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2005/07/30

【関屋記念】速い上がりと持続力こそが好走条件

sidewinder_at_yasuda_kinenしっかりと根を張り成育した野芝に、3角を頂点とする緩やかな下り勾配、さらにはラスト3ハロンがすべて直線部分に含まれるという特異なコース設計・・・・関屋記念の行われる新潟・芝1600外回りコースは、途轍もなく速い走破時計を誘発するための条件を見事に兼ね備えた舞台設定といえる。
リニューアル後、4回の関屋記念はすべて1分31~32秒台で決着しており、上位馬の記録した上がり3ハロンも当然33秒台が中心。ここまでの高速決着と速い上がりに対応できる適性がなければ、歴戦のオープン馬といえども、通用の目はない一戦だ。
新潟県地方では、週末に向け雨の予報も報じられているが、もともと水はけの良さには定評のある競馬場だけに、おそらく典型的な道悪競馬とはならないはず。今週は事情があって金曜夜時点での事前予想だが、例年通り「良」の高速決着を前提に話をすすめていくことにしたい。

過去4年の決着傾向を眺めてみてあらためて気がつくのは、逃げ・先行勢の活躍が目立つことである。好位から早めに先頭に立って、上がりを33秒台にまとめてしまうというのがひとつの必勝パターンになっており、ここまで前が速いとさすがに差し・追込勢の追撃も及ばない。
とはいえ、差し脚質の馬にまったく出番がないのかといえば、そういうわけでもない。エイシンハリマオー(03年2着)マイネルソロモン(04年クビ差3着)のように、新潟コース好走歴のあるタイプなら、十分台頭の余地は残されている。新潟外回りコースでよくみられる傾向だが、関屋記念の場合もラップの出方をよく観察してみると、ラスト2ハロン目が最も速く、最後の1ハロンではそこから1秒以上時計を要していることが多い。つまり、長い直線で早めに先頭に立っている分、先行馬も最後はお釣りがなくなってバテているわけだ。このラスト200メートルでまだ伸びを持続できる差し馬なら、ゴール間際に逆転の目もありうるはず。実際、このコースでも条件戦になると、差し馬が先行馬をまとめて交わしていく場面をたびたび目撃するが、以下のデータからも、差し・追込勢の軽視は禁物と考えておきたい。

■新潟・芝千六・外 連対馬の脚質分布(夏開催時)

脚質1着2着合計比率
逃げ57127%
先行25244930%
中団45368149%
後方8162414%

以上をふまえ、関屋記念上位進出の条件を探るなら、まず第一に千四~二千くらいの距離で33秒台の速い上がりを記録した好走実績を残しているタイプ。もちろん、単にスローペースの恩恵にあずかるだけではなく、前半戦からマイル戦特有の高速ラップに対処しながら、上がりもしっかりという競馬でなければダメだ。さらに末脚の持続力という点に注目するなら、新潟はもちろん、同様に長い直線を有する東京・京都で実績を残している馬がいいだろう。
そんな観点で、出走馬の比較的最近(過去2年分)の履歴を洗い直してみると、以下のケースなどが今回の好走条件に当てはまってきそうだ。

 エリモピクシー 03年府中牝馬4着 前半5F59.6・上がり33.3
 ロードフラッグ 04年関屋記念2着 前半5F58.4・上がり33.4
 サイドワインダー03年富士S 2着 前半5F56.9・上がり33.5
 ウインラディウス04年京王杯 1着 前半5F57.0・上がり33.8
 マイネサマンサ 05年洛陽S 1着 前半5F57.7・上がり33.8
 
ちなみに、1番人気が確実視されるダイワメジャーは、中山の皐月賞(前半1000メートル59秒7)でラスト3ハロンを33秒9にまとめ優勝してみせた実績をもつが、これをどう評価するかが難しい。安田記念では一瞬内から伸びかけ最後に脚が止まっていただけに、長い直線での持続力勝負では一抹の不安があるのでは?という印象も受けてしまう。さらには左回り好走実績のないところにもってきて、初の新潟コース。そのネームバリューには敬意を払うにしても、人気ほどの信頼が置けるかどうかは、微妙と受けとめざるをえない。

結論
◎サイドワインダー
○ケイアイガード
▲ダイワメジャー
△ロードフラッグ
△マイネサマンサ
△ウインラディウス
△エリモピクシー


新潟初登場となるが、コーナー2回・長い直線という舞台はベストと思えるサイドワインダーに注目。前走・小倉では、馬体も絞れ走れる体勢は整っていたと思うが、やはり小回りコースが応え不完全燃焼に終わった感が強い。行きたい馬がハッキリしてテンからペースも速くなりそうな今回は、現役屈指の息の長い末脚をフルに生かすことができそう。コース改修後、差し馬の1着がまだない重賞だが、4年前エイシンプレストンで苦杯をなめた福永騎手の成長も加味するなら、「単」の可能性も高い本命馬と考えておきたい。
対抗にはケイアイガードを推奨。センスの良さを生かして立ち回るタイプだけに、ひょっとしたら小回りコースのほうが向いている可能性はあるが、それでも京都・阪神で好走実績を残しているので通用の素地は十分だろう。早めに先頭に立って、速い上がりで粘り込む競馬が好走のイメージ。
ダイワメジャーは、圧勝と惨敗の可能性が同居することをふまえ「▲」の扱いとした。だが、馬券的妙味は薄く、気持ちの上では「押さえ」程度の評価にとどめたいところ。
以下では、ロードフラッグ。前走などをみるかぎり、年齢のせいか?一時の勢いが感じられなくなっているが、そこは昨年の2着馬、変に軽視はできない。パドックであまり良く見せないタイプだし今年も人気薄だろうから、馬券的妙味も考え、ヒモ穴一番手として押さえる。以下では、速い上がりで好走実績を残している各馬をピックアップした。なお、暑さのピークを迎え競走馬の体調管理が難しくなる季節だけに、直前気配には十分注意を払いたい。

キルトクールは、コスモサンビーム
昨年は馬券的にお世話になった馬だけに、さすがにこの評価はどうかとも思うが、復帰戦の今回は無事走ってくることこそが大切。馬券の対象として評価するのは、もう少し先でも遅くはない。

7月 30, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (20)

2005/07/27

【書評】サウスバウンド 行き当たりばったり流の真骨頂

4048736116奥田英朗は、面白い作家である。長編小説を執筆するときでも、事前にプロットなど一切立てることなく話を書き進めていくのだという。最低限の設定だけを決めてしまえば、あとは行き当たりばったり。書きながら次の展開を考えるので、作者本人も、物語がどう転がっていくのかわからない。そんな作家だからこそ、ジェットコースター的面白みにあふれた物語を生み出せるのだといえば聞こえはいいけど、実際のところ、単にプロットを立てられない体質であるらしい。そのことは、インタビューやエッセイなどでも、しばしば本人が公言している。
実は、当ブログの競馬予想記事なども、基本テーマと最低限のデータだけを設定した時点で原稿を書き始め、肝心の予想はキーボードを叩きつつ、なりゆき任せで考えているということが多々ある。そんな意味で、奥田英朗の執筆作法には、とても他人とは思えぬ親しみを感じるのだが、驚かされるのはそんなやり方で完成させた作品の出来映えである。「最悪」や「邪魔」のように、かなりのボリュームを擁する長編小説でも、全体の構成にまったく破綻が見られない。結果的に破綻しっぱなしの当ブログの競馬予想とは大違いだ(汗)それでいて、登場人物の予想もつかぬ突飛な行動を媒介に物語が急展開していく有様など、「行き当たりばったり」流を標榜する作家ならではの、ストリーテリングの大胆さがあって、本のページを括る手が離せなくなってしまう。読む者を魅了してやまない作風は、もう作者の才能というほかないだろう。

そんな奥田が2年ぶりに発表した長編小説「サウスバウンド
あら筋を一言でいうなら、破天荒な父親・一郎(元・過激派の伝説の闘士)に翻弄され続ける家族の姿を、小学校六年生の長男・二郎の視点から描いた物語である。

全編で500頁を超えるこの意欲作は、大きく分けて2部構成で組み立てられている。すなわち、前半部では東京・中野を舞台に、イマドキの小学生ライフと周囲の大人たちが織りなす様々なエピソードが展開され、後半になると一転して、父の発案で沖縄・西表島に移住する主人公一家の生き生きとした暮らしが描かれる。島への進出を企てるリゾート開発業者との対決で物語は一気に佳境に突入するが、思いも寄らなかった結末の後、作品はさわやかに幕を閉じる。
そんなふうに紹介すると、ゴミゴミとした都会を離れ、自然に帰るライフスタイルを称揚する教条的なお話と捉えられてしまうかもしれないが、実際のところお説教臭さはまったく感じられない。元・過激派の父の言動は、どこまでいっても周囲を振り回し続けるし、クライマックスでは角材まで振り回す大立ち回りを演じる。主人公の小学生はそんな父に悩まされながら、三度の飯を楽しみにして物語世界を駆け回っていく。読者はあまり深く考えることなく、登場人物の立ち振る舞いを楽しみながらページを括っていけばよい。良い意味で、肩のこらない娯楽大作だと思う。

