示イベントがあったのでしょうか?まだ岩手競馬と縁がなかった10数年前のオールカマーで、この馬から馬券を買った記憶があるものですから(^^;

投稿: 山城守 | 2005/07/22 22:41:34

ジョカトーレ・Fさん、こんにちは。
新潟→岩手遠征、うらやましいです。3連休は、私も一瞬そのコースを考えましたが、そこまでのガッツはなく断念しました。盛岡競馬場はよいところです。近代的設備に焼き鳥の煙が漂うあたりのギャップが、また味わい深いですね。

投稿: 山城守 | 2005/07/22 22:45:22

写真館訪問ありがとうございます。。。
スイフトセイダイですが去年のダービーグランプリの前夜祭の一部として展示したんですよ(^^)
パドックでは観客からにんじんの首飾りをかけてもらうイベントもあったんですがその時暴れてビックリした思い出が・・・(◎_◎)
それとスイフトセイダイの主戦騎手の小竹元騎手も来てました(^^)
なかなかいい前夜際でおもしろかったです!!
騎手との交流やオークション等サイコーでした。。。
今年もやるのなら行こうかと考えてます!!

投稿: 坊主 | 2005/07/23 3:10:21

坊主さん、こんにちは。
なるほど、昨秋のダビグラ前夜でしたか・・・・
その日は、コスモバルクのセントライト記念観戦を終えてから新幹線に飛び乗って、一路盛岡をめざしていました。どうりで記憶してなかったはずです。
今年も、岩手の名馬展示の企画があると嬉しいですね。ではでは。

投稿: 山城守 | 2005/07/23 11:46:53

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