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2005/01/13

【ダート競馬考察】凍結防止剤による影響を検証してみる

winter_dirt今週号の週刊競馬ブック。ラジオたんぱアナウンサーによるリレーコラムで、
小島友実さん(GCのA1ニュースステージでもおなじみ)が、興味深い記事を書いていた。
冬のダートを守る凍結防止剤」・・・・なるほど、コアな競馬ファンにとっては、厳冬期のこの時期、非常に気になるキーワードである。

(写真は水沢競馬場です)
最近は、JRAのホームページなどでも、ダートコースの管理について砂厚調整や散水の履歴などとともに、凍結防止剤散布の情報が公開されている、だが、そのことによって馬場にどんな影響が出るのかという肝心なポイントは、「よくわからなかった」というのが、本当のところではないだろうか?とりあえず、凍結の恐れが少なくなることだけは、間違いないと思うのだけれど・・・・
一般によく言われるのが、冬場になってダートコースに凍結防止剤が撒かれると、「砂質が重く、力が要る馬場になる」という説である。しかし、小島さんが取材した中山競馬場の馬場造園課長は、「凍結防止剤によって時計がかかることはない」と、この説を真っ向から否定しているというのが興味深い。
凍結防止剤に関する部分について、記事を要約してみると、こんな感じになる。

①凍結防止剤の成分は、主に塩化ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムから成っている。このうち、塩化ナトリウムがダート中に溶け、凝固点を下げる作用をする。実物は白い粉末状で、意外にサラサラしている

②凍結防止剤は、年末開催の後半4日目ぐらいから散布する。雨が降ると流されてしまうので撒き足すが、降らなければ撒き足さない。

③凍結防止剤を入れても低温になれば馬場が凍るときはある。そんなときは、徹夜でハローがけをして凍結を防止する。

④凍結防止剤は保湿性があるのでダートに入れるとしっとりした感じになる。むしろ時計が速くなることならありうるが、馬場が重くなる原因にはならない。

⑤冬のダートが重くなる原因は、季節的な含水量の違いに尽きる。つまり、冬場は砂の乾燥が著しくパサパサの状態になるため、どうしても時計がかかってしまう(凍結の恐れがあるので、あまり散水もできない)

なるほど、と思わず納得してしまった。
だが、凍結防止剤がダートの馬場状態に何らかの影響を与える可能性はほんとうにないのだろうか?JRAの情報によると、この冬、中山競馬場で凍結防止剤が撒かれたのは、12月15日(水)1月4日(火)の2回。そこで、その前後のダートレースに関するデータ(走破時計・好走馬の傾向)を検証し、実際のところどうなのか?真偽を確認してみることにした。
分析のサンプルは、年末年始の中山競馬場・ダート1200メートル・古馬500万下のレースとした。このサンプルなら、出走メンバーによるレベルの高低をあまり意識する必要はないし、何よりも他の条件に比べ例数が豊富である。ちなみに、この期間の競馬開催日の天候はほとんど晴れ馬場発表もすべて良馬場となっていた。

■ 中山 ダート1200m 500万下 年末年始の決着傾向

日付タイム連対馬の父馬体重脚質
12月15日★凍結防止剤散布
12月19日1着1.11.8ビコーペガサス478差し
2着1.12.0エンドスウィープ446先行
12月25日1着1.12.6ブラッシングジョン464後方
2着1.12.8コンキスタドール484後方
1月4日★凍結防止剤散布
1月5日1着1.12.6エブロス468差し
2着1.12.7ディアブロ498先行
1月8日1着1.12.3ダンシングブレーヴ514先行
2着1.12.3キングマンボ410差し
1月9日1着1.12.1ヤマニンゼファー454差し
2着1.12.1コロナズクエスト484差し
1月10日1着1.13.2キンググロリアス502先行
2着1.13.3アサティス476差し