また、特筆すべきはハードカバーの装画の素晴らしさ。沖縄の真っ青な空とサトウキビ畑の緑をバックに、鮮やかな朱色に染められた民家の屋根と魔除けのシーサーがデザインされている。この雰囲気が良いのだ。作品全体に通底するどこかレイドバックしたムードを見事に表現しきっている。
こんな景色の中で日々を送っている西表島の人々も、作中では実にいい味を出していた。「○○さー」と語尾を伸ばす方言独特な言い回しが象徴するように、どこまでもノンビリと楽天的な気風。いいなあ。せっかく逮捕した犯人と泡盛を酌み交わし盛り上がっているうちに逃走されてしまう警察なんか、信じられないけれど本当に有りそうな気がしてくる。

行き当たりばったり流のストーリー展開も楽しいが、そんな作品に漂うムードも最高。
夏らしい小説でレイドバック気分を満喫してみたい方には、文句なくお薦めします。

7月 27, 2005 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/07/23

【函館記念】コース巧者によるコース巧者のための中距離重賞

パワーを要求される洋芝コースが舞台となる函館記念は、スピード決着全盛の現代競馬に背を向けたような異色の中距離重賞である。新潟など他場夏開催では必須とされる速い走破時計や上がりは基本的に不要。ここ数年のレースラップを眺めてみても、道中はほぼ12秒台が連続する凸凹の少ない流れから、ラストで推定35~36秒台の脚を競い合う競馬になっている。いかにもジリジリと脚を使う持続力型の活躍の場というイメージだが、実際のレースでは3角から一気にスパートして良い位置まで押しあげていける機動力や、あるいはインを捌いて浮上できるセンスが着順を左右している。重めの芝に対応しながら、そんな脚が使えるタイプなら、短い直線を後方からでも差し届いてしまうのだから、面白い。
Photo:(C)Horses.JP(この画像の無断転載・複製はご遠慮ください)

毎年上位を賑わすのは、過去に函館・芝で好走実績を残し確かなコース適性を示してきた巧者たちだ。昨年の優勝馬クラフトワークにしても、自身は函館芝コース初登場だったとはいえ、兄クラフトマンシップが函館記念2連対という血の裏づけがあった。今年の出走メンバーも、ダート路線を走っていたハギノハイグレイド1頭を除けば、全馬函館・芝コースの出走経験がある。まさに、函館巧者の、函館巧者による、函館巧者のための重賞レースといえるだろう。

もうひとつ注目しておきたいデータは、前哨戦と目される巴賞(函館・芝千八)との関係である。

過去5年のデータを抽出してみると、前走・巴賞から参戦してきた馬の本番成績は「1-3-1-17」 この数値だけでは、可もなく不可もなしといったところだが、ポイントは別にある。巴賞好走組は本番での良績が少なく、逆に前哨戦で掲示板圏外だった馬の巻き返しの目が小さくないということだ。過去5年、巴賞→函館記念のローテで本番3着以上の成績を残した5頭に関していうなら、巴賞出走時の着順は3着が最高(02年トップコマンダー)。その他4頭は、いずれも掲示板圏外からの巻き返しという結果であったことは記憶にとどめておきたい。
元々がこの両レース、同じ中距離とはいえ、かたやAコースを4週間使いこんだ第1回開催の最終日、かたやBコース替わり2週目でやや馬場が持ち直しているタイミングと、芝のコンディションが微妙に異なる条件設定である。それに加え、梅雨時だけに降雨による影響を無視できない。過去5年のうち今年を含む3年が重・不良と雨に祟られがちな巴賞好走馬が、そのまま良の函館記念で通用すると考えるのは、確かに不自然といえる。
今年は巴賞1・2着馬がそろってここに参戦し、穴人気を呼ぶ可能性があるけれど、リプレイで改めて確認しても道悪適性の有無が勝敗をわけたレースと思われるだけに、過信禁物ではないか?と考えている。

【結論】
◎エアセレソン     56.5kg
○ウイングランツ    55.0kg
▲マチカネメニモミヨ  55.0kg
△ワイルドスナイパー 53.0kg
△タイガーカフェ    54.0kg
△グランリーオ     56.0Kg

エアセレソンは、前走・巴賞(4着)が函館コース初経験なのだが、雨に泣かされながらも洋芝自体は無難にこなしていた印象を受ける。もともとが良馬場で長く良い脚を使えることがこの馬のセールスポイント。馬場さえよければ、本来の待機策でも十分太刀打ちできるだろう。函館記念では鬼のような成績を残す伊藤雄二厩舎が、巴賞の凡走後、自信をもって送り出してくる以上、それなりに敬意をもった扱いが必要だ。

ウイングランツは、ダイヤモンドS制覇の記憶が強いためか、左回りの長距離巧者というイメージがつきまとうけれど、実は右回りの戦績だって決して悪くないし、函館芝中距離の好走歴もある。イメージ先行で人気が落ちるようなら、55キロのハンデも加味して怖い存在といえるだろう。

以下では、コースの鬼というべきワイルドスナイパーに、巴賞凡走組のタイガーカフェマチカネメニモミヨグランリーオまで押さえる。なかでもメミモミヨは、伊藤雄二厩舎2頭出しの一角。勝負所で押っつけ通しながらゴールまで渋太く脚を伸ばした巴賞3着の内容は、非凡な洋芝適性をうかがわせるものだった。

キルトクール指名は、ブルートルネード。前走の好走は、他馬との比較で道悪適性が勝っていたことに尽きる感じ。確かに近走の充実ぶりは著しいが、良馬場で人気を背負うようなら嫌って妙味ありかもしれない。

7月 23, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (28)

2005/07/22

小林俊彦騎手、土曜・新潟競馬に登場!

b_boka3年前の新潟・夏開催で、地方からのスポット参戦ながら1日4勝の固め打ち。中央競馬ファンの度肝を抜いたばかりか、グリーンチャンネルのベテランキャスター土居壮氏をして「あれほど追える騎手がいるとは・・!」と絶句させてしまったあの男が新潟に帰ってくる。
小林俊彦騎手。いわずとしれた岩手競馬を代表するトップジョッキーである。

今年も地元では早々と83勝をマークし(第3回盛岡開催終了時)、リーディング首位を独走中。4月には、デビュー24年目にして記念すべき2500勝の金字塔も打ち立てている。いまや、岩手だけでなく地方競馬の顔といっても過言ではないビッグネームの登場だ。

その小林騎手、95年福島競馬場の未勝利戦に初登場して以来、JRA遠征時の通算成績は、52戦5勝7連対。中央競馬と地元の土日開催が重なるため、出走回数は決して多くないし、騎乗馬にもそれほど恵まれている印象はないが、それでも単勝回収値134・複勝回収値89のデータが記録されている。中央競馬の舞台でも地元騎乗時と同様に、馬券的信頼に応えうる技量を発揮していることは、データからも裏づけられるといってよい。
特に、新潟競馬との相性は抜群で、連対率22%・単勝回収値289・複勝回収値128の好成績をマーク。長い直線の左回りというコース形態が盛岡と似ているのがよいのだろうか?先行してよし、追い込んでよしと、我が庭のように大活躍していった3年前の夏開催が今でも記憶に新しい。

3年ぶりの新潟登場となる土曜日は、騎乗回数も10回とチャンスたっぷり。なかでも期待は、10レースのBSN杯(ダ1200)でコンビを組むビービーバーニングだ。

フルゲート15頭の多頭数。粒ぞろいのメンバーが揃った1戦だが、出走馬の力量に差がないレースだからこそ、騎手の技量が結果を左右する。小林騎手の腕っぷしなら、勝機十分だろう。これ以外のレースでも、各種指数で上位から1秒以内の位置にいる小林騎乗馬は、穴馬として警戒が必要である。絶好の外枠に恵まれた8レースの直線1000メートルなども、その騎乗ぶりから目が離せない。

この日は、同じ新潟競馬に元上山の板垣吉則騎手が、函館競馬には菅原勲騎手も登場してくる。岩手競馬を代表する名手たちが、各地で大暴れしてくれることを密かに期待してみたい。

7月 22, 2005 今週の注目馬, 岩手競馬 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005/07/20

【マーキュリーC】マンネリ打破の意気込み示した岩手勢の奮闘

mercury_c_05勝負どころの第4コーナー。先行各馬の外をスルスルと上がって先頭に接近していく青い帽子がターフビジョンに映し出されると、期せずして場内から「おおおおっ」という歓声が湧いた。岩手のファンにはおなじみの赤い覆面と勝負服、村上忍騎手のトニージェントだ!
一方、2番手に位置するエアウィード名手・菅原勲の叱咤にこたえ、逃げるクーリンガーの外で一歩も譲らぬ構えをみせる。交流G3の大舞台で、みちのく大賞典ワンツー・フィニッシュが再現されるかも?!レース前には思ってもみなかった絶好の見せ場を目の前にして、地元ファンの誰もが色めきだった。岩手の2強とJRA2頭が横一線に並び、直線に向くと期待は最高潮に達して・・・・

