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2005/05/23

【オークス回顧】本命馬包囲網を粉砕した底力

cesario_05221最終的な単勝オッズが1.5倍。圧倒的な1番人気を背負うという重圧をはねのけ、見事、樫の女王の栄冠を手にした福永・シーザリオ
しかし、レース後の騎手インタビューで、誰もが口にしていたように今回は明らかに「負けパターン」の苦しい競馬を強いられた一戦だった。

今シーズン既にJRA・G1を3勝している福永騎手。さすがにこれ以上「一人勝ちは許さない」というのが、出走全騎手の秘めたる胸の内だったのかもしれない。そんな騎手たちの意地が、レースの随所でシーザリオに試練を与える形で発揮され、スローペースながらスリリングできわどい戦いが展開された。発馬直後、隣枠・武豊による巧みな進路カットが本命馬の行く手を塞ぎ、それが奏功したとみるや、先手を取った幸四郎・藤田が暗黙のうちにガッチリ手綱を抑え、全馬動くに動けぬ超スローペースを演出する。さらに勝負所では武豊・デザーモが一歩早くスパートを開始して、後方の福永騎手を慌てさせ、直線にはいると同厩・同馬主のデザーモが再三にわたりブロックを仕掛ける。並の馬・騎手ならば、根負けしてしまいそうな包囲網である。
最終的な2着馬との差は、辛くも「クビ差」。俗な言い方をするなら、薄氷を踏む勝利とでも言えそうだが、シビアな包囲網をすべて突破し、最後は力で他をねじ伏せるような勝ち方をしてみせるのだから、やはりシーザリオは強い
また、不利な状況に追い込まれながら、慌てず騒がず馬の力を信頼する騎乗に徹した福永騎手の剛胆さも、素晴らしかった。正直、馬を操る技量という点では、まだまだトップクラスの域には及ばないと思うし、もっと巧い騎手が騎乗していればここまで窮地に追い込まれることもなかったかもしれないが、ここ一番での勝負強さは驚嘆すべきものがある。今後も、人馬共に目が離せないコンビに成長していきそうな予感がする。

1着 シーザリオ(福永)
cesario_0522_paddockパドックで上から見下ろしてみると、体幅からして、他の牝馬とはまったく造りが違うことがわかる。豊かなパワーを感じさせる筋肉質の馬体。まるで牝馬の中に男馬が1頭だけ混じっているかのような風格が感じられた。シーザリオという馬名の由来は、シェークスピアの喜劇に登場する男装の麗人を意味しているとのこと。なるほどうまい名前をつけたものだ。
パドック周回中は極端なイレコミ・発汗をみせることはないが、騎手が背にまたがると、にわかに闘争心を表面に出してくるタイプ。このあたりも競走馬として理想的な気性といえそう。スケールが大きい反面、実戦に行っての器用さという点で課題を残していると思うが、今の充実ぶりならマイル戦でラインクラフトと再戦しても、力でねじ伏せてしまうのかもしれない。
あえて泣き所をひとつ指摘するなら、極端なベタ爪であるということ。
いまだ道悪競馬の経験がないので適性について即断することはできないが、今後、人気を背負う場面で雨が降り出すようなことがあれば、その点をちょっと慎重に考えておく必要はありそうだ。

2着 エアメサイア(武豊)
air_messiah_0522当ブログ管理人による今回のキルトクール指名馬。しかし、勝馬を別格にすれば、それ以外で最も気配が目に付いたのがこの馬だった。パドックに登場してきた瞬間、自らの判断を激しく悔やむことに・・・・(^^;)
前走との比較でプラス8キロ。とはいえ太め感はまったくなく、むしろフックラとした馬体の作りは、仕上がりの万全さを何よりも雄弁に物語っていた。
レースに行っても、いち早くスパートしている割に、府中の長い直線を通じてしっかりと脚を持続させている。桜花賞のレースぶりをみる限りこんなに長い脚を使えるタイプだとは思えず、軽視してしまったのは早計だった。
他馬のマークがシーザリオに集中していた分、最初から最後まで理想的なレース運びをできたことも奏功したが、この馬自身一戦ごとに力をつけているのは間違いない。

3着 ディアデラノビア(デザーモ)
dia_de_la_novia_0522パドックでは終始チャカチャカ。落ち着き無い仕草で周回を繰り返し、二人引きのスタッフもかなり手を焼いている様子がありありとうかがえた。おまけに今日は、くすんだ栗毛の皮膚に発汗の跡がハッキリと浮かんでいる。正直、そんな姿は何だか痛々しくもあり、眺めているうちに馬券を買おうという意欲が萎えてくる。多くの人もやはりそう感じていたようで、当初7倍台だった単勝オッズは見る見るうちに人気急落。最終的に9倍ちょうどで発走を迎えることになった。
しかし、レースに行けば、スローペースになっても意外に折り合いはつく。末脚の破壊力も健在で、直線に入ってデザーモ騎手が追い出しに掛かると、残り1ハロンの地点ではシーザリオを完封しそのまま差しきってしまいそうな勢いまで感じられた。結果、最後は勝馬の底力に屈する形に終わったが、見所は十分。この馬を◎に指名した自分にとっても、納得がいくレースだった。
激しい気性を考慮しても、距離的には二千前後がベスト。ひと夏越して、馬体・気性に成長がみられるなら、秋華賞で有力どころに一泡食わせる場面があるかもしれない。ただし、いかにも鞍上に成績が左右されそうなタイプだけに、新たなコンビを誰と結成するかは、当然要注目だ。個人的には兵庫の岩田騎手あたりがベストパートナーになるのではないかと思っているのだが、どうだろう。

5月 23, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

山城守さんの冷静な記事、いつも楽しみにしています。今回の私の記事はきわめて冷静さを書いたオークス回顧になってしまいました。お恥ずかしい限りですが、出資者の気持ちということでお笑いくだされば幸いです。

投稿: STAN | 2005/05/24 7:51:03

STANさん、現地観戦お疲れ様でした。
貴ブログの写真を拝見すると、当日はスタンド前の非常に近いところでレースを観戦していたような気が・・・・
回顧記事は冷静にみえるかもしれませんが、競馬場では熱血馬券オヤジをやっているので、「デザーモ、デザーモ、デザーモ。頭っ!」と激しく連呼していました(^^;

投稿: 山城守 | 2005/05/25 0:18:03

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