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2005/05/07

【シアンモア記念観戦記】火花を散らした一騎打ちの大激戦

taiki_xenlon_at_mizusawa_may5一騎打ちなら人気の無いほうを買え」古くから言われてきた格言が、思わず脳裏をよぎった。
岩手競馬・春のマイル王決定戦 シアンモア記念(水沢・ダート千六) ファンの支持は、前年の年度代表馬トニージェントと、このレースのディフェンディング王者タイキシェンロンの2頭に集中していた。

ただし、旗色をみるなら、今回は明らかにトニージェントの優勢ムードである。冬場も他地区遠征で順調に出走を重ね、前走のトライアル戦まんさく賞では後続を0秒8も突き放す圧勝劇。8歳にして円熟味を増した感があり、岩手においてはまさしく敵無しの王者という評判だ。
一方のタイキシェンロンはといえば、今年から船橋に移籍。冬場の出走を見送り4月になってようやく1戦を消化したものの、3着敗退という不本意な結果に終わっている。今回連覇を期して古巣・水沢に遠征を敢行してきたものの、現在の状態で果たしてどこまでやれるか?調教師の発言にも泣きが入っており、楽観は許されないといった雰囲気が漂っていた。
このような両雄の現況比較から、専門誌の本命評価もトニージェントに◎が集中。対するタイキシェンロンは対抗以下という見方が大勢を占め、E紙の本誌予想に至っては、なんと4番手まで印を格下げしていた。前年の覇者にとっては屈辱的ともいえる低評価だが、水沢をふって船橋に移籍したのが祟ってか?地元贔屓のマスコミやファンを敵に回してしまったのかもしれない。

パドックに姿を現した両雄のムードも、まさしく対照的であった。一言でいうなら、「動と静」あるいは「陽と陰」?2頭の周囲に漂うオーラのようなものは、どこからどこまで正反対だったのだ。
tony_at_mizusawa_may5どうじゃ!ワシが水沢の番長だ!」と言わんばかりの気合い・闘志を露わにしながら、あたりを睥睨するようにノッシノッシと歩いていくトニージェント。自他ともに認める王者の風格、満点といったところか。
一方、その直後をやや間隔を開けながら、うつむき加減のタイキシェンロンが歩いていく。その姿は、何やら思索に耽っているようでもあり、内に秘める情熱をゆっくりと暖めているようにも思えた。あるいは、数ヶ月ぶりに踏んだ古巣の感触を、一歩づつ確かめていたのかもしれない。

taiki_xenlon_tomo_at_mizusawa_may5問題は仕上がり具合なのだが、タイキシェンロンの周回の様子をみるかぎり、少なくとも調教師が口にしたような不安材料があるようには見えなかった。馬体は太からず、細からず。ほどよく隆起したトモの上部には、うっすらと銭形の斑紋(競走馬の好調の証と言われる)まで浮かんでる。自分の目から見る限り、好仕上といって差し支えない状態だったと思う。

ちなみにその他の出走馬も、岩手所属の有力どころが顔を揃えていたが、この2強を脅かしそうな存在は1頭もみあたらない。パドックの内目を気弱そうに周回しているデンゲキヒーローは気合い不足、マンボツイストは太めだった前走から馬体が絞れていない。古豪トキオパーフェクトも、中央在籍当時460キロ以上もあった馬体が今では430キロに。すっかり小さな馬に変わってしまった現在、かつての能力を期待するのは酷だろう。
ここは、能力・実績・仕上がりすべての面において2強一騎打ち以外はありえない。パドックでの確認作業を終えたどり着いた結論は、そんなありきたりの見方だった。

往々にしてそんな一騎打ちのレースでは、オッズが極端な低配当になるため、馬券が買いづらいことが多い。しかし、このレースに関しては、両馬の組み合わせによる馬複が直前2.6~2.8倍と意外に悪くない水準を示していた。本来なら1倍台でも文句が言えない組み合わせで、この配当。同日発売されていた船橋かしわ記念(G1)でも、1番人気メイショウボーラー・2番人気アドマイヤドンによる馬複が約2.5倍だったが、いかにも波乱の目がありそうなG1(実際波乱になった)に比べれば、こちらのほうがほぼ確実に的中が見込める。タイキシェンロンに対する不安説が根強い分、配当期待値は悪くないと判断して、馬券はG1を見送ってこちらで勝負することにした。そこで冒頭の格言の登場となる。当然、狙い目はタイキのほうへ。
元金回収分の馬複を押さえたうえで、タイキシェンロン頭・トニージェント相手の馬単とタイキの単勝馬券で勝負。気分的にはほぼ1点勝負だが、念のため草地エスエヌハヤテの馬券も気持ちだけ押さえておく(^^;さて、結果は・・・・

■第31回 シアンモア記念 上位着順
 1着 タイキシェンロン(小林俊彦)2番人気
 2着 トニージェント (村上忍) 1番人気
 3着 ハセノエブロス (菅原勲) 6番人気

かしわ記念も盛り上がっていたようだが、現場で見ていたせいか、こちらのレースもなかなかの名勝負だった。直線では両雄の面子と面子がぶつかって、まさに火花を散らすような一騎打ちの大激戦。トニージェントの猛追を辛くも凌いだタイキシェンロンが先頭でゴール板を駆け抜けてくれたおかげで、運良く馬券を当てることができたが、2着馬も敗れてなお強しの内容だったと思う。

これでシアンモア記念2連覇となったタイキシェンロンは、あらためて水沢千六コースへの適性の高さを証明した形。初コンビとなった小林騎手との呼吸もピッタリで、こうなってくると、今さらながら南関東移籍という判断が惜しまれる。昨年の成績をみても、明らかに左回りの盛岡より、右の小回り・水沢を得意としており、左回りの船橋や川崎では辛いタイプかもしれない。岩手マイル王者の面子にかけても南関東でガンバってもらいたいが、それより再度岩手遠征に活路を見いだしたほうが得策なのかもしれない。

5月 7, 2005 岩手競馬, 旅打ちコラム |

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コメント

TBありがとうございます。

タイキシェンロンはこのレースでは一番人気になってしかるべき存在だったと思います。
実力・適正からいっても山城守さんのおっしゃる通り!!
感情が入った結果の2番人気なんでしょうね(^^;)
重賞をすべて交流レースにした以上こういうことになるのは分かってました。
今更ウダウダ言っても仕方ないのでこれからは暖かく見ていこうと思います。
反省・・・

投稿: 坊主 | 2005/05/07 13:51:35

坊主さん、コメントありがとうございます。
タイキシェンロン、当日の鞍上が小林騎手だったこともあって、何だかほんとうに「岩手の馬」という感じでしたね。この馬はやはり岩手の水が合っているタイプだと思います。
今からでも遅くはないので、水沢所属にカムバックしてくれると嬉しいのですが。

投稿: 山城守 | 2005/05/08 1:16:14

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