しかし、そんな儚い夢を打ち破るかのように、トニージェントのさらに外から伸びたピットファイターが他馬を一気に突き放していく。独走状態のままゴールに駆け込み、終わってみれば後続に7馬身差をつける完勝である。2・3着争いも際どい接戦を制したJRA勢が独占しているのだから、結果だけをみるなら、今年も例年どおりの交流重賞の光景が繰り返されたわけだ。
勝ち馬の走破時計は、奇しくも昨年と同じ2分05秒8。良馬場発表とはいえ、午後からの降雨で脚抜きのよい馬場だったことを考えるなら、前半のスローペースが影響したにせよ、平凡な水準といってよい。同じコース・距離で争われた地方重賞・みちのく大賞典の決着タイムが2分05秒9なのだから、地元岩手勢が好位で立ち回れたのも、それなりに時計の裏づけがあってのことだったといえる。

だが、そんなことより何より、JRA勢を向こうに回して一歩も引かず、ファイトする姿勢を示してくれた地元勢の頑張りが嬉しい。
交流重賞といえば、JRAから遠征馬が、力の違いを誇示して賞金をかっさらっていくレース。お立ち台に登るのは、日頃この競馬場では見れない中央のスタージョッキーたち・・・・正直、そんな結果の繰り返しには食傷気味だった。中央の重賞レースで活躍するような強豪を、個性豊かな地元の名馬たちが正面から迎え撃つ。そんなワクワクするような対決を、地方競馬ファンは期待しているのだ。もちろん、中央・地方の賞金格差に起因する所属馬のレベルの違いという現実は否定できないけれど、結果はともかく、堂々と勝ちにいく競馬をみせてくれた菅原勲騎手・村上騎手には、大いに賞賛の拍手を送りたい。

トーホウエンペラー・バンケーティングによる地元勢同士のワンツー決着で、実況の及川アナが「岩手の2頭でどおしようもないっ!」と絶叫した3年前の南部杯。あんなレースがいつか再現されることを、ほんの少しでも予感できただけで、楽しい気持ちになれた好レースだった。

以下、出走各馬に関して感じたインプレッションを写真付きで少々。

1着 ピットファイター(安藤勝)
pit_fighter_at_morioka予想時点では、二千以上の距離での出走経験がないことを不安材料として指摘したが、終わってみれば何のその。大回り盛岡コースで距離ロス覚悟の大外回しを敢行しながら、後続に7馬身も差をつけてみせたのだから、この距離は守備範囲だったということか。
初コースを気にしてパドックでは終始ちゃかつく仕草をみせていたが、実戦に行っての折り合い不安がまったくない。そのことも距離延長克服の原動力になっているのだろう。血統や体形、抜け出すときの瞬発力の非凡さから、本質的にはマイル~千八くらいが適距離?のタイプとは思うが・・・・
6歳馬ながらまだまだキャリアは浅く、順調に使えるなら、交流重賞・G1でも上位常連として信頼できる存在に成長していきそうだ。

2着 スターキングマン(武豊)
star_kingman_at_mercury最内枠のアドバンテージをフルに生かすべく、道中は好位のインでじっと待機。おそらく武豊騎手は、JCダートのタイムパラドックスをイメージしてレースを運んだものと思われる。だが、直線を向くと岩手の2頭に相次いて進路をカットされる不利。その間に外を通っていたピットファイターが一気に抜け出したことを思えば、このロスは確かに痛かった。とはいえ、ゴール前ではギリギリ接戦を制し2着確保なのだから、盛岡巧者の面目は一応保つことができたといえる。
この馬もパドックではチャカつき気味だったが、騎手控室の前に姿を見せていた森調教師は余裕の笑顔だったし、仕上げに不安はなかったはず。夏場を順調に乗り切れるなら、南部杯でも侮れない存在になる。

3着 スナークレイアース(小野)
snark_rayearth_at_mercury1・2着馬がスピードと瞬発力で勝負するタイプなら、この馬やクーリンガーは、力の要る馬場を苦にしないパワーが武器。大きなアクションでパドックを周回していく仕草や、馬体の張りを見る限り、10歳という年齢をまったく実感させないほど、この日も元気一杯だった。
雨で脚抜きのいい馬場だっただけに、馬券的な評価はやや割り引いてしまったが、それでもゴール前一番外から際どく追い込んできたのには驚かされた。正直、この年齢になると、JRAのスピード競馬への対応は苦しいと思うが、交流重賞路線ならまだまだ活躍できる。マンボツイストなど高齢馬の活躍が目立つ、岩手に移籍してくれたら面白い存在になると思うがどうだろう。

4着 エアウィード(菅原勲)
air_weed_at_mercury地元勢同士の比較ならまだしも、JRA所属馬と比べてしまうと、パドックで受ける印象はいかにも地味だった。専門紙に載った陣営の発言も「胸を借ります」という弱気なトーンに終始。穴馬として期待しながら、正直どこまでやれるか?と思っていたら、結果4着と地方馬で最先着を果たして見せた。しかも、内容が濃い。菅原勲騎手の好騎乗もあったが、逃げたクーリンガーを競り落とし、直線で叩き合った好敵手トニージェントの追撃を退けてみせたのだから、それまでの戦績を考えるなら大健闘といえる。
そのトニージェントもしばらく休養に入るようなので、今後の好敵手はウツミジョーダンということになるのだろう。岩手のトップの座を賭けた対決が今から楽しみに待たれる。
血統的に距離延長大歓迎のクチで、2500の長丁場で争われる北上川大賞典などでは、不動の大本命に推されような予感も・・・・

7月 20, 2005 岩手競馬, 旅打ちコラム, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (8) | トラックバック (2)

2005/07/18

【マーキュリーC】出走馬の距離適性にこだわってみる

morioka盛岡の名物重賞にふさわしく、14頭立とまずまず頭数も揃った今年のマーキュリーC。だだし、出走馬同士の実力差は比較的ハッキリしており、上位争いを演じる資格を有するのはJRA勢上位各馬(ピットファイター、クーリンガー、スターキングマン、スナークレイアース)と、小林俊彦騎手とのコンビ結成が注目される道営代表バンブーボカに絞られそうなムードだ。
人気の中心をつとめるのは、交流重賞初登場となるJRA代表ピットファイター岩手競馬専門紙・エイカンの分析では、「東京実績が直結する盛岡ダートだけに、武蔵野S制覇、GⅠフェブラリーS6着があれば問題なし」との高い評価を受けている。G1上位入賞こそまだないが、充実一途をたどる最近の戦績から、おそらくは断然の1番人気に推されることだろう。
だが、この本命馬にも死角はある。たとえば、2000メートル以上の距離に出走した経験がないこと。過去にこのレースを優勝したJRA勢が、いずれも2000メートル以上の競馬で好走実績を有していたを思い起こせば、少々気になる材料ではある。

■第9回マーキュリーカップ出走馬 (盛岡ダート2000)

馬名性齢斤量所属騎手
1クーリンガー牡657JRA和田
2エアウィード牡556岩手菅原勲
3スターキングマン牡659JRA武豊
4ユウキュウ牡656愛知宇都
5ローランボスコ牡556岩手内田利
6トニージェント牡856岩手村上
7マイネルレガリア牡756愛知岡部
8バンブーボカ牡556道営小林俊
9キングソロモン牡556愛知倉地
10ピットファイター牡657JRA安藤勝
11スナークレイアース牡1057JRA小野
12コウエイシャープ牡956笠松島崎
13トーコーカント牡556JRA板垣
14マイネルレアール牡656岩手沢田

ピットファイターの父プルピットは、アメリカンオークス2着馬メリョールアインダなど中距離タイプもソコソコ輩出しているものの、自身の現役当時は7~9ハロンを守備範囲としていたように、どちらかといえば短距離・マイラー色が強い種牡馬。また母の父は、いわずとしれたスピード型のダンチヒだ。そんな血統背景を有するこの本命馬が、大回り盛岡コースで前走から1ハロンの距離延長を凌ぎ、勝ちきるほどの適性があるか否か?こればかりは、やってみなければわからない。ただ、あまりにも過剰人気するようなら、嫌って妙味のある?人気馬といえるのかもしれない。

同じく2000メートル以上で連対実績を欠く道営代表バンブーボカも、父が大一番での底力に欠ける印象のあるフォーティナイナーだけに、過度な期待は禁物だろうか。ただし、こちらの母は現役当時、芝中長距離路線で活躍していたスプリングバンブー。初の長距離戦出走となった前走の敗因が、超スローで折り合いを欠いての取りこぼしだったことを思えば、まだ情状酌量の余地もありうる。

いずれにせよ、距離適性に若干の疑問を感じる上記のメンバーに人気が集中するようなら、逆に狙ってみたいのが、中長距離路線で確かな実績を残している馬たちだ。
たとえば、スターキングマン。血統的な意味でのスタミナ色は強くないが、東京大賞典1着・川崎記念2着なら、その実績にケチのつけようはない。もともと盛岡コースは大の得意舞台であり、帝王賞の凡走で人気を落とすようなら、今回は絶好の狙い目といえるのではないか?また、このレースの常連クーリンガー、スナークレイアースなども、当然過去の実績から評価を落としづらい面々だと思う。