※種牡馬の色分け
黄色はターントゥ系、青紫はミスプロ系
水色はナスルーラ系(レッドゴッド系)、ピンクはノーザン系を表示

12月の時点では、凍結防止剤を撒いた直後にあたる12月18日のほうが、暮れの開催よりも早い時計の決着になったことが注目される。凍結防止剤で馬場が重くなるのなら、この傾向は逆になるのが道理だと思うが、実際にはそうならなかった。
1月のデータに関しても、凍結防止剤が散布された1月4日から最も時間の経過した開催4日目=1月10日に一番時計を要している。このレースは牝馬限定戦であり、出走メンバーが他に比べワンランク劣っていたという可能性もあるが、少なくとも、自分がテレビ観戦で受けた印象では、この日の馬場はパサパサの乾燥ダート。力の要る馬場状態が決着時計に与えた影響は、4日目が一番大きかったと思う。
連対馬の脚質や、種牡馬の傾向、馬体重などを見渡しても、2度にわたる凍結防止剤の散布が、ダート競馬の決着傾向に何らかの影響を与えているという証拠を見つけ出すことは結局できなかった

同じ古馬500万下条件で、距離1800メートルのレースについても、同様にデータを洗ってみよう。

■ 中山 ダート1800m 500万下 年末年始の決着傾向

日付タイム連対馬の父馬体重脚質
12月15日★凍結防止剤散布
12月18日1着1.54.7サザンヘイロー506逃げ
2着1.54.8ジェニュイン494先行
12月26日1着1.56.0サンデーサイレンス522先行
2着1.56.3サクラローレル490逃げ
1月4日★凍結防止剤散布
1月5日1着1.55.2ミシル460差し
2着1.55.3アジュディケーティ486先行
1月9日1着1.56.6ディンバーカントリ470差し
2着1.57.0バブルガムフェロー424先行
1月10日1着1.55.5ブライアンズタイム470差し
2着1.55.8ブラックタイアフェア524先行

こちらも、1200と同様の傾向。12月においては、凍結防止剤散布直後のほうがむしろ時計が速く、芝適性もありそうなターントゥ系種牡馬の子が好走しているのが、面白い。ちなみに1月9日のレースは、やはり牝馬限定戦のため?他よりも時計がかかっているようだ。

凍結防止剤の有無にかかわらず、冬の中山ダートは、パワー優先の乾燥馬場という見方が基本。これが、現在のところ一応確認できた「傾向と対策」ではある。
とはいえ、以前、水沢競馬場に関する記事でも書いたように、ダートの馬場は天候や気温の変化による影響を受け、ある時を境に劇的に変化することも少なくない。たとえ現場に足を運べないときでも、テレビ画面や当日の決着時計から得られる情報への嗅覚を鋭くし、慎重に馬券作戦を組み立てていきたいものである。

1月 13, 2005 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

凍結防止剤のためにダートで時計がかかるようになるのは、重や不良馬場の時にダートが粘り気を持つ場合では?

投稿: リーチ一発 | 2005/01/25 3:01:35

リーチ一発さん、コメントありがとうございます。
ダートの道悪だと、脚抜きのよい高速馬場になる場合と、極端に時計がかかる場合の両方の状態がありうるので、難しいですね。結局、凍結防止剤よりコースの含水量の影響のほうが大きいので、あまり先入観を持たず午前中のレースのタイムなどから馬場状態を判断するのがいいと思います。


投稿: 山城守 | 2005/01/26 21:14:31

Target de WinGetのKAZ.です。

去年の冬に凍結防止剤の記事をなにかで読んだと思い検索したところ
山城さんのブログで読んだ記憶が蘇ったので、リンクを貼らせていただきました。

投稿: KAZ. | 2005/12/19 11:36:36

凍結防止剤の件、いろいろと考察した割りには、結局、馬券作戦にはあまり役立っていないような気がしております(汗)
ノーザン系は、やはりパワーを要するコンディションでこそ!でしょうね。

投稿: 山城守 | 2005/12/21 1:25:52

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