大穴を1頭あげるなら、みちのく大賞典の「あわや」の激走で、盛岡コースへの適性の高さを改めて証明した地元代表エアウィード。もはやトニージェントとは力量的に差のないレベルに達した印象もあり、岩手の馬ならこの馬が最も上位に進出してくる可能性を残している。父エアダブリン、母の父がミルジョージという長丁場向きの血統背景も魅力だ。人気薄でマークがはずれた菅原勲騎手が、地の利をフルに生かす騎乗に徹するなら、「あわや」の再現があるかもしれない。

結論
◎スターキングマン  武  豊
○クーリンガー    和田竜二
△ピットファイター  安藤勝己
△バンブーボカ    小林俊彦
△スナークレイアース 小野次郎
☆エアウィード    菅原 勲

ちなみにキルトクールは、岩手の番長トニージェント(笑)
月曜日、盛岡で現地観戦してきます。

7月 18, 2005 岩手競馬, 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (8)

2005/07/16

【北九州記念】差し・追込有利を生み出す構造がある

ローカルの平坦小回りコースにパンパンの開幕馬場・・・・普通に考えると、いかにも逃げ・先行馬に有利と思える条件で争われる北九州記念(GⅢ)
だが、そんなイメージとは裏腹に、近年は差し・追込勢が上位を賑わす傾向が続いている。昨年なども逃げたメイショウバトラーがゴール前ギリギリまで粘るところを、差し馬2頭が強襲。結局、大外から伸びたダイタクバートラムに凱歌があがったわけだが、今にして思えば、上位陣で最も後方に位置していたこの馬が勝ちきってしまうところなど、ここ数年のレース傾向に忠実な結果だったと解釈できるだろう。
Photo:(C)Horses.JP(この画像の無断転載・複製はご遠慮ください)

一方で逃げ馬は、ハンデ戦時代の99年に2着したアンブラスモアを最後に、連対圏から遠ざかっている。とはいえ、さらにそれ以前に遡るなら、阪神代替開催だった98年も含め3年連続で逃げ切り勝ちが続いた時代もあった。
すなわち、世紀の変わり目を境にして、北九州記念のレースの質は、「先行有利」から「差し・追込有利」へとあきらかな変貌を遂げている。ハンデ戦から別定戦への条件変更による出走馬の質的変化が影響したためか?確かにそれもあるだろう。だが、ここで注目しておきたいのは、98年の改修工事を経てオープンした小倉・新コースに導入されたスパイラルカーブがもたらした効用である。

ご存じの方も多いとは思うが、スパイラルカーブとは、地方競馬を含むわが国のローカルコースの多くが採用しているコーナーの形状である。直線からコーナーへの進入角度が緩く、逆にコーナーからの出口が急角度になっているため、上から見下ろすと楕円形のコース全体が角の丸い平行四辺形のような形にみえる。各馬が減速することなくスムーズにコーナーに進入できること、さらにコーナー出口で外に振られるため、直線に向いて馬群がばらけやすいことが特徴といわれており、当初は先行馬がスピードを持続できる分、逃げ・先行有利に作用するのでは?という見方もあった。だが、実際には馬群がばらける分、コーナーでスピードに乗った差し・追込勢の台頭が増えるという効用のほうが、もちろん大きい。
スパイラル導入前後の北九州記念の質的変化は、実際にレースのラップを比較してみると一目瞭然となる。

■北九州記念ラップ(1)95~97年 コース改修以前
kita_9shu_1

■北九州記念ラップ(2)99~04年 コース改修以降
kita_9shu_2 ※不良馬場だった03年を除く

夏競馬の開幕週の重賞らしく、道中11秒台のラップが連続して出現する緊密なペースという点は、改修前後を通して変わらない。だが、注目すべきポイントは、発馬後2ハロン目、すなわち第1コーナー進入時点のラップの上がり方である。改修以前だと、11.5秒前後で流れが落ち着いていたところなのに、スパイラル導入以降この部分で、10.5秒~11.0秒フラットの厳しいラップが、毎年のように記録されるようになったのだ。
このことは、第1コーナー進入角度が緩くなった分、発馬直後の先行争いがコーナーまで持ち越され、各馬の位置取りがスンナリとは決まらなくなったことを意味する。小倉の1~2角といえば、平坦~下りが基調のコースのなかで唯一2.9mの上り勾配が設定されている箇所だが、そこでの先行争いが長引けば長引くほど、先行勢にとっては前半戦で体力を消耗する展開となる。

これに対し、3~4角付近(ラスト3ハロン目あたり)の勝負所では、コース改修前後のラップ変化は意外にハッキリとは表れていない。ただし、よく観察してみると、改修後の00年・01年・04年には、ラスト4ハロン目から3ハロン目(バックストレッチ後半から3~4角中間部)にかけて、ペースが上がっていることがわかる。つまり、これらの年は、早めに追い出しにかかった強い差し馬が、先行勢に息を入れる間合いを許さなかったということだ。そんな年には実際の着順も、トゥナンテ・エイシンプレストン・ダイタクバートラムが1着と、GⅡ通用レベルの差し馬が順当に勝ちきる結果に終わっている。

さて、そんな「差し・追込有利」の傾向を考慮しながら、今年の出走馬に目を転じてみると、強力な逃げ馬不在の顔合わせ。常識的にはスローペース必至のメンバー構成なのだが、こと北九州記念に関するかぎり、そんなヌルイ展開にはならないとみるべきだろう。仮に前が少々楽をできる流れになっても、3角あたりから強力な差し馬がどんどんプレッシャーをかけてくるはず。例年どおりの差し・追込決着を想定し、予想を組み立てていくのが的中馬券への近道といえる。

【結論】
 ◎ヴィータローザ
 ○メイショウカイドウ
 ▲サイドワインダー
 △チアズメッセージ

昨年の2着馬メイショウカイドウが、抜群のコース適性を評価され1番人気の支持を集めると思うが、前日売り2番人気ヴィータローザによる逆転の目を期待してみる。このレース3年連続銀メダルの勲章をもつ、ロサードの全弟だ。そんな兄とはタイプこそ違うが、毎年夏~秋の初めの重賞で活躍するあたりなど、やはり血は争えないもの。パンパンの良馬場、末脚の持続力が問われるコース形態も望むところである。前走・宝塚記念11着というのも、昨年のダイタクバートラムと一緒の成績で、2桁着順ながら妙に心強い。
メイショウカイドウは、休み明けながらここが目標というローテーション。昨年の小倉シリーズの戦績からも当然有力で、武豊騎手がこの最内枠をどう克服して差してくるのか、目が離せない。以下では、末の持続力という点で一歩譲るものの、2強の1角が崩れた際、浮上の可能性を残すサイドワインダーとチアズメッセージまで。

キルトクール指名馬は、ツルマルヨカニセ
確かにその他上位勢と差のないところまで力をつけているが、前走・福島戦の内容がふがいなかった。有力どころのなかで、前半の位置取りが最も前になりそうな点も、割引材料と考える。

7月 16, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (31)

2005/07/14

【ジャパンダートダービー観戦記】カネヒキリ、無人の荒野を行く

kane_hekili_at_jdd第7回 ジャパンダートダービーGI3歳
ダート2000m (外コース) 良馬場

1着 10 カネヒキリ      JRA  武豊
2着  9 メイプルエイト    船橋 張田
3着 14 ボンネビルレコード 大井 的場文
4着  7 ブラウンコマンダー 船橋 左海
5着  1 ドンクール      JRA  熊沢

他馬を歯牙にかけることもなく淡々とコースを1周、終わってみれば4馬身差の圧勝劇だった。既に勝負付けは終わった感のあるJRA勢はもちろん、大駒を欠く南関勢にも、自分の行く手を阻む者はいない。そのことを最初からわかっていたのか?今夜のカネヒキリは、寸分の狂いもなく与えられた仕事を消化し、さも当然の結果であるかのように、3歳ダート王者の称号を手にしてみせた。

そのカネヒキリ、パドックに登場した時の様子からして、他馬とはまったく次元の違う存在であるようにみえた。初めてのナイター登場なのに、周囲を物見するでもなく落ち着き払った態度。鍛錬の成果を誇示するように、カクテル光線に映える筋肉の鎧。ストライドも一際大きく、パドックの外側をのっしのっしと周回する姿から、「今日は勝ちに来ました」というカネヒキリ自身の意志表示が、無言のうちに見る者へと伝わってくる。
それでいて、大舞台を目前に控えた精神の昂ぶりであるとか、緊張などはまったくその素振りさえ見せないのだから、恐れ入ってしまう。3歳の若駒らしからぬ堂々たる風格といえば聞こえは良いが、正直、可愛げがない。これに比べれば、同じ勝負服の芝王者ディープインパクトなど、ダービーの下見所で盛んに尻っぱねを繰り返しており、今にして思えば、まだ愛嬌があったと思えるくらいだ。

一番強い馬がそのように落ち着き払っていては、他馬のつけいる隙などあろうはずもなかった。カネヒキリを意識しすぎた感のあったJRA勢や、船橋・川島厩舎のマズルブラスト(この馬のデキの良さも目立っていた)は、強すぎる最強馬を前に早仕掛けを強いられた分、ゴールを前にして自滅の道を辿ってしまう。その結果、掲示板の2~4着を占めたのは、ホームグラウンドで普段着の競馬に徹し、おかげで着を拾うことができた南関勢。カネヒキリからアグネスジェダイ、マズルブラスト、コンゴウリキリオーへと流していた自分の馬券ははずしてしまったが、終わってみれば、それもなるほどと納得のいく結果である。

走破時計は2.04.9。同じく良馬場で争われた東京ダービーに比べ0.4秒速い決着になったが、前半のペースの違い、上がりタイムの差まで考慮に入れるなら、両レースのタイム的価値はほぼ同等とみてよいだろう。これら2レースでともに2着しているメイプルエイトを物差しにして考えれば、奇しくもともに4馬身差で勝利したカネヒキリとシーチャリオットは、ほぼ力量互角という推論も成り立つ。
競馬に「たら・れば」は禁物ではあるが、もし南関の覇者が内田博騎手とのコンビで今夜の全国王座決定戦に駒を進めていたら、いったいどんな競馬になったのだろう?興味は尽きない。しかし、現実に自分の目の前を通り過ぎていったのは、無人の荒野を行くがごとく独走態勢の入ったカネヒキリただ1頭の勇姿だった。

7月 14, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (8) | トラックバック (9)

2005/07/11

【馬券日記】戦利品はタイガー&ドラゴン

tiger__dragon_with_keiba_book運良く馬券が的中し儲かったお金、皆さんは何に使っていますか
仲間を集めて盛大に豪遊する人、家族や彼女にプレゼントを買ってあげる人、お金の使い道は、人それぞれにあるのだろう。なかには来週の馬券資金として、がっちりリザーブしておく人もいるかもしれない。なるほど、一見それも、堅実なお金の使い方に思える。


しかし「アテもの」相手に毎週毎週そんなに勝ち越せるわけでもないし、所詮、手にしているのはあぶく銭である。来週になって、また馬券で溶かしてしまうくらいなら、今のうちにモノに変えてしまったほうが、精神衛生上もよろしい。そう割り切って、自分の場合、お金のあるうちに記念の品を購入するように心がけてきた。そういえば、ちょっと昔は、グラスワンダーに作ってもらったスーツとか、サイレンススズカに買ってもらった自転車など、身の回りの固定資産的物品を馬券で調達してきた、そんな思い出もある。
けれど、最近は無茶な金額での馬券勝負を慎んでいるので、リターンがある場合もそれなりにおとなしめの金額になってしまった。となると、的中記念の品もお手軽に飲食物で済ませてしまうことが多くなる。これなら少々贅沢をしても、支出は1万円以内におさまるわけだから、お財布にも優しい。その分浮いたお金は結局、翌週の馬券代に回っていくのだが・・・・。

さて、日曜日。七夕賞はタテ目を押さえていた馬複が辛くも引っかかるという結果だったが、ダイワエルシエーロから馬単で流していたマーメイドSが本線的中し、これでこの日のプラス収支が確定した。ここしばらく馬券の調子がよくなかったので、勝ち逃げのままやめちゃおうかとも一瞬考えたが、そんな気持ちを振り切って、ええいとヨイチサウスから勝負した福島最終レース・尾瀬特別。写真判定の結果、馬単の的中馬券(168.5倍)を運良く手にすることができた。小額とはいえ一応万馬券だから、まとまったリターンになって、久しぶりに懐具合は暖かい。さて、これで何を買おうか?

そんなあぶく銭を元手に、購入した今日の戦利品がこれ。
本格焼酎「タイガー&ドラゴン」(製造元 種子島・四元酒造) 
府中市内のディスカウント酒店に、なぜか1個だけ置いてあった。720mlボトル1本で、2200円也。虎と龍をモチーフにした、アクの強いラベル・・・・それにピンと触角が反応し、思わず衝動買いである。

このお酒、あとで調べてみると、例の同名ドラマがきっかけになって、首都圏界隈では人気過熱気味の一品になっているらしい。「十○代」や「森○蔵」みたいに、幻の名酒に祭り上げられ、入手困難であることがさらに人気を過熱されるというのは、正直うんざりする現象である。実際、このお酒だって4000円近い値付けがされているサイトが散見されるが、それに見合うほどのプレミアムで高級な味わいがあるわけでも何でもない。ごくごくありきたりの素朴な味わいに、ほのかに漂う良い香り。それで十分といえば、十分ではないか。

このラベルの裏には、なかなか味わいのある名文句が記されている。
虎の如く、うまい酒をかぎわけ 龍神の如く、がぶ飲みする。この者を馬鹿者と呼ぶ。」・・・・いいなあ、旨いことを言ってくれるものだ。こんな言葉を反芻しながらロックのグラスを傾けていると、昼間の馬券的中の興奮も蘇ってきて、とても幸せな気分になってくる。
虎の如く、勝馬をかぎわけ 龍神の如く、馬券を買う。この者を馬鹿者と呼ぶ。」こんな馬鹿者になら、毎週でもなりたいものです。

7月 11, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (2) | トラックバック (1)

2005/07/09

【七夕賞】荒れるハンデ戦も狙いは実績上位馬

1番人気が目下26連敗中。「荒れるハンデ戦」として知られる福島の名物レースである。今年も10頭と小頭数ながら、いかにもひと癖ありそうなメンバーが顔を揃えてきた。
とはいえ、この重賞の馬券を攻略するための傾向と対策は、比較的ハッキリしている。昨年の予想記事でも書いたことだが、重めの斤量を背負う実績上位馬を素直に狙っていけばよいということだ。
Photo:(C)Horses.JP(この画像の無断転載・複製はご遠慮ください)

たとえば、過去10年分の七夕賞データ(東京・中山開催時を除く)を洗い直してみると、優勝馬が背負っていたハンデ重量は平均56.4kg。この傾向は、出走頭数が少ない年ほど顕著になるようで、フルゲートに満たなかった年(5年分)の勝馬平均ハンデを算出してみると、57.3kgにも達していた。
一方、軽ハンデの後押しで上位進出を目論む伏兵は苦戦を強いられており、そんな傾向は出走馬の斤量別成績をチェックしてみると一目瞭然となる。

■七夕賞 ハンデ別着順・連対率(福島 95年~04年)

ハンデ着順連対率
51kg未満0-0-2-130%
51.5kg~53kg1-2-3-289%
53.5kg~55kg1-4-1-2914%
55.5kg~57kg4-1-2-1226%
57.5kg以上2-1-0- 260%

では、ハンデ頭を自動的に本命にすればよいのか?といえば、必ずしもそうとは言い切れないから、話はちょっとややこしい。過去10年トップハンデを背負っていた出走馬の成績を通算してみると「2-1-0-7」。こんなデータをみていると、実績最上位馬=本命と断ずるのが、いささか心許なくなってしまうが、果たして大丈夫だろうか?

■七夕賞 ハンデ頭の着順(福島 95年~04年)

ハンデ頭負担重量着順
95年 フジヤマケンザン58.5kg1着
97年 トウカイタロー57kg4着
98年 マイネルブリッジ58kg8着
99年 ホッカイルソー56kg4着
 ナリタプロテクター56kg7着
01年 オースミブライト56kg9着
 トーヨーデヘア56kg13着
02年 アメリカンボス58.5kg7着
03年 ウインブレイズ57.5kg2着
04年 チアズブライトリー57kg1着

そこで、データの見方をちょっと変えてみることにしよう。
注目する必要があるのは、99年と01年。これらの年はトップハンデが56kgの設定、しかもハンデ頭がそれぞれ2頭いた。いかにハンデ頭といえど、この程度の評価ではいかにも頼りない存在といわざるを得ず、例年以上に確たる実績馬不在の混迷ムードだったわけである。レース結果のほうも、ハンデ頭が凡走、それにかわり52~55kgの人気上位馬たちが台頭するという似かよった結果に落ち着いているが、この2年分のデータを七夕賞の「例外」と解釈すべきではないかと思うのだ。
この2年を除けば、過去10年、福島コースで争われた七夕賞のハンデ頭成績は「2-1-0-3」 連対率は50%となり、これなら、ひとまず信頼を置いてもよいという結論になる。また、99年と01年を除くどの年をとってみても、斤量57kg以上の馬が必ず連対圏の一角に食い込んでおり、その事実は注目に値するといえるだろう。

そんな傾向を頭に入れ、今年の出走馬を見渡してみると、ハンデ頭ユキノサンロイヤルに課せられた負担重量が57.5kg。これ以外に56kgを背負う実績上位馬が4頭もおり、小頭数ながら、ハンデキャッパーは上位馬に高い評価を与えていることがわかる。ならば、今年も例年の傾向にしがたい実績上位馬が狙い。軽量の伏兵から無理に穴を狙うより、そのほうが的中馬券への近道ではないかと考える。

結論
◎ユキノサンロイヤル 57.5kg
○トーセンダンディ  56kg
▲ダイワレイダース  56kg
△ラヴァリージェニオ 56kg
△オースミステイヤー 54kg

でどこまで馬場が渋化するかが心配だが、稍重までのコンディションなら、トップハンデを背負うユキノサンロイヤルを狙ってみたい。天皇賞(春)以来、ちょっと間隔をあけての出走となるが、乗り込み本数は十分、力を出せる仕上がりだろう。去年も似たようなローテーションで、チアズブライトリーが結果を残しているのは強調材料だ。
先週の重賞ほど極端な前崩れにはならなくても、基本的にはペースメーカーがはっきりして速めの流れが見込める今回、日経賞と同様の外差しがはまる公算が高い。

トーセンダンディは、夏場に向けて毎年調子を上げてくるタイプ。去年もほんとうに良化してきたのは新潟開催を迎えてからなので、まだ復調途上だろうが、一歩先に抜け出して馬場の良いところを選んで走れるなら、現状でも上位と差のない競馬ができるだろう。
以下では、エプソムCで渋太いところをみせ、道悪は歓迎ムードのダイワレイダース。休養明けの前走減らしていた馬体をどこまで戻しているかが注目点となる。また、福島巧者のラヴァリージェニオも悪くないが、穴として一捻りするなら、スピード不足で良馬場だと苦しいオースミステイヤー。渋った馬場を味方に浮上する可能性もあるだろう。

キルトクールは、グラスボンバー
条件戦連勝の勢いを評価されているが、得てしてこんなタイプが苦戦するのが、七夕賞の傾向である。過去10年間、前走で2連勝以上の成績を残しここに挑戦してきた馬が延べ4頭いるが、これらは1頭も馬券に絡めていない。4連勝中だった昨年のメジロマントルもここで5着と、苦杯をなめたことは記憶に新しい。そんな歴史は今年も繰り返すとみるが、果たしてどうか?

7月 9, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (2) | トラックバック (24)

挑戦!クラスターカップ(G3)への道

officer_with_take0612■オフィサー(牡3)
JRA栗東・森秀行厩舎
サウスニアRH所属
父Fusaichi Pegasus
母父Irish River
7月9日阪神第8レース
500万下ダート千二出走



必勝を期して遠征した前走の東京・ダート千六で、よもやの4着敗退。手綱をとった武豊騎手がその敗因を「短距離向きのピッチ走法」と語ったのが決定打となったか、わが愛馬オフィサーのとるべき進路がいよいよハッキリしてきた。ダート短距離路線への本格参戦である。
短期放牧を挟んで、今回矛先を向けたのは、阪神のダート千二。日曜日には同条件のダート千四も組まれていたが、敢えてスピードの絶対値が問われる距離を選択してきたわけだ。デビュー以来この馬のレースをウォッチし続けている自分の目からみると、千四~マイルあたりが適距離ではないかと思うのだが、折り合いを気にすることなく力任せに他馬をねじ伏せるような競馬ができるこの距離への挑戦も、悪かろうはずはない。

ところで、森厩舎のダート短距離選手といえば、全国交流重賞をまたにかけ健在ぶりを誇示する大ベテラン・ノボトゥルーや、一発長打の魅力を秘める末脚が売りのシャドウスケイプなど個性派の名が思い浮かぶが、オフィサーの進路を占ううえで、参考になりそうな馬がいる。現・4歳のフレンチデピュティ産駒・ファントムマスクだ。

オフィサーとは異なり、デビュー当初から短距離路線で期待されてきたこの馬の場合も、昨年春シーズンの終盤時点では、500万下の壁を破れずじまいと、じれったい足踏みが長く続いていた。その意味では、わが愛馬と似たような戦績だったといえる。
ところが、夏の季節を迎える頃、ファントムマスクに転機が訪れる。6月末の園田交流戦でやっとこさ2勝目をあげると、続いて挑戦した新潟の疾風特別(芝1000メートル)で前半速い流れに戸惑いながらも、途中からペースに順応し豪快な差し切りを決めてみせたのだ。同じ短距離とはいえ、ダートと芝、地方の小回りコースと直線1000メートルのセパレートと、まったく異なる条件を克服し連勝を飾ったことで、次走に向けた選択肢は一気に広がった。そして、常識的には新潟の準オープン・新潟日報賞あたりに向かうかと思われたこの馬が次走に選んだのは、盛岡競馬場の交流G3クラスターカップへの出走という一見無謀と思える路線であった。

そのクラスターカップ。重賞初挑戦ながら上がり馬の勢いを買われ5番人気の支持を集めたファントムマスクは、後藤騎手の手綱に導かれ、ゴール際まで上位と紙一重のきわどい争いを繰り広げる。終わってみれば、歴戦の古馬オープン馬を向こうに回して堂々の4着入賞。つい2か月前まで500万下でもがいていた姿を想像できないような大健闘が、強く印象に残った。
ちなみに、このレースでは上位5頭のうち、勝馬シャドウスケイプを含む3頭までが森厩舎所属馬。既に確たる実績と適性を示している馬ならばともかく、能力未知数の3歳馬を遠征メンバーの一角に加えながら、こんな成績をあげてみせるのだから、森調教師の眼力の確かさには恐れ入るばかりである。

もしオフィサーが土曜日のレースを勝ち上がることができるなら、1年先輩のファントムマスクが辿ったこんなローテーションも、これ以降の選択肢のひとつとして検討の俎上にのぼってくるかもしれない。もちろん、1000万下でもう1勝という条件はつくが、「夏競馬は格よりも勢い」である。北の大地で争われる短距離王者決定戦に向け、ここははずせない1戦。
3たび武豊騎手とコンビを組む愛馬の「今度こそ」に期待を寄せてみよう。

7月 9, 2005 ひとくち馬主日記 | | コメント (13) | トラックバック (1)

2005/07/05

【超訳競馬ニュース】日本産馬シーザリオ 米オークスを制覇

cesario_at_j_oaksシーザリオの快挙達成に湧いた、ハリウッドパーク競馬場
公式HPでも、アメリカンオークスの模様を伝えるニュース記事が掲載されていますね。そこで今回は、現地レポートの雰囲気だけでも楽しんでみようと、大胆な「超訳」を試みてみました。はっきりいって騎手のコメント部分など、かなりいい加減な(というか、わけのわからない)和訳です。
どなたか英語に堪能な方がいれば、訂正してほしいのですが(笑)勢いで掲載しちゃいます。(原文は、ハリウッドパーク競馬場公式サイトより引用)

INGLEWOOD, Calif. (July 3, 2005) - Cesario dominated 11 rivals while becoming the first Japanese-bred to win a Grade I race in the United States with a four-length triumph under jockey Yuichi Fukunaga in Sunday's $750,000 American Oaks at Hollywood Park.

カリフォルニア州イングルウッド(2005年7月3日)
日曜日、ハリウッドパーク競馬場で賞金総額75万ドルをかけ開催されたアメリカンオークス。11頭のライバルたちを蹴散らし、このレースを制覇したのは、日本生産馬で初めて米国G1の勝者となったシーザリオだった。福永祐一騎手に導かれ、後続につけた着差は4馬身。圧勝である。

Breaking from the outside post, Cesario quickly moved into contention and was tucked in behind leaders Isla Cozzene and Thatswhatimean rounding the clubhouse turn. She made the lead with ease approaching the quarter-pole and cruised to victory while covering 1 1/4 miles over the Lakeside Turf Course in a stakes record 1:59.03.

大外枠からポンと飛び出すと、シーザリオは素早く馬群にとりつき、コーナーでは逃げるイスラコジーンとザッツワットアイミーンの直後に潜り込んでいく。ゴールまであと500mの地点に差しかかると楽々とリードを奪い、Vロードを一気に駆け抜けた。走破時計は1分59秒3。二千メートルのレースレコード更新である。

Melhor Ainda, the previously unbeaten favorite, closed for second money under John Velazquez, but never threatened the Japanese sensation. Singhalese finished another 1 1/2 lengths back in third under Garrett Gomez, while Irish-bred Luas Line was fourth and local favorite Three Degrees fifth.

ここまで無敗の戦績で1番人気の支持を集めたJ・ベラスケス騎手のメリョールアインダは惜しくも2着。とはいえ、この馬の好走も「日本旋風」を脅かすほどのものではなかった。さらに1馬身半遅れた3着にG・ゴメス騎手のシンハリーズ。アイルランド調教馬のルアスラインが4着し、地元の人気を集めたスリーディグリーズは5着に終わった。

"I just let her run her own race," Fukunaga said. "Depending on how the race went, I was thinking about what would be the best position and just settled in. I hadn't asked her to go yet, so I was not worried at all. I tried not to get boxed in along the rail. She ran her best race here; I think it was better than her race in the Japanese Oaks. She is the very first Japanese horse to win an American Grade I race, and hopefully she won't be the last. I hope she sets the trend, and others follow her."

彼女自身の競馬ができればよい。それだけを心がけて乗っていました」福永騎手はそうコメントしている。「位置取りはレースの流れ次第と思っていましたが、ちょうどいい位置がとれましたね。追い出しまでじっくりと構えましたが、全然心配はいりませんでしたし、ラチ沿いの位置で包まないことだけ注意していました。」「今日が彼女のベストレース。日本のオークスよりいい競馬ができたと思います。」「これでシーザリオは初めて米国G1で優勝した日本馬になったわけですが、願わくば、これが最後のG1優勝馬でないことを祈りたいですね。彼女が作った流れに、他の日本馬が続いてくれると嬉しいです」(以下中略)

"I enjoy it here, I love America," said Katsuhiko Sumii, the trainer of Cesario, who spent time at Hollywood Park a year ago while working with Hall of Fame trainer Neil Drysdale. "We will talk to the owner first (regarding Breeders' Cup). We keep coming to America for a race for a long time. This is the first step for us, so this will encourage all Japanese breeders. I've had a dream of winning in American racing, so I am very happy about this."

とても楽しんでいますよ。アメリカ大好きです」シーザリオの調教師・角居勝彦師は、そのように話した。彼は1年前にもハリウッドパークを訪れ、競馬殿堂入りした名調教師ニール・ドライスデールとともに仕事をしている。「(ブリーダーズカップ参戦に関しては)まず、オーナーと相談してみます。私たち日本人は、長い間アメリカ競馬に挑戦を続けてきました。これが、私たちにとっての記念すべき第1歩なのです。この勝利は日本の生産者を大いに勇気づけることでしょう。ずっとアメリカで勝利したいと願ってきましたが、夢がかなって最高の気分ですよ!」

Cesario, winner of the Japanese Oaks in her most recent start, suffered her lone setback when beaten by a head in the Japanese 1000 Guineas. The winner's share of $450,000 increased her earnings to $2,578,568.

シーザリオは、前走で日本オークスを制しているが、桜花賞(日本1000ギニー)で唯一の敗戦を喫した経歴をもつ。今回の勝利で1着賞金45万ドルを獲得し、通算賞金額を257万8568ドルとした。

Melhor Ainda, who dominated fillies in New York while winning her first four starts, had a poor start and could not recover. She was tenth down the backstretch and seventh with a quarter-mile to run.

メリョールアインダは、デビュー以来無傷の4連勝でニューヨーク地区の女王の座に。勇躍ここに参戦してきたが、痛恨の出遅れがアダになってしまった。向正面では先頭から10番手、残り4分の1マイルの地点でも7番手と苦しい位置どりだった。

"My filly came flying, but what happened at the gate cost me the race," Velazquez said. "She went to break and she kind of grabbed herself and kind of stumbled. She didn't actually stumble, but she grabbed herself and put her toes down. It took me three or four steps to get her going. By the time I got her going, everybody came over on her, and she just sucked out of there.

「自分の馬も伸びてはいるんだよ。でも、ゲートでの出来事が響いてしまったね」ベラスケス騎手は、そうレースを振り返る。「ゲートを出ようとしたその時に自分から躓くような格好になってしまった。実際に躓いたわけじゃないんだけどね。それで2~3完歩出遅れてしまった。それでも行かせようとしたら、外から他馬に被されてしまって・・・・」

"The break cost us the race," he added. "Definitely, it cost us the race. It was all over. It was a full field, you've got to bide your time. You just can't go around everybody. Finally, something opened up around the three-eighths pole, a hole opened up a little bit, and I was able to squeeze through there and I pulled out. And, boy, did she close down. The winner just got away and didn't come back to us."

「発馬が致命的だった」彼はさらに付け加える。「まったくもって痛かったね。それですべてお終いさ。距離は十分あったので我慢のレースをしたけれど、思うような位置取りがとれなかった。ゴールまで残り8分の3地点で、馬群に隙間が生じたので、そこをつこうとしたんだけどねえ・・・・。勝った馬はうまく逃げていたし、なかなか止まってくれなかったよ」 (以下略)

7月 5, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (8) | トラックバック (2)

2005/07/03

【岩手・栗駒賞回顧】村松、名手の猛追を振り切って久々重賞V

muramatsu_manabu激しい競馬になった。7月3日(日)水沢競馬メインの重賞・栗駒賞
この日の水沢ダートは、土曜日の降雨の影響を受け、終日脚抜きの良いコンディション。決着時計もかなり早く、前に行って粘る先行タイプの活躍が目立っていた。おそらく各騎手ともそのあたりのコンディションを意識していたせいだろう。栗駒賞も、序盤から各馬が前へ前へと仕掛けていく短距離戦らしい展開となった。
注目を集めていたのは、前走・姫神賞で鮮やかな復活Vを遂げたカシマハヤト(小林俊彦騎手)の出方である。この1番人気馬が向正面外から仕掛け気味に差を詰めにかかるが、前で頑張る先行勢(菅原勲騎手内田利雄騎手笠松の東川騎手ら)も簡単にはその位置を譲ろうとしない。依然として淀みない流れでレースは進んでいく。
そんななか、3角過ぎ好位から一気にスルスルと脚を伸ばし先頭に接近する馬が現れた。青地に黄色のストライプ村松騎手が手綱をとるマンボツイストだ。ハイペースの短距離戦で、中距離路線を主戦場としていたこの馬が自ら動いていくとは?!誰もが意表をつかれるうちに迎えた直線、村松マンボツイストは早くも先頭に躍り出る。後続との差はあっとという間に広がって2馬身のリード、5番人気の伏兵が堂々と先頭を独走する。
しかし、レースはまだ一筋縄ではおさまらない。クライマックスはその先に用意されていた。大外から頭だけ物凄い脚色で先頭に迫ってくる青い勝負服が視界に入ってくる。
内田博幸騎手と船橋からの遠征馬ファイブビーンズだ。
向正面では後方の位置取りだったこの馬、ハイペースの追走に苦しんでいたように見えたのだが、さすがは地方競馬を代表する名手。その叱咤にこたえグングン伸びてきたファイブビーンズが、一完歩づつ首位との差を縮めていく。最後の最後で息づまるような叩き合いになった。
村松か?内田か?
マンボツイストが辛くもクビ差で追撃を振り切ったところが、ゴールだった。

■重賞 IBC杯栗駒賞 (水沢ダート千四)
 1着 マンボツイスト  岩手 牡10 村松学(岩手)
 2着 ファイブビーンズ 船橋 牡8 内田博(大井)
 3着 パワフルボーイ  笠松 牡4 東川公(笠松)
 4着 カシマハヤト   岩手 牡8 小林俊(岩手)
 5着 ハヤブサ     岩手 牡6 板垣吉(岩手)

(注)掲載した写真は、5月に水沢で撮影したものです。
   馬はマンボツイストではありません(^^;)

優勝した村松学騎手は、一昨年の不来方賞(グランドピアノ)以来、ひさしぶりの重賞制覇となった。昨年には岩手リーディング第3位という好成績をあげながら、これだけの期間、重賞勝ちと縁がなかったとは、ちょっと意外な感じがする。その間、同期の村上忍騎手がトニージェントなどで重賞戦線の主役にいたことを思えば、ちょっと水をあけられてしまった感はあるけれど、ライバルとの勝負づけはまだまだ先の話だ。

大胆な手綱捌きとゴールまでしっかりと馬を追える技術の確かさで、信頼できるジョッキーという印象が強い村松騎手。テシオに掲載されたインタビューなどを読んでも、「アクションより無駄な動きを無くして馬に負担をかけないようにしたい」「結果も大切ですが、自分の乗り方をしっかり確立したい」と、現状に甘んじることなく常に進歩をこころがけようという真摯な姿勢が感じられる。
岩手には菅原勲・小林俊の両巨頭に、村上・草地・板垣、さらにはミスターピンクと手強い相手が揃っているが、名手・内田博幸の猛追を振り切って魅せた重賞勝ちを自信にして、さらなるジャンプアップを期待したいところだ。
がんばれ、ムラマツ

7月 3, 2005 岩手競馬 | | コメント (0) | トラックバック (1)

【ラジオたんぱ賞】データで探る「消せる馬」2005

silk_nexus_at_the_derby福島・芝千八を舞台に3歳馬同士で争われるG3・ラジオたんぱ賞
ここ数年、「残念ダービー」の看板を背負う実績馬の参戦は少なく、どちらかといえば新興勢力の出世レースという位置づけが定着した感がある。多様な路線から出走馬が集ってくる分、力関係の比較や展開予想が難しい。


事実、ここ数年の展開・ラップを検証してみても、スローペースの上がり勝負からハイペースの前崩れまで、様々な決着パターンがみられ、ちょっと一筋縄ではいかない印象だ。昨年こそ上位人気同士によるおとなしい決着におさまったが、中波乱決着までは想定しておくべきレースだろう。

掴みどころのないレースゆえに、今回は久しぶりに過去10年の傾向・対策から、「消しデータ」を抽出し、出走各馬の死角を探るという予想法を試してみたい。実は、昨年のこのレースでも同じ手法で予想記事を書いているのだが、そのときは運良く的中馬券を手にすることができた。それに味をしめての二番煎じ企画である。

例によって分析ツールには、TARGET frontier JVを使用。分析の対象は95年~04年の期間、福島競馬場で行われたこのレースである(中山・東京での代替開催の年は除外した) 延べ8年分のレース傾向から浮かび上がってくる「消せる馬」・・・・今年は、どのタイプが該当するのだろうか?

【実績ファクター】
①前走G1以外で 0.6秒以上負けていた馬 0-0-2-23
②前走条件戦で連対できなかった馬     0-0-2-16
新興勢力がこの重賞で通用するか否か?力関係をジャッジするためには、ひとまず前走の戦績に注目してみるのが定石だろう。前走G1出走組に関しては、大敗でも情状酌量の余地はあるが、それ以外のレースで決定的敗北を喫している場合、巻き返しは案外難しいようだ。

(今年の該当馬)
 チョウサン    前走・1.0秒差敗退
 ピカレスクコート 前走・条件戦4着
 エアアドニス   前走・条件戦7着(0.9秒差)
 モエレアドミラル 前走・2.3秒差敗退
 ブリュネル    前走・条件戦6着(0.7秒差)

【臨戦過程】
③前走1着馬で中5週以上での出走 0-1-0-11
前走勝ちの余勢をかって重賞に挑む出走馬の「順調度」をはかるうえで、意外に重要なファクター。さわやかな五月晴れから、うっとうしい梅雨時へ。わずか1か月強といえど、確実に季節は変わっていく。そんな環境変化のもとで1か月以上間隔を開け、調子を維持することの難しさを暗に示すデータと解釈できそうだ。
ちなみに、2着に食い込んだ実績を残しているのは、後にアルゼンチン共和国杯を制すことになるレニングラード(02年)。前走からの間隔は5週だった。

(今年の該当馬)
 シルクレンジャー 前走との間隔 5週
 コンラッド      前走との間隔 7週
 トーセンロッキー 前走との間隔 9週

【距離適性】
④前走で千四以下の距離に出走していた馬 0-0-0-4
重賞の舞台で、短距離路線から一気の距離延長。常識的には厳しい条件と言わざるを得ないだろう。

(今年の該当馬)
 シンボリグラン 前走・芝1200に出走

【脚質】
⑤前走で逃げていた馬           0-0-2-10
先行有利というイメージのある福島コースではあるが、さすがに重賞ともなると息の入らない厳しい流れになることが多い。逃げ馬苦戦の傾向は、ぜひ頭に入れておきたい。
ちなみに、3着に残った2頭(02年ソウゴン、03年サウスポール)は、ともに前走で同距離の千八に出走してした。直前で同じ距離・流れを経験している強みがあるということか?こんなタイプは、一応3着候補として一考する必要がありそうだ。

(今年の該当馬)
 シルクレンジャー  前走・東京ダ千六
 ワンダーマッハー  前走・阪神芝二千
 ピカレスクコート   前走・東京芝千六
 ダブルティンパニー 前走・中京芝千八
 
【血統】
⑥母父ニジンスキー系の馬        1-0-0-10
このレースの前身・日本短波賞を圧勝したマルゼンスキーは、ニジンスキー直子。それを思えば、ちょっと不思議な感じのするデータではあるが、よく考えてみると日本短波賞の舞台は中山競馬場だった。
ローカル小回りで出入りの激しい流れになる福島千八だと、ニジンスキーの底力は逆に邪魔になってしまうということか?
唯一1着の実績を有するのは、01年のレースを差しきったトラストファイヤー母父はカーリアンだが、こんなタイプは同馬を含め2頭が出走し2戦1勝の戦績を残している。カーリアンに関するかぎり、一概に消しデータとはいえない可能性も考慮しておきたい。

(今年の該当馬)
 シルクレンジャー 母父マルゼンスキー
 ピサノグラフ    母父カーリアン

以上のデータ分析を通じて、「消し材料」がなかったのは以下の4頭。
本命は、このなかから絞りこんでいきたい。

 シルクネクサス
 エイシンサリヴァン
 トップガンジョー
 カネサマンゲツ 

【結論】
 ◎エイシンサリヴァン
 ○シルクネクサス
 ▲トップガンジョー
 △カネサマンゲツ
 △ピサノグラフ
 注ダブルティンパニー
 注コンラッド

先行2騎が後続を離してハイペースを演出した昨年同様、今年も前に行きたい馬が多い。トップガンジョーなど好位勢も早めの仕掛け。となると、中団~後方で脚をためる差し馬にとっても、十分上位進出が見込める流れになるのではないか。

闘ってきた相手関係をみるかぎり、力はシルクネクサスが筆頭格だが、ちょっと負けすぎの感のあるダービーから、どこまで巻き返せるか?正直、半信半疑と言わざるを得ない。今回乗り替わった勝浦騎手が、福島コースを得意としていないことも不安材料だ。

eishin_sullivan_at_aoba_shoそこで◎エイシンサリヴァンの決め手に注目してみたい。
吉田豊騎手の騎乗停止アクシデントで、今回は高橋智大騎手に手綱が回ってきた。その高橋騎手、福島コースは普段から乗り慣れているせいか?意外に相性がよいのだ(05年・福島芝千八での連対率40%)。失礼ながらこの鞍上替わりで人気落ちは確実だし(笑)、能力・展開から最も馬券的に妙味のある穴馬といえそう。

キルトクール指名馬は、トーセンロッキー
後藤騎手人気でソコソコ馬券は売れそうだが、上記の消し材料(ローテーション)に加え、このコースは外枠不利の傾向がハッキリしている。前走は広々とした府中コースで小頭数の条件戦、今回は一転して多頭数の乱戦になる。連勝の勢いはあっても、おそらく出番は回ってこないはず。

7月 3, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ | | コメント (4) | トラックバック (28)

2005/07/01

【書評】競馬よ!夢とロマンを取り戻せ

週刊競馬ブックやサラブnetの辛口コラムでおなじみの日経新聞・競馬専門記者 野元賢一氏による書き下ろしの新刊本である。

4532165229野元氏といえば、一般の競馬マスコミがあまり触れない(触れたがらない?)センシティブな話題に対しても、冷静かつ舌鋒鋭く直言していくスタイルで、関係者やディープなファンの注目を常に集めてきた競馬サークルの御意見番。「競馬よ!」とストレートに題された今回の著作でも、幅広いトピックに目配りを惜しまず、縦横無尽に自説を展開している。たとえば、ハルウララ騒動や、コスモバルクと岡田総帥をめぐる一連のドタバタの背景にあるのは何か?地方競馬の存廃問題、社台ひとり勝ちの様相を呈している業界勢力図、さらには日本競馬への本格参戦を志向する海外勢力(ダーレージャパン)の動向から推察されるニッポン競馬の近未来予想図などなど。

言いたいことが山ほどあるせいか、普段の単発記事ではやや消化不良の印象を受けることもある氏のコラムだが(関連記事)、全編書き下ろしの今作ではさすがに論旨も整理され、「野元学説の集大成」とも言うべき充実した内容となっている。競馬本にしてはお堅い内容なのだが、今の競馬のあり方に少しでも「」を感じているファンならば、最後まで興味を失うことなく、一気に読み進めることができるだろう。

競馬から失われてしまった「夢とロマン」を取り戻すために、今どのような選択と行動がとられるべきか?副題としても掲げられたこの重いテーマを巡って、本書の議論は展開される。

競馬とは、そもそも「欲と打算とリアリズムの世界」・・・・だが、その底流には、様々なスポーツと共通する「無償性」の精神が流れている。より大きな舞台でより強い相手を打ち負かすこと、そんな「無償性」に殉じてリスクを選択しようとする関係者の覚悟こそが、競馬に「夢とロマン」をもたらしてきた・・・・。本書の「あとがき」では、こんな考え方が述べられているが、これこそが野元氏の主張の核心部分だろう。「無償性」を長年にわたって歪めてきた業界内部のもたれ合いや、その結果として噴出した高コスト体質が競馬をつまらないものにしてきたのではないか?そんな現象をひとつひとつ摘出しながら、矛盾に対して異議を唱える野元氏の問題提起は、馬券を通じ日常的に競馬に接している我々ファンの素朴な疑問ともオーバーラップしながら、競馬のあるべき姿に対して多くの示唆を与えてくれるものだと思う。

とはいえ、本書で展望される競馬の将来像に対しては、一ファンの立場から少なからぬ違和感を感じてしまうことも、また事実である。たとえば優勝劣敗の原則にしたがい、自立できない弱者は退場すべきという主張にしたがうならば、地方競馬を容赦なく襲う廃止ドミノもやむを得ないということになってしまう。「弱い馬が走る小さな競馬場」が地域住民の負担となるようでは、不要論に抗するのは不可能であると野元氏は言い切る。その結果、日本競馬の将来図の一端として想定されるのは「JRAと南関東プラスα」という世界だ。各地の地方競馬を舞台に紡がれてきた馬と人の物語という、もうひとつの「夢とロマン」・・・・それが厳しい状況下とはいえ、一顧だにされないというのは、ちょっとやりきれない思いがする。

だが、ここは心を鬼にするしかないのかもしれない。ファンを惹きつけて止まない魅力あるコンテンツで「夢とロマン」を競馬場に蘇らせること、今競馬に関わる人々に問われているのは、そんな難題に正面から立ち向かっていくことに、ほかならないからだ。そのための手がかりの多くは、既にこの本のなかで述べられている。
そんな意味でも、この一冊、紛れもない良書と評しても過言はない。

7月 1, 2005 日記・コラム・つぶやき, 書籍・雑誌 | | コメント (2) | トラックバック (